候補地選定調査への動き
原子力発電所で発生する高レベル放射性廃棄物の最終処分場の候補地を選定するため、2017年7月に経済産業省が「科学的特性マップ」を公表している。同省は「国民の理解を深める」として、このマップについて対話型全国説明会を開催しており、下関市での説明会が来月開催されることとなっている。
「地層処分」は、高レベル放射性廃棄物を地下300㍍以深の岩盤に埋設するもので、これまで総合資源エネルギー調査会に設置された地層処分技術ワーキンググループでその要件・基準が議論されてきた。
2017年4月に同ワーキンググループがとりまとめた検討結果では、最終処分場候補地として好ましくない要件・基準として「火山・火成活動」「断層活動」「隆起・侵食」「地熱活動」「火山性熱水・深部流体」「軟弱な地盤」「火砕流等の影響」「鉱物資源」を、好ましい範囲の要件・基準として「輸送」(海岸からの陸上輸送が容易な場所)をあげている。
この検討結果を受けて同年7月、経済産業省が既存の全国データにもとづいて、候補地となりうる地域を色分けした「科学的特性マップ」を作成・公表した。同マップ上では、下関市は旧市部分のみ「好ましくない特性があると推定される地域」とされているが、そのほかは「輸送面でも好ましい地域」に含まれている。この先、原子力発電環境整備機構(NUMO)が処分地選定調査をおこない、処分地を選定することになる。
全国でおこなっている対話型説明会は、このNUMOの調査受け入れの素地をつくるものであり、注視すべき動きとなっている。下関市での説明会は、11月18日(日)午後1時30分から午後4時まで、海峡メッセ下関801大会議室でおこなわれる。主催は経済産業省資源エネルギー庁・原子力発電環境整備機構(NUMO)。事前の参加申し込みが必要となっている。