陸上自衛隊むつみ演習場に隣接する阿武町福賀ののうそんセンターで3日、むつみ演習場へのイージス・アショア配備に反対する阿武町民の会の設立総会が開かれ、130人の参加者がつめかけ会場がいっぱいになった。
設立発起人を代表して宇生賀中央自治会の吉岡勝会長は、「会員はすでに380人になり、本日会場がいっぱいになるほど集まっていただき、なんとかこの会を発展させていきたいと思っている。これまで町や議会に要望書や請願書を提出し、町長も反対を表明されているが、われわれもそれに応えていきたいし、バックアップしていきたい。奈古や宇田の地域にも広げて、阿武町あげてとりくんでいく体制がとれたらいいと思っている」と挨拶した。
来賓を代表して農事組合法人「うもれ木の郷」組合長で阿武町会議員でもある田中敏雄氏は、「イージス・アショアについては、人それぞれにいろんな思いや考えがあるが、それらの人人が一堂に集まり、力を合わせていくことがいちばん大切だと思う。みなさんがひとつに集まり、一丸となることによって、天に通じる誠に変わるものだと思う」と挨拶した。
設立の経緯の報告のなかで、福賀地区の20歳以上の人口521人のうち、72・9%の380人が会員になっていることが報告された。
そして、「これまで、阿武町は人口減少や後継者不足等が深刻化するなかで、地道に“選ばれる町づくり”を推進してきたが、イージス・アショアの配備はあまりにも大きなリスクであり、防衛省の説明は、住民の思いに寄り添わない一方的な押しつけに過ぎない」「私たちは、この地を愛し、この地を次世代につなぐ使命がある。それは、農地を耕し、今日まで努力し続けてくださった先人たちに対する私たちの責任でもある」「そのため、地方創生の根底を揺るがし、故郷を次世代に繋げていくための妨げの要因となる、イージス・アショアの陸上自衛隊むつみ演習場への配備計画の撤回を強く要望する」等を明らかにした。
会の規約(案)が提案、採択され、役員選出についての報告が承認され、発起人16人が初年度の役員となり、会長、副会長、事務局長の選出がおこなわれた。総会決議が採択され閉会ののち、「イージス・アショア電磁波の何が問題か」と題し、電磁波環境研究所所長の荻野晃也氏の記念講演がおこなわれた。
会長に就任した吉岡氏は、「設立総会をしたことによって発起人全員、自信を持ってとりくめるようになると思う。これから奈古、宇田へと広げていけたらと思う」「会としてどうしたら町長をバックアップできるか。また、会の目的としている町全体として反対していくために、純粋な気持ちを町全体に伝えていけるか」等の意欲を語っていた。