いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

文字サイズ
文字を通常サイズにする文字を大きいサイズにする

「令和の百姓一揆」を呼びかけ 全国の農家や市民が実行委員会つくり計画 3月末に都内でトラクター行進も

 「農民に欧米並みの『所得補償』を! 市民に安定して食を手にできる生活を!」。農と食が危機的な状況に直面するなか、農政の転換に向けて今こそ切実な声を届けようと、山形県の農家・菅野芳秀氏が代表を務める実行委員会が「令和の百姓一揆」を呼びかけている。3月末の都内でのトラクター行進を皮切りに、北海道から沖縄まで全国各地で連続したシンポジウムやトラクター行進を重ね、大きなうねりをつくることを目指す。トラクター行進に先立ち、2月18日に院内集会を開催する。

 

 令和の百姓一揆実行委員会は、窮地に陥る日本の農業の現状に、この機を逃せば農村が消えてしまうという危機感を持ち、安心安全な国産の食べ物を食べたい、次世代の子どもたちに残したいとの思いで立ち上がった農家、市民による有志の団体だ。

 

 代表の菅野氏は行動の背景について要旨次のようにのべている。

 

◇         ◇

 

 この国の食と農の現状は深刻だ。自国の政府によって、日本農業が潰されようとしている。とくに稲作農業が壊滅状態に追い込まれている。

 

 国会では日本の最低賃金を1050円にするかしないかをめぐって議論がおこなわれたが、稲作の時給は2年続けて10円。8時間働いても80円にしかならない(農水省統計)。全国のコメ作りがそんな状態なのに、稲作農家の最低賃金について国会で議論されたという話は聞いたことがない。

 

 農村は静かに消滅を待っているのが現実だ。趣味でコメを作れ! 不満ならばやめてしまえ! ということだろう。洪水のように離農者が増えていてその列に途切れがない。おそらく我々は未曾有の食料不足からくる、いのちの危機を前にしているのではないだろうか。

 

 そこで…全国各地の有志が集まり、「令和の一揆」を企て、農民だけでなく、消費者市民を含め、食と農といのちを守り、食料自給率を高め、農政の質的大転換を迫る運動を創り出して行こうとなった――。

 

 

 ヨーロッパやインドでは農家がトラクターで高速道路を占拠したり国会周辺を包囲するなどして抗議を続け、その声は確実に国民や政府を動かしている。同実行委員会は、「日本も今が正念場!! 日本も食を守り、農・漁業を守るために今一人一人が立ち上がらなければならない時」「一揆は対立ではなく、連帯へののろし」と、行動への参加を呼びかけている。

 

 日程は以下の通り。

 

◆第1弾・院内集会2月18日(火)午後4時~午後6時30分。衆議院第2議員会館・第1会議室。
 各地域の水田、野菜、果樹、畜産、酪農、有機など生産者からの状況報告と、食料・農業・農村基本法改定を受けての今後の進め方についての報告などを予定。
 定員80人+オンライン。

 

◆第2弾・トラクター行進3月30日(日)午後2時~午後8時
 農家が各地からトラクターを集めてデモ行進し、市民や消費者グループなどがデモ行進をする。
 午後2時:東京都港区六本木「青山公園南地区・多目的広場」に集合。
 午後2時30分:トラクター行進出発(都内各所をめぐりアピール)。
 午後3時:デモ行進出発(コース予定)青山公園→表参道→原宿駅前→明治神宮会館前。
 午後6時:明治神宮会館ホールで集会
 午後8時:解散

 

(連絡先)
メール:hyakushoikki.japan@gmail.com
事務局代表電話:03-5211-6880(山田正彦法律事務所)

 

クラウドファンディングを開始

 

 一揆の成功に向け、現在クラウドファンディングをおこなっている。寄付金はトラクター行進で使う費用や、農家のトラクター移動費用など、とりくみに必要な費用に充てる。すでに当初目標の100万円を達成し、次のゴールに向けて協力を呼びかけている。同時に実行委員会も広く募集している。

 

クラウドファンディングサイト:https://congrant.com/project/tractormarch/14672

 

実行委員会登録サイト:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf6IgyhnGmRLsb5un8oANXFi9zj_s1FWMwrBU5gr_C8i1XBFA/viewform

 

農業潰しの政策に抗議してトラクターデモをおこなうオランダの農家(2024年1月、ブラバント州)

農業への規制を強めるEUの「グリーンディール政策」に反対し、主要幹線道路を封鎖するフランスの農家たち(2024年1月)

関連する記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。なお、コメントは承認制です。