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記者座談会 8年で安倍派が牛耳った山口県政界 選出代議士は子飼いばかりに 隅っこ暮らしが3区で暗闘

 コロナ禍で混迷した政権運営を前首相の安倍晋三が放り投げたなかで菅政権へと移行し、政権にとっては足場固めともなる解散総選挙がいつになるのかが一つの焦点になっている。「年内解散か」「年明け解散か」「あるいは来年10月の任期満了まで解散なしか」等等、政治日程や政争の事情を鑑みながら与野党ともに選挙の準備や候補者の調整をすすめ、来る総選挙に向けて「いつでもGO!」の状態にするべく動きを見せている。「保守王国」などといわれてきた山口県では、目下、衆院山口3区をめぐって河村建夫(二階派)と林芳正(岸田派)のバトルがくり広げられ、選挙区の「オレのもの(私物化)争奪」がかつてなく激化している。山口県政界でなにが起きているのか、そしてその「保守王国」なるものの実態はいかなるものなのか、近年の特徴について記者座談会で論議した。

 

  この間、衆院山口3区をめぐって、現職の河村建夫と衆院への鞍替えを画策する林芳正(参議院議員)の抗争が全国的な注目を集めてきた。政治的抗争の激しい山口でまたなにが起きているのか――と驚かせているようなのだ。一言で要約すると自民党国会議員同士のイス取りゲームみたいなものだが、78歳の老兵・河村に対して還暦を迎えた林が、もう後がないものだから何としても衆院に成り上がろうと選挙区争奪に挑み、噛みついている。安倍晋三には楯突けない林芳正が4区を諦め、故郷の下関を捨てて、隣の選挙区に転出しようとしている。それに怒った河村も引かず、両者が面子をかけて争っている。

 

  この11月22日に投開票を迎えた宇部市長選で、それこそ林派県議だった篠崎が7000票差で当選した。もともと林事務所の秘書だった男だ。林芳正夫婦がつきっきりで選挙の応援に走り回り、下関からも林派企業が乗り込んで全面バックアップしている有り様だった。3区鞍替えに向けて大票田でもある宇部に一発決めに行ったというか、選挙区内の市長ポスト総取りに向けて、林派の命運がかかった選挙だったのだろう。

 

 長年にわたって宇部市長だった久保田が体調不良を理由に引退し、急遽選挙になったわけだが、当初は宇部選出のベテラン県議・二木(自民党山口県連副会長)が出馬に意欲を示していたところに30代の篠崎が名乗りを上げ、自民党県連の采配で先輩格の二木が下ろされるという経緯があった。副会長をしてどうにもならない上からの力が働き、いわば県連の力で林派の候補者をねじ込んだ格好だ。背後の力が働かなければ二木の面子もあろうし、そうはならない。

 

 保守一本化によって表向きは河村vs林の構図ではなくなり、久保田後継として立候補した市幹部出身の望月と篠崎の一騎打ちになった。まぁ。河村の周辺が望月陣営に相当肩入れしていたともいう。林派としては「3倍返しだ!」などといって、望月に3倍の得票差をつけるのだと豪語していたが、結果としてはトリプルスコアどころか、ダブルスコアにもならない票差だった。無党派層や女性票の多くが望月に流れたようで、「芳正の嫁が前面に出ても女性票はとれない…」などとぼやいている関係者もいる。リベラルとか革新的な側もそれなりにいる地域で、前市長だった久保田は草の根市民派色が売りで無党派の支持層も多いのが特徴だったが、「保守一本化」でやっとこさの勝利といえる。

 

  圧倒的な票差にはならなかったが、かつがつ市長ポストは林派がもぎとった。そのことによって、3区の主立った自治体のうち、萩市、美祢市、宇部市で林派が市長ポストを総なめにする状態となった。来年3月に再び萩市長選が控えているが、河村建夫の実弟である田中文夫(県議)が林派現職の藤道に挑もうとしている。こちらは正真正銘の河村vs林の代理戦となり、田中が敗北すれば兄貴の河村建夫にとっても地元の萩市を落とす衝撃は大きい。3区の現職として力を失っていることが覆い隠せなくなり、面子丸つぶれとなる。逆に林派にとっては宇部市長選に続いてトドメの一発を入れにいきたいところなのだろう。

 

 D 宇部市長選では自民党県連の力で篠崎に一本化した経緯があるが、既に県連レベルでは「3区は林芳正で」が共通認識として浸透している風でもある。河村建夫が嫌われすぎているといえばそれまでだが、どうも浮き上がっているようで「もう引退すればいいのに…」という見方が支配的のようだ。そのなかで林芳正が通常では御法度であろう選挙区争奪に公然と乗りだし、周囲に暗黙の了解をいただいているかのようにやりまくっている。そして、焦った河村が二階幹事長に泣きついたのか、わざわざ派閥のメンバー20人を連れて宇部にやってきて「売られた喧嘩は買う」「公認は現職優先」と釘を刺していく事態にもなった。最終的に3区の公認は中央での菅政権と二階幹事長の距離や関係性も反映するのだろうが、現実として林派は既に相当に足場固めをしているのも事実なのだ。どう見ても河村が後ずさりを余儀なくされている。

 

 A 10月に県議会議長の柳居俊学が東京の安倍事務所に出向いて、「3区は林芳正が候補者になるようお力添えをお願いしたい。そのかわり下関市長選に林派は出馬しない」旨を伝えたとか、伝えなかったとかの情報が自民党県連関係者のなかで飛び回っている。林芳正の伝書鳩かよと思う。3区公認の力添えをもらえれば「下関市長選に林派は出馬しない」--。来年春の下関市長選に向けて林派がやけにおとなしいのを見ていたら、なるほどそういうことなのね、と合点がいく。4年前に4区の票田である下関では3000票差の大激戦で安倍vs林の代理戦争をくり広げたのに、今回は敗れた林派がまるでリベンジに挑むような気概すらない。市長ポストを安倍派・前田晋太郎(安倍事務所秘書上がり)に譲る見返りとして3区公認に力添えをお願いしているというのは、恐らく事実なのだろうと思う。下関市民の知らないところでこんなやりとりをしているのだと思うと腹立たしいし、どうして周防大島町出身の柳居が下関市長選について「林派は出馬しない」とかいってんだよ!オマエ関係ないだろ! と市民の皆さんは思うのではないか。

 

 というより、林芳正は暗黙の了解も含めて安倍晋三の力で3区をもぎとろうとしているようにも見える。菅政権になって河村の出身派閥である二階幹事長が出てきて調子が狂っている側面もあるが、県連レベルで3区大暴れが許されるのは、県選出の国会議員どもを見ても安倍絡みばかりが雁首をそろえているのを見ても分かるように、このパワーバランスのなかで行けるとしたら1、3区だけであり、なおかつ県連の大勢に了解を得なければ普通に考えてあり得ない。

 

  安倍派からすれば、4区は晴れて安倍派のものとなり、中選挙区時代からのライバルだった林派が3区に逃げてくれれば安泰だ。衆院山口の選挙区が将来的に1~4区から1~3区に再編されるという話もあったが、ここにきて「しばらく1~4区のまま」という流れになっているそうで、「1~3区への再編になれば3区に転出した林が必ず安倍にぶつかってくる」という警戒感もあったが、最近では転出を歓迎しているのが実態だ。というか、安倍派関係者こそ「3区は林で決まっているのだ」といっているし、林派幹部も「もう話はついている」という。つまり、そういうことだ。本当に安倍と林は腐れ縁だと思う。お互いの利を優先させれば林の3区転出は安倍にとってこそ願ったり叶ったりの関係だ。

 

  しかし、安倍晋三のおかげで4区で芽が出せず3区に出て行く林芳正について、下関の林派の古参の支持者たちは「情けないものだ…」と口々に漏らしている。長年支持して支えてきた人々を捨てて、また生まれ育った故郷を捨てて隣の選挙区に手を出し、「河村ならイケる!」とばかりに急襲しているのだから無理もない。みっともないのだ。安倍晋三は首相としての職責を全うできないことを理由に辞めたのだから、自分は引退するなり比例に回って、4区は林芳正に譲るのが筋だろうという自民党関係者の意見も随分耳にする。中選挙区から小選挙区になるにあたって、年寄りの林義郎が比例に回って未来のある安倍晋三にということで選挙区は譲ったのだから、今度は林にやらせろ、安倍派が私物化するな! という恨み節だ。

 

 しかし、芳正には安倍と対峙する度胸がない。3区鞍替えはいわば林派としての4区での敗北宣言にも見えて、傍から見ていて格好悪いったらありゃしない。仮に4区で安倍vs林で激闘すれば中選挙区時代を彷彿とさせる緊張感が走るだろうし、恐らく互角だろうと思うほど大差ないはずなのに、また林派の皆さんもハッスルして日頃から大好きな選挙にとりくむだろうに、大将である芳正がみずから撤退を選択し、逃亡してしまうのだ。そうして東京生まれの東京育ちである世襲政治家・安倍晋三及びその一族が4区を手中におさめ、下関生まれ下関育ちの芳正が白旗を上げる光景について、自民党員ではない一般市民からしても「なんだかな…」という気分が広がっている。

 

  安倍vs林の緊張感や駆け引きがなくなることは、下関の政治にとってもマイナスにしかならない。安倍派の独り勝ちで市議とか県議とか、JCの若手とかの「安倍先生、安倍先生!」「昭恵さーん!」とか黄色い声を上げて投機した連中が調子づくとなると、ろくなことにはならないからだ。あと、4区に残された林派はどうなるのかと思う。企業関係では両股をかけているところも多いが、何をするにも「大和町」(安倍事務所)に頭を下げに行く関係になるのだろうか。

 

気付けば選出国会議員は自民党10人 小選挙区制の為せる技

 

  ところで、山口県選出の国会議員は何人いると思う? と質問をぶつけられて、「11人」と答えられる山口県民がどれだけいるだろうか。選挙区としては衆院が4議席、参院が2議席。それに加えて実は比例で5人もいる。公明党の桝屋敬悟を除くと自民党だけで国会議員が10人にもなる。これは小選挙区制度の為せる技なのだろうが、山口県民のなかには野党を支持している人もいるのに一人として野党議員は選出されず、軒並み自民党で枠が埋まっているのだ。

 

 一般の有権者の認識としては、「阿達雅志って誰だよ!」「古田圭一?誰?」「杉田水脈が自民党山口県連所属? はぁ?」な状態だと思う。下関で早鞆学園の理事長の古田といえば理解もされるが、そんな彼が現在国会議員をしているといわれてもピンとこないのが現実だ。目の前にあらわれて「私は国会議員をしております」といわれて、「この男はなにをいってんだ?」と思ったとか、企業関係でも笑い話になるほど、街のみんなが知らない、認知していない国会議員が誕生している。これは比例の弊害でもある。

 

 同じように阿達雅志って誰だよ! についても、彼は佐藤信二(佐藤栄作の息子)の娘婿として比例ポストを与えられているだけで、山口県民にとってはまるで接点がないし存在感はない。顔すら知らない人も多い。本人自身は京都出身で佐藤信二の娘婿というだけなのだ。杉田水脈もしかり。右巻きでブイブイいわせて安倍晋三を喜ばせていると思ったら、実は自民党山口県連所属の国会議員というから驚かせた。これまた山口県には何の関係もない国会議員だが、安倍晋三がお気に入りとしてねじ込んだとかで、山口県由来の国会議員ということになっている。そんなのばっかりが増えている。

 

 そして所属派閥を見てもわかるように、多くが細田派、つまり清和会の頭数になっているのだ。下関市長だった江島潔も市民から蛇蝎の如く嫌われて市長選に出馬できなかったのが、その後安倍晋三に抱えられて参院ポストをゲットした。岸信介と近かった田布施の北村教(踊る宗教)の子息・北村経夫(元産経新聞記者)も含め、なんだか清和会の頭数輩出装置として山口県があるかのようだ。そして、選挙区としては4区の安倍晋三、2区は実弟の岸信夫で、全4区あるうちの半分を安倍兄弟が握っている状態なのだ。

 

  安倍晋三が再登板したこの8年で、山口県政界のパワーバランスは明らかに変化しているように思う。参議院ポストも西から1人、東から1人が従来の習わしだったのに、林芳正に続いてこれまた西側出身の江島潔に与えたのも力技だった。県知事に村岡がついたが、これも安倍事務所の力をバックにした配置だ。総理大臣になった安倍晋三に高村正彦(正大の父)は自民党副総理のイスを与えられ、河村建夫も本部の選対委員長とかの重職を与えられ、林芳正といっても防衛大臣や文科大臣を歴任するなど、なにがしかのポストをもらうことでかしずいた。代議士間のパワーバランスも横一線ではなくなったような印象だ。まさに安倍一強。「県議会議長のポストを友田有(下関の安倍派県議)に!」はさすがに友田の願望に終わったが、県議会ボスの葬儀の場で安倍晋三の力添えによってごにょごにょしていたともっぱらだ。

 

 そうして山口県政界に君臨しただけでは事足りず、隣の広島県まで手を伸ばしたのが河井案里事件だろう。安倍事務所の公設第一秘書をはじめとした秘書軍団が乗り込んで采配した選挙で、買収をやりまくっていたのが発覚して縄がかかっている。まるで公職選挙法など存在しない国の選挙みたいだ。

 

 B 桜を見る会の前夜祭をめぐって検察が公設第一秘書に事情聴取したことがニュースになっているが、河井案里の件も「公設第一秘書の配川博之やナンバー2の畑村剛(私設秘書)に事情聴取したらどうか」と下関の事情通たちは話題にしている。「あいつらやりすぎたんだ」と。しかし同時に、配川が安倍晋三の指示もなく勝手に桜の会の費用を払うとか、勝手に広島の選挙に乗り込むなどあり得ず、「秘書が悪かった」として全て配川になすりつけても誰も納得しないだろう。むしろそれをやったら「秘書を切り捨てて自分は逃げるんだ…」となって、安倍派の面々もどん引きするのではないか? 桜の前夜祭についても「安倍さんが思い上がった結果で、すべて本人に原因があるんだ」とぼやいている人だっているし、世襲政治家に翻弄されて後援会の人々も疲れ気味に見えて仕方ない。あと、桜を見る会の前夜祭について、ホテルに対して800万円以上を安倍事務所が支出していることが新たにわかったというが、参加した人のなかには「箝口令が敷かれているけど、実は一銭も払ってないぞ」と明かす人だっている。完全にもてなされているのだ。

 

選挙行かぬ5割が握るキャスティングボード

 

  いずれにしてもコロナ禍を経た次期総選挙は、安倍8年への強烈な審判が問われる。国政選挙でいえば既存政党の権威が剥がれ落ち、多くの有権者が持って行き場のない思いを抱えているのが現実だ。投票率が50%ちょっとで、およそ半数の有権者が棄権し、そのもとで自民一強なるものが続いている。くたびれた野党がさながら自民圧勝を補完しているような光景にも見える。米ソ二極構造崩壊の行き着いた結末なのか、社民党も解体だ。自民党よりも強い政党がいないから、小選挙区制度のテクニックで国会の圧倒的議席を独占していく仕組みになっている。しかし、自民党の支持率はどうなっているかというと、例えば過去4回の選挙における比例の絶対得票率は16~18%で推移しており、実は「一強」などまやかしであることがわかる。82~84%の有権者は自民党に入れていないのだ。しかし、国会の議席は過半数を独占している。

 

 A 野党支持者もいるのに山口県の国会議員はみな自民党なのとも重なるが、小選挙区制度そのものが多様性を排除できるしくみによって成り立っている。しかし、小選挙区制度だからどうしようもないという訳でもない。こうした状況を打開するためには、16~18%をこえる政党の出現が不可欠で、その伸びしろは選挙に行かない5割の有権者の心をつかむことにある。5割は無理だとしても、例えば2割を動かしただけで自民党ごえとなる。あるいは16~18%の支持を得ただけで互角になるということだ。山本太郎率いるれいわ新選組が挑戦しているのはそこなのだろうと思う。決して簡単ではないだろうが、5%が10%になり、そこから存在感を発揮して15%、20%とムキムキと発達すれば日本の政治風景はまるで違うものになるということだ。他の野党とて、自民党の16~18%を上回りさえすれば議席が雪崩のように増える。それが小選挙区制度だ。

 

  林芳正が逃げ出した山口4区では、目下、れいわ新選組の竹村克司が公認候補として政治活動を展開しており、恐らく野党統一候補になるのではないかと見られている。野党といっても実質的な対抗勢力と見なされるものが存在しない。これも全国注目の選挙になるのではないか。安倍晋三の鉄壁の選挙区で、「勝てるわけないじゃないか」「よく立候補しようと思ったな」という反応が大半だが、本人もボランティアもいまのところポスター貼りをガンガンやっている。無差別に選挙区内を歩き回っている。挑戦者なのだからこういうのはとことんやったらいいと思う。有権者のみんなに存在を知ってもらうだけでもと挨拶代わりの政策チラシを配り、ポスターの掲示をお願いする。ただそれだけだが、ポスターが街中に増えてきて、安倍晋三の青いポスターとれいわ新選組のピンクのポスターがそのうちタメを張るのではないかと思うほど目立っている。公明党の「小さな声を聞く力」のポスターよりは多い印象だ。

 

 自宅の壁に政党ポスターを貼るなんて、色を出すようで嫌だな…と思う人が大半だろうけど、それだけ「貼っていいよ」と支持を寄せてくれる人が存在しているということだ。貴重な支持者が1人、また1人と増えていく過程なのだろう。歩いた数、対話を重ねた数が積み上がっていく、地道ではあるが本来政治家がやらなければならない当たり前の営みだ。そうして有権者がなにを考えてなにを求めているのかをつかみながら政策に反映し、演説に反映し、選挙をたたかうのが当たり前なのだ。しかし、山口県を見ても世襲政治家のもとで各種団体や企業はじめ、ガチガチな利権の構造ができあがっており、これに抗うのは少々ではない。

 

  4区で見てみると、例えば安倍晋三の得票である10万票が大崩れするようなことはまずない。安倍派も林派も単体では基礎票は4万票もないが、喧嘩もしながら持ちつ持たれつをやってきたわけで、自民党下関支部として必ずタッグを組む。それこそ3区とのバーターが実現した暁にはなおさらくっつく。それに公明をはじめとした各種宗教団体、連合安倍派の面々、共産党安倍派の面々など隠れ安倍派も寄せ集めた10万票なのだ。これに勝つといった場合、ならば10万票をこえる得票がなければ話にならない。投票率が80%以上なければ不可能ということだ。25万人の有権者のうち、20万人が選挙に参加し、5万人が棄権して投票率は80%ごえの選挙となると、よほど盛り上がらなければ勝利など引き寄せられない。つまり、甘くないということだ。ふわっとして反安倍などを叫んだところで、とても足下にも及ばない。選挙に幻滅している5割の有権者にどこまで訴えを届けられるか、4区のみんなの思いをくみとった選挙を展開できるかが肝なのだ。安倍・林支配のガチガチな構造のもとで有権者のなかに鬱積した思いはあるが、4区に挑戦するという以上、その思いを束ねて思い切った選挙戦を展開してもらいたいものだ。物事は腹を括ってからが本番なわけで、厳しいとはいえどこまで挑めるかが見所だ。

 

  自民党一色の山口県政界の様相は今後どうなっていくのか、その矛盾も捉えながら見ていきたいと思う。

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