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戦闘開始!れいわの鬼退治 参院選公示 れいわ新選組・山本太郎(東京都選挙区)の第一声

 参議院選挙が22日公示され、投開票日(7月10日)まで18日間の選挙戦に突入した。25年のデフレ不況のうえにコロナ禍での経済疲弊、急激な物価上昇まで加わり、戦争情勢における国政の翼賛化が進む中で、全国的な政治変革要求は高まり、窒息した古い与野党の構図を打ち破る新しい勢力の台頭が待ち望まれている。そのなかで選挙区5人、比例9人の計14人を擁立したれいわ新選組は、「空前の輸入物価高の中、岸田政権は雀の涙ほどの補正予算しか新たに用意しなかった。上がった物価を下げるのは政治の責任であり、消費する度にかかる罰金である消費税の廃止、ガソリン税ゼロや給付金が最善の策だ。しかし、岸田政権は消費税減税すら考えない。これはもはや“鬼”というしかない。やらせてください。れいわの鬼退治」とする声明を発し、山本太郎代表(東京都選挙区)が新宿駅南口で第一声を上げた。公示日におこなわれた山本氏の演説要旨を紹介したい。

 

 皆さんにお聞きしたい。生活は楽になっているだろうか? 景気はいいだろうか? 多くの方々の生活はひっ迫していると思う。残念ながら日本という国は世界で唯一、25年間不景気が続く国だ。以前、私が参議院議員をやってるときに、安倍総理(当時)に直接聞いた。先進国において25年間不況が続く国が日本以外に存在していれば教えてください、と。安倍総理の答えは「ございません」だった。当たり前だ。25年間、国を停滞させ続ける、衰退させ続けるような経済政策の誤り、雇用環境の破壊を続けた国は日本だけだ。

 

 25年間で国がどれだけ衰退したか? 高い所得から低い所得まで並べた真ん中の値である「所得の中央値」は、この25年間で108万円も低下している。つまり、この国に生きる多くの人々が確実に貧しくなっている。一方で、もうけ続けている人たちもいる。例えば直近9年間の資本家や大企業の内部留保は過去最高だ。

 

 つまり今、日本はどうなってるか? 一部の資本家や大企業にのみ利益が流れ、それ以外の人々は搾取される構造ができあがっている。その一番の原因は何か? 消費税だ。私たちれいわ新選組は、消費税廃止を訴えている。「それでは社会保障が心配だ」と思われてる方もいるだろうが。すでに皆さんが納めた消費税収のうち約73%は大企業減税の穴埋めに使われており、社会保障にはほとんど使われていない。

 

 もともと消費税は、「直間比率の是正」として始まっている。直接税である所得税や法人税を下げ、その穴埋めに間接税としての消費税が登場したわけだ。その設計通り一部の人たちだけに減税、多くの皆さんにはその負担を押しつけることが実現された。

 

 どうしてそんなことになっているのか? その原因は選挙だ。資本家や大企業などから組織票、企業献金などで応援された議員たちが国会の中の多数を占めれば、どんなルールも変えられる。どんなルールだって作れる。25年間、この国は一部の者だけに利益を流し続け、多くの人々を貧しくしてきた。

 

 この期に及んで岸田政権は消費税減税すら考えないどころか、おそらくこの参議院選後には、消費税は増税される。なぜなら参院選後には3年間国政選挙が実施されない空白期間が生まれる。つまり権力はさらに暴走する。この30年の国の衰退は、この暴走がもたらしてきたのだ。

 

 1980年代の日本を覚えているだろうか? 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」だった。世界の時価総額ランキング、1989年のトップ50の中に日本企業は32社あった。時は流れて2019年、トップ50の中に入った日本企業はたった1社だ。社会から力を奪い、一人一人が持つ購買力を奪い続けた結果、社会にお金が回らなくなった。消費税によって物を買うたびに罰金を取られ、不景気の中でもその罰金はどんどん増えていく。その結果、物が売れなくなり、企業の業績は下がる。そして従業員の給料は減らされる。解雇にも繋がる。そんな25年間のスパイラルの中で、日本という国は力を失い続けてきた。明らかに政治による失敗だ。

 

 資本家、大企業にとって自分たちが支払う税金が安くなることは喜ばしいことだ。一方でそれを穴埋めするために多くの皆さんたちから搾り取り続け、そのしわ寄せは消費者のみならず中小企業まで首を絞めた。税金が払えない。税の滞納の六割を占めるのが消費税だ。一番苦しんでいるのは、この国に存在する企業の99・7%を占める中小企業だ。労働者の7割は中小企業に雇われている。消費者や中小企業の首を絞める消費税を年々上げていきながら、この国の消費力、投資力を奪い続けた。

 

 さらに労働環境を破壊し、最初は小さく限定されて始まった派遣労働を小泉改革で製造業以上にまで広げ、いまや全労働者の4割が非正規雇用だ。誰が損をし、誰がその利益を中抜きしているのか。一部の資本家、大企業のために利益を横流しする制度設計を数十年にわたってやり続ければ、この国のパイ全体が縮小していく。その結果、ジャパン・アズ・ナンバーワンと呼ばれた国は、今や極東の衰退国家のひとつとなった。世界で一番といわれるポテンシャルがある国を30年間で食い潰したのだ。

 

 なぜこの国の破壊するようなことを「保守」と名乗る者たちがやるのか? それはすでに保守ではなく、保身だからだ。組織票や企業献金で議員バッジを確実にする、そして落選議員の就職先を斡旋することまで含めて、資本家や大企業は戦略的にこの国をコントロールすることを合法的にやってきた。彼らのいう「新しい資本主義」とは、資本主義の悪い部分をすべて詰め込んだ新自由主義であり、皆さんの財産を食い潰して、一定の者たちだけに利益を差し上げる国づくりだった。それでは国の形は残っても、その中で生きる人々は疲弊し、倒れて行く。こんな政治をこれ以上続けさせてはいけない。もう一度、この国を立て直さなければならない。

 

人々の生活と国内生産守る政治を


 国を守るとは何か? 国会の中では勇ましい言葉がさまざまに飛び交っている。だが本質を間違っている。国を守るとは、あなたを守ること、あなたの生活を守ることだ。去年よりも今年、先月よりも今月、先週よりも今週、あなたがより自分の必要な物を買える経済力をつけていくこと。それによって社会にお金が回っていく。一丁目一番地は何か? この物価高騰の中で高騰分を国が吸収すること。消費税廃止。これが一番手っ取り早い。現在の物価上昇のみならず、25年間失われた、壊された力を回復させていくためには消費税廃止くらい大胆な政策が必要だ。

 

 「お前たちれいわ新選組は、無茶苦茶数少ないのに消費税廃止なんてやろうと思っても無理だろ?」と思われる方もいるだろうが、それは違う。2019年に旗揚げされたれいわ新選組は、参議院選直後には2議席しかなかった。そこから5議席に増え、この3年間、国会の中で消費税廃止の必要性を訴え続けた。旗揚げされた当時、永田町の中では消費税減税の「げ」の字もなかったが、今回の参議院選のマニフェストでは、自民党と公明党以外はすべて消費税減税を唱えている。数が少なくてもやれることがある。かけられる圧力ある。ここまで前に進めてきた自負がある。どうか消費税廃止をやらせていただきたい。景気爆上げだ。25年間奪われ続けてきた、この国に生きる人たちの希望、夢を取り返すときが今だ。

 

 消費税を廃止することは、毎日が10%オフになるだけではない。今年5月、参議院に対して私たちが依頼した計量シミュレーションでの試算では、消費税を廃止した5年後には一人当たりの平均年収は30万円上がり、そして10年後には58万円上がるという結果が出た。この国の消費が落ち込み、所得も落ち込んだ。この原因を取り除けば消費や投資は喚起され、需要を取り戻す。このような流れを今つくる必要がある。

 

 この場で紹介したい政策はもう一つ。日本国内で製造される製品、コンテンツ、そしてサービスを政府調達という形で国が積極的に買っていくことだ。それによって産業の範囲を広げ、海外に逃げたさまざまなサプライチェーン、生産拠点を国内に戻していく。まさに円安の今、それをやらなければいけない。それによって良質な雇用、賃金の高い雇用をこの国にどんどん入れ込んでいく。これは突飛な政策ではない。もうすでにアメリカでは、バイデン大統領が「バイ・アメリカン政策」をやっている。メイド・イン・ジャパンを政府が買うことと、言ってることは同じだ。

 

 例えばアメリカでは、ヘリコプターのブレード(羽根)の製造からオフィスで使う家具に至るまで、政府調達で買いまくる。それによって国内の産業は力をつける。国内優先だ。積極的に政府がお金を出し、その国にある産業を応援して買っていく。それによって安定した雇用と経済が生まれていくという循環を、国が作らずして誰が作るのか。個人や民間で解決できることなら、この25年の不況は生まれていない。

 

 今必要なことは徹底的な財政出動だ。アメリカにドル、イギリスにポンドがあるように、日本には円がある。つまり社会にお金が回っていないときには、通貨発行権(お金を刷ること)によって、足りていないところにお金を入れていく必要がある。アメリカはコロナ禍で、社会が停滞することを恐れて800兆円ものお金を政府が作って投下した。実際に3度の現金給付がおこなわれ、その結果、コロナ前よりも好景気になった。そして今度は金利を上げるという段取りだ。

 

 アメリカの金利が上がって、日本の金利が下がる。この金利差を埋めなければ円安が進行していってしまう。だから日本も金利を上げるべきだ、というような報道や識者の見解があるが、そんな経済音痴をやれば日本は滅びる。2000年代には、日銀がそのように金融緩和政策をやめた結果、不況に逆戻りした。

 

 現在のドル高は、アメリカの景気が上がっていってる証拠だ。日本は25年の不況に加えてコロナが襲ってきたのに、政府がやることも中途半端のまま、今度は戦争で物価上昇まで起こってしまっている。この金利差を埋めたいならば、日本自体の価値を上げるしかない。つまり景気を上げるしかない。

 

 アメリカでやったことを日本に置き換えるなら、年間予算に加えて100兆円までならば政府がお金を増やして数年単位で皆さんに投資ができる。そんなことをやったら破綻する? そんなことはない。2020年度には120兆円の新規国債を発行したが、国はびくともしてない。自国通貨は無限には増やせないが、供給能力の範囲、つまりインフレが行き過ぎない範囲であれば増やすことができる。

 

 消費税廃止は26兆円で可能だ。大学院までの教育費無償化は5兆円程度あればできる。大学生の2人に1人が奨学金を借り、その7割が利息を払わなければ学ぶことすらできない。年間380億円もの利息を懐にしたい奴らの金融商品になるために若い人は学んでいるのではない。この国による失策、サラ金地獄の被害者である奨学金返済に苦しむ550万人を救うために、9兆円あればその返済をチャラにできる。少子化が問題といいながら、奨学金で若い人の首を絞め、利息までむしり取る。1000万~数百万円もの借金を抱えさせ、若い人から結婚や子育てを遠ざけてきたのがこの国の政治だ。

 

 また少子高齢化が問題といいながら、民間の努力だけに頼り、介護や保育には人材が集まらない。全産業平均で見ても100万円以上給料が低いのがこの業界だ。そこで働く人の良心だけに頼り続けることをやめ、介護・保育の給料を全産業平均並みにするためには3・7兆円あればいい。これらの施策を全部やっても50兆円にも満たない。

 

 景気を上げるための一丁目一番地は、あなたが使えるお金を増やしていくこと。国の宝は人間だ。まず消費税を廃止し、政府がしっかりと国内の製品などを買い上げ、それによって生産拠点を回帰させ、国内に良質な雇用を作っていくという循環を作り出すことだ。

 

新宿駅南口前での第一声(22日)

政治を変える力の行使を その鍵は一人一人の手に

 


 希望が持てる国にするためにどうするか? コロナ以前の厚生労働省の調べでは、「生活が苦しい」という人たちは全世帯の54・4%、母子世帯においては86%だ。コロナ以前にすでにこの国の底は抜けかかっていた。さらに状況は悪化している。この物価上昇においても消費税すら減税しない。この先にあるのは何か? さらなる不況だ。ジャッジしていただきたい。皆さんに決めていただきたい。

 

 この国のオーナーであるあなたが、政治を変える主人公だ。永田町で最も野心的、そして実現可能な経済政策を訴えているれいわ新選組に力を貸していただきたい。

 

 高齢者になって死ぬ寸前まで働かなければ生きていけないような社会やめたい。教育を受けるのに、借金背負わされて利息まで支払わなければいけない、若者を金融商品化するような国もうやめにしたい。10代から30代まで死ぬ原因の1位が自殺、そんな国もうやめにしたい。そんな社会を政治で作ってきた。ならば、それを変えられるのも政治だ。

 

 あなたには力がある。力がないと思わされてるだけだ。あなたの力を集めて、あなたや皆さんの力を集めて、この国を変えていくことができる。それが選挙ではないか?少なくともこのルールがあるうちはまだ希望が持てる。変えていける。

 

 一夜にしてガラッと変わることはなかったとしても、何度かの選挙において、これをしっかりと力を合わせてやっていくことによって社会は変えられる。25年もの不況を作り出すような、一握りの資本家だけがもうかるような政治をやってきたならば、そろそろその逆をやるべきときに来てはいないか? 国のために皆さんが生きてるわけじゃない。皆さんのために国がある。順番を間違えてはいけない。

 

 まずやるべきことは、この国の宝である皆さんの生活をしっかりと支えること。そしてこの国の宝である事業をなさっている方々の事業継続が可能な社会を作っていくこと。徹底的な財政出動で、あなたの生活を、事業者の事業を底上げしていく。その先頭に立たせてほしい。

 

 私たちの後ろには、大企業や宗教、何かしらの団体は一切ついていない。3年という短期間に一人一人の力を、あなたが横に拡げてくださったことによって5議席が生まれた政党だ。これは永田町にとっては脅威だ。なぜなら誰が支えてるかよくわからない。大企業からの組織票をもらってるわけじゃない。宗教からのまとまった票をもらってるわけじゃない。一人一人が横に拡げるという形で短い期間に5議席を獲得した政党はこれまで存在しない。選挙の前には党首討論などでテレビには出れるが、ほぼ私たちは放送禁止物体扱いだ。

 

 皆さんから搾り取った消費税の73%は金持ちや大企業の減税の穴埋めに使われている。なぜテレビ・新聞でそんなこと言わないのか? 新聞は消費税の軽減税率の対象だ。つまり飴玉もらってる者たちが、その飴玉についての裏側を話せるはずがない。テレビ局も母体は新聞社であり、大企業のスポンサー収入で成り立っている。だから多くの人々を騙しながら一部の者たちだけを得させるようなことを電波を使って刷り込み続けた。消費税をなくしたら皆さんの社会保障が安定しなくなるなど、とんでもない大嘘だ。今こそ消費税をなくし、本当の意味で税収が上がっていくような徹底した経済政策やるときだ。

 

 「誰にやらせても一緒だから、選挙に行かない」と思われている方。50%の人が投票に行かなければ、社会はどうなるか? 一部の者たちだけが得をするような社会が作られ、それによって25年、この国は衰退し続けた。みんなが貧しくなり続けた。

 

 「自分は勝ち組だから関係ない」と思われてる方、あなたの大丈夫は、いつまで大丈夫だろうか? この社会はひとつの船だ。GDPはこの国に生きるみんなの所得を合わせたものだ。つまり一人でも仕事を失ったり、所得を減らしても、ひとつの企業や事業者が倒れても、社会全体に回るお金は減る。あなたの勝ちがいつまでも続く約束は何もない。だからこそ一部の者たちだけでなく、全体を底上げする。そういう当たり前の政治が、経済政策が今必要なのだ。

 

 「生きててよかった。もっと長生きしたい」と思える社会にしたい。それは決して無理なことではない。そういうビジョンを持って政治に取り組んでいるのが、私たちれいわ新選組だ。

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この記事へのコメント

  1. YoshikoToyama says:

    山本太郎さんの喋る言葉、それを文字にした文章の1つ1つに感動して震えた。武者震いっていうようなやつですねえ。
    挙げてる政策の1つ1つに心がある。だから私は感動する。応援もする。寄付もする。太郎さん頑張りすぎです。選挙が終わったら一息入れて下さいね~!

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