東京都議選(7月4日投開票)が25日、告示日を迎えた。れいわ新選組(山本太郎代表)はコロナ禍における緊急政策としての給付金や事業者への損失補償などの生活底上げ策、コロナの災害指定や下水PCR検査拡大などの感染対策、安価な住居の保障など具体的な政策を掲げ、杉並区に山名奏(かな)子氏、足立区に末武あすなろ氏、世田谷区に風澤(ふうさわ)純子氏を擁立している。山本太郎代表と各候補予定者はこの間、東京都内で連日街頭宣伝をおこない、都政における課題と政策についての訴えを広げてきた。街頭宣伝における山本太郎氏の主な訴えの内容を紹介する。
私たちが目指している社会は 「生きているだけで価値がある社会」だ。なぜか。今の日本社会はそれとは真逆だと思うからだ。追い詰められて命を絶ってしまう人は1年間に2万人をこえる。自殺未遂は53万人をこえ、10~40代の死ぬ原因の1位は自殺だ。このような社会はもうすでに崩壊しているといわざるを得ない。この地獄のような社会をつくったのも政治であるならば、それを変えられるのも政治だ。そのために旗揚げをしたのがれいわ新選組だ。
死にたくならない世の中をつくるにはまず何が必要か。一番重要な基礎的な部分は、明日困ることがない、月末に憂うことがないような経済的な安定をつくることがまず始まりだと思っている。日本はコロナ以前から25年以上のデフレによって格差が開き、コロナがそれに追い打ちをかけている。
世界各国は予算を投入してコロナ前の景気回復に近づいている。アメリカは昨年から今年にかけて600兆円ものお金をコロナ対策として投入し、これから400兆円ものお金を投入する予定だ。なぜこれほど投入するのか。コロナによって消費が落ちる。それによって社会に回るお金が減る。消費が減れば所得も減り、数々の事業者が倒れ失業者が生まれる。絶望が支配し自殺率も上がっていく。今日を生きるために犯罪まで犯してしまうかもしれない。だから国は社会が壊れる前にお金を投入していきながら底上げしていく。これが一番合理的だ。あたりまえの政策だ。
対して日本はどうだろうか。日本は政府がケチっている。2020年度の補正予算は、30兆円余ってしまった。30兆円を投入すれば潰れなくてよかった会社、失わなくてよかった命があったかもしれない。日本政府がやっていることはむちゃくちゃだ。コロナの出口も見えていないのに、「出口戦略」に立とうとしているのが政府だ。例えば持続化給付金は一回で終わり、家賃支援金もやめ、雇用調整助成金もしぼっている。出口が見えていないのに援助をやめれば、力のないものは倒れろということだ。それでは社会は壊れていく。
今やることは政府による積極財政の他にない。お金を増やしすぎたら国が破綻するのではないかと心配している人もいるかもしれない。だが日本は破綻する可能性など全くない。もし日本が破綻する可能性があるのであれば、国債発行をした場合、国債金利は高くないとおかしい。リスクのある人にお金を貸す場合、金利を高くとることを考えるからだ。
日本が財政を投入していく余地があるということを実際に起こったことをもとに説明したい。2020年度はコロナによって消費が落ち込んだ。消費が落ち込めば全体的にお金が回らなくなる。だからこそ国がお金を多く出していくのだ。2020年度の当初予算の国債発行の規模は32・6兆円、つづいて4月7日に第一次補正予算によってプラス25・7兆円を、5月27日に第二次補正予算で31・9兆円さらに上積みすることを決めた。そして12月に第三次補正予算でさらに20兆円を上積みすることを決めた。合計で112兆円の国債発行を決めた。これだけ莫大なお金を国債発行で賄った場合、日本が破綻する可能性があると考えれば、金利の上昇を心配するかもしれない。でも実際はどうだろうか。
例えば一次補正で25・7兆円のお金を積み上げたときに、国債金利はマイナス0・04%。2021年度の本予算43・6兆円の金利を見たときに0・08%だ。一番上がったところでさえ超低金利だ。つまり日本が破綻するという考えを持っているマーケットは存在しない。2011年4月から21年の3月までを見ると、金利は落ちっぱなしだ【グラフ参照】。破綻する予兆は見えない。つまり日本政府はもっとお金を出せる。
為替はどうなっているか。もし日本が大きなお金を出していて破綻する可能性があるならば、為替にも大きな影響を及ぼすことになる。2020年4月と2021年4月の同じ時期を比較すると、2020年4月は1㌦=107円76銭、2021年4月は109円51銭だ。ほとんど変わっていない。
つまり今、コロナによって壊された社会、人々の暮らしを立て直していく必要がある。そのためのお金は通貨発行、国債発行によれば何の問題もない。経済が落ち込む前に国がお金をつくり社会に投じていく。これがあたりまえの経済政策だ。25年のデフレのあいだ日本は本格的にそれをやってこなかった。やってきたのは組織票や企業献金をくれる人たちへのお金の横流しだ。このコロナ禍でも、パソナ、電通を中心にお金が決まっていく。そしてオリンピックも強行開催する。形だけでもいいから開催すれば、一部のものたちにお金が約束できるからだ。それによって国内に感染拡大が起こる可能性に思いを馳せれば、できないはずだ。G7開催地でも、サミットの前後を比べてみたら、感染者数の推移は25倍に跳ね上がっている。外から人が入ることによって感染が広がった。オリンピックはG7の比ではない。
東京は医療体制はしっかりできているか? 去年の12月から今年1月にかけてのことを思い起こしていただきたい。感染者数はうなぎ登りで、そのときの医療はどうなっていたか。東京の医療は救急車を呼んでも市民は行き先が決まらず、たらい回しされた。心臓病の救急病院をやっている11病院が受け入れを停止した。入院を必要とする人たちが3000人以上順番待ちとなった。東京においての感染拡大が起こったときの医療体制は、そういう状態になる。つい最近のことだ。東京都民の健康と命、医療現場の人たちの健康と命とのバーターによってオリンピックを開催することになる。
人々の命を守るのが政治だ。この原則を忘れていないか。余りにもおかしい。国が壊れればここまで極まるということだ。それを今、私たちは目の前に見ている。こんなに壊れた政治を、何とか変えていきたい。それを変えるためにはどうしたらいいか。政治家がしっかりすればいいのは確かにそうではある。だがそれを選べるのは誰だろうか。この国のオーナー、最高権力者であるあなたがいなければ変えられない。
この国の50%が選挙のときに票を捨てる。一部のものにとってこんな好都合なことはない。それによって一部のもののみが望む社会がつくりあげられてしまう。どんな法律でもつくれるし、変えられる。だから作り直したいし、絶望的な世の中を変えたい。絶望をつくったのが政治なら、それを変えられるのも政治だ。それを変えるためには、あなたなしにはなしえない。あなたの力が必要だ。みんなで力を合わせて進めていくためにれいわ新選組がある。
10万円給付と損失補償 コロナ禍の緊急政策
私たちは、この東京都でも政治にかかわっていきたい。都議会議員選挙が始まる。れいわ新選組が都議会に議席を有した場合、実現したいことをお話したい。コロナウイルスの感染拡大によって経済的な影響を受けた人、受けなかった人について東京都が調査をしている。それによると「経済的な影響はない」という人が59・3%。一方で「生活が苦しくなった」という人たちが33・1%。今は影響がないという人たちも含めて、私たちは同じ船に乗っている。社会に回るお金が減っていけば、今大丈夫だという6割の人たちにも遅かれ早かれ影響を及ぼす。全体の生活の底上げが必要だ。
私たちは都議会で、「緊急事態宣言」とセットで1人10万円のロックダウンボーナスを出していくべきだと考える。「緊急事態」とは社会の動きを抑制することだ。社会の動きが抑制されれば、社会で回るお金が減る。所得を減らす人たちが生まれ、仕事を失う人が生まれる。命を守るための給付金が必要だ。世界の国々はロックダウン(都市封鎖)の際にはお金を出している。例えばオーストリアはもうすでに三度のロックダウンボーナスを出している。ロックダウンがあけても消費を喚起するようにお金を配っている。
「オーストリアは国で、東京都は一つの自治体だよ」といわれる人がいるかも知れない。だが東京都は一自治体でありながら、国家と肩を並べるぐらいの経済力がある。東京都が緊急事態宣言時に10万円ずつ給付した場合には1兆3750億円が必要だ。大きなお金ではある。だが東京都の経済規模を見るために、世界各国のGDPランキングをみてみると1位はアメリカ、2位は中国、3位は日本だ。この世界のGDPランキングに東京都を入れていくと、なんと世界第14位だ。韓国やメキシコよりも東京の方が経済規模が大きい。これが東京都の実力だ。これほど大きな存在である東京が、緊急事態の際に一人一人に10万円の給付金が払えないわけがない。やる気の問題だけだ。
命をつなぐための給付金が持つ意味はそれだけではない。つまり緊急事態にさせないために、常日頃からの公衆衛生に対する体制をしっかりと整え、医療体制も拡充しなければならない。緊急事態時の給付金は日ごろからの仕事をしっかりとしてもらうためのプレッシャーにもなり得る。
安価な公営住宅の拡充 空き家借り上げも
続いてやりたいことは安い家賃で住める公的住宅の拡充だ。収入のなかから家賃を多くとられるよりも、住んでいる地域で物を買い経済を回した方が流れが良くなる。そして、どんな状況に陥っても住まいは決して失わないという住宅の基礎を、東京から始めたいと考えている。東京都の全住宅のうちの公的住宅が占める割合は8・98%だ。全国平均よりも多いけれどまだ少ない。例えばイギリスは首都圏で全住宅のうち公的住宅は25%だ。ロンドンの中心部では公的住宅が40~50%だ。先進国であるならば住宅というインフラもしっかりと整備し底上げをしていく必要があると考えている。敷金礼金などが払えないような若年層に対しても、自分が望めば部屋を持て、自立を促していくことにもつながる。また、ある80歳をこえる高齢者が、終(つい)の棲家と思って住んだアパートが建て替えで出なければならなくなった。2年間も不動産周りをするが、「孤独死するでしょ」といわれ困っていた。これは東京で実際にあった話だ。
東京都がコロナ前にネットカフェに関する調査をしている。ネットカフェ利用者のうち、4人に1人が家がない状態だった。つまりネットカフェが家になっている。そのうちの76%が非正規雇用だった。つまり企業側にとっては使い勝手がいい、責任を持たなくていいという非正規労働者がこの国の4割以上を占めるような状態のなかで、自分の未来は見えないばかりか住まいまで持てなくなっていた。
そしてコロナによって家を失う手前までいった人がいる。「シフトが減らされた」ことによって給料が減り、家賃滞納してしまう人がいる。家賃を滞納すれば家にはいられない。それを食い止めるために住居確保給付金という国の制度がある。家賃5万9000円ぐらいであるならば補助をする制度だ。コロナ禍が始まってから利用者が東京で45倍、大阪で57倍だ。住まいが不安定になることは、生活していくうえで非常に怖い話だ。住所を失えば就職も難しい。たとえどんな状況にあったとしても住まいは失うことがない東京にしていきたい。都営住宅の空部屋は2万7819ほどあるが、それらを経済的に不安定な方々に解放する、それ以外でもコロナ禍で拡大するDV被害者などのシェルターとして活用できる。
また民間の空き家、空き室を東京都が借り上げて公的住宅にしていく。都内の空き家・空き室は80万戸をこえている。東京都が借り上げることによって、空いている部屋に対してお金が落ちる。大家さんも助かる。家賃が安くなれば収入のうちの多くを家賃にとられてしまう人たちは、そのお金を自分のために使える。地域にお金を回す主体になっていく。住宅政策は経済政策だ。「住まいは権利」という政策を東京から始める。
コロナの災害指定要求 現行法で対策は可能
そしていつ収束するかわからないコロナウイルスを災害に指定する。災害対策基本法二条には、「災害とは暴風、竜巻、豪雨、豪雪、地震、洪水、高潮、土石流など」とあるが、このなかにコロナウイルスを入れたいと考えている。新たに生まれる災害も存在するかもしれないので、後からでもつけ加えていけるのがこの法律の二条だ。今、市民に自宅待機を求めることは「強制力がないからできない」(政府)といっているが、災害に指定すれば、法的根拠をもってステイホームをお願いすることができる。災害対策基本法六〇条の三には、「屋内での退避、その他の屋内での避難のための安全確保に関する措置を指示できる」とある。
もう一つはコロナが災害として認められれば、自粛ではなく事実上のロックダウンが認められる。今国会では、ロックダウンできない理由、コロナが収まらない理由として、「法律や憲法でロックダウン的な強制力があるようなことができないからだ」といっているが、それはまったく間違っている。災害に指定された場合には、強制力を持ってロックダウンが可能になる。災害対策基本法六三条の一では、「警戒区域を設定し災害応急対策に従事する者以外の者に対して、当該区域への立ち入りを制限し、もしくは禁止」ができるとしている。それだけでなく食料品や生活必需品も人々に提供することをしなければならなくなる。
また収入が減って家賃を滞納してしまえば、「みなし仮設住宅」ということで国が家賃を払ってくれる。今いったすべては災害救助法の四条に則った内容だ。コロナが収束するまで徹底的に人々の暮らしを命を守るために国が責任を持つということになる。だからコロナを災害指定することは重要なのだ。
それがどうやってできるのか。必要なものは政府が認めるということだけだ。実際に政令(閣議決定)で決めることになっている。コロナが災害に指定されるか否かは政治判断にかかっている。ところが収束するまで国が責任を持つとなればお金がかかるから、国はやりたがらない。それをいいことに今、次々にコロナ支援策を削ろうとしてる。今でさえこんな振る舞いをしている者たちが、この先、困っている人たちや不安定になった人たちに手を差し伸べるだろうか。差し伸べないだろう。自分たちのタイミングで「自己責任」にしていく、いつものパターンだ。
そして彼らが災害指定をしない理由がもう一つある。自民党は憲法改正をしたいという党是がある。憲法改正で、新しくつくろうとしているものに緊急事態条項というのがある。総理大臣が「緊急事態」を宣言したら、全部特別ルールが可能になる非常に強制力のあるものだ。国会を開かずに、自分たちでルールをつくれるようになる。「緊急事態条項がないからコロナが収まらない」といい続けているのが自民党だが、これは大きな間違いだ。コロナを災害に指定するだけで、必要なことはすべてカバーできる。
彼らが災害指定したくない理由は、一つはお金がかかること、この混乱のなかで火事場を利用しながら憲法改正につなげたいということだ。
だが一番コロナウイルスを災害だと考えているのは政府と東京都だ。昨年春に、コロナ陽性患者をホテルで療養することが始まった。そのときに自衛隊員が、災害派遣要請によって派遣された。昨年12月には北海道旭川市に自衛隊の看護師が出動した。そして小池都知事はいつでも防災服を着て公務をしている。
唯一、コロナから人々の命を守れるのは政府だけだ。だからこそ収束するまでのあいだ、国や東京都に責任をとらせるために災害指定をする必要がある。
東京都は国とガチンコで喧嘩できる存在だからこそ、都民の命を守るためにも日本全国の仲間を守るためにも収束まで国や東京都の責任を果たさせる、そのために都議会でコロナの災害指定を形にすることができればと考えている。
下水PCR検査を実施 欧州ではすでに定着
コロナ対策として医療供給体制の拡充、検査体制拡充はいうまでもなく、絶対的に必要なことだ。私たちは他にも必要なことがあると考えている。下水道のPCRだ。疫病と下水道はかなり古いお付き合いがある。19世紀にコレラが見つかったのも下水道ではなかっただろうか。下水を使ったコロナのPCR検査は世界ではスタンダードになりつつある。例えば今年の5月1日にイギリスのエコノミストの報道で「下水PCR検査は格安で、ウイルスの蔓延状況を把握できるツールである」とあった。他にも今年の5月2日、ドイツの放送局「ドイチェ・ヴェレ」では、「欧州連合は加盟国に対しCOVIDの発生を早期に発見するため下水を監視するよう求めている」と報じた。ヨーロッパでこのようなとりくみはいつから始まっているのだろうか。去年の報道を遡ると、「下水検査はパリ水道局が2020年3月初めに開始。各地で始まっている。パリ首都圏では15カ所で毎週サンプル検査をしている。2020年9月までに全国150カ所に広げるのが目標」(『産経』)とある。去年の夏にフランス全土に広げていくことがはっきりと決まっている。
では日本では何をやっていたのだろうか。去年の調査回数はたった2カ所九回ずつで、第2回調査は20カ所に広げたが、それぞれ1回だ。これではやっている意味がないと考える。今年も5月に東京都の下水道局は、都立学校その周辺の公道上のマンホールを調べていった。その結果、4月に5回、49サンプルによってある学校に行き着き、その学校でPCR検査をするという動きにつながっていった。だが、あまりにも動きが遅く、回数が足りてないと考える。
私たちれいわ新選組は徹底した下水のPCR検査をやっていきたいと考えている。この狙いは、コロナ無症状といわれる人たちをしっかり捕捉していくことだ。そうしない限りは、いつまでもくすぶり続ける。全人口のうちでコロナの陽性者はたった一握りだ。逆にいえば、この一握りがどこにいるかをしっかりと捕捉し、経済的に損をしないように保護していくことを進めていくためには、下水のPCR検査をしていくことが近道ではないかと考えている。
最終的な下水処理場は東京都に20カ所ある。その一つ芝浦を例にとって考えてみる。芝浦の最終的な下水処理場には、千代田、中央、港、新宿、渋谷の大部分及び品川、文京、目黒、世田谷、豊島区の一部から250万人ぐらいの下水が集まる。そこで検査をやるのも意味がないことではない。でも私たちがやりたいのは、ここから遡ってどこに陽性者がいるのか、無症状の人はいないかということをたどっていきたいということだ。調査する範囲を局限まで狭めていきたい。
下水管理のうえで一番小さな単位を処理小分区という。東京都を処理小分区で分けると500カ所になる。銀座で例えると銀座一丁目から八丁目までの区間が処理小分区だ。このサイズ感の500カ所の小分区を調査していくのが、感染者を発見していくうえで早いと考えている。例えば、この小分区を調べてウイルスが出てきたとなれば、この範囲内で遡って会社やマンションなどいろんなところに行き着く。そこからウイルスが出てきたときには、その建物を一棟ごと検査することで陽性者を確定していく。それによって無症状者や陽性者をしっかりと経済的にも保護していく必要があると思っている。これをしていかないと、一体どうやって終わらせるのか。いつまでもくすぶり続ければ、人々の心も経済も持たない。本気でやるときが来ている。
こういう調査が可能かどうか東京都の下水道局に聞いた。すると「もし処理小分区ごとに下水を定期的にPCR検査できれば、最小単位での感染拡大の兆しをつかむことも論理上は可能」という。だが「人員確保やコストの面で問題がある。試算もないので実際にやれるかどうかは別問題である」といった。これを聞いてびっくりした。現時点で試算さえされていない。あまりにも遅すぎる。
大急ぎで徹底的にやらなければいけないと考えている。すでにその技術は存在している。例えば、塩野義製薬、北海道大学の共同研究で、下水から100万人に1人の感染者を見つけ出すことができるという。しかも手作業でやっていた解析作業を全自動にしたために10倍の効率化をしたという話がある。島津製作所でもマンホールからその建物内のウイルスを発見することを進めている。例えば高齢者施設やさまざまな施設の下水を調べることによって、陽性者がいるかどうかがわかる。では技術があるなら必要なものはやる気だけだ。