来年3月末での新たな雇い止め等が次次に発覚している梅光学院(下関市)で、事務職員のうち責任者クラスの職員がやめることが明らかになっている。これまで学生たちも含めて「経営方針を支持している学院側の人」と認識されてきた人人が年度途中で退職したり、3月末でやめることから話題になっている。
梅光学院は来年4月からの採用で、「就職支援部門の責任者」「広報部門の責任者」を含む4件の求人をハローワークに出している。
就職支援を担当するキャリア支援センターの責任者は現在、2015年に梅光に来た元リクルート社員が務めている。これまで梅光学院大では教員も就職支援にかかわっていたが、そのかかわりを排してキャリア支援センターがおこなう体制に移行しようとしていた。すでに教員志望の学生の就職指導を担当していた教員は雇い止めで学院を去り、幼稚園・保育園の就職支援にかかわっている教員には今年度末での雇い止めを通告している。頼る教員がいなくなった学生は、キャリア支援センターを頼らざるを得ない。
しかし、キャリア支援センターについては、学生の個人情報を盗まれる事件が起きた後も個人情報の取り扱いがずさんであることや、大企業(上場企業)への就職が幸せだという価値観で指導がおこなわれること、また公立幼稚園・保育園に就職を希望する学生には積極的にかかわるものの私立の就職希望者には関心がない、公務員試験に合格すれば「公務員講座のおかげだというように」というなど、対応に疑問を感じる学生も多くいる。「キャリア支援センターの成績、学院の実績づくりにしか関心がない」と不信が広がる要因ともなってきた。こうした対応は学院の経営方針に忠実に従ってきたものといえるが、その責任者が、やめるのかやめさせられるのか、学院を去ることになった。
同時に、学生募集などをする広報担当(アドミッションセンター)の責任者もやめることになっている。最近、「マネジメントスタッフの人事考課」として、各部署全員を呼び研修をおこなっているようで、そうした研修に不満があったのではないかと指摘する人もいた。
キャリア支援センターでは最近、同じく学院の方針に従ってきたはずの女性職員が、約半年のあいだに精神的に疲弊してやめていった。「中高に移動するように」という只木統轄本部長の指示に対して、「頑張るのでこの部署で働かせてほしい」として断ったのを機に突然ハラスメントを受けるようになったという。周囲から見てもかわいそうなほどだったとみなが話題にしている。
現経営陣らが真っ先に「改革」の対象とした事務職員のなかでは、教員以上にいいたいことのいえない空気が強まってきた。問題点を指摘したり反論すれば閑職に追いやられたり、精神的に追い込まれたりするからだ。教育の場で、異常なほどに上層部の顔色をうかがう空気が横行することも問題だが、仲間と見なしてきた職員からも逃げられて、今後の学校運営をどうしていくのかも注視されている。