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政治は人々の生命を救え れいわ新選組、中国地方を巡る ゲリラでソーシャルディスタンス街宣

 れいわ新選組・山本太郎代表は、4月半ばから福岡、熊本、鹿児島、宮崎を回った後、5月上旬には中国地方の各主要駅前で対話形式の街頭演説をおこなった。コロナ禍のため、密を避けて告知なしのゲリラ開催となったが、コロナ対策をめぐって迷走する国政に対する問題意識を持った人たちが足を止めて演説を聞き、切実な意見や質問をぶつけた。5日に下関駅前、6日に福山駅前、7日に倉敷駅前でおこなわれた街宣には、衆院山口4区(比例中国ブロック)から立候補予定の竹村かつし氏も演説【別掲】をおこなった。聴衆と山本氏のやりとりの一部を紹介する。

 

 

 女性(質問) 主婦として一番の関心事はコロナだ。日々命が脅かされている現在、大阪では医療崩壊が深刻化しているが、国はどのように国民を助けるつもりなのかが見えない。コロナが始まって1年以上になるが、効果的な政策も検査拡大も進んでおらず、病床が逼迫して自宅で亡くなる人が増えている。なぜ国は命を救わないのか。

 

 山本太郎 コロナを抑え込み、国民を守ることについて、国が本気か、本気でないかといえば、本気ではない。

 

 4月24日のニュージーランドのニュースを見てほしい【写真参照】。本気になった国では、すでに5万人規模のコンサートが競技場でおこなわれている状況だ。マスク着用も、人との距離をとる必要もない。通常に戻っている。国の対策が徹底しているからだ。

 

ニュージーランドで開催された5万人規模のライブ(4月24日)

 日本との違いは何か?日本では「ワクチンが来たら何とかなる」という対策をずっと続けてきた。他国のように検査を拡充し、保護・隔離をするためにはお金と人員がいる。たとえば潜在看護師が70万人いるのなら、ボーナス100万円、給料を倍にするという形をとれば少なくとも集まってくれる人もいるはずだ。ロックダウン(都市封鎖)や緊急事態宣言は、これ以上数が増えないように時間を稼ぎ、その間に対策を充実させるためのものだ。だが国は医療供給体制の拡大すらやっていない。1年間を無駄にしたということだ。

 

 同じ島国のニュージーランドや台湾では、プチ鎖国政策をやって水際で食い止めている。徹底的に検査、保護・隔離を国レベルでやって感染ルートも追跡する。たとえ変異株が入ってきても、しっかりとロックダウンで蔓延を阻止するから、通常をとり戻している。

 

 日本の水際対策はザルなので変異株も海外からどんどん入ってくる。緊急事態宣言を出して陽性者数が減っても、解除したらまた次の変異株が待っている。さらに拡大し、いつまでも終わらない。

 

 よく「コロナはただの風邪」という人もいるが、ただの風邪で大阪のような状態が生まれるだろうか? インドで火葬場も足りなくなり、公園で野焼きしているような状況は過去のインフルエンザでも生まれなかった。

 

 だからこそ徹底的に検査して、全人口のうち一握りの感染者を割り出し、ちゃんと保護や隔離するべきであり、それを徹底するなら大対数の人には徐々に社会生活が戻る。それもやらないからくすぶり続けている。

 

 昨年11月の米CNN報道では、CDC(米疾病対策予防センター)は「全感染の50%以上(59%)が、症状の出ていない人から感染していると推定」している。感染しているかわからない人から徹底した検査で捕捉・隔離し、それによって失われる収入を補填するなどの保護を施し、それに応じてくれる人にはボーナスも出す。そういう政策をとっていれば、この国はもっと早くまともになれていた。

 

 ところが、検査数は恐ろしく少ない。1日当たりの最大検査能力(昨年9月時点)は、英国708万2000件、中国2401万件に対して、日本は17万5200件だ。しかも実績はたった6万5000件程度。東京都でも1日当たり最大9・7万件の検査能力があるが、実績は1日当たり1万1577件だ。これでどうやって感染者を捕捉できるのか? 国が検査を受けさせない方針を続け、逆に民間の検査能力が上がったというあり得ない状態にある。

 

 1日当たりのPCR検査数で、日本は世界73位。71位がリビア、72位がボリビア、74位はエクアドル、75位がグアテマラ……コーヒー豆の産地ランキングではない。感染症対策において先進国とは到底いえないレベルなのだ。

 

 徹底的に対策をとって収束させようという考えがないのはなぜか? しかも、持続化給付金、雇用調整助成金、無利子無担保の融資、家賃支援などのコロナ支援を早々に打ち切り、コロナの出口が見えないのに出口戦略をとる。驚くことに菅首相は3回目の緊急事態を宣言しながら、そのために必要であるはずの2021年度補正予算を組まないとすらいっている。

 

 それは、混乱を極めさせ、それをビジネスチャンスにする意図があるからだ。このどさくさに紛れて原発汚染水を流すことを決めたり、憲法改定に向けて一歩踏み出そうとしている。国民監視を強めるためのデジタル庁を作り、60本以上の法律を五本に束ねて短期間で一気に国会通過を狙っている。今国会では所得税法を改正し、中小企業のM&A(買収・合併)を進める企業に減税する内容を入れようとしている。このさい弱った中小企業を淘汰し、外資の食いものにする。諮問会議の委員でもあるデービッド・アトキンソンやその信者の菅首相が目指す中小企業の淘汰を具体化するためのものだ。コロナに便乗した火事場泥棒であり、ショック・ドクトリン(災害便乗型資本主義)だ。

 

 そして最近、にわかに憲法改正が必要だという論議が出てきた。「もっと国が強権的に個人の私権を制限して、外出や営業をやめさせることができればこんなことにならなかった」「大阪が大変な状態になったのも、全国的にいつまでも感染拡大が続くのも現在の憲法の形がおかしいからだ」という論旨だ。大嘘、デタラメもいいところだ。

 

 そのような対策は、現在の法律ですべて可能だ。コロナを災害指定すればいいだけの話だ。

 

 災害対策基本法第六〇条三項には、「災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合」において、市町村長は「屋内での待機その他の屋内における避難のための安全確保に関する措置を指示することができる」としている。憲法を変えなくても市民に自宅待機を求めることはできる。
 さらに同法一項では、市町村長は「警戒区域を設定し、災害応急対策に従事する者以外の者に対して当該区域への立ち入りを制限し、もしくは禁止し、又は当該区域からの退去を命ずることができる」とある。まさにロックダウン(都市封鎖)が可能ということだ。

 

 そして、足りないところには食料品・飲料水・生活必需品の提供、生業に必要な資金などの給与や貸与、避難所の供与としてホテル宿泊も可能になる。金銭を貸し出す「災害援護資金」や遺族に支給する「災害弔慰金」も有効な支援になる。

 

 収入を失った人に家賃補助もできるし、被災地と同じく「みなし仮設住宅」を認めることもできる。雇用保険の災害特例適用によって、離職しなくても休業中に手当てを支給することもできる。

 

 コロナを災害指定するためには何が必要か?それは政府が「コロナは災害だ」と認めればいいだけだ。災害対策基本法二条には、災害について、暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流…などの異常な自然現象に加えて、大規模な火事や爆発、そして「これらに類する政令で定める原因により生ずる被害」と定義している。政令つまり内閣の政治判断があれば災害認定は可能であり、憲法改正の議論をグダグダやっている暇があるなら、さっさと災害指定して、いろんなことに対応できる状態にすべきだ。

 

 昨年4月の国会で、このことを問われた西村経済再生担当大臣は、「(コロナを)災害基本法あるいは、災害救助法の災害と読むのは難しいという法制局の判断もいただいた」と答弁したが、法制局に直接確認すると「それ(コロナの災害指定)については検討していない」と返答した。コロナを災害指定するか否かは政令(政治の判断)で定めることであり、法制局はその判断が法的に問題がないかを確認するだけの機関だ。

 

 実際に東京、北海道、大阪でも、コロナ対応支援のために知事が自衛隊派遣を要請しているが、すべて自衛隊法に基づく「災害派遣要請」だ。小池知事もいつも防災服を着ている。コロナを災害と認識しているからだ。

 

 コロナ対策において「個人を制限するための法的な権限が弱すぎるから憲法改正が必要だ」という話は大嘘だ。本当にコロナを収束させるつもりがあるならとっくに災害指定をしている。ところが、混乱に乗じて産業構造を破壊し、国を切り売りするような政策をさらに前に進めようとする別の目的があるからそれをやらない。この暴走を誰が止めるのかといえば、あなただ。政治を変える力を持っているのはこの国に生きる大多数の人々なのだから。困っている人々が政治に対して要求しなければ、何も変わらない。

 

広島県・福山駅前 低投票率めぐり議論も

 

 男性(質問) 私は自民党も公明党も大嫌いだが、議会内多数決で決まる今の政治において、弱小政党が消費税廃止などを唱えても意味がないのではないか。おたくらの政治信念はなにか。その政策は何年後に実現できるのか?

 

 山本 それは、あなたが力を貸してくれるかどうかの話だ。その政治を選ぶのは誰か? あなたは何を選んできた?

 

 男性 私は自民党は大嫌いだ。溝手顕正(自民党広島選挙区の前参院議員)を落とすために、河井夫妻に1億5000万円の選挙資金を与えて買収事件を起しておきながら、自民党幹部はそのことに一切触れない。あんな人物を法務大臣にした安倍(前首相)も一切触れない。でも私は今回の再選挙では、誰にも入れなかった。いままでずっと選挙に行っていたが、今回の河井の問題で行く気がなくなった。

 

 山本 でも選挙に行かなければ自民党の背中を押したことにならないか?

 

 男性 私の理念に当てはまる人はいなかった。

 

 山本 良い候補者(宮口氏)が野党から出ていたのではないか?

 

 男性 あれは今国会に女性議員が少ない云々といって票が集まって当選したが、私は期待していない。

 

 山本 でも33%という投票率のなかでも、投票した人たちは自民党にノーという判断を下された。どうしてそれを示されなかったのか?

 

 男性 政治家は選挙の時は票ほしさに聞こえのいいことばかりいう。でも細川連立内閣や、鳩山の民主党政権の時代もあったが、結局はみんな自民党に負けているじゃないか。自民党と手を組んでダメになっていく。

 

 山本 でも自民党がこんなに強い理由は何なのだろうか?

 

 男性 選挙に行かない人が悪いといいたいのか? 自民党の中でも今回の再選挙で野党に票を入れた人がいるのも知っているし、理解もしている。だが、こんなバカみたいな茶番劇の選挙には行きたくない。

 

 山本 だったらより茶番劇になっていくじゃないか。

 

 男性 では選挙に行かない7割の人間がみんなバカだということか。

 

 山本 それは意訳しすぎだ。あんな政治に付き合っていられないという気持ちはよくわかる。僕も昔はそうだった。選挙に行ったり、行かなかったり。でも3・11の原発事故から、おかしな政治を見て変えたいと思って政治の世界に入った。あなたのように散々汚れた政治を見てきて、自民党はやり過ぎだと思いながら、今回はもういいわ……という選択で終わるのはもったいない。弱小政党といって切り捨てるのではなく、ぜひ私たちに力を持たせてほしい。

 

 男性 2009年の政権交代選挙の時は何人もの人に声を掛けて民主党候補の応援をやり、広島7区でも自民党は落選した。でも鳩山由紀夫も菅直人も公約を裏切り、ろくでもない人間の寄せ集めだった。私はあれでつくづく懲りた。私らが一生懸命動いて反自民に入れても結局何にも変わらなかった。

 

 山本 小ずるいバカではなく、ガチンコで喧嘩をするバカを応援してほしい。私の政治信念は、死にたくなるような世の中を変えることだ。お父さんはどんな社会にしたいと思うか?

 

 男性 安心して生活できる社会だ。でも、組織票に支えられた自民・公明に勝つためには普通の選挙をやってもダメではないか。

 

 山本 その生活を底上げしていくというのが私たちれいわ新選組だ。その政治に対する怒りのエネルギーをこちらに向けてほしい。ぜひ力を貸してほしい。

 

 東京都内のアンケート調査で、コロナによって影響を受けたかを聞くと6割が生活が変わらないと答え、3割が生活に打撃があると答えた。だが、この6割がいつまで大丈夫でいられるのか?それを考えなければいけない。3割以上の人の生活が厳しくなったということは、その人がかかわる企業が倒産したり、仕事を失ったり、収入が減っているわけで、社会全体に回るお金が減る。

 

 コロナ前から25年のデフレであり、コロナのような災害が来ればこの国は収縮していく以外ない。だからこそ、大胆に社会にお金を流し込む必要がある。米国では200兆円、さらに300兆円の財政出動をやる。この状態を放置すれば国の供給能力が毀損され、モノを生産する力も購買力も失われ、国力そのものが衰退していくからだ。

 

 25年もデフレで個人消費が落ち込み、それによってGDPがマイナス成長を続け、実質賃金は下がりっぱなしだ。現状維持すらされていない。そこへコロナがやってきた。労働政策研究・研修機構(JILPT)の昨年8月の調査では、女性の収入が1割減った家庭では、5世帯に1世帯(20%)が食費を切り詰め、1割弱(9・4%)が公共料金を滞納するという状況になっている。野村総研による今年2月の調査では、パート・アルバイトの「実質的失業者」は、女性で103万人、男性で43万人と推計されている。ハローワークでカウントされている失業者が10万人をこえたといわれるが、それ以外を含めると生活困窮者は何倍もいるのだ。

 

 高度成長期もバブルも経験していない若い世代は最初から沼地だ。貯蓄もできないまま、安い労働力として企業の使い捨てにされる地獄のような世の中が待っている。この国から逃げられない以上、主体的に政治を変えていくしかない。それが次世代に対する大人の責任ではないかと思う。

 

憲法改定急ぐ自民党 結託する野党にも不信

 

 女性(質問) 先日、憲法改正に繋がる国民投票法について与野党が合意した。指摘されてきた問題点が改善されることなく、今の権力者や富裕層にとって有利な形に変えられて通ってしまったという印象がある。立憲民主党が合意したことには残念な気持ちがある。山本さんはどう思うか。

 

 山本 すぐに憲法改正してもらわないと困るという人がどれだけいるだろうか? これは憲法改正に向けて一つ駒を進めたという以外の何ものでもないが、今急いでやる必要がどこにあるのか。

 

 一方で、人の命が現場で失われているのに医療体制の脆弱さを1年も放置したまま今に至っている。25年のデフレによって生活困窮も広がっている。そのなかでなぜ今憲法改正に関する国民投票法を通さなければならないのか? そもそも論として間違っている。

 

 与党が押し切ろうとするのならスルッと通すのではなく、野党側は「直ちにやるべきことは現金給付であり、徹底的に財政出動することであり、人々の命を救うことだ」「医療崩壊しているときに何が憲法改正か」と、何日かかっても体をはってたたかうべきだ。そうすれば対立軸ができるし、マスコミはとりあげざるを得なくなる。そこをどうして与党とヌルッと手を繋ぐのか。「3年をめどに検討を加える」という修正を加えたというが、あまりに不確実な約束で、自民党がコロナを利用して手に入れようとしている緊急事態条項(内閣独裁条項)の発動に向けて一歩進めさせたことにほかならない。立憲民主党も憲法改正に前向きなのだ。

 

 憲法は宗教の経典ではないので、私自身も未来永劫変えてはいけないものだとは考えていない。だが、それはこの国の人々が憲法に関心を持ち、その重要性を十分に認識するまで時間を掛けてやっていくべきことだ。採決まで持っていくなら、多数派の自民・公明の賛成で最終的に決まってしまう。だが、審査会や委員会なら体をはって止められる。与野党の第一党同士が握り合い、タイミングよくマスコミが世論調査などをやり、政治がやるべき課題をすり替えているようにしかみえない。

 

なぜ野党勝てぬか 減税と財政出動が急務

 

 男性(質問) 広島再選挙、長野と北海道の補選でも自民党が負けた。自民・公明政権を転換するうえで鍵になるのが、その受け皿作りだ。次期政権を自・公に委ねるのか、立憲民主を中心とした野党が握るのかという選択肢になると思うが、れいわ新選組の立場を問いたい。

 

 山本 衆院選は秋までに必ずある。来年には参院選がある。つまり政権交代が可能な状況になっていく可能性がある。そこで何が必要か--。4月25日に実施された国政三選挙のすべてで自民党が負けたということで、この勢いに乗って政権交代だというのはちょっと気が早いと私は思う。1億5000万円もの血税を原資に選挙買収をするという前代未聞の買収事件があり、広島の再選挙では野党が勝った。だが投票率はわずか33・6%。買収事件が起きた地元ですら7割近くの人が選挙に背を向けたということであり、野党側が政権交代できるほどの多数派を全国的にとれるかといえば、私は甘いと思う。

 

 だからこそ私は今必要な施策として、とくに経済政策を大きく打ち出すべきだと思っている。どの選挙においても世論調査における最大関心事は圧倒的に経済問題だ。2012年に民主党・野田政権による自爆解散によって自民党が再び政権の座に復活したが、その後の8年間に何がおこなわれたか【表参照】。2019年までを見ても、特定秘密保護法に始まり、派遣法改正、安保法、TPP、種子法廃止……数々のろくでもない法案が強行採決され、そのたびに与党野党が焦点になったが、その間にあった4度の国政選挙で野党は1度も勝てていない。「自民党はやり過ぎだ」という世論調査が出ていても野党は全部負けてきた。

 

 なぜか? 私は経済政策が弱いからだと思う。いまだにプライマリーバランス(基礎的財政収支)の改善を、財政規律を……など寝ぼけたことをいっている。血液が足りていないから輸血が必要なのに「ここは耐えるときだ」「より血を減らさなければいけない」みたいな訳の分からないことをいっている。

 

 一方、自民党の公約は経済だった。アベノミクスでお金を増やして循環させるといったが、金融市場と自分に近いところにしかお金を配らなかったから底上げはされなかった。デフレ時の財政出動はどの国でもやっている当然の政策だが、日本は相変わらずドケチだったのだ。

 

 なぜこれほどのことが起きながら選挙で勝てないのか--野党は総括できているのか? 誰にでもイメージできる経済政策といえば、徹底的な財政出動であり、消費税は減税しかない。消費税こそが富の一局集中と格差拡大をもたらして国の税制を歪めてきた。

 

 桜を見る会の追及や立憲主義の回復も大切なことだが、みんなの生活が明日からどうなるのかということについてはっきり担保することだ。インフレ率2%になるまでは新規国債でお金を最大限出す。少なくともコロナが収束するまで、1人当たり毎月10万円を配ることができる財源が日本にはあり、それが25年間のデフレに対する唯一の処方箋なのだ。

 

 消費税減税が旗にならない限り、私たちは野党共闘はしない。旗になるのなら頑張るが、ならないのなら勝手にやる。それすら約束できないのなら、おそらくコロナ後には増税だろう。民主党時代にも増税しないといって増税したのだから、本当に心を入れ替えたのかをチェックするときだ。

 

 れいわ新選組は2議席の小さなグループでしかないが、その候補者が全員当選したなら、そこにニーズがあることが可視化される。そうなれば積極財政の流れができて、政策を横取りしてでも票をとろうとする勢力も出てくるだろう。与党にも野党にもプレッシャーをかけられる存在でありたいし、そこに力を貸していただきたい。

 

 野党側の空気を読まなければ「自民党を利する気か」と批判もされるが、第二自民党はもう必要ない。急進的な新自由主義か、緩やかな新自由主義かを選べといわれても選べない。だからこそ増税をさせないための釘を刺す必要があるし、政策として出してもらう必要がある。

 

 この国のオーナーは、この国に生きる一人一人だ。捨てて諦めるくらいなら、ガチンコで喧嘩をする連中におもしろさを求めてもらいたい。一人でも二人でも力を貸してもらえるなら、前に進むことができる。

 

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山口4区(比例中国ブロック)・竹村かつしの演説

 

 私はもともとプロレスをしていた。試合中のけがでプロレスの世界に一区切りを付け、下関に移り住んで11年がたつ。私は下関出身ではないが、この1年2カ月間の政治活動のなかで下関が大好きになった。

 

 何もないところから下関で介護業を始めたが、ただ生活するだけで精一杯の毎日だった。そんななか、2019年夏の参院選で山本太郎代表率いるれいわ新選組が街頭から懸命に訴えている姿に心が揺さぶられた。

 

 私の48年の人生で、みんなのために何かしてこれたのか? もっとみんなのために何かをしたい。この世の中を変えたい。良くしたい。そういう思いでれいわ新選組の候補予定者の公募に応募させてもらった。そして今政治活動をさせてもらっている。

 

 この1年間、コロナによって世の中は混乱し、大変な思いをしている方がたくさんいらっしゃる。私は下関市唐戸でデイサービスを営んでいるが、昨年12月に近所の大きなホテルが廃業した。予想もできなかったことだ。その他にもパチンコ店、ファミリーレストラン、老舗の料亭……どんどん閉店していく。誰が助けてくれるのだろうか。働いていた従業員はどこへ行ったのか。

 

 みんな頑張っている。みんな困っているのに、誰も手を差しのべてくれない。この国の政治はどうなっているのか。こんな苦しい思いをして、みんなマスクをし、我慢して一生懸命働いている。

 

 パチンコ屋さんで働いてきた女性から相談を受けた。「パチンコ屋さんが閉店することになり、今後も社宅は使っていいよといわれたが、やはり社宅は家賃が高い。要介護のご主人がいるから困っている。この先どうしたらいいの」。そんな相談だった。みんな辛い思いをしている。なんとかしなければならない。

 

 自分のことを差し置いてなんとかしようとしているのが山本太郎であり、れいわ新選組だ。私はそれに一緒になってたたかう。誰に何といわれようと、「お前、安倍さんの地元で勝てるわけないだろ」とみんなにいわれても関係ない。この国、この町がよくなるのなら、そんなことは関係ない。この辛いコロナ禍をなんとかしなければ、救える命も救われない。

 

 れいわ新選組は、消費税廃止、全国一律!最低賃金1500円を政府が補償、そして保育・介護・障害者介助等の職業の方々を公務員化すること政策にしている。人口減少に歯止めをかける。みんな学校を卒業して地元を出て行くのは、時給が安いからだ。山口県の最低賃金は829円。毎年10月に上がるのに昨年は上がらなかった。

 

 だが、経営者側からしたら829円でもギリギリだ。会社を守るためにゴメンね……といって、賃金を上げられない企業もたくさんあると思う。地方にこそこういう政策が必要なのだ。

 

 コロナで20カ国以上が減税しているのに、なぜ日本はできないのか。

 

 プロレスは人生にも似た奥が深い競技で、反則技でも許される5カウントルールというのがある。4カウントで手を離せば、反則負けにはならない。イスで叩いたり、叩かれたり、当たり所が悪ければ血まみれになり、大流血する。

 

 商店街で働いている人たち、商売をされている人たちはみんな笑顔で商売をされているが、みんな血だらけと同じだ。思いっきりイスで叩かれて血まみれでも、みんな我慢して笑顔で接して、耐えて、なんとか生きていこうとしている。それなのに、なぜこの国は人々を助けない? なぜこれほど冷たいのか? 私たちは愛のある、思いやりのある政治を目指してたたかう。みなさん一人一人に寄り添って、この下関の街を良くしたい。日本全国を良くしたい。それが、れいわ新選組だ。

 

 その先頭を走るのが山本太郎であり、私も一緒にたたかっていく。苦しんでいる人たちが置き去りにされる社会ではなく、富める者がどこまでも富む歪んだ経済ではなく、生きているだけで価値がある社会にしたい。みんなを幸せにしたい。

 

 その思いで私は、山口4区から立たせていただき、この街を良くしたい、変えていきたいと願っている。ぜひみなさん力を貸して下さい。一緒にたたかってください。

 

 

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この記事へのコメント

  1. 上島深雪 says:

    山本太郎がんばれ!
    竹村かつしがんばれ!

    わたしもがんばる!

  2. 大内昇太 says:

    お疲れさまです
    れいわ新選組の味方をしてくださり、
    ありがとうございます

  3. 漢山本太郎に感動し鳥肌たちました。竹村君も熱い漢だね。日本を変えてくれるのは山本太郎だけかもしれない。残念ながら選挙権もちあわせてないけれど心よりれいわ新撰組を応援する

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