インボイス制度導入の中止・延期を求めて運動してきた「STOP!インボイス」(インボイス制度を考えるフリーランスの会)は13日、「インボイス制度開始1ヶ月 緊急意識調査」の結果を報告する記者会見を開き、財務省、国税庁、公正取引委員会、中小企業庁に「制度開始1ヶ月の実害を踏まえた適格請求書等保存方式(インボイス制度)の運用停止・中止・廃止を求める要請書」を手渡した。10月1日の制度開始から取引の現場に大きな混乱をもたらし、コロナ禍を乗り切って物価高のなかでなんとか生き抜こうとしている事業者に深刻な影響を与えている。緊急意識調査には現場の悲鳴ともいえる怒りの声が多数寄せられている。(記事中の図・グラフは「STOP!インボイス」提供資料より本紙作成)
オンラインでおこなった「インボイス制度開始1ヶ月 緊急意識調査」には、わずか11日間の募集期間に約3000件の回答が寄せられたという。これまで同制度をめぐってはフリーランスなどの声が目立ってきたが、今回の調査は回答者の約3割が会社員だったほか、6割超を30代、40代の現役世代が占めている。
結果報告をおこなった「STOP!インボイス」の小泉なつみ氏は、「切実な問題がデータから浮かび上がってくる。回答からは事業者と会社員、インボイス登録の有無、年間1000万円をこえる事業者か否かといった立場の違いをこえて、インボイス制度の導入が先行き不安といったマイナスの影響を与えている実態が明らかになっている」とのべた。
「すでにインボイス登録した/登録しようと考えている」と答えた人は5割にのぼった【図1】が、そのうちの4割は「登録しなければ仕事が継続できなさそう」という消極的な理由によるものだった。「登録しなければ仕事をもらえないと取引先にいわれた」「登録しなければ報酬を値下げすると取引先にいわれた」という取引先からの圧力を理由としてあげた人もそれぞれ1割をこえた。一方で、「値上げの機会」といったポジティブな理由で登録した人はわずか2%にとどまった【図2】。
制度開始によって起きた取引や業務の変化についての設問では、「経理事務負担が増えた」がトップとなった【図3】。2人に1人が事務負担の増加を感じており、「経理職を辞めたい」「すでに辞職した」というコメントも散見されたという。また、インボイス未登録を理由に一方的な値下げを強要された人、取引停止をいい渡された人はそれぞれ1割をこえ、コメント欄では200件をこえた。
そのなかには免税事業者に対して「着服、ネコババし続けるつもりか」「犯罪者、脱税」「免税事業者はこれまで消費税を懐に入れて丸儲けしてきたのだから8%でも消費税を上乗せする必要はない」といった差別、誹謗中傷を受けた事例も複数報告された。
小泉氏はまた、「免税事業者は使うな」という社内でのお達しなどにより、静かに取引が消えていく“サイレント取引排除”の声も多く寄せられたことを明らかにした。下請法にひっかからないいい回しや順序をとって現場としては取引を続けたい相手を切らなければならなくなった――というような“サイレント排除”をおこなう側からの実情も多数寄せられたという。これは公正取引委員会なども取り締まることができない動きであり、「差別や誹謗中傷の事例も含め、免税事業者の迫害ともいえる状態が起きている」と指摘した。
最初の6年間の経過措置(免税事業者からの仕入れを8~5割控除可能とした)が、かえって事務負担を複雑化させ、むしろインボイス未登録事業者の取引排除を促進しているとの指摘も寄せられたという。
「インボイス制度の影響を踏まえた事業・仕事の見通し」についての設問では、約6割が「見通しは悪い」と回答。「廃業・退職・異動を検討中」「すでに廃業・退職・異動した」という回答は合わせて1割強となり、会社員を含む回答者の約7割がインボイス制度の開始で悪影響を受けていることが明らかになった【図4】。インボイス制度による消費税の増税負担や値引きによって報酬減となった人が3割をこえていること、経理事務負担で本来業務が圧迫されていることなどが、将来を不安視させる要因になっていると見られる。
また、「すでに廃業した」「廃業検討中」と回答した人を年商別に見ると、年商1000万円以下の事業者が9割を占めた。「登録しないことで新規依頼が激減。一方、登録すれば消費税分を納めると赤字どころではなくなり、現状から踏み出せず辛い」とのコメントが寄せられるなど、「登録する/しない」にかかわらず収入減となり、進むも地獄、とどまるも地獄という実態が明らかになっている。
小泉氏は、「かねてより財務省はインボイスによる事務負担や取引排除の対応策として簡易課税をあげていた。しかし、今回寄せられた3000件の声のなかで、簡易課税に言及した回答は10件程度だった。その内容も簡易課税で助かったというプラス面を語るものはなく、現状では簡易課税制度が取引排除の回避にも事務負担の軽減にも寄与していないのではないかと思う」と指摘した。
そして、インボイス制度の相談先の有無を尋ねた設問では、相談先のない人が全体の半数を占める結果となった【図5】。そのうちの75%が年商1000万円以下の事業者で、業界団体や労働組合などに属さず、税理士などの専門家ともつながりがない実態が明らかになっている。小規模事業者はこれまで一度も消費税の納税をしたことがない人も多いと見られることから、来年3月の確定申告時期の混乱が懸念されることを指摘した。
小泉氏は最後に、「自由記入欄にコメントを残した人は2000人にのぼった。公正取引委員会などのセーフティーネットが機能せず、一方的な取引停止や値下げを受けている方、頼るべき税理士や税務署など支援体制が不足している現状、税負担をめぐって板挟みや不和を起こしている苦しみ、また子づくりといったライフプランにまで影響が及ぶ増税となっているという悲痛な声があった」と報告。
これらは「STOP!インボイス」や連携団体、識者などが以前から指摘し、警鐘を鳴らし続けてきた、想定されていた問題であることを強調し、「法案成立から7年ものあいだ、問題が起きてから対処するというスタンスをとり続けてきた政府・行政の対応が、今、実害という形で働き手のみなさんにふりかかってしまったことが、もっとも大きな問題に思えてならない」と語った。
記者会見には、免税事業者で廃業した農家、課税事業者にならざるを得なかった飲食店、中小企業の経理に関わる人の思いをつづった手紙が代読されたほか、税理士から現場の混乱についての報告もあった。
緊急意識調査に寄せられたコメントのいくつかを紹介する。
機能せぬセーフティネット
▼「インボイス登録がなければ人工代を下げる」と取引先から10月1日にメールで通告され、物価高も含めた価格交渉を求めたが門前払い。なのに仕事はしろと言う。社会保険にも入れてくれず自営扱いで確定申告までさせられています。インボイス有なら数百円人工代を上げるそうですが、計算すると面倒な手間が増えるにもかかわらず納税すると年間で6000円しか利益が出ません。馬鹿馬鹿しくてやってられません。(30代/埼玉県川口市)
▼所属している芸能事務所に「インボイス登録をしてもらわないと仕入税額控除が受けられないから、出演料の手数料を1割多く徴収する」と一方的に書面通知され、「経過措置期間は80%の控除が受けられるため優越的地位の濫用による不当な値下げである」と指摘するも話し合いに応じてもらえていない。(30代/東京都台東区)
▼企画・制作の仕事です。プライベートでも仲の良い社長から「未登録の相手とは今後、取引をしない」と言われた。免税事業者との取引は複雑すぎて経理が対応できないとのことで、交渉の余地はなかった。激変緩和措置がむしろ取引排除を促進していると感じた。(40代/東京都北区)
▼フリーランスのデザイナーをしています。インボイス開始少し前に営業をした新規取引先から、いざ契約を結んで業務開始という段階で、「インボイス登録をしていないのであれば契約できない」といわれました。今後厳しい状況だと感じています。コロナ禍から仕事がかなり減り、新規依頼も激減。でも今登録してしまうと、消費税を納めると赤字どころではなくなり、生活が立ち行かなくなりそうで現状から踏み出せず辛いです。(50代/東京都)
▼コロナ禍で受注が減り、やっとコロナ禍以前の売上の80%ほどに回復したが、まだ登録していないと説明したところ「未登録のままだと他の取引先に発注するようになる」と言われ、価格交渉にも応じて貰えない。現状、節約して節約してどうにか食いつないでいるが、消費税の納税額を確保する余裕は全く無い。廃業するにも転職先が見つかるのか不安で不安で仕方ない。(40代/神奈川県小田原市)
▼フリーランスのSEです。「登録は強制しないが、登録しないなら契約は継続しない」と元請けから言われ、事実上の強制だと困惑しました。年末までの契約なので年明けからはどうなるのか不安です。(50代/東京都)
免税事業者への誹謗中傷
▼取引先から「着服、ネコババし続けるつもりか」と誹謗中傷を受けている。精神的ダメージになっている。政府、マスコミはいつまで「間接税」と嘘をつき続けるのか。心を病む人が増えると考えられる。あまりにひどい税制だ。不安とかのレベルではなく怒りしかない。(50代/北海道札幌市)
▼企画・制作系の仕事をしています。インボイス未登録というだけで犯罪者、脱税などの誹謗中傷を受けたり脅迫めいたメッセージが届いたこともあり、心労に悩まされています。仕事の依頼自体も半分以下に減りました。(20代/千葉県)
▼企画・制作系の仕事をしています。「免税事業者はこれまで消費税を懐に入れて丸儲けしてきたのだから、8%でも上乗せする必要はない」と取引先の経理に言われ腹が立った。消費税に対する誤った考えで無駄な分断が生まれている。こういう会社も、国も、フリーランスを安く好き勝手にこき使っておいて、この仕打ちは酷い。(40代/東京都八王子市)
▼俳優とプログラマーという複数の仕事をフリーランスでやることでなんとか生計を立てている。「インボイス登録するつもりはない」と言ったら、ある会社の社長に「脱税の手伝いは俺にできないからちゃんとしろ」と言われ、「脱税ではない」と伝えたら喧嘩になった。とことんマイナスにしかなっていない。(40代/神奈川県藤沢市)
税理士や相談窓口の問題
▼今までなるべく自分で経理を行い、できない部分を税理士にカバーしてもらって決算処理していたが、契約を解除された。同じ条件で契約してくれる税理士事務所があるとは思えず、この先どうしたら良いかわからない。(40代/神奈川県南足柄市)
▼経理部のメンバーも完璧に制度を理解している人はいない。インボイスコールセンターもほぼ繋がらないうえに所属の税務署にたらい回しされる。この制度によって社内で約3億円をかけてシステムを対応させても何のメリットも無く、迷惑でしかない。(30代/東京都八王子市)
▼事務作業の負担から、数年に亘りお世話になっていた税理士に切られたのは正直ショックでした。私は漫画家なのですが、皆が少しずつ困窮していくと、数百円の漫画すら買えない人が増えると思うと先が暗いです。(30代/福岡県)
▼仕事量が何倍にもなって、ものすごい残業が発生している上に、商売における「三方良し」が踏み躙られている。商工会議所主催の講習会で壇上に立った税理士が「消費税は直接税なので二重課税にならない」などと大嘘をつく。その税理士の顧客が、取引相手に何も告げずに免税事業者との取引をすべて打ち切ったとも聞いた。どうかしている。(30代/京都府京都市)
▼経過措置があることを取引先や会計士が全く理解しておらず、一方的に登録を迫ったり、消費税分10%を差し引くなどの選択を迫られ、今後の事務処理に対して元々報酬も低い水準なので廃業を決断しました。(40代/宮城県)
インボイス増税を巡る影響
▼業務提携先の企業と個人外注さんの間に立つ仕事をしています。インボイス登録をされていない外注さんとは、特例でも認められない2割分の消費税負担をどちらが被るかで板挟みになります。どちらの立場でも、その2割が関係を悪くします。非常に仕事を進めづらくなりました。請求書等の書式についても非常に手間です。(40代/埼玉県川口市)
▼人がどんどん入ってくる業種はいいが、建築下請け業のような募集しても、人が入ってこない業種は、人を切れないので、こちらが消費税を被るしかない。不景気、物価高、人手不足、増税、社会保険料増、このような中でさらに孫請けの消費税までカバーして、いつまで会社がもつかわからない。(60代以上/新潟県三条市)
▼公益財団法人で、取引先は小規模事業者や個人が多く、相手方にインボイスの不利益を押し付けないようにすると負担が増大してしまう。実質的な増税だが、取引先の行政は増税と認めず、指定管理料などはアップされない。(40代/兵庫県宝塚市)
▼内職で仕事をしている20名程度の職人に外注することの多い会社です。外注先は年配の職人で、もちろんインボイス登録などしていない。仕入税額控除が受けられないのがとても痛い。経理の手間、会計システム、伝票類の作り直しなども大変。私は製造メインで1日12時間以上働き休みも月1回程度しか取れないため、経理まで手が回らない。時間も体力もギリギリでやっていて更なる負担増に不安しかない。やらなければならないので勉強はしているが。何故こんなに手間を増やすのか、頭にきています。(40代/山形県寒河江市)
▼将来子供を出産したいので、ある程度稼げて時間の自由がきく個人委託のドライバーの仕事を始めたが、実際は食べるだけで精一杯。インボイス未登録でもOKなウーバーイーツは報酬が減った。付き合いのある会社は、未登録でも仕事を回してくれたが減額で合意。新しい取引先を探そうとしても未登録だと電話越しで断られてしまう。出産費用が集まる気がしない。泣きたい気持ちでいっぱいだ。(30代/愛知県名古屋市)
会社員も業務量が激増
▼中小企業の経理担当者です。事務処理が煩雑で負担が大きいです。国税庁の180ページ以上のQ&Aを読み込んで社員、取引先に説明するのかと絶望的な気持ちになります。大手の取引先でも処理の認識が異なることが多く、やり取りが増。10月以降は、他部署の事務担当者も対応の難しさを実感して、「今すぐ中止してほしいよね」という話が出ます。経理で人手が足りないから新たに採用したくても、経理業務の経験があってもインボイスに対する知識がない人だと戦力になりません。現状、インボイスを理解している人が疲弊している状況です。経理職を辞めたいと考えることも多いです。(40代/千葉県松戸市)
▼インボイス制度を理解しない学ばない経営層、取引先、同僚によって精神的にも実務的にも負担が増え発狂しそう。それもあって退職を決めた。実務を行うものにばかり負担がかかりすぎている。税制全て見直すべきだ。(40代/愛知県清須市)
▼賃貸不動産業は、課税・非課税・不課税取引が混在しており、かつ慣習的に、預り金や立替金が非常に多い。そんな中、この煩雑で複雑な制度を、どれ程の事業者が理解できるか。その混乱に伴うブルシットジョブの増加に耐えかね、職を辞することとなった。準備段階で時間外が過労死ラインだった。働き方改革ってなんだったんだ。(40代/東京都新宿区)
▼大企業(登録事業者)で経理をやっていますが、経理部の中でもインボイス制度を完璧に理解している者はまずいません。私は取引先の登録番号を国税庁の登録番号公表サイトから調査して、社内の取引先マスタに登録番号を5000件程度登録し、その後、従業員向けに社内通達を作成し、逐一制度の周知と運用方法を案内したが、毎日50件程度の問合せが発生している。既に現場は疲弊しています。加えて取引先の対応もマチマチ。NHK、NTTグループの企業などの対応が煩雑すぎて、制度前にもっと早く案内してほしかった。また当社は親会社がオフィスを一括で契約して複数の子会社と共有使用しており、管理費用を上乗せして賃料を子会社に立替金精算で請求しているためトラブルの元になりかねない。既に経理や現場担当者では大きな混乱が発生しており、10月度の会計処理が締められるか危険な状態である。残業時間も増加し、繁忙期には月80時間ほど発生しそうだ。一刻も早くこんな制度は廃止するべきだと強く要請する!(30代/東京都八王子市)
▼経理担当歴15年。勤務先が売上1億円を超しているため、1万円以下の領収書にもインボイス番号が必要で、コンビニなどフランチャイズの店員さんの個人名とコンビニを店名まで登録しておかなければならない。下請けの中には、キャバクラなどで会計士を名乗る人から「同姓同名の個人事業主のインボイスを教えてあげる。それを使えば自分は消費税を払わなくても取引を続けられる」と持ちかけられたという人もいる。また、インボイス登録すると消費税を計算・申告、納税する課税事業者になるという自覚のない下請けもいる。(40代/沖縄県)
未登録事業者との取引断絶
▼インボイス制度により取引先からどのように対応するのかの説明もないまま、シレッと仕事の依頼が途切れた。(たまたま依頼がなくなったかのような雰囲気)(四〇代/東京都稲城市)
▼販売元がインボイス登録事業者でなければ、人気商材であっても販売継続ができなくなりました。備品も、指定ECサイトの使用にほぼ限られ、ちょっとした文具なども近所の商店で用立てることができなくなりました。出張先での宿泊費や交通費、駐車場や飲食店の利用ひとつひとつでインボイス対応を確認する必要があり、業務外の作業が非常に煩雑になりました。(30代/長野県小諸市)
▼取引先の翻訳会社から「今後は適格事業者番号なしの請求書は受け付けられない」と言われました。もともと消費税込みの価格でしたが、登録してもその分の値上げはなさそうなので、取引自体なくなる見込みです。他社も同じ流れになれば廃業しかないと思っていますが、シングルマザーなので死活問題です。(40代/千葉県千葉市)
▼下請会社がほぼ個人事業主なので、廃業しないか心配。彼らが廃業したら、弊社も施工部門を閉じなくてはならない。手に職を持ち伝統や文化を支えてくれている職人さんが消えた世界に、継続も発展もない。勤務先自体は課税事業者だが、様々な処理に追われて残業が増えた。辛い。そもそも消費税を財源にするのは誤り。消費税をなくせばインボイスは不要。今の日本はいびつ過ぎる。(40代/山口県岩国市)
▼インボイス制度の実施後、業務量が明らかに減りました。未登録が理由ではなく、「あなたのスキルがないから、取引をやめた」「あなたには合わない案件だった」という理由で排除されます。そもそも依頼側も「インボイス登録事業者ではないから」とは、口が裂けても言わないでしょうから、公正取引委員会に相談しても、別の機関に相談しても、全く意味がありません。何十年も良好な関係を続けてきた取引先ともぎくしゃくしています。この制度がなければ対立しなくて良かった人たちと対立し、取引先に加えて、友人も失いました。こんな分断は、本当につらいです。岸田首相は「明日は今日よりも良くなる」とか言いますが、こんな状態では、明日への希望なんて、抱けないです。コロナ禍を乗り切り、物価高にも耐えて、色々と工夫してやってきたのですが、もう、限界です。(50代/岐阜県大垣市)
▼営業活動での手土産について、インボイス未登録の小さな和菓子店や、洋菓子店では経理処理上支障が出るので購入禁止と通告されました。インボイスを理由に除外されるお店は増えていると思います。こうしたことが重なって売上が減り、潰れてしまわないか心配です。(30代/東京都千代田区)
今回の調査を踏まえた「制度開始1ヶ月の実害を踏まえた適格請求書等保存方式(インボイス制度)の運用停止・中止・廃止を求める要請書」では「21年12月の活動開始から一貫して以下の点について問題を訴え、見直しを含めた中止・廃止を度々、政府・行政に呼びかけてきた」とし、危惧が現実のものとなった今、寄せられた声から整理した以下の六つの問題点を是正できない限り、インボイス制度の当面の運用停止・中止・廃止を改めて求めた。
1、不景気・物価高の中での“インボイス増税”であること
2、免税事業者に対する一方的な値下げ、取引排除の横行
3、インボイス未登録事業者への差別・バッシング
4、複雑を極める制度により、生産性のない過重な事務負担で疲弊する現場
5、自由な商取引が阻害されている
6、税理士・税務署といった税務のプロの誤った指導と理解不足、そして相談窓口不足
財務省、国税庁、公正取引委員会、中小企業庁に対し、11月22日までに要請書に対する見解を回答するよう求めている。