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メガソーラーや大規模風力による災害や健康被害を規制する方策 日弁連主催シンポジウム② 法的課題と地域共生型電力のあり方も論議

(2025年2月5日付掲載)

秋田県の道路沿いに林立する巨大風車群(秋田県潟上市)

 日本弁護士連合会が1月29日におこなったシンポジウム「メガソーラー及び大規模風力による開発問題への法律・条例による対応について」から、小島智史弁護士の報告「再エネ事業に関する林地開発許可・保安林解除の全国の状況、及び再エネ開発規制に関する最近の法改正と課題について」と、4氏の報告後におこなわれたパネルディスカッションの要旨を紹介する。小島氏は、全国各地で違法行為・脱法行為や開発による土砂災害、水源枯渇などが多発しているにもかかわらず、法整備が追いついていないために有効に対応できていないこと、にもかかわらず政府が「保安林解除の迅速化」など、さらなる規制緩和を進めていることを報告した。パネルディスカッションでは、法律では対応できないなら、地方自治体が制定する条例でどのように実効性ある対応ができるかが論議された。

 

■林地開発許可と保安林解除の全国的状況について

 

           弁護士 小島智史

 

 現在、全国各地でメガソーラーと大規模風力発電所の建設にともない、山林の崩落などの災害、自然環境と景観の破壊、地域住民の生活環境の侵害などの著しい被害が発生している。

 

 貴重な自然生態系の破壊や、土砂災害、水源枯渇、景観破壊、風車の騒音・低周波音の被害などをめぐって住民とトラブルが起こっている。また、利益を優先することによる開発許可申請書類の虚偽記載、贈賄、アセス逃れといった違法・脱法行為をともなう乱開発も多発している。

 

 こうした問題の大きな要因は、FIT(固定価格買取制度)で再エネ発電の電力が高価格で買いとられるなど、再エネの導入が過度な利益誘導のもとに進められてきたことにある。またそれに加え、再エネ発電施設の設置による山林などの開発を適正に規制する法制度が整っていなかったことにある。

 

 温暖化対策のために再エネ発電を推進することは必要だが、そのために二酸化炭素の吸収源である森林を破壊することは、温暖化対策として本末転倒だ。災害の危険性を考慮せず森林を切り開き、地域住民の安全安心な生活を危機にさらすような開発は地域社会にも寄与しない。以下、再エネ開発に対する法規制の現状と課題を見てみる。

 

栃木県足利市でのメガソーラー火災。左下に消防自動車が見える(2021年2月)

森林法が規制する開発

 

 再エネ発電施設を山林部に設置しようとする場合、森林法の規制を受ける。

 

 まず、森林で開発をする場合、都道府県知事の許可を受けなければならない(林地開発許可制度)。そして、都道府県知事は①災害発生の恐れ、②水害発生の恐れ、③水の確保への著しい支障、④環境を著しく悪化させる恐れ、の四つの要件に該当しない場合、「これを許可しなければならない」となっている(森林法10条の2第2項)。

 

 しかし、許可を受けた場所で災害が発生したり(鹿児島県霧島市)、設置するとしていた防災施設が設置されなかったり(山梨県甲斐市)、地域住民への説明や意見聴取をしないまま着工しトラブルが生じる(長崎県宇久島)などが起こっている。それは法改正が必要なことを示している。

 

 この林地開発許可については許可基準の見直しがおこなわれ、2022年9月に森林法施行令などが改正された。太陽光発電の許可の対象が、土地改変面積1㌶以上から0・5㌶以上となった。同11月には技術基準の見直しもおこなわれ、洪水防止のための基準が厳格になり、地域の意見の反映についての基準が示された。

 

 森林法のもう一つの規制として、保安林解除がある。

 

 保安林は、水害や土砂災害の防止、生物多様性の保全、景観形成といった森林の公益的機能の発揮のために、農水大臣または都道府県知事によって指定されるものだ。この保安林を再エネ施設建設に使うためには、農水大臣や都道府県知事が保安林の指定を解除しなければならない。保安林は原則として他用途への転用を抑制すべきものとされ、やむをえず解除するときも代替施設が設置されるなどの要件を満たす場合に限られる。

 

 ところが、北海道や東北などで、保安林指定されている国有林を貸し付ける大規模風力発電計画が次々と公表されている。

 

 しかし保安林は水源涵養や土砂流出防止など森林の公益的機能を保全するために指定されており、開発行為がとくに規制されている場所だ。たとえ再エネ開発であっても、保安林指定は容易に解除されるべきでない。

 

 また、巨大風車の建設のために新設・拡幅される道路建設が、保安林指定解除よりも緩い作業道許可だけで認められている。数十基の風車をつなぐ道路の建設・拡幅は、森林破壊も大規模なものになるので、災害防止の観点からも看過できない。

 

 保安林解除については、要件の見直しは進んでいない。むしろ第七次エネルギー基本計画案では、陸上風力発電について保安林解除に関する「事務の迅速化」が盛り込まれており、さらなる規制緩和の恐れがある。

 

立入調査は1100件

 

 日弁連は、メガソーラーや大規模風力に関わる林地開発許可や保安林解除について、実施主体である都道府県にアンケート調査を実施し、全都道府県から回答があった。

 

 林地開発許可をめぐっては、問題事例として、水の濁り、土砂災害、法面崩壊といった災害に関連するものや、住民への説明不足が問題になった事例が多い。問題の相談は、住民や市町村から寄せられることが多い。

 

 そして、FIT認定が始まった2012年以降、主に太陽光発電について行政指導(275件)、報告徴収(191件)、立ち入り検査(1123件)が数多くおこなわれている。行政指導は、無許可開発・許可条件違反、防災施設の不整備、土砂流出に対するものが多い。しかしそこ止まりで、中止命令・措置命令まで踏み込んだ対応は少なく、開発許可取り消しは1件もなかった。森林法で取り消しの規定が具体的に定められていないことがハードルを高くしていると思われる。

 

 日弁連は、以上の問題について法改正の提言をおこなっている。森林法の目的と開発許可要件に「森林の有する公益的機能の確保」を加え、「許可要件のいずれにも該当しないと認められない限り、許可してはならない」と厳格化する。水害防止や水源保全などを含む開発計画の提出を義務づけ、違反した場合、開発の中止や許可撤回をおこなえることを明文化する。保安林の指定解除について、専門家も入った第三者機関=林政審議会や都道府県森林審議会への諮問を必須とする――などだ。

 

風力発電設置の作業用道路敷設のために森林を大規模に伐採(北海道北見市常呂町)

骨抜きの環境影響評価

 

 風力発電は2012年10月から、太陽光発電(出力3万㌔㍗以上)は2019年の施行令の改正で、それぞれ環境影響評価法の対象となり、環境アセスが義務づけられることになった。ただ太陽光を対象にした施行令改正では、太陽光の普及促進の意図が強く示されており、それが環境保全の観点が十分に考慮されない環境アセスがおこなわれる要因となっている。

 

 太陽光発電をめぐっては、実際には一体の事業であるにもかかわらず、複数の小規模の事業に分けて計画する「アセス逃れ」が少なくない。その対策として経産省と環境省は2021年、「事業の一連性の考え方」を示した。

 

 風力発電をめぐっては、2020年以降に開催された国のタスクフォースでの議論にもとづき、施行令が改正され、7500㌔㍗以上3万7500㌔㍗未満の風力発電所が環境影響評価法の対象外となり、環境アセスをしなくていいことになった。

 

 秋田県からの報告にもあったが、風力発電については騒音・低周波音が周辺住民の健康被害を引き起こすことがとくに懸念されている。しかし、2017年に環境省が出した「風力発電施設から発生する騒音に関する指針」は、風車騒音について、低周波音ではなく通常の騒音と同様に扱ってよいものとされ、音の大きさの評価についてもA特性(人間の耳に聞こえるかどうかを考慮した測定方法)が適しているとされた。また、2020年4月に経産省が出した、風力発電の環境影響評価の参考項目の見直しで、超低周波音(20ヘルツ以下)が風力発電の環境影響評価の参考項目から削除された。

 

 洋上風力発電をめぐっては、新たにセントラル方式を導入する再エネ海域利用法の改正案が昨年の通常国会に提出されたが、衆議院の解散によって廃案になった。今後、再度国会に提出される見込みとなっている。同改正案は手続きを迅速に進めることが目的で、促進区域指定前の段階で環境省が現地調査を実施し、経産省や国交省が促進区域を指定。その後、公募で選定された事業者は、従来の配慮書・方法書の手続きを飛ばして、事業計画の準備書・評価書手続きをおこなう。

 

 さらに環境影響評価制度について2024年12月に公表された方針では、「陸上風力発電事業の最大限の導入促進」が重要な課題として検討されており、これも要件の緩和が懸念される。

 

 しかし、風力発電の低周波音をめぐっては、環境省予算を使って2013~2015年度にかけておこなわれた疫学調査で、「20~100ヘルツの周波数でアノイアンス(不快感)や睡眠障害と関連する可能性がある」「風力発電施設から約2㌔離れていても、睡眠障害を訴える住民に対する騒音対策が必要である」とされている。また、WHO(世界保健機関)の環境騒音のガイドラインでは、低周波成分が卓越している場合、A特性による評価は不適切であるとされている。超低周波音を考慮対象外としている現状の指針の妥当性には疑問がある。

 

 日弁連は意見書で、再エネの環境アセス実施において、計画段階の配慮書の作成のさい、ゼロ・オプション(事業をそもそも実施しない)を含む代替案の検討を十分におこなうことを義務づけることなどを提言している。

 

乱開発促したFIT法

 

 2011年8月に制定された再エネ特措法は、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買いとる固定価格買取制度(FIT制度)を導入した。導入当初、高額に設定された固定買取価格の影響もあり、内外の投資家による投機的な事業参入があいつぎ、再エネ導入量は一気に増加した。一方で、利益を優先した開発が乱立し、土砂災害が起こったり、違法・脱法行為があいつぎ、地域住民との間でトラブルが生じるようになった。

 

 このため、設備分割の禁止や解体積立金制度の創設など、度重なる法改正がおこなわれたが、再エネ事業者と地域住民とのトラブルが引き続き多く発生し、にもかかわらず問題を起こした事業に対してFIT認定の取り消しという積極的な対応がほとんどおこなわれていない。

 

 2023年にGX脱炭素電源法が交付され、それにより再エネ特措法の内容が改正された。再エネ発電事業計画の認定要件に、周辺住民への事前周知を追加するなどの改正がおこなわれた。同時に資源エネルギー庁は同年1月より、FIT認定の取り消し事案の公表を開始した。同庁は2024年4月から8月7日までに、違反事業者の再エネ事業441件の一時停止をおこなった。

 

 今後の課題だが、特措法改正で、FIT認定の初期の段階から周辺住民への説明会が義務づけられたことは評価できる。しかし、資源エネルギー庁が作成した事業者向けガイドラインでは、「周辺住民」の範囲を、敷地境界から、低圧の発電所は100㍍、特別高圧・高圧の発電所は300㍍、アセス対象の発電所は1㌔以内の居住者と、隣接土地所有者に限定している。そのため、周辺住民と確認するために身分証の提示を求めたり、専門家など対象者以外は入場を認めないなどの対応を事業者がおこなっている。

 

 また、改正特措法には再エネ設備の転売に規制がない。とくに太陽光発電施設の転売は現在も好況で、転売目的と考えられる事業も多く進められており、それが乱開発の原因になっている。転売の規制をおこなうべきである。

 

 日弁連は意見書で、違法・脱法行為に対する早期の適切な指導、是正命令の発令、FIT認定取り消しなど厳格な対応の必要性を訴えている。

 

 まとめとして、法令などの改正によって悪質な再エネ事業者に対する対応が一定程度おこなわれるようになったが、実効的な対応はいまだ不十分だ。

 

 法律による対応が不十分なので、各自治体の条例による対応が重要である。

 

兵庫県姫路市で幅60㍍、長さ60㍍にわたって崩れたメガソーラー(2018年7月)

■地域と共生する電力とは パネルディスカッションより

 

 パネルディスカッションには、早稲田大学大学院法務研究科教授の人見剛氏、熊本県立大学特別教授の島谷幸宏氏、栃木県那須塩原市環境戦略部カーボンニュートラル課長の小裕一氏、弁護士の小島延夫氏(日弁連公害対策・環境保全委員会)がパネリストとして参加した。コーディネーターは弁護士の室谷悠子氏(同)。

 

 はじめに那須塩原市の小氏が、再エネの乱開発を規制する同市の条例とゾーニングについて次のように説明した。

 

 那須塩原市(人口約11万5000人)は、日本最大級の複合扇状地「那須野が原」の上に位置し、北西に日光国立公園を形成する山岳地帯を有する。約140年前から開拓が本格化し、水を得るために日本三大疏水の一つ・那須疏水(灌漑のための人工の水路)が建設されたことで現在の発展につながっている。生乳産出額は全国2位、高原野菜を中心に農業の産出額も全国12位だ。

 

 那須塩原市は2020年3月、「太陽光発電事業と地域との調和に関する条例」を制定した。市内全域を対象に、太陽光発電を設置する場合は市の許可制(違反時の公表。罰則規定なし)とし、禁止区域・抑制区域を設定し、許可申請前の事前協議と地元説明会の開催を義務づけた。

 

 条例とは別に、改正温対法(地球温暖化対策推進法)にもとづく「促進区域」の制定を見据えたゾーニングマップを2023年に作成した。作成にあたって、森林を伐採する大規模な開発を避けるように条件を設定した。太陽光発電については、環境保全エリア(市条例の禁止区域)は全市域の96・1%、配慮調整エリアが0・21%、導入可能性エリアが0・042%とした。風力発電については導入可能性エリアはゼロ%とした。

 

 環境保全エリアに指定する条件として、国立公園、保安林、国有林、河川保全区域、土砂災害警戒区域などをあげている。小氏は「有識者や地域関係者によって2年間検討し、住民参加の地域説明会も9回おこなった」とのべた。

 

 室谷氏は、「住民がゾーニングに参加するには、再エネによる環境破壊や災害誘発、騒音・低周波音の問題など負の側面の情報も伝えられている必要がある。第7次エネルギー基本計画案では、温対法にもとづく促進区域の設定を国が支援して自治体が進めるとあるが、住民参加が不十分で地域の実情にあわないゾーニングでは目標達成のために森林を伐採する本末転倒な事態にもなりかねない。自治体主導と住民との協議という、プロセスを大事にするゾーニングが重要だ」とのべた。

 

 小島氏は、「日本の住民参加のしくみは、行政の側が参加者を指名する協議会をもうけるだけ、役所が決めたあとに意見を聞く、など非常に形骸化しており、期間も短い。実際にその問題にかかわる住民を参加させるしくみをつくらなくても違法にならない。ドイツでは違法になる」と指摘した。

 

小水力発電の可能性

 

広島県庄原市口和町にある小水力発電所(口南発電所)

 次に「地域との共生、エネルギー自治、地域による地産地消の電力開発」のテーマで論議を深めた。

 

 室谷氏は、「地域との共生は再エネ政策において国のキーワードの一つになっているが、一方で自治体や地域の利害関係者の意見を封じ込めるようなお金のバラまきがあり、過疎と高齢化が進む地域が迷惑施設を受け入れる事例が散見される。また、地域との共生を掲げる“地元電力”“市民電力”という名の事業体のなかには、“地産地消”といいつつ、外の企業が子会社を地元につくり水源地の保安林で大規模風力を計画したり、“市民電力”といいながら大半は大手金融機関からの借り入れで、市民の出資はわずか、発言権もないというものもある」と指摘した。

 

 島谷氏は、「私はこの15年間、地域が主体となった小水力発電の開発に携わってきた。河川には水利権があり、地域の合意がないと小水力発電はできない。今、宮崎県の二つの集落で、自治会が法人をつくり、50㌔㍗未満の小水力発電所を全住民で所有している。60世帯ぐらいだが、1世帯4000円を出資して24万円の資本金とし、それで地元の銀行から1億円を借りて発電所をつくり、発電の収益によって神楽などの地域の活動を維持している。やってみて、自分たちの先祖が使ってきた水をどうやって将来に残すのかの合意に始まり、資金調達から利益の配分まで住民がやることで、地域の主体力がすごく高まった。そうした地域は災害が起こったときに復興が早い。地域電力といっても、県がやると県庁所在地にお金が全部持っていかれるようになりかねない」とのべた。

 

 続けて、「ただ、規模は50㌔㍗未満といったが、それは電力の系統連系の仕組みの下でギリギリ多額の支払いをしなくて済む規模で、小さいものしかできないという制約がある」とのべた。

 

 小島氏は、「再エネの資源は地方にあるので、利益も地元に還元する事業が最優先されるべきだが、そうなっていない。まず、電力システムの問題がある。小水力で発電しても、電力系統に接続するためには変電設備をつくり、送電線を引かねばならず、それには億単位の金がかかる。これは税金でインフラとして整備すべきだ。また、今の送配電事業は、地方で発電した再エネの電気はそのまま中心部(東京などの大都市)に送られ、その後、普通の電気に混じって地方に返ってくる。宇久島の話が出たが(前々号既報)、宇久島のメガソーラーで発電した電気は、宇久島では使われず、60㌔離れた佐世保市に運ばれ、九州全土で使われる。地域で発電した再エネの電気を地元で使う場合には、送配電料金はゼロか、大幅に安くすべきだが、今は東京などに送った場合と同じ送配電料金を払わないと使えない。この仕組みを変えていく必要がある。スペインでは、エネルギー共同体の事業でその範囲内に供給する場合、半径2㌔以内は送配電量が免除される」とのべた。

 

効果的な規制条例作る

 

 最後に、自治体がつくる再エネ規制条例をいかに効果的なものにするかが論議された。

 

 室谷氏は、「全国の300をこえる自治体が再エネを規制する条例をつくっている。しかし、住民が求めても“国が推進する事業を規制できない”“財産権の侵害はできない”といって条例制定に踏み出さない自治体も多い」とのべた。

 

 これについて小島氏は、「土砂災害防止や水源保全のために条例をつくるわけだが、それがなぜ必要かというと、日本には国土を保全する包括的な自然保護法制がないからだ。これはドイツとの大きな違いだ。次に条例でどこまでできるか。世界的には所有権は社会的な制約を受けるのが当然と考えるのが主流だが、日本の場合は特殊で、所有権を持っていれば土地をどんなに利用してもよいという考え方がある。しかし、自然に制約があるのだから、条例に許可制をもうけるのはかまわない。実効性を確保するため、条例に罰則規定をもうけることも重要だ。罰則がないと、“努力義務だから守らなくていい”という事業者がいる」とのべた。

 

 那須塩原市の条例は不正行為をおこなったときの氏名公表、立入検査、許可取り消しを明記している。人見氏は、「全国の条例のなかには届け出制や指導・勧告にとどめているものもあるが、それでは悪質事業者に対応できない。過料(上限5万円)や罰則(2年以下の拘禁か100万円以下の罰金を科す刑事罰)を明記することが重要」「現在、八つの都道府県が再エネ規制条例をつくっているが、罰則規定があるのは兵庫県のみで、過料規定があるのは山梨、宮城、奈良、長野の4県」と報告した。

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