れいわ新選組(山本太郎代表)は9月から10月にかけて「迫る! 日本の食料・農業危機~食と命を守るために私たちができること~」と題し、鈴木宣弘東京大学教授を講師に招いて政策勉強会を開催することを発表した。27日までに公表された開催地は、熊本市、岐阜市、水戸市、東金市、盛岡市、山形市、新潟市、高崎市、那覇市、宇都宮市の10カ所。「食料・農業政策に関して、さまざまな意見交換をおこなう」場とするため、広く参加を呼びかけている。
鈴木宣弘教授は、三重県出身で東京大学農学部を卒業後、農林水産省に入省。九州大学大学院教授を経て、現在は東京大学大学院農学生命科学研究科教授。専門は農業経済学。FTA産官学共同研究会委員、食料・農業・農村政策審議会委員、コーネル大学客員教授などを歴任し、その幅広い見地から、低迷する日本の食料自給問題の解決や農政の抜本的見直しを訴えている。著書に『食の戦争』(文春新書)、『農業消滅』(平凡社)、『世界で最初に飢えるのは日本』(講談社)などがある。近年は食料安全保障問題の第一人者として、精力的に講演活動をおこなっている。
鈴木教授は勉強会開始にあたり、れいわ新選組に次の様なコメントをよせている。
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日本の食料自給率は種や肥料の自給率の低さも考慮すると38%どころか10%あるかないか。海外からの物流が停止したら世界で最も餓死者が出るのが日本との試算もある。今こそ、国内生産を増強しないとならぬはずだが、逆に国内農業は生産コストが倍増近くに高騰しても、農産物の販売価格が上がらず、農家の廃業が激増している。
このまま放置し物流が止まれば、国民の食料はなくなる。農業の崩壊で関連産業も農協・生協も地域の政治・行政も存続できない。
地域の種を守り、生産から消費まで「運命共同体」として地域循環的に農と食を支える「ローカル自給圏」の構築が必要である。一つの核は学校給食の安全・安心な地場産農産物の公共調達を進めることである。農家と住民一体化で耕作放棄地は皆で分担して耕そう。
命縮める輸入品は安いのでなく、本当は国産のほうが命を守るためには安い。消費者も流通・加工も今すぐ国産を支えよう。輸入途絶のリスクの高まりと世界的な消費者の減化学肥料・減化学農薬の潮流から有機・自然栽培の方向性を視野に入れることが不可欠になっている。
お金出せば食料は買える時代は当たり前でなくなった。不測の事態に国民の命を守るのが「国防」なら、地域農業を守ることこそが安全保障だ。まともな食料生産を潰して、トマホークとコオロギをかじって生き延びることはできない。
【参考】迫る食料危機! 私たちの食と農を守るためにできること㊤ 東京大学大学院教授・鈴木宣弘
開催場所・日時と参加方法
政策勉強会では、司会を務めるれいわ新選組の高井崇志幹事長をはじめ党幹部も出席し、鈴木教授の講演(約1時間)、質疑応答、食料・農業政策に関する参加者との意見交換をおこなう予定としている。
趣旨に賛同する人なら誰でも参加できるが、参加するには事前の申し込みが必要で、定員があるため先着順となる。申し込みは、れいわ新選組公式ホームページの申し込みフォームから名前や連絡先などの項目に記入して送信し、「自動返信メール」が届いたら受付完了となる。参加費は無料。
開催予定地(27日現在)は以下の通り。
▼9月1日(金)熊本県熊本市:熊本城・城彩苑(2階、多目的交流施設)18時~20時、定員144名
▼9月4日(月)岐阜県岐阜市:ハートフルスクエアーG(2階、大研修室)18時半~20時半、定員100名
▼9月15日(金)茨城県水戸市:ザ・ヒロサワシティ会館(分館2階、集会室10号)19時~21時、定員150名
▼9月22日(金)千葉県東金市:東金文化会館(小ホール)19時~21時、定員340名
▼9月25日(月)岩手県盛岡市:岩手県水産会館(5階、大会議室)19時~21時、定員100名
▼9月26日(火)山形県山形市:山形ビッグウイング(2階、大会議室 )18時~20時、定員390名
▼10月2日(月)新潟県新潟市:新潟ユニゾンプラザ(4階、大研修室)19時~21時、定員132名
▼10月13日(金)群馬県高崎市:高崎市総合福祉センター(2階、たまごホール)19時~21時、定員300名
▼10月16日(月)沖縄県那覇市:沖縄県青年会館(2階、大ホール)18時~20時、定員120名
▼10月20日(金)栃木県宇都宮市:コンベンションホテル「コンセーレ」(分館2階、大ホールA)19時~21時、定員132名