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「桜を見る会・前夜祭」刑事告発にあたっての声明 弁護士や法学者ら662人が発表

 本日、全国の弁護士・法学者662名が、「桜を見る会・前夜祭」問題について、東京地方検察庁に対して、安倍晋三首相ら3名を被告発人とする刑事告発を行いました。

 

 総理主催の「桜を見る会」は、安倍政権のもとで参加者・経費が急増しただけでなく、多数の安倍晋三後援会員が招待され、招待者の中に消費者被害の加害者や反社会的勢力の人物もいるなど、安倍首相による公的行事・税金の私物化が問題とされ、すでに背任罪での告発もなされています。

 

 また、その前日に安倍晋三後援会が主催して高級ホテルにおいて800人規模で開催された「前夜祭」についても、その収支報告を行わず、かつ、ホテルの正規の費用を大幅に下回る会費で実施されていたことが、政治資金規正法・公職選挙法に違反するとの指摘がなされていました。

 

 安倍首相は当事者として国民に対して真摯かつ誠実に説明する義務があったにもかかわらず、国会で問題となるとすぐに「桜を見る会」の招待者名簿を廃棄し、招待者についても、「個人情報」を口実に国会での説明を拒否し続けてきました。また、「前夜祭」の収支についても、明細書・請求書等の資料の開示を拒否し、主催は個々の後援会員なので後援会は収支報告をする必要がないなど、不自然かつ不合理な弁明を繰り返し、国民の疑問に誠実に答える姿勢がまったくみられません。

 

 このような安倍首相の対応は、議会制民主主義の軽視にとどまらず、法の支配、法治主義をも踏みにじるものであり、到底容認できるものではありません。

 

 「桜を見る会・前夜祭」問題は、日本の政治の最高責任者である安倍首相自身(安倍後援会と内閣府・内閣官房)に直接かかわるものであり、首相としての政治的・道義的な責任に止まらず、刑事責任を含む法的責任が問われる重大事件であり、その真相を明らかにし、責任を追及することが強く求められています。

 

 安倍首相自身が説明責任を果さず、与党(自民党・公明党)の数の力によって国会での真相究明・責任追及が阻まれるという憂うべき状況を打開し、議会制民主主義、法の支配・法治主義を回復するためにも、検察による事実の究明と事件の徹底的な捜査を行う必要があります。


 この思いで、本日、刑事告発を行いました。

 

 私たちは、東京地方検察庁に対して、本件の重大性を真摯に受け止め、刑罰法令を適正かつ迅速に適用実現(刑事訴訟法1条)するため、政権に忖度することなく、厳正公平・不偏不党の立場を貫き、強制捜査も含む徹底した捜査を行い、真相の究明と刑事責任の追及を迅速に行うことを強く求めます。

 

2020年5月21日        
 「桜を見る会」を追及する法律家の会
  告発人662名

 

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この記事へのコメント

  1. 近畿財務局職員の手記を読んで、意志に反して森友事件に関連する公文書の改ざんを手伝わされ、みずから命を絶った近畿財務局職員赤木俊夫氏は、国家公務員として国民に忠誠を尽くす立場からこれに抵抗したが、最後まで抵抗しきれず、国民への裏切り行為を働いたみずからを罰するとともに、真実を世の中に明らかにするために命を絶つという道を選んだ。 赤木氏の命をかけた叫びを闇に葬ろうとしている。

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