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れいわ新選組が記者会見 衆院選に向け闘う決意示す 悪政を補完する立憲民主党の姿勢も厳しく批判 「前回以上の躍進目指す」

(9月9日付掲載)

記者会見で質問に答えるれいわ新選組の山本太郎代表㊧と高井崇志幹事長(8月30日)

 れいわ新選組の山本太郎代表と高井崇志幹事長は8月30日、国会内で不定例記者会見を開いた。次期衆議院選のたたかい方にも触れ、与党の自民・公明だけでなく、たたかうポーズだけで与党を補完する立憲民主党をはじめとする主要野党の生ぬるい部分とも馴れ合うのではなく全力でたたかう決意を示した。さらに、選挙区の候補者擁立をめぐって立憲民主党による「れいわ潰し」ともいえる陰湿で非民主的な手法を厳しく批判。国会や地方議会を基盤として、現在の政治に絶望を抱いている多くの人々と繋がり、社会を変えていくための意気込みを示した。以下、山本、高井両氏の会見要旨を紹介する。

 

◇      ◇

 

 記者 立憲民主党の代表選に出馬している枝野氏は、消費税を5%にしたらハイパーインフレになるという理由で減税に反対している。野田氏も代表戦に出馬しているが、社会保障の財源として必要だということで消費税10%のまま続けるべきだという旨の発言をしている。これについてどう思うか?

 

 山本 立憲民主党の代表選に手を挙げているのは過去の遺物みたいな人たちだ。現在の国政において最もひどいのは自民党だが、その下地が作られたのは事実上、民主党時代であり、そのような黒歴史がありながらも、その者たちがまた手を挙げているのが非常に絶望的だ。消費税を5%減税するとハイパーインフレになってしまうという経済感覚を持った者は、もう政治家を辞めた方がいい。そういった者が力を持つことは悲劇でしかないし、下手をしたら自民党の方がマシかもしれない。

 

 消費税を社会保障の財源にすると謳われ続けてきたが、過去にいみじくも安倍元総理が国会での所信表明で、消費税増税分の7割は借金返しに使ったと語っている。社会保障の財源として消費税が必要なかったとバラしたのが安倍さんであったということだ。大企業は過去最高益で、金融資産などいろいろなものを増やして富裕層や超富裕層の富がさらに肥大化している。そんななかで庶民の首を絞め、中小企業を潰しまくる消費税をさらに拡大すると予告するような者たちに、一体何を期待しろというのだろうか。立憲民主党の代表選は、自民党の総裁選と並んで期待できない。死人を蘇らせるせるための祭りでしかないと思う。

 

 「自民党も民主党も大して変わらない」といったが、言葉だけで抽象的にいうのも失礼にあたるかもしれないので、民主党政権時代にどういったものを前に進めてきたか簡単に話したい。例えば「社会保障と税の一体改革」という名のもとに消費税を増税した。それを主導したという意味でかなり罪深い。また、TPPを成立させたのは自民党だが、その道筋をつけたのも間違いなく民主党だ。

 

 他にも、「脱原発」という言葉も出てきた時代があったが、結局、民主党政権時代におこなったのは財界主導の原発再稼働、そして輸出だ。それだけではなく「地方分権」も言葉ばかりで、新自由主義的な地方分権。なかでも一番たちが悪いのがPFI(公共事業の民営化)だ。その旗振り役として竹中平蔵のような者もいるが、そのような者たちが力を合わせて日本の国益、財産を切り売りしてきた。また、武器輸出や共同開発に道を開いたという部分もある。その道筋を最初につけたのも民主党であり、そこに補完勢力として自民党と公明党が力を合わせて日本を壊してきた。たとえ看板を付け替えたとしても民主党だ。

 

 記者 元れいわ新選組の候補者だった方が、(れいわ所属の)大石晃子氏と辻恵氏の選挙区にそれぞれ立っていることについてどう考えているか?

 

 山本 れいわの共同代表である大石晃子の選挙区は大阪5区だが、ここにわざわざ立憲民主党が候補者を立てた。その候補者が2021年の選挙のときにれいわ新選組から大阪7区に立候補した人だ。当時この方は元々大阪5区が地盤だったが、私たちに相談があったときにはすでに5区は大石晃子で決まっていたので7区に落ちついた。活動量が薄い方で結局は落選したが、その後に立憲民主党から拾われた。立候補を表明するのは自由とはいえ、いい方は悪いが大石にぶつけてきている。

 

 また、れいわ新選組は愛知15区に辻恵氏がいる。そこにも立憲民主党から候補者を立てられた。その候補者も、統一地方選でれいわ新選組から川口市議に立候補した女性だ。その方が川口市議を辞め、立憲民主党からわざわざ愛知15区から立候補を予定している。

 

 向こう側が「仁義なきたたかい」を認めたということだろうから、こちらも遠慮しない。自民党がダメなのは当然だが、野党第一党も絶望的だ。そのなかで指導的立場を握っている者であったり、マイナスの意味で影響力がある者に対しては私たちも遠慮なく候補者を立て、政治家に向いてない者に引導を渡すということもやっていくべきだということで、非常に燃えている。

 

衆院沖縄4区について 立憲・野党共闘の欺瞞

 

 記者 沖縄4区では野党統一候補を出すことで協議が続いていると思うが、これに関して8月28日にれいわ新選組は文書を提出した。このタイミングで文書を出した意図と、候補者選考委員会がその要望を受け入れないと決めたことについて、今後どう対応していくか?

 

 山本 れいわ新選組は沖縄4区において、山川仁氏を公認している。一方で、オール沖縄主催で沖縄4区の候補者を一本化するための「候補者選考会」が4月から9回にわたっておこなわれている。ぜひこれにれいわ新選組も参加してほしいといわれ、私たちも参加している。だがこの選考会には大きな問題点が2点ある。その問題に関して私たちが文書を提出し、それに対して答えが返ってきたのだが、あまりにも「塩対応」で逆にいうと締め出すような状況をつくられてしまったというのがこれまでの事実関係だ。

 

 2つの問題点について話す。

 

 1点目は、前回の衆議院選挙で立憲民主党から立候補した金城徹さんという方をめぐる、「令和3年収支報告書」についての問題だ。この報告書の会計責任者の欄に大城竜男さんという方の名前が載っているのだが、大城氏本人の了解を得ずに記名と押印がされていた。普通ならあり得ないことだ。この件は有印私文書偽造の疑いがある。

 

 大城氏は元々立憲民主党沖縄県連の幹事長をやっていたが、金城氏の衆議院選挙出馬に反対して立憲民主党を離党している。会計責任者の変更については選管に届け出るだけで変更可能なのだが、候補者の金城氏はその手続きを怠って、しかも本人の了解なしに収支報告書に記名押印をしていた。

 

 そして立憲民主党本部はこの件について知っていたにもかかわらず、2023年10月27日に金城氏を公認している。この問題は、立憲民主党が国会で自民党に対して「あるまじき行為」といい続けてきた行為と同じだ。例えば、2022年10月に発覚した寺田総務大臣(当時)の問題では、寺田氏がすでに死亡していた人を会計責任者として収支報告書を提出しており、問題は有印私文書偽造疑惑だった。沖縄4区での立憲民主党のケースは、本人が死亡してはいないが、その人の許可なく勝手に名前を変えて押印までしており、やっていることは同じだ。自民党の裏金問題の本質は、収支報告書の虚偽記載であり、逮捕者も出ている。これでは立憲民主党自身が国会でいってきたこととまったく整合性がとれない。

 

 選考会の照屋座長をはじめ複数の選考委員に対しては、許可なく記名押印された大城氏本人に金城氏が面会して謝罪し、和解しているとの説明がなされている。しかし、れいわ新選組の高井幹事長と沖縄4区の候補者山川氏が、5月9日と8月24日に大城氏と面会して「金城氏は(大城氏に)面会しているという話をしているがどうなのか?」と聞くと、大城氏は「面会していない」「第三者による仲介はあったが許していない。マスコミなどに問われればいつでも真実を話す」といっている。ぜひインタビューしてほしい。

 

 金城氏の収支報告書の虚偽記載をめぐっては、8月4日と13日の公開討論会で、れいわ新選組の山川仁候補が金城氏に直接質問をしようとしたのだが、選考会の照屋座長が「この場にふさわしくないので選考会で協議しよう」と発言を止めさせた。だがその後、選考会に出席した高井幹事長が、金城氏および当時の会計責任者からのヒアリングを実施すべきだと求めたが、「ヒアリングは実施しない」という回答だった。隠蔽だ。

 

求められる公明正大な民主的手続き

 

 山本 もう一点の問題は、候補者の選考方法について。

 

 オール沖縄主催で候補者を一本化しようという選考会に、「れいわもぜひ」ということでわれわれも入っている。そのとき、れいわ新選組が選考会に参加する条件として、候補者は話し合いによって全会一致で決めるべきで、選考委員のみによる多数決はおこなわないということを求めていた。これに対し、4月17日におこなわれた第1回選考委員会で照屋座長は「選考委員のみによる多数決はおこなわない」と発言した。つまり、れいわが選考会に入る条件として訴えた内容に対し、前向きに段取りすると座長自身が認めたということだ。だが一方で座長以外からは、「多数決で決めるべきだ」という発言がずっと続いた。

 

 こうした経緯が様々あったなかで、このたびれいわ新選組は8月28日、「金城徹氏と当時の会計責任者からのヒアリング」と「選考委員だけの多数決では(候補者を)決めない」、この2点を確約できなければ、選考会には参加できないという旨を座長に文書で伝えた。するとその翌日、いずれも拒否する回答が私たちに渡された。れいわ新選組としては求める条件が満たされるまでは選考会を欠席する以外ない。

 

 当たり前にヒアリングされるべきことが拒否されるなら、この選考会の公平性等を担保できないし、要するに立憲の「金城氏を必ず候補者にする」という出来レースの下で恣意的に運用された選考会ということになる。それでいて「これが統一候補者だ」とするのは非常にまずい。今までの日本の政治の悪い部分全部煮詰めたようなやり方だ。そこに対して私たちは正面から向き合い、やりとりを続けてきた。

 

 高井 私も選考委員の一人だ。そして元々の経緯をいうと、昨年6月にれいわは山川氏を公認している。沖縄はかなり野党共闘がうまくいっており、1区が共産党、2区が社民党、3区が立憲。そして4区は誰も出ていないので、れいわが出そうということで、うまく共闘できると思っていた。ところがその4カ月後に立憲が金城氏を出してきた。

 

 それを一本化するために今年4月に選考会が立ち上がったのだが、メンバーを見ると政党は立憲、共産、社民、社大、れいわの5党。そしてここに「新しい風・にぬふぁぶし」という元々金城氏が共同代表だった中道保守の政治団体。それから「沖縄うない」から比嘉京子さんという方も手を挙げたので、その女性グループの代表。また沖縄4区は宮古島や石垣島など離島が多く、結構な有権者を占めるので、離島を代表して県議が1人参加し、全部で8人いる。この構成を見ると、どう考えても多数決ならば候補者は金城氏に決まるのが目に見えていた。だから選考会に入る段階で絶対に多数決ではなく、議論を尽くすべきだと主張した。

 

 その話し合いの過程においてはまず公開討論会をやろうということで、今までオール沖縄では1回も実施したことがなかった公開討論会が実現した。それから議事録公開も強く要求して初めて実現した。ところが肝心なところが黒塗りだった。

 

 公開討論会では山川さんの圧勝だった。会場でアンケートをとろうとも提案したし、40~50人いるオール沖縄の市町村議員に投票してもらおうとも提案したが、どれも却下された。実は宮古島で開催したときには、ボランティアの方々が自主的にアンケートをとった結果、やはり山川さんの圧勝だった。それをボランティアの方が座長に持って行って「これを参考にしてください」といったが、受けとりはしても選考会には上げなかった。

 

 要するに県民、有権者の声を聞く姿勢がまったくないまま、形だけ9回もの選考会をやって最後は多数決で決めようというのが見えている。そこで出した二つの条件に対しまったくのゼロ回答ということであれば、欠席はやむを得ない。

 

 山本 民主的にみんなで決めていこうという体を装いつつ、元から決まっていたストーリーに乗っかるという状態だ。れいわをその場に入れることを決断したのであれば、こういった問題が表に出されるのは当然だ。「そんな声は別にいいだろう」「そのまま行け」という感覚になってしまっているのは明らかにおかしい。この二つの問題がクリアされれば、当然私たちはもう一度選考会に出席するつもりだが、私たちを離脱させたいという向こう側の意図をひしひしと感じる部分もある。しっかりとけじめをつける必要があるし、それが濡れ衣であるならば晴らすべきだ。これは選挙にも大きく影響する話だと思う。

 

 もしもクリアされないまま候補者が決まった場合、そのときはそれぞれのたたかいになっていくだろう。疑惑にまみれたままの候補者を沖縄4区の顔として国会議員にするのか? それを立憲民主党以外の政党も認めるのか? ということだ。これでは、もはや自民党と公明党の関係と変わらない。できれば決裂は避けなければならないし、避けたいからこそ私たちは数カ月にわたって選考会にも出席し、議事録の公開を求め、それを実現しながら様々なステップを踏んできた。沖縄の選挙における民主的手続きを拡大していくために協力してやってきたという自負がある。その先頭に立っていたのが、れいわの候補者予定者の山川であり、高井幹事長だ。このまま関係が瓦解してしまうとは考えたくないが、現実とも向き合わなければならないので、そういう乱暴なことがなされたときには、私たちは私たちの道を進むしかない。

 

 野党共闘が一番うまく進んできた沖縄から、野党の一翼を担っているという意味でれいわ新選組にも枠をいただいたし、今の沖縄の窮状、そしてこの先さらに沖縄が大きな戦争に巻き込まれてしまうようなことに関しても防がなければならない。そういう意味では沖縄4区は日本の様々な問題を背負う最先頭に立つ候補者、その重責に耐えられる人物でなければならない。

 

旗揚げして5年 本気で闘う勢力増やす

 

宮城県仙台市でゲリラ街宣をおこなう山本太郎参議院議員(9月6日)

 記者 れいわ新選組は驚異的なスピードで国会議員を増やし、統一地方選でも全国にかなり市議を揃えた。山本代表が全国を巡るなかで、れいわ新選組が若者や国民のより所になれているというような感覚や、何かしら国民の皆が発言しやすくなってきているという実感があるか?

 

 山本 れいわ新選組が2019年に旗揚げしてから5年が経ち、少しずつ党勢拡大して国会議員は8人になった。地方自治体議員は54人いる。

 

 今の社会を見ていて、あまりにも政治がおかしいと思えることは数多くあると思う。そのような気持ちになった人たちに対して、地方自治体議員がそれぞれの地域の活動のなかで何かしらの語りかけや、「一緒にやっていこう」というきっかけづくりができれば非常に素晴らしいと思う。

 

 また、全国でおこなう街宣やお話し会の場では、今までこういったものに参加したことがなかった人がどれくらいいるか必ず尋ねているのだが、各地方で少なくとも20人以上手が挙がるようになった。今まではれいわの支持をしているとか、少し興味があるという人たちが主に集まっていたが、そうした人たちのなかに、何かしら政治に対して興味が湧いてきたという人々が多く含まれてきている。

 

 高井 地方議員が増えてきたことによって、その後の地方選ではそれぞれが応援に入って確実に一人ずつ増やしていけている。そうした点ではどこかの政党のように大量に候補者を出して当選させるようなことはせず、われわれは一つ一つ確実に増やしていく。

 

 記者 中小企業も個人事業主もバタバタ倒れており、あらゆる分野で時間がないという局面だ。しかし国会を見ていると、たくさん議員がいても力が消され、国会が機能していないと感じる。れいわ新選組として国会を機能させていくために何かできることはあるか?

 

 山本 国会議員の「資質」という意味とは別に、国会議員になった後に国会議員たちにとって必要なことは、次の選挙で勝つことだ。そのためには当然、次の選挙の公認をもらわなければいけないので党執行部には逆らえない。また、議員で居続けるためには自分を政治家にしてくれた支援者、企業や団体に対して違う意見はいえない。だから自民党は統一教会とも経団連とも手が切れない。連合も野党第一党もそうだ。

 

 支援者とは一線を引かなければならない。すべて支援者のいう通りにしていたら話がまとまらない。期待をかけてくれる人たちに対しては全力でやることを約束するが、100%のことはできないという了解のもとに、社会を少しでも変えていくために力を合わせてやっていく。これが政党当事者とその支援者との関係性だと思う。いいなりになってしまったら自民党や野党第一党と変わらないし、私たちはそういうところとは違う。

 

 今の社会に少しでも疑問を持って政治に関わり、一緒に動き出した人たちがれいわ新選組の8人の国会議員と54人の地方議員という形をつくってきた。しかし、今のままでは数が少なすぎて大して影響力はない。国会議員の数が二桁になれば、おそらく他党の議員も、元々自分自身が国会議員を志したときの方向性を維持したまま政治に関われるという方を選んでくれるのではないかと思う。

 

 自分が社会を変えるという気持ちや思いを、既存の政党のなかで一緒にやっていくためにれいわを選んでもらう以外、社会は変えようがない。

 

 景気がここまで崩壊して、人々の生活がボロボロになって中小企業が潰れ、一部の者しかもうからないような、果ては戦争でもやればすべてがリセットされるだろう、くらいのことしか現政府は考えてない。そして戦争が終わったら復興でまた金もうけだ。多くの人々にこれ以上不満を抱かせないよう箝口令を敷いて、国のいう通りにしなければならないような雰囲気をつくっていったのがかつての戦争であり、大手メディアはそれに加担した。そして今、またその局面にあることを大手メディアはいわない。なぜなら商業主義に則って自分たちの金もうけにはスポンサーからの広告が必要だからだ。

 

 そういった事実関係も踏まえたうえで、今、この世の中を変えるのは政治家ではなく、この国に生きる人々だ。それを体現して形になったものが、れいわ新選組だ。「世の中を変えていくのなら、野党第一党とも仲良くするべきだ」という下駄の雪みたいな思想を押しつけるようなこともいわれるが、私たちがこの先何かしら日和(ひよ)るようなことをやるならば存在意義はない。

 

 現状があまりにもひどいということと合わせて、世の中は変えられるということを多くの人々に知ってもらい、広げていくしかない。「何度も同じ話は飽きた」といわれることも多いが、飽きたのならあなたは次のステージに進めばいいだけだ。まだそういう話を聞いたことも考えたこともない人たちの方が圧倒的に多いのだから、この先もずっと同じことを続けていく必要がある。

 

れいわの地方議員 自力で変える構え必要

 

仙台駅前のゲリラ街宣に足を止める人々(9月6日)

 記者 れいわ新選組のような立ち場では、野党第一党に与党へのバーターを求められて、れいわへのいじめなど、地方でもいろいろ崩しが入ってきていると思う。そんななかで地方議員も各議会では心細いと思う。地方議員を集めての会議やコミュニケーション不足に陥らないための話し合いは、どれほどの頻度でやっているのか?

 

 高井 地方議員には、基本的に四半期に1回は全国から集まってもらって、来れない人はZoomで参加して懇談会、研修会をやっている。その他に月に1回か2回くらいのペースで講師を招き、Zoomで勉強会をやっている。地方議会は年に4回あるが、それぞれのテーマになりそうなことについて勉強している。今月は次の議会で決算がかかるので、その勉強会などをやって、終わったあとに意見交換の場ももうけている。また先日おこなった党の総会の後には、代表と共同代表にも残ってもらって地方議員とZoomで夜の12時くらいまで約3時間かけて懇談会をやった。私もいろいろな党にいたが、地方議員と党本部とのコミュニケーションとしては、かなり腹を割って話ができていると思う。

 

 山本 手取り足取りというわけにはいかないが、そのなかで私たちがやれることをやっている。今やっている勉強会やサポートで精いっぱいだ。あとは本人たちが一刻も早く世の中を変える一人として、それぞれの地域で自力で動いて様々なものを獲得できるよう目指していくということだ。一からみんなを育てていくような余裕はないし、走りながらやらなければならない。それは当然のことであり、給料までもらっている人間が党に育ててもらうようではいけない。大前提として、自身が何をどう変えていくのかを考えながら、党という枠組みも使って地域を一緒に掘り起こしていくという構えが必要だ。

 

 党が至らないのは当たり前だ。元々、組織でなかったものが5年経ってなんとか少し組織らしくはなったとはいえ、組織運営に関わっていたような者はいない。それでもみんなが集まって世の中を変えていくということだ。みんなしっかり踏ん張って、初めてのことやいろんなことに戸惑いながらも世の中を変えるために活動してくれているのが、れいわの地方議員だ。

 

政権交代にむけて 野党に背骨を入れる

 

 記者 今日(8月30日)の夜に、東京都文京区民センターで、小沢さんを支えてきた市民グループの人たちが市民連合の人たちを呼んで、政権交代のために立憲民主党にもの申すという主旨で話し合いをするそうだ。山本代表がその場に居たら伝えたいことがあるか?

 

 山本 政権交代などに関して催し物があるときには、以前の私なら結構いろいろなところに顔を出してきた。しかし、さすがに今はれいわ新選組の代表をやっているのでフットワーク軽く参加できない。ただ政権交代が必要なのは間違いない。自民党は泥棒、強盗の皮を被った政治家たちの集まりだ。

 

 一方で、そのなかにも泥棒や強盗に加担してない人たちもいる。とはいえ自民党が消費税増税など様々なとんでもないことを山ほどしてきているなかで、それを党内部から止めようとしたか。例えば郵政民営化のときには、「それはだめだ」と立ち上がった人たちもいた。だが粛清された。そういう記憶があるからこそ党には歯向かえないし、間違ったことをやっていてもいいような空気が広がっていると思う。その結果、裏金などの問題に主体的に関わったりしていない人であっても、これまで自民党がやってきたことに加担し続けており、共犯だ。そういった者たちは、政治の世界からは身を引いてもらわなければならない。

 

 また、政権交代は必要だが、今の立憲民主党が政権をとっても自民党と変わらないと思う。むしろ経済観がまったくおかしいので、経済はもっと悪くなるのではないか。為替を動かすため金利を上げろなどとボケたことをいっている。今必要なのは減税なのに、逆のことをいっている。だから自民党とは非常に親和性が高いし、もう自民党と一緒になればいいと思う。維新と自民と立憲と国民民主は一緒になるのが一番すっきりする。派閥の考え方の差くらいしか違いがない。

 

 今のままの立憲民主党で政権交代してしまうと、民主党の悪夢が再来する。次の民主党の悪夢がやってきたときに、有権者の「裏切られた」という思いをもう一度ひっくり返すのはもう無理だ。だからこそ政権交代の質を変えていく必要がある。つまり強い野党をつくってからの政権交代でなければ難しいだろう。とりあえず政権交代したとしても、どちらにしても野党は強くならないといけない。

 

 「強さ」の中身は二つ。ひとつは、経済。経済政策を徹底的にやるということ。そしてもうひとつは、この体たらくの与党に対して、国会のなかで徹底抗戦するということだ。あれだけ大きな能登半島地震という災害があったのに、補正予算すらつけずにサッサと衆議院で予算を通してしまった。だから「共犯」なのだ。なぜ与党側が出してくる法案を全部通すのか。おかしな政治を変えるんだという気迫が全く感じられない。そんな野党に未来を託せない。

 

 だからこそ、れいわ新選組自体が数を増やさなければならない。そして、野党第一党や様々なところが、「れいわがこれだけ数を持っているのだから、ここはれいわに寄らないとダメだ」という考えになるような状況を目指さないと、実際に動かせない。次の選挙で数を増やし、れいわがキャスティングボートを握らない限りは、世の中を変えていけないだろうという自負のもとに、この先もしっかりやっていく。骨のない野党側の背骨をしっかりと入れていく。そして国会でのたたかい方と徹底した経済政策で、日本の経済を再生するということをれいわが牽引していく必要がある。

 

石巻市での「増税?ダメ♡絶対!」デモで消費税廃止を訴える山本議員(9月7日)

増税反対デモで石巻市内を練り歩く参加者(9月7日)

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