下関市議会議員選挙が27日に告示を迎え、2月3日の投開票に向けて本戦に突入した。告示を迎え、届け出を済ませた各陣営は一斉に選挙カーをくり出し、連呼を開始した。最終的に定数34に対し41陣営が出馬した。
現職26人、元職1人、新人14人となっており、うちわけを見ると公明5人、「日共」4人、連合系3人、自民党17人、無所属12人となっている【表参照】。ただ、無所属・新人のうち6人が自民党推薦を受けているほか、市長選から続く安倍派と林派の対立の延長線で公認を受けられなかった候補者もおり、実質的には41人のうち25人と、半数以上が自民党候補となっている。
この間、ポスター掲示板が設置されて初めて市議選があることを知る有権者も多いなど、前哨戦はきわめて盛り上がりに欠けた状態で本戦に突入した。選挙カーが走り始めても、名前の連呼が大半で、政策といっても「○○を無料にします!」といったどぶ板政策に終始し、有権者が嫌気がさすような選挙戦を展開している。
下関は基幹産業だった水産業はもとより、産業の衰退が著しく進行し、人口減少は年間2900人ペースで進行している。少子高齢化は全国に先駆けたものとなっており、空き家や廃屋、更地の増加、介護や医療をはじめ産業における人手不足、経済規模の縮小など、市民のなかで現状に対する危機感は強いものがある。この下関の実態に対して、「市議会も市役所もなにをしているのか」という世論は根強い。下関の産業や働く場、市民の暮らしそっちのけで、自民党安倍派・林派を筆頭に市議会が個別利害の争い、もしくは自分のポジション争いに明け暮れていることに批判世論は強い。今回の市議選は、下関市政の一端を担ってきた現職にとって「威張り癖が強い」とか「日頃往生」といった評判も含めて、審判を下される場ともなる。
ここ最近、市民世論をできるだけ刺激せず、投票率の低い選挙に持ち込み、組織票で勝ち抜けていく選挙ばかりで、市民に何か熱意を持って訴えるといった経験などしたことのない候補者も少なくない。
今月26日時点での有権者数は、18歳が加わったため、前回並みの22万3353人(男10万2311人、女12万1042人)となっている。前回市議選の投票率は45・47%と、半数以上が棄権しており、今回の投票率も注目されている。