⑧森友学園問題
この事件は最近の事件であり、現在も進行中なので皆さんもよくご承知のことと思うが、事件の経過と主たる問題点等について記述する。
この事件が如何に権力者の権力乱用であったか。権力者側の身勝手な言動がどれほど政治、行政をゆがめたか。権力者が身勝手な自己保身のために、まじめな公務員に公文書の改ざん等という不正行為を指示した。このために、結局、正義感の強い職員を死にまで追い込んでしまった。その責任は誰が負うのか等、多くの問題点を残したままになっている。
■事件の経過
この事件が明るみに出たのは2017(平成29)年2月。大阪府豊中市内の国有地を、財務省近畿財務局が学校法人・森友学園に随意契約で売却したが、金額を非公表としており、これに疑問をもった地元市議が大阪地裁に提訴。ことの深層を『朝日新聞』をはじめ報道各社が大々的に報じたことにより、以後数年にわたって国会審議の議題となった。
当該国有地(8770平方㍍)は、昭和49年に伊丹空港に離発着する航空機の騒音対策として大阪航空局(国交省)が住民の移転補償で買いとった土地で、騒音区域が順次解除されるなかでまとまった土地になった。平成25年に大阪航空局が近畿財務局に売却手続きを依頼し、同年9月に森友学園が小学校用地として取得に動いていた。
近畿財務局は平成28年6月、不動産鑑定評価額9億5600万円から、ごみ撤去費として8億1900万円を差し引き、評価額の約15%に当る1億3400万円で森友学園に売却していた。同年3月には、大阪航空局が地下3㍍以深の埋蔵物撤去工事に係る有益費として1億3176万円を学園側に交付。さらに撤去作業が長引いた事業長期化損失として300万円を値引きしており、近畿財務局の値引き額と合わせると、実質の売却額はわずか149万円程度であった。
土地では、すでに森友学園が「日本で唯一の神道の小学校」とする「瑞穂の國記念小學院」の校舎を建設中であり、平成29年4月に開校を予定していた。森友学園は「教育勅語」の素読や軍歌の斉唱をさせるなどの教育方針で知られ、平成28年に同校の名誉校長に安倍昭恵・総理夫人が就任しており、学園での講演会で昭恵氏が「こちらの教育方針は大変、主人(安倍総理)も素晴らしいと思っている」と称賛する映像も残っていた。
何度も森友学園を訪れるほど籠池理事長夫妻と懇意だった昭恵氏は、平成26年4月25日、籠池夫妻の案内で小学校建設予定地を見学し、ともに記念写真を撮影。後に公表された改ざん前の財務省公文書によると、同年4月、近畿財務局は籠池氏から「安倍昭恵氏を小学校建設予定地に案内し、『いい土地ですから、前に進めてください』といわれた」と聞かされ、写真を見せられた。ここから「神風が吹いた」と籠池氏は後に語っている。
安倍昭恵氏が名誉校長に就いた平成28年の11月、総理大臣夫人付の内閣事務官・谷査恵子氏が、籠池氏からの要請を受けて、国有地の売買契約や除去工事費の支払いについて財務省に問い合わせ、その回答を籠池氏側にFAX文書で送っていた。
当時の財務省の記録には、昭恵氏付の政府職員から土地の貸付料について「(森友学園側から)優遇を受けられないかと総理夫人に照会」があったと連絡があり、財務省は「現行ルールのなかで最大限の配慮をしている」と回答した――との記載もあった。
近畿財務局からも昭恵氏らの名前が入った文書を受け取った財務省本省は、土地取得資金のメドがつかない森友学園側の要求を呑み、過去に前例のない「売り払いを前提とした10年間の貸し付け」という契約を認めた。その後、学園側と異例の「見積もり合わせ」を含む度重なる価格交渉の末、財務局は「ゼロ円に近い金額までできるだけ評価を努力する」と回答するに至り、前述の異例の値引きとなった。
この問題が国会でとりあげられた平成29年2月17日、安倍総理は森友学園への国有地売買への関与を否定し、「私や妻がこの(森友学園の)認可あるいは国有地払い下げにかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣を辞める」と明言。それに口裏を合わせるように、麻生財務相や佐川財務省理財局長(当時)は、「法に従い、適切に処理している」「一切、予断を持って先方(森友学園)に内容(売却額)を申し上げることはない」「こちらから提示したこともないし、先方(森友学園)からいくらで買いたいといった希望があったこともない」と正当性を主張した。
だが、その証拠となる森友学園との交渉や面会等の記録や文書は、「売買契約の締結をもって、記録は速やかに廃棄した」(佐川氏)とし、検証資料の提出を拒み続けた。値引きの根拠となる地下ゴミの存在についても、客観資料は何一つ提示されなかった。
むしろ、財務省理財局と学園側の交渉内容を録音した音声データ等が籠池氏らによって公開され、地下から膨大なゴミが出てきたという事実をねつ造して大幅な値引きをするという手順をすり合わせていたことや、財務省側が売買契約締結までのシナリオを示した手引き書まで作って学園側に渡していたことなどの事実が次々と表に出た。
会計検査院は平成29年11月、学園側との土地取引における8億円超の値引き額について「算定方法には十分な根拠が確認できない」とする報告書を国に提出。籠池氏は、「近畿財務局も大阪航空局も(埋設物に関する)資料は持っておらず」「国側の指示に従って森友学園側が撤去費を算出して資料を渡した」と証言した。
同年7月、佐川理財局長は国税庁長官に就任したが、記者会見を開かず雲隠れしたことが批判を集めた。時を同じくして、籠池理事長夫妻は国の補助金をめぐる詐欺容疑で逮捕され、以後300日間にわたって勾留された。
■公文書改ざんと財務局職員の死
2018(平成30)年3月2日、契約当時の文書にあった「特例」などの文言が、平成29年2月の問題発覚後に国会に提出した文書では消えたり、書き換えられていることを『朝日新聞』が報道。財務省の決裁文書では1ページにわたって記された項目が消えていることが明るみに出る。
公文書の改ざん等は、刑法第155条で「1年以上10年以下の懲役」と定められた犯罪であり、とくに職務上権限をもつ公務員が意図的に公文書を偽造した場合の罪は重い。
同年3月8日、近畿財務局職員の赤木俊夫さん(享年54歳)が自宅で死亡するという悲劇が起きる。公文書の改ざんに関与させられた職員であった。遺書とみられる手記には「今回の問題はすべて財務省理財局が行いました。指示もとは佐川宣寿元理財局長と思います。学園に厚遇したととられかねない部分を本省が修正案を示し、現場として相当抵抗した。事実を知っている者として責任を取ります」と苦しい胸の内が記されていた。
これらを受けて3月9日、佐川氏が国税庁長官を辞任。財務省は決裁文書の改ざんを認め、その後の内部調査で、取引終了後に「廃棄した」として国会に提出しなかった森友学園との交渉記録が存在していることも判明した。廃棄がおこなわれていたのは、改ざんと同時期の平成29年3月下旬以降。安倍総理が国会で「私や妻が関係していたら総理大臣を辞める」と発言し、佐川氏が土地取引について「適正」などという答弁をくり返していたころ、財務省では文書の廃棄や改ざんがおこなわれていたことになる。1年以上にわたる国会審議も、改ざんされた文書をもとにおこなわれていた。
書き換えられていたのは三つの決裁書を含む14の文書。元の文書にあった「特例的な取引となる」「本件の特殊性」「学園の提案に応じて鑑定評価を行い」「価格提示を行う」など、国の積極関与を裏付ける文言が大幅に削除され、安倍晋三総理、麻生太郎財務相をはじめとする自民党や維新の国会議員10人、さらに昭恵夫人の名前も書き換え後の文書からはすべて消えていた。
国有地売却をめぐる背任容疑で当時の財務省近畿財務局管財部次長や国土交通省大阪航空局職員ら4人、公文書改ざんをめぐる有印公文書変造・同行使容疑などで佐川氏や近畿財務局管財部長ら6人が刑事告発されたが、大阪地検特捜部は平成30年5月、全員を不起訴とした。検察審査会が「不起訴不当」と議決したが、特捜部は翌年8月に再び不起訴処分とし、一連の捜査を終結させた。
■森友事件の主な問題点
この事件の主たる問題点は、次の諸点であろう。
A) 国が鑑定依頼した不動産鑑定士が9億5600万円と査定した国有地を、ごみ撤去費8億1900万円などを差し引いたとする1億3400万円で森友学園に売却した。値引き額が大きいが、国は値引きの根拠を立証することができないこと。
安倍総理の昭恵夫人が、この土地売却及び異常に低い価格決定に、結果的に関与していること。
※この土地は、森友学園が取得を希望した平成25年9月より約2年前の平成23年七月に、別の学校法人が購入を希望した。学校法人はごみ撤去費や汚染土除去費の負担を見込んで約5億8000万円を提示したが折り合わず、購入できなかった。
その同じ土地を森友学園へは、評価額の約86%引きの1億3400万円で売却した。森友学園への大幅値引きの理由は、地中にごみが大量にあるからということだが、どの付近にあったのか、地中のどのぐらいの深さにあったのかについては、確認していないというのだからデタラメである。根拠のない大幅値引きであったことは、この一事をもってしても明白である。
総理夫妻が関与していないといくら主張しても、公文書には関与をうかがわせる記述がある。関与があったことを証明する公文書があったのに、この公文書を廃棄、隠ぺい、改ざん等をしている。このやり方は、民主主義国家ではない。独裁国家のやり方である。
値引きが正当であるという立証責任は国側にあり、立証できないのなら不正価格での売却であり、公務員の背任行為である。
昭恵夫人が、学園で「こちらの教育方針は大変主人も素晴らしいと思っている」などと2度も講演し、名誉校長に就任していたこと。あるいは土地借受け交渉にさいして昭恵氏付きの政府職員が財務省に問い合わせなどをしていることなどが発端となって根拠の乏しい、というよりむしろ根拠のない大幅値引きをすることとなった。本件土地売却等にさいしての各種公文書には、直接的あるいは間接的に昭恵夫人が関与していることが記述されている。
そもそも総理夫人が国有地の借り受け等に関与するなど、行政に口出しすることが許されるのか。総理夫人といえども婦人政治家ではない。時として、総理夫人として公的な立場に立つことはあるが、一般的、通常的には私人である。
したがって、総理夫人みずからが一私人としての行政への関与なら一概に否定はできないが、役所では総理夫人からいわれたら、一国民の発言だとは考えない。強いプレッシャーを受けるはずである。これまでの歴代総理夫人は自分の発言が相手に対して誤解を与える恐れがあるので、極めて抑制的であった。とくに役所に対する要望等については、これまでの総理夫人は発言をしていないのではないか。
本件で昭恵夫人は自分についている政府職員を使って、国有地の借り受け交渉に関与しているが、これは許されない行為である。これこそまさに公私混同の行為である。また、昭恵夫人には日常的に税金で5人もの総理夫人付き政府職員をつけており、うち2人は常駐である。なぜ5人もの政府職員をつける必要があるのか。総理夫人は日常的には私人であるはずで、常駐職員はどう考えてもおかしい。税金の私的な使用である。
歴代総理夫人は何人の秘書がついていたのだろうか。5人もいなかったはずである。
平成28年夏の参院選で、自民、公明両党の選挙応援に昭恵夫人が応援に行ったさい、総理夫人付きの政府職員が、13回以上同行している。無茶苦茶である。
外国では昔から、たとえば、フィリピンのマルコス大統領のイメルダ夫人のように考え違いをしていた権力者夫人が多くいたようである。しかし、日本では幸いにもこれまで公務や公金がらみの問題に首を突っ込み、あれこれと発言する総理夫人はいなかった。変な名誉会長や顧問に祭り上げられて得意顔の総理夫人はいなかった。利用されて権力乱用につながることを恐れて、謙虚に振舞っていたものと思われる。
今の日本には残念ながら、権力者(権力者まがいを含めて)等をおだてて自分の利益のために利用しようとする人はあふれている。このような人たちは、権力者等をおだてて自尊心をくすぐるなど、口上手である。そして、このおだてに単純に喜んで乗る権力者等がいる。また、とくに最近では権力者の一挙手一投足に過剰反応する役人も多い。
森友学園事件は、籠池氏というおだて上手と、これに単純に乗ってしまった昭恵夫人と、財務省の佐川局長という忖度上手と、3人の役者が揃ったうえでの事件という印象である。権力を悪用した典型的な事件である。日本を普通の国にするためにも、総理夫人はこれらのことを自覚してほしい。
多くの国民は、安倍氏がいくら否定しようと、安倍総理の昭恵夫人の発言が基になって国有地が不当に安く払い下げられたものと思っている。昭恵夫人がどのような認識であったかにかかわらず、また、どのように弁解しようと、本件国有地の不当な値引き売却は、総理夫人の「地位利用(悪用)」だと思っている。
B) 国有地売却に関する公文書等の廃棄、隠ぺい、改ざんをおこなっていること。
※ 売却に関する公文書に売却の経緯等が書いてあり、これを見ると安倍夫人等の圧力等によって不当な価格で売却したことがバレるので公文書を廃棄、隠ぺい、改ざんをしたものと思われる。公文書の意図的な廃棄、隠ぺい、改ざんは犯罪行為である。
情報公開制度(公文書公開制度)は政治家や役人の密室政治、密室行政に風穴を開けた。このことによって、これまで政治家や役人が、密室内で国民に内緒でおこなっていた悪いことができなくなった。その点では情報公開制度に基づく公文書の公開は、政治、行政の信頼確保のために絶対に必要な制度である。
しかし、安倍総理によって情報公開制度は骨抜きにされた。安倍総理によって議会制民主主義は形骸化され、総理による公権力や公金の私物化が表面化しなくなり、権力者が悪いことをしやすくなった。
公務員は自分の仕事を正当化するため、あるいは説明責任を果たすために絶対に文書を残すようにしている。公権力や公金等をとり扱えば、国会で決算審査もある。会計検査院の検査もある。また、数年後、自分が異動、退職等によってその部署を離れてから問題化することもある。そのときの質問に備えて、必ず公権力や公金支出の正当性を証明するための文書を作成し、残しておく。ましてや、疑問、疑惑をもたれる恐れがある仕事をしたときは、自己防衛本能から、自分には責任はないということを説明できる資料を絶対に作成して残しておく。それが公務員としての常識である。
また、組織内の協議は、重要なこと、あるいは部局間での調整が必要なこと等のためにおこなわれる。このため、協議議事録的な文書は必ず作成し、保存する。組織外との協議は、調整(利害調整、意見調整等)が必要だから協議するものであり、後日、意見対立やいった、いわないの対立が起きないよう必ず議事録を作成し、保存する。
公務員は説明責任が果たせないと、処分されたり損害賠償を求められる。そういう点からも必ず自己正当性を主張できる文書を作成し、残しておく。説明責任は、議会や内部監査機関からも求められる。公務員の頭から説明責任が忘れられることはありえない。
本件で文書がないとか、廃棄したということは、国民に説明できない不正行為あるいは不正行為まがいのことをしたことが、文書に書いてあるからである。文書の廃棄、改ざん、隠ぺい等をおこなうということは、不正等をおこなったことの何よりの証拠である。
本件での公文書の廃棄、隠ぺい、改ざんは、安倍総理が平成29年2月17日、国会で「私や妻が関与していたら首相も国会議員も辞める」と答弁したことから始まったとされている。多くの国民が、安倍総理の国会答弁から公文書の改ざん等がおこなわれ始めたというこの考え方には客観的妥当性があると感じている。安倍総理があのような答弁をせずに、妻が関与していたと事実を認めた答弁をしていたら、公文書を廃棄、隠ぺい、改ざんをすることもなかったし、赤木さんが亡くなるという哀しいことも起こらなかった。
安倍総理夫妻が土地売却と売却価格に関与していることが、今後、順次解明されるものと期待しているが、まず安倍氏自身が説明すべきである。
土地売却にも、公文書の隠ぺい等にも全く関与していない、関与しているように利用されただけだと主張するのなら、総理夫妻の名を利用(悪用)した公務員に対し、何らかの責任を問うべきである。公務員は、国民の利益のために正しい行政をおこなうべきだと、安倍総理が本当に思っているのなら、国会で虚偽答弁をし、文書の改ざん等を指示、命令した佐川局長や、文書改ざん等をした職員の多くをなぜ昇格させたのか。全く理屈に合わない。
国民の利益のために働くより、総理はじめ権力者の利益のために、あるいは自分のいう通りに働く公務員を優遇するという本音が透けて見える。国民も、公務員も平等には扱わない、自分(総理)の利益のために働いてくれる人、自分を支持してくれる人を優遇するという考えは、「モリ・加計・桜・黒川・河井」事件ですでに実証されている。
C) 本件では公文書の廃棄改ざん等を指示・命令したとされる職員をはじめ、権力者の不正行為に加担した職員の多くが昇任し(その後、財務省は公文書の改ざん等が発覚し国民の批判が高まったため局長以下20人の処分をおこなったが)、不正に反対し正義を貫こうとしたまじめな職員が、死にまで追いやられる結果となってしまった。公文書の改ざん等という不正行為を指示・命令し、安倍総理夫妻を身をもって守った佐川局長は、国税庁長官という財務省役人のナンバー2にまで出世した。一方、公文書の改ざん等、不正行為に強く反対した職員は、不正行為を強いられたあげく死に追いやられた。不正を命じた佐川局長に対しては、退職金(約5000万円)の一部返還を求めるべきである。退職後は処分ができないといって、そのままにしていることには国民は納得できない。まじめな職員を死に追い込んだ責任のある人たち、その責任のトップにある財務大臣までもが、この職員の死亡を他人事のようにいっていることに対しては、腹が立つし、見識、常識、人間性のいずれもが次元の低い人だなとつくづく思う。遺族の方の気持ちを考えると、いたたまれない。
この事件はまだ多くの問題点が残されたままになっている。今後も真相究明と安倍夫妻、財務省の責任は問い続けられるだろうし、問い続けなければならない。国民感情としては、安倍氏に次のような発言と行動をしてほしいと願っている。そうすれば多少の汚名挽回になるかもしれない。
「国有地の売却に関しては、自分も妻も本当に関与していません。しかし、国民に対して説明責任を果たせないような値引きがおこなわれたのは事実で、妻が名誉校長に就任していたのも事実です。妻が講演でこの学校を褒めたのも事実です。妻の秘書である谷氏が、森友学園の要望を財務省にとり次いだのも事実です。私が国会で“国有地払い下げに私や妻が関係していたら首相も国会議員も辞める”と答弁したのも事実です。私のこの国会答弁が原因で、財務省が私や妻の名が出ていた公文書の改ざん、隠ぺいをおこなったといわれています。客観的にみれば、そう考えられても仕方ありません。また、この問題が原因で財務省職員が死去されました。この問題を契機に政治、行政に対する国民の信頼は地に落ちました。これら諸般の状況を考えたとき、私も妻も直接的な関与はしていませんが、全く無関係だと断言できる状況でもありません。政治、行政に対する国民の信頼を回復させるためにも、このさいトップとして全責任を負い、辞職することとしました」
(つづく)
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