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安倍vs林のその後やいかに… 長門市長選でバトル勃発 安倍派分裂仕掛ける林 手を突っ込む自民党山口県連【記者座談会】

 安倍晋三元代議士亡きあと、選挙区内で初めての首長選となる長門市長選が11月12日告示、同19日投開票でおこなわれる。再選をめざす現職の江原達也(60歳)と、今年8月に市役所を辞職した前教育部長の南野佳子(60歳)の一騎打ちになる見込みとなっている。南野が出馬を表明した八月以降、人口3万人ほどの町において、多くの有権者はどことなく蚊帳の外に置かれたまま、もっぱら自民党同士が内部分裂して激しい前哨戦をくり広げており、お膝元は大混乱に陥っている。喧々囂々(けんけんごうごう)とした自治体トップの座を巡る争いが展開され、感情的にもぶつかりが酷くなっていることから、下関や近隣の自民党関係者たちも「恐ろしくて近づけない」「とにかくひどい」「選挙後にしこりが必ず残る…」というほど、自民党内の対立が深まっているのだという。なにがどうなっているのか、安倍晋三及び安倍事務所亡きあとの選挙区の変化について、本紙記者たちで論議してみた。

 

露骨な現職江原外しが動く

 

長門市長選の立候補予定者のパンフレット

 A 今回の市長選では、現職の江原が2期目を目指すことがわかっていたほか、6月に元川尻漁協参事の80代男性が出馬を表明していた。ところが、選挙戦まで残り3カ月に迫った8月になって事態は急展開を見せた。1日付で長門市役所の教育部長だった南野佳子が辞表を提出し、同15日に退職。その後に出馬を正式に表明した。退職後に自民党に入党したのだという。

 

 南野は江原市長体制のもとで初の女性部長に抜擢された人物でもある。市役所のなかでも「まさかあの人が…」と驚きの声の方が大きかった。そして、入党から1カ月もたたない9月4日、自民党山口県連が現職の江原から出ていた推薦願いを蹴って、あろうことか新人の南野に推薦を出すという異例の決定をした。自民党山口県連の中心部分及び南野界隈が結託していたのか、トントン拍子で事は動いた。それはまるで、現職の江原外しが企まれたようなできすぎた展開でもあった。

 

 現職の江原はもともと、前回市長選で安倍派現職の市長だった大西を破って、周囲をアッと驚かせる当選を果たした。番狂わせでもあった。大西の不人気がすさまじいもとで、変化を求める有権者、とくに若手や女性たちが支える形で押し出されてもいた。大西は安倍派で、この時の市長選挙では安倍事務所筆頭秘書の配川が指揮棒を振るったし、幾人もの周辺自治体の自民党市長たちも乗り込んで応援するなど、テコ入れはすごかった。

 

 ところが、「安倍寛を源流とする安倍派」を自認するような安倍派も含めて江原支持が広がり、大西陣営は敗北した。とはいえ、江原も自民党所属の安倍派であり、安倍昭恵との繋がりなども持ちつつ今日に至っている。

 

 C そして4年たった2期目の今回、「江原外し」が露骨に画策された。自民党推薦をもらった南野の9月末の事務所開きには、次期衆院選で長門市を含むこの地域の選挙区をものにした林芳正、参院議員の江島潔、北村経夫、先の衆院山口4区補選(4区最後の選挙)で安倍晋三の後継となった吉田真次と、4人もの国会議員本人が駆けつけて気勢を上げるなど、小さな町の首長選とは思えない異例づくしの様相を呈し、地元の人々を驚かせた。そして自民党に右へ倣えの連合山口も9月末に南野推薦を決定した。

 

 こうした展開について、江原陣営からすると、「どうして現職のうちに自民党推薦が下りず、なんの実績もない南野に推薦が下りるんだ」「自民党員といっても、長年尽くしてきた江原に比べて入りたてのヒヨコではないか」と不満がくすぶるのも当然だ。しかし、なんだか長門市の外側から自民党県連レベルで「江原外し」の力が働いているのだ。そうはいっても安倍派でもあった江原を外して、この地域の代議士ポストに君臨するであろう林芳正が露骨に南野の応援につき、江島、北村、吉田といった清和会所属メンバーたちも加勢。地元県議も南野につき、なんなら江原から退場させられた安倍派の大西前市長までがついている始末なのだ。安倍派安倍派のぶつかりでもあり、自民党支部が真っ二つに分裂して喧々囂々(けんけんごうごう)している。侃々諤々(かんかんがくがく)ではない。

 

  「大西(前市長)と笠本(自民党県議)が南野を立てたんだ」とみんながいっている。大西倉雄前市長(元県議、日置町出身)は、先ほどからも話になっているように、2019年の前回市長選で江原に233票差で破られた経緯がある。振り返ると、このときの市長選も大波乱だった。市議会の18人中17人が大西の支援に回り、地元政界のボスたちも大西支援でまとまり、それこそ前田晋太郎下関市長や藤井律子周南市長などが大西の決起集会に駆けつけて応援するなどしていたし、安倍派総出で大西を応援したのに、まさかの敗北という結果になったから、大西自身はたいそう悔しがっているのだそうだ。

 

 そして、笠本俊也は、今春にあった県議選で自民党候補は自分なのに、江原がY鉄工グループが推す無所属・新人を応援したことを恨んでいて、しこりが残っているという。江原本人は「自分は関係していない」といっているそうだが、南野陣営の方は「役所のFAXから出馬会見の情報を流したりしていて、だれが見ても応援していた」といっている。そして、「県議選で自民党公認候補を推さなかったのに、自分の選挙で自民党の推薦がほしいというのは虫がよすぎやしないか」ということで、南野に推薦を出したのだという理屈にもなっている。

 

 兎にも角にも様々な感情が渦巻いていて、長門の自民党が真っ二つに割れているのだ。放って置いたら長門に限定された市長ポストの争奪戦にすぎないのだが、そこに自民党県連や林芳正、さらに自民党所属の国会議員たちまでが首を突っ込んで片側を応援し始めたものだから、余計にでも感情的になるし、自民党内でのバトルで火に油を注ぐようなことにもなっている。

 

強引だった推薦の決定 天皇と化す柳居俊学

 

  自民党三隅支部では党員から支部長に対して、「なぜ南野を推薦したのか経緯を説明してくれ」という要請書が出ており、油谷支部からも提出される動きになっているという。相当強引に自民党の推薦を決めたことをうかがわせる動きだ。自民党県連は、長門市内4支部の意向を踏まえて決定したといっているが、三隅支部の党員が出した要請書は、「地元紙で『辻野史朗支部長を中心に対応を検討。地区内の党員は約30人。意見集約したところ、南野さんの推薦が多かったことから、南野さんの推薦を決めた』と報じられたが、支部の多くの自民党員はなにも聞かされていないなかでの決定だった」と訴えている。自民党県連への推薦願い自体、三隅支部主要役員に対する報告や事後報告もないままおこなわれたといっており、支部長に推薦決定に至る経緯について説明を求めている。

 

 要請書にも書かれているが、江原は市議会議員時代に日置支部長を務めるなどしてきた一方、南野は政治経験がなく自民党入党から1カ月にも満たない候補者。だれがどう見ても、推薦決定は異例中の異例だ。江原をすげ替えるという強力な意志が働いており、ボトムアップではなく上意下達でやられているからこういうことになる。今回は市議会もばらばらで、自民党推薦が出たからといって、南野で一枚岩になっているわけではないようだ。まあ、前回市長選の展開からして市議会が一枚岩になったところで市長選に敗北するような有り様ではあるのだが…。

 

  これだけ地元の党員を二分するようなことを、大西と笠本の個人的恨みだけでやったとは思えない。むしろ、「自民党山口県連、県議会の意向が働いた」という話の方が納得がいく。明らかに長門の外側から力が加わっているのだ。

 

 江原陣営は、南野推薦は柳居俊学(県議会議長)などもかかわって決めたことだと随分立腹している。山口県議会で安倍派から林派への転向が雪崩を打って進んでいるのは周知の事実であって、いまや自民党山口県連及び県政において柳居俊学は天皇と化している。この男が林芳正とツーカーであることも周知の事実なのだ。

 

柳居俊学県会議長

 地元では「元安倍事務所秘書だった望ちゃん(平岡望、油谷町大浦出身)も早々と林に寝返ったという話を聞いている」と話す自民党関係者すらおり、「新3区に林さんが帰ってくるのに、江原さんではまとめられないから…」(南野支援者)というのが江原更迭の一番の理由のようだ。これまでの流れからすると、一見すると安倍派vs安倍派のたたかいに見えるが、どうも林派が仕掛けたのではないかという見方もできるわけだ。誰がどう見ても自民党県連が手を突っ込んで動かしていることであり、いまやその自民党県連で天皇の如く権力を手にしているのは柳居俊学であるという事実について、反論があるならいってこいと思う。白馬に乗った殿様ならぬ「センチュリーに乗った柳居様」なのだ。

 

 県議会では柳居俊学が議会棟を移動する際、野党議員などは天皇のお目汚しをしてはならないということなのか、部屋やトイレから出て来ようものなら議会事務局の職員が「いまは出てこないで下さい」と慌てて制止するのだそうだ。わたしたちからするといったい何様かと思うが、県議会や自民党県連でそれだけ絶対的な権力を掌握しているわけだ。先の補選でも吉田真次や岸信千世が俊学に頭が上がらなかっただけでなく、ガキ扱いで叱り飛ばされながらの選挙だったと評判だ。

 

  「江原では長門がだめになる」という理由の一つに、県との関係が悪いことをあげる南野支援者は多かった。今年の豪雨災害でJR美祢線や山陰線が断絶しているが、県知事への復旧要望に同行したのが下関市長と美祢市長だけだったとか、安倍晋三が生きているあいだは、安倍―江原でうまくいっていたが、安倍がいなくなったら県や国とのパイプがないという人もいた。「県とうまくいかない」というのは、林派がますます勢いを増している県政や自民党県連との関係としか思えない。

 

入り乱れる野心や私憤 派閥争いに市民辟易

 

南野と林芳正の二連ポスターには「やり過ぎ」との批判も

  自民党が二分されているので、だれも今回の選挙は読めないが、事務所開きに林芳正を筆頭に国会議員が4も乗り込んで来たものだから、南野陣営の方も「これで負けたら切腹もの」と囁かれるほど、ものすごいプレッシャーのようだ。票が減るから大西倉雄は動いてはいけないと決まるなど、とにかく南野を当選させるために必死になっている。まあ、どれだけ大西が嫌われてるんだよ! とも思うのだが…。そもそも有権者が3万にも満たない小さな市で、事務所開きごときに国会議員がこれほど乗り込んで来るのなんて、長年選挙にかかわって来た人たちも見たことがないと驚いている。

 

 江原陣営からすると、こうした事態をむしろ逆手にとって「長門の外側から外部勢力が市長を決めようとしている!」と叫ぶのも効果的なのかなと思うほどだ。仮に自分が選対本部長だったら裏返してオセロゲームにすることを考えると思う。激しい前哨戦とはいえ、いまやられているのは自民党同士の主導権争いなだけであって、そんな醜い争いを見たうえで有権者が最終的に判断することだ。自民党員の党員投票で市長が決まるわけではないし、ましてや自民党県連及び林芳正や柳居俊学が市長を決めるわけでもない。決定権は市民にあるのだ。そこを思い上がったり勘違いしてはならない。

 

  南野陣営の事務所開きのとき、林芳正だけ最後まで残って支援者と握手していたらしく、その姿を見た人は「次の衆議院選挙のために動いているのだろう」といっていた。だが、こんな強引なことをすれば逆効果ではなかろうかと思う。南野陣営は、江原市長がみずほ銀行に所属していた経験を前面に出し、行政の手法を飛びこえてトップセールスで次々に大企業と約束をしてきて行政職員が振り回され、やる気を失っていることを問題にしている。楽天農業を呼んできたり、最近では大洋エーアンドエフと仙崎湾でマグロの養殖事業の協定を結んだが、これも関係者や担当課も寝耳に水だったとか、長門市沖の洋上風力計画も山口大学ベンチャーと勝手に話をつけてきたのだとか、そうした行政のあり方を指摘している。こちらも市庁舎内に不満や反発があるという話は耳にするし、それらの指摘は一面、事実だと思う。だが、市政に審判を下すのはあくまで市民だ。ここまでなると市民のなかから「江原いじめじゃないか」という声も上がっていて、どこまで市民がついていくかは不明だ。

 

  南野の評判についてもいろいろで、「林先生に泥を塗るわけにはいかない」という一点で応援している人もいる。逆に江原を支援している人たち、いわゆる安倍派も、安倍晋三がいなくなった後、新3区は林芳正しかいないので、次は林芳正を応援する心づもりだったという。「だが、こんな禍根を残すことをすれば、次は入れない」と憤りを語っていた。当然だろう。そうなると林芳正の新3区デビュー戦では長門の自民党は今回の市長選によって一枚岩となって応援することはないだろうし、片側がそっぽを向くことになる。林芳正も間が悪いというか、安易に南野に肩入れしたことが仇となる関係だ。支援者としてとり込めたであろう人々の機嫌を損ねたのだ。恐らく江原陣営についている人々の感情からして、維新なり他党に流れる可能性もあるだろうし、棄権する人が増えるのではないか。「林? 勝手にしやがれ!」と思っても仕方ない。

 

 A 南野陣営が組織を固める一方で、江原陣営の方は安倍派のコスモス会の女性たちが必死に動いていたり、元日置町長の父親が杖をつきながら回っているという話だ。今月22日には、安倍昭恵がロックフェラー家第5代当主を招いての講演会を「ラポールゆや」で企画していて、江原と一緒にコメンテーターを務める予定で、この企画も選挙に向けた一つの動きになっている。これはこれで、「なんで長門にロックフェラー・ジュニアが来るのか?」と仰天している自民党関係者も多い。

 

吉田真次

 そんななかで股裂き状態になっているのが吉田真次だ。南野の事務所開きに参加することを安倍派の支援者から止められたようだが「行かざるを得なくなった」のだそうだ。このまま、かりに安倍昭恵(吉田の後援会長でもある)が江原の選挙カーに乗ったりするような事態になれば、いったい吉田真次はどうするのか? とみな興味津々だ。吉田真次からすると自民党県連すなわち柳居俊学が動いているとわかっていたら、とてもではないが江原陣営には肩入れできない関係だ。

 

  江島はものすごくこまめで、事務所開きのあとのミニ集会みたいなのにも電報を送ってきたり、秘書が来たりしているとかで、あまりのこまめさに「衆議院に行くことを狙っているのではないか」という憶測も流れている。安倍晋三がいなくなったもとで、安倍派・林派が入り乱れ、権力争いや私憤、それぞれの思惑もまじりあって、長門市長選は大混迷の様相なのだ。

 

思い上がりには反発も 2万円のパーティー券!?

 

 B 長門市長選がそんな有り様だが、要は安倍晋三が亡くなったもとで自民党山口県連や県政レベルで権力構造が音を立てて変化しており、その反映にほかならない。下関でも自民党安倍派の県議たちは林派が牛耳る県議会で次々と転向しているともっぱらで、次なる権力構造にこぞって尻尾を振り始めたようだ。安倍事務所が解散し、長門や下関ではそれまで権力構造のトップに君臨していた者による束縛が解かれ、ある意味、そっち方面の人々のなかでは大混迷が広がっている。

 

 安倍事務所の筆頭秘書だった配川も精神的にやられているそうで、実家の美祢に引っ込んで農業でもするそうだ。もともとが農協職員だ。安倍事務所解体で看板をすげ替えて吉田事務所、吉田後援会を立ち上げたといっても、人材まで含めてまるで別物なのだ。吉田後援会はもはや昔の安倍後援会ではない。徐々にフェードアウトしていくことを余儀なくされるのは必然だろう。

 

林芳正

 A それで林派が天下をとった気になっているというのも特徴ではないか。10月初旬に林芳正が無料の国政報告会と懇親会(1枚2万円のパーティー券)を開いて、下関では物議を醸している。安倍晋三はせいぜい新春の集いで3000円の会費を徴収するくらいで、1枚2万円のパー券を地元で売りさばくようなことはなかった。そのような政治資金集めは東京でやっていた。下関のような田舎で、いくら企業経営者といえでも7~8枚とかの券を押しつけられると、さすがにどん引きしている。「オレたちから巻き上げるのか?」と――。しかも、秘書のFが思い上がっているのか、横着にも郵送で送りつけてきたと非難囂々(ごうごう)だ。安倍事務所の秘書たちは、そうはいっても足を運んで3000円の券を売りさばいていた。だから余計にでも「林事務所が思い上がっている」の評判になっている。

 

  秘書が直接持ってきたとはいえ、30枚以上持ってこられてご立腹している経営者もいるそうだ。60万~70万円出せという意味にしかならないし、今後林芳正が新3区に君臨するといった場合、毎年のようにこうした政治資金を上納しなければならないのか? いい加減にしろよ! と話題になっている。林派は昔から小商人(こあきんど)の評がつきまとうが、こういう振る舞いをするから余計にでも「この小商人が!」といわれるのだ。

 

 今回のパーティー券郵送問題は、地元下関からカネを吸い上げていくと同時に、「これからは林の時代だが、どうすんの?」の踏み絵を迫られたようにも受け止められており、極めて悪質なやり口だと批判する人々も少なくない。とりわけ安倍派に所属していた自民党関係者のなかでは、「あんまりだ」と口々に語られている。あまりにも批判が強いのに慌てたのか、サンデンと合同ガスから急遽秘書を派遣したのだそうだ。

 

  思い上がりをあらわしているし、ある意味、人情の機微とかに疎いといえるのではないか? 細やかな心配りができないというか野暮というか、それをしたら人はどう思うかが慮れないのだ。長門市長選しかり、下関での国政報告会しかり。頭を下げきらない坊ちゃん体質が早速露呈している。2万円のパー券を送りつけてくるのだから、それは「ふんぞり返っている」といわれても仕方ない。

 

 そのようにして長門の安倍派も怒らせているが、下関の安倍派も怒らせてしまって、いったい新3区をどう闘うのだろうか? と甚だ疑問だ。林派だけの力などたかが知れている。持ちつ持たれつで安倍・林が共存してきたのに、こうも思い上がった振る舞いを始めてしまっては元も子もない。まあ、自民党のことなんて知ったことかと思うし、長周新聞なんてまったくの部外者で関係もないのだが、傍から客観視して明け透けにいってしまうと、バカなんだろうか? とは思う。「反知性主義者」なんて言葉は使わない。バカはバカなんだから、それを指摘する者が周囲にいないならなおさら悲劇的だろう。

 

  しかし俯瞰して見たとき、これは自民党の腐朽衰退をあらわしているようにも見える。長門にせよ、下関にせよ、これまで保守王国なんて表現もされてきたが、自民党支配の基盤が音を立てて崩れ始めているし、そのもとでアホみたいな主導権争いがやられている。長門市長選の前哨戦にしても感情的になって「やったな!」「オマエもやったな!」と悲憤慷慨(ひふんこうがい)しているのは自民党界隈ではないか。その他の圧倒的な有権者を置き去りにして、「次はオレが天下」をやっているにすぎない。「どっちもどっち」と見なす人が大半で、それは下関でも同じことだ。安倍派が没落して今度は林派が台頭したとして、「どっちもどっちじゃないか…」と思っている人が圧倒的だ。

 

  いちいちこうして実況中継しなくても良いとは思うが、何が起こっているのか? という長門、下関、山口県内から寄せられる疑問には応えていく必要があるだろうし、よりディープに分析してくれという要望も強い。なんなら、安倍派とか林派のメンバーの方が記者座談会のおかわりを欲しているという傾向があってどうかしている。遠慮無く辛辣にいうべきはいうし、ある意味、いまの下関なり山口県の政治構造の変化の記録としても残しておいた方が良いのかとは思う。

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この記事へのコメント

  1. 福田寿史 says:

     毎度のことながら、山口県内の政治家の動静については長周新聞の独壇場なので重宝しております

  2. 高橋和弘 says:

    この保守分裂ってナニ?と思って見つけました。興味深く読ませていただきました、多謝。
    首相には外相経験者が望ましいと思うもんで、河野、茂木、林の中では消去法で林、とか思ってたんですが、あんまりイケてないヒトみたいっすね。上川に期待、なのかな。ま、わたしがどう思うかとはまったく関係なく決まるもんなわけですが。

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