れいわ新選組(山本太郎代表)は2週にわたって東京都内で会見し、7月初旬に実施される東京都議選で足立区と世田谷区に擁立する候補予定者2人を発表した。都議選候補予定者は三人となり、各区でポスター活動や街頭演説などの活動をスタートさせている。
足立区(定数6)には、元劇団員の末武あすなろ氏(36歳)を擁立する。末武氏は、新潟県出身で、劇団わらび座(秋田県)での舞台役者を経て8年前に上京。2019年にれいわ新選組の参院選や全国ツアーに同行し、前説の任務を担当しながら、各地でボランティアとしてポスター活動を精力的におこなってきた。
会見した山本氏は、末武氏がTPPやテロ等準備罪(共謀罪)などに反対する市民活動に長く参加していたことに触れ、「日常的にポスター活動をされるなど、おそらく全国にいるボランティアの中でも指折りの一番活動量が多い、熱量がある方」と紹介した。
末武氏は「2016年から政治活動をはじめたが、いろいろな現場でどんなに声を上げてもすでに政治が先に決定していることが多く、やはり市民がどんどん政治の場に入っていき、新しい時代を切り開いていくことを進めないと太刀打ちできないと感じている。一人でも多くの方とお会いして、れいわ新選組の政策を伝えるとともに、東京都でどんなことをしたいと思っているのか聞いていきたい」と抱負をのべた【詳細別掲】。
足立区のれいわ新選組の得票は、2019年の参院選では1万55854票だったが、20年の都知事選では党代表の山本代表が2万9396票を得るなど倍増した。一方、前回都議選での最下位当選者の得票は3万244票。山本氏は「前回参院選から都知事選にかけて得票が大きく動いたのが東京都の東部。東側は23区内でも所得が低く、東京都として底上げが必要だ。野党側が弱い地域でもあり、私たちが受け皿になっていく必要がある」と力を込めた。
世田谷区(定数8)に擁立する風澤(ふうさわ)純子氏(51歳)は、30年間看護師として大学病院に勤務。2019年の参院選かられいわ新選組のボランティアに加わって先頭に立って活動してきた。「病気や障がいを持った方々、医療従事者の仲間たちとの出会いから、政治と医療は繋がっていると実感し、これをなんとかしなければという思いで挑戦に至った」「コロナ禍では政治が徹底的に人々を守る必要があるが、実際は医療崩壊といわれる状態。医療従事者のなかには帰宅もままならぬ状態でありながら、給与やボーナスを減らされるという事態も生じた。本来なら入院すべき状態の方も自宅待機。命を落とさなくていい人まで残念な結果になっている。これはコロナ感染症に限らず起きていることだ。人員不足のために感染経路を調べる疫学調査も縮小した。都という公の機関が医療従事者を大事にし、健康と命は政治がちゃんと面倒見るといえないのが現実だ。病気を抱えた人も、健康な人も安心して生活できる体制が必要と考える」と出馬の決意をのべた【詳細別掲】。
世田谷区は、参院選でれいわ新選組として4万4067票、都知事選で山本代表が5万2688票を得ており、都内でもっとも得票数が多い地域。前回都議選での当選ライン(最下位当選者の得票)は1万8048票だった。山本氏は「世田谷区は一番大きな支持を得ているといっても過言ではない場所。風澤さんの医療、コロナ、教育などの諸政策は区民のみなさんに支持していただけると考える」とのべた。
■候補者の決意
東京都議選 足立区 末武あすなろ
「拡がる格差と世の中の不条理、ここ東京から変えていきたい。」
私は高校を卒業してからすぐに劇団に入り、全国各地の舞台で公演をしてきた。安いながらも給料がもらえて、休みもあり、表現をすることにだけ集中できる仕事だった。
自分が恵まれた環境にいたことに気づいたのが28歳の時。劇団を離れ、東京暮らしを始めてからだった。
毎月、家賃を払うのもギリギリ。貯金もなし、好きな物を買うこともできない。夢を追いかけるどころか、今月を生きるために働く、という現実を知った。やりたいことや好きなことをやって過ごしてきた私にとって、自分の人生を切り売りして、生活のために仕事に追われる社会は、とにかく窮屈だった。
性別や年齢などを理由に処遇が変わり、格差が拡がる原因と直面した。
世の中に対して、もやもやとした気持ちで生活を続けるなか、うるま市で米軍関係者による強姦殺人事件が起きたことをニュースで知り、これまでにない感情を覚え、「被害者を追悼し、海兵隊の撤退を求める県民大会」に参加するため沖縄に向かったのが私の政治活動の始まりだ。
米軍の問題は、ここ東京にも存在する。
米国本土で許されてない低空飛行訓練が、日本では当たり前のようにおこなわれ、米軍による事故や事件が起きても日本政府は調査や立件など一切できない。東京の空をコントロールしているのも米軍だ。一都九県に及ぶ広域な空は、米軍が管制権を握っている。
政治に対して違和感を覚えてからは、国会前のデモや集会にも、数多く足を運んできたが、疑問を持つことや声を上げることは重要である一方で、市民が主体的に政治の中に入っていかなければ、社会構造の歪みや異常さを根本的に解決できない、と強く感じた。
まずは地方の政治から変えよう。私は東京から、と決心した。
東京都議選 世田谷区 ふうさわ純子
私は30年間、看護師として勤めてきた。
病気や障がいを持った方々が苦しまれている姿に触れ、さまざまな理不尽と政治は繋がっていると実感し、政治を変えることが必要だと考えた。
この1年間の医療の現場は過酷なものだった。コロナという理不尽な状況から、政治が徹底的に人々を守る必要があるが、実際は医療崩壊といわれる状態だった。感染したら重症化しやすい病気を持った人の不安を聞いたことはあるだろうか。私は多くの患者の切実な不安を聞いてきた。オリンピックに時間やお金を注ぎ込むなら、今すぐ感染対策強化へ。そして医療従事者はもちろん、都民全員へ給付金を出す。そちらへシフトしていただきたい。
育児経験からも社会を変えたいと思うようになった。学費を含む教育費は多くの家庭と学生に負担があり、そのために学業を諦める方もいる。私には大学生と中学生の子がいる。学費、教育費は多くの家庭の家計を逼迫させており、このコロナ禍で減収となっても行政は手を差し伸べてはくれない。中学生の子は不登校だが、各区で不登校の子のための教室などあるものの、私立校に通う子は対象外であったり、フリースクールは高額だ。経済格差による教育格差、この不公平な状況をなんとしても脱したい。
学校という大人がつくった仕組みにとり残される子どもも多く、区という枠をこえて、子どもたちが笑顔になれる、そんな東京都をつくりたい。今、生きているすべての人、一人一人を大切にする政治が少子化対策にもなる。いつでもその人らしく、あなたらしく、すべての人々が自己肯定感を抱ける、人に優しい東京を世田谷区からつくる。医療と教育に力を入れ、一人ひとりを大切にする都政を目指す。
長周新聞がんばってるね!!ありがとう!!
長周新聞さん、ありがとうございます!!