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【声明】石川県能登半島地震の復興にかかるれいわビジョン れいわ新選組が発表(全文)

 れいわ新選組は17日、元日から大規模な被害が出た能登半島地震の被災者救援や復興に関するビジョンを声明として発表し、内閣府に提出した。以下、全文を紹介する。

 

◇――――――◇

 

【声明】石川県能登半島地震の復興にかかるれいわビジョン

 

(主旨)


 2024年元旦(1月1日)に石川県 能登半島地震が起きてから、政府は一度も大きな復興の見通し・ビジョンを示していない。


 それにより、被災された方々のみならず、支援する人々の間にも、どこまで走り続ければいいのか、いつになれば終わるのか、という疲弊が拡がり、希望が持てないとの声を現場で多く聞いた。


 以下、私たちとしてのビジョンをこの国に生きる全ての皆様に呼びかけると共に、現行政府に必要な施策を徹底的に求める。

 

(れいわビジョン)

 

 れいわビジョンとは、 甚大な被害をもたらした「能登半島を完全復興」させ、どの地域にどんな災害がおきても、必ず国の責任で元の生活水準を取り戻すことを国民に示す約束である。

 誰もが住み慣れた地域で、なじみのコミュニティとともに幸福な生活を希求できるよう、憲法上の国の責務を履行する政策を能登から実現する。

 復興、と言葉だけ踊り、実際は将来的に過疎地域として放棄する様な取り組みは許されない。
この災害復興は、日本全国あらゆる地域での国民の生活を守る国の姿勢が問われている。

 

【本物の国土強靭化のモデル・能登半島】

 

 建物の倒壊が多数。自宅の再建も難しい。
 インフラも壊滅状態、復旧の見通しはない。
 その間にも生活の安定を求めて人口の流出は続く。

 

 「次に大きな地震があったときにはもう立ち上がれない」など様々な不安の声を被災された人々から聞いた。

 

 これまで言葉だけの国土強靭化は何度も耳にしたが、実際、実行に移された大胆な強靭化を私たちは知らない。

 

 だからこそ、能登半島から本物の国土強靭化を始めたい。

 

 例えば「半年」という期間で徹底的に持てる国力を集中させ、次の災害にも耐えられる能登半島にする。インフラの再整備、津波浸水地域の嵩上げ、十分な耐震性も担保しながら、輪島朝市など焼失した地域の雰囲気も再現する試み。

 

 日本の原風景とも、独特ともいえる 息をのむ能登の美しさを保ちながらも、災害に強い街造りを1から始めよう。

 

 復旧を半年で急速に進めつつ、息の長い生活再建・事業環境の再生にもコミットし続ける。
 能登半島で移住や移転を選ぶ人や企業には、長期に及ぶ減税措置など様々なインセンティブを作り出そう。

 

 災害があるたびに街が終わっていく、
 人の流失が止まらない。

 

 災害大国日本における問題に、本気で取り組む最初のモデルケースとなるのが能登半島である。
 集中的にあらゆる資源を投じて、半年の期間で基本的な住環境、ライフラインを復旧させる。
 その間は基本、広域避難。

 

 被災した方々に「今年の夏祭りまでに地域生活のライフライン・基盤を再生する」
 そして 「次の元旦こそは避難先でなく、地元で家族・親族と正月を祝う」
 という希望をもって生きていただけるよう国をあげて取り組む。
 1、2年では難しい、ではなく
 国の持てる力を全て注ぐ気概と決意で住民に目標を示す誠意が必要である。

 

 以下、そのために必要な国からの支援を要求する。

 

1.復興までの広域避難について。


 地域の復興を確約の上、 命を守るため、一切の被災者負担なく、所得補償も含め 政府主導で速やかに行う。

 

 地区単位で避難先を設け、 コミュニティを壊さない形で広域避難を進める。

 

 その移動手段の1つとして、フェリーなど大勢を運べる方法を一刻も早く実行すること。現在、七尾港に停泊しているフェリーは防衛省がたった一隻のみPFI契約する民間船舶であり、食事と入浴、一泊だけできるという休憩船として使われている。全国には2104隻の旅客船があり(一般社団法人日本旅客船協会)、「はくおう」と同クラスのフェリーも1隻や2隻ではない。現地のニーズに合った船を数多く手配し派遣することは十分可能だ。至急調整を行い、国交省が停泊可能とする港湾の岸壁を使い広域避難に対する人々の移動手段及び一時避難所としての使用を開始させる。

 

2.地域に残る人等のために仮設住宅を爆速で作る。


 仮設待ちを出さないためにも、全国に登録のある20万台近いキャンピングカーの一部を国が有償で借り上げ、または買い上げ、仮設住宅とみなす動きを加速する。


 それらの一部は感染症の有症状者、その疑いがある人の一時保護や、自治体職員、応援職員、NPO、福祉専門職や看護師などの仮宿舎としても先述のフェリーと合わせて活用する。


 高齢者や障害者の方々などが望めば、早期に地域に戻れるように、福祉施設の復旧、応援職員の増員のための予算を迅速につける。

 

3.ノウハウのある国・自治体の職員の長期派遣、支援組織への公費投入も行う。


 土木の専門職とあわせ、公的な医療・介護等福祉専門職の確保を行う。

 

4.「自治体マターだ」と通常の役割範囲を理由に復旧を放棄せず、道路、電気、上下水道などインフラ復旧の全てを国が責任をもって行い、ボトルネックを解消する。


 「非常災害」指定により既に道路 (のと里山海道) など国が代行復旧することとなっている。
 これらを急ぐのは当然のことである一方、三井から輪島を結ぶ輪島道路の第2期は、2012(平成24)年度に事業化したが、当初目的の災害用途に間に合わなかった。


 今回の災害復興の流れで完成を目指す。

 

5. 不要不急な事業(大阪万博、辺野古埋立工事)は中止し、被災地に社会的リソースを回すとともに、復興を理由とした増税をおこなわない。

 

6.地域の経済・なりわい再生のため、コロナ禍以上の事業継続・債務免除・社会保障負担免除、雇用維持支援策を追加導入する。


 「平時に戻している」場合ではない。
 「平時以上に戻す」ことを目標として取り組む。

 

7.被災された方々や地域と関わり、復興やコミュニティー再生への伴走が物理的に長期間、可能になるよう、復旧・復興に取り組むNPO、ボランティアなどへの経費精算、有償化を進める。

 

8.農林水産業や伝統文化への支援も国からの100%補助とする。


 例えば、地震津波被害により新規造船が必要な方に対しても同等とする。

 

9.本復旧・復興が軌道にのるまでの間、衆参における災害対策特別委員会を週1回の定例とし、総理大臣が必ず出席するものとする。

 

2024年1月17日  


れいわ新選組

 

れいわビジョンを内閣府上村審議官(防災担当)に提出する櫛渕万里衆議院議員(17日)

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