下関市議会の平岡泰彦議員が3月末で副議長を退任したということで、本人が「副議長退任祝賀会」を開催する旨の案内状を関係する人人に送付して驚かれている。1年前の就任祝いの際も会費を集めて祝賀パーティーを開催して物議を醸したが、たかが市議会議員ごときが再び参加費7000円もするパーティーを開くというわけで、何をそんなに思い上がっているのだろうか? と話題になっている。
抜け目ない金銭勘定 市議如きが…の声高まる
平岡泰彦といえば、もともとは自民党林派所属で知られていたが、安倍派に頭の上がらない林芳正参院議員はじめとした親分たちと袂を分かち、近年は安倍派に転向したことで知られてきた。カネ集めのためなら何でもイベントにしてしまう抜け目なさをあらわすと同時に、小商人のようにカネを欲しがる議員体質が問題視されている。
それにしても、周囲はいったい退任の何を祝わなければならないのだろうか? 「慰労」でもなく「祝賀」と銘打っている点がまず第一に不思議がられている。地元出身代議士たちの大臣就任パーティー等等を真似したものと見られているが、一般的には市議会議長就任でもおこがましいというか、「喜びすぎ」「はしゃぎすぎ」と見なされておかしくない。ましてや副議長就任・退任パーティーなど聞いたことがないものだ。
しかも下関市議会の場合、副議長は毎年のように首がすげかわり、自民党安倍派の最大会派である志誠会と公明党がたらい回しにしてきた。仲間内で報酬アップと公用車付きのステイタスを満喫するために、地方自治法で定められた本来の任期とは別に、議長2年、副議長1年を「紳士協定」で申し合わせ、そのたびにいったん辞職願を提出して退任の「儀式」をすませ、また同じポストを選び直すという事をやっている。おかげで副議長経験者はたいして力などない者も含めてゴロゴロといるのが現状だ。この男たちの「一年副議長」制度のために、どうして周囲の企業や後援会、友人・知人がカネを出さなければならないのか? である。
2011年の市議選において、選挙カーへの公費助成制度で受けられる補助金の額を実際よりも多く申請し、受けとっていたのが平岡泰彦だった。07年の市議選でも選挙カーの公費助成を申請する際に「タクシー会社と一括契約した」と偽りの届出をおこない、知人のタクシー会社は合わせて90万3000円を支給されていた。実際には選挙カーは妻名義の自家用車を使っていたにもかかわらず、みずからが七日間乗っていた選挙カーを「タクシー会社のもの」と偽り、詐欺のように公金を横領していた事件だった。
しかし、その後、公金横領の常習者が返金したことによっておとがめなしになり、ついには副議長にのぼり詰め、今やカネに目がない体質を丸出しにしてパーティー狂いと化してしまっている。7000円を出す側も罪作りで、ますます悪弊を助長しているといえる。
下関市議会には、他にも会費4000円の市政報告会を年に何度も開催して周囲を困惑させている林真一郎とか、カネ集めに抜け目ない面面の話が絶えない。政治資金規正法などどこ吹く風で、何事においても金銭勘定が先立つ人種が議会に生息しているのである。これらが自民党下関支部の幹事長など三役を歴任していて、何ともいえない政治風土を築いている。「豊前田の種馬」とか「婦女暴行幇助」とかの議員も野放しで、自民党安倍派であれば何でも許されると思い上がっている体質が腐敗の温床となっていることは疑いない。汚れ勢力の「活躍社会」にされたのでは、郷土下関が浮かばれない。