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れいわ新選組、大阪と東京で新規公認予定候補を発表 総選挙にらみ全国で再始動

 れいわ新選組の山本太郎代表は4日、大阪と東京であいついで記者会見を開き、新たに次期衆院選の公認候補予定者4人を発表した。れいわ新選組は2月に東京4人、北関東1人、南関東2人、東海2人、近畿1人、中国1人の計11人の公認候補予定者を公表しており、今回で15人となる。コロナ禍のなかで表向きの政治活動や候補者発表を見合わせていたが、安倍首相の電撃辞任にともなって解散総選挙の可能性が強まるなかで、総選挙に向けた活動を全国で再開していく構えだ【各候補者が語った決意要旨を別掲】。

 

 まず大阪7区(吹田市、摂津市)・比例近畿ブロックに、元大阪府議で防災士の西川弘城氏(55)を立てた。


 西川氏は大阪府議を2期つとめ、現在は政治団体を立ち上げて活動しており、昨年れいわ新選組の候補者公募に応募。「大学院で財政学と会計学を学び、れいわ新選組が掲げる消費税廃止が、景気回復と賃金上昇を誘導するという経済と財政政策は、至極まっとうであるばかりか理論上も実現可能であり、日本国民の再生のためにも進んで実行しなければならない政策と断言できる」とし、格差是正のために法人税、資産課税、個人所得課税で「金融・証券税制」を含めた税制を抜本的に見直すことを訴えている。大阪では5区の大石晃子氏に次いで2人目の擁立となった。


 会見に同席した山本代表は、近畿を重要なブロックと位置づけて公認予定候補者を今後も増やしていく考えを明かし、「全国第二の都市である大阪を維新政治から守っていかなければいけない。大阪の与党である“維新”が対峙すべき相手になる。安倍政権が進める政策内容を大阪で先行してきたのが“維新”であり、新自由主義的な動きにブレーキをかけるのならば、その一番の実験場になっている大阪は主戦場になる。二重行政の無駄を削減するために“大阪都”にすべきといわれるが、本当に無駄の削減を考える人が、コロナ危機下で民間から雨ガッパを集めるようなことをするのか。その一方で10億円をかけて住民投票をやるという現状認識に疑問を感じる」と指摘。今後、大阪でゲリラ的な街頭演説をおこなっていく方針も示し、「菅さんが総理になれば安倍政権よりも強権的なものになり、維新との関係も強化されて二人三脚で大阪を解体していく流れが加速する可能性もある」とし、大阪選挙区からの自身の出馬も「排除しない」と含みを持たせた。


 比例東京ブロックでは、東京5区に元東京都職員の中村美香子氏(50)を選出した。中村氏は24年間、都職員として、都税の滞納整理、国際交流事業、育英資金(奨学金)事業、保健所補助事業、監査に従事。仕事と子育ての傍ら、学童クラブ対象外となる小学四年生以降の子どもが夏休みなどの長期休暇中に学童クラブに弁当を食べにいけるようにする要望活動、医療的ケア児とその家族を支援する活動、子どもの食の安全と有機農業の推進を目指す活動などのさまざまな市民活動をおこなってきた。


 積極財政の経済理論を知り、少子化や介護、貧困、エネルギー、農業、基地問題にいたる社会問題を解決できる可能性に気づき、「子どもたちの未来のためになることをやろう」と都職員を退職し、れいわ候補者に応募した。


 東京7区に擁立する高橋阿斗(あと)氏(36)は、15歳から20歳まで精神的弊害を抱えて引きこもりを経験し、ビジュアル系バンドで活動していた。その後、中卒・高卒認定資格を取得。TPPに関する単独街宣や、ユーチューブでれいわ新選組の活動を配信する活動のなかで、れいわ新選組スタッフに採用された経歴を持つ。


 「苦しんだ経験があるからこそ、同じような苦しみの中にある人々を手助けしたい。消費税をなくし、コロナで傷ついた人々を救う経済対策を進めていけば、今の政治の流れとはまったく違う結果を生み出せると確信している」と訴えた。


 比例南関東ブロックでは、千葉11区に飲食店起業家でコンサルタントの多ケ谷亮氏(51)を選出。大学時代から飲食店を起業して都内で14店舗を直営し、現在はコンサルティング業務を中心に企業の経営指導やプロデューサーとして活動している。


 「消費税の減税、廃止によって庶民の生活底上げ、中小企業の底上げ、デフレ脱却を達成したい。大手企業にあまりに偏りすぎた富や、一部の個人に偏りすぎた富を再分配すること。日本再生は大企業にあらず、中小企業再生、貧困撲滅にある。この異常な弱い者いじめ社会に終止符を打つべく、政治家が行動を起こさないで誰が起こすのか。誰もやってくれないから自分がやるという初心を忘れずに頑張りたい」と決意を示した。


 山本代表は「初々しい方から場慣れした人までバラエティに富んだ人たち」と各候補者を紹介。
 今後の方針として「衆院選に向けて100人の候補者を立てたいという目標は以前から変わっていない。人材に不足はないが、どれだけの資金が集まるかがネックになる。資金面は選挙の風が吹き始めてから動きが出てくるので、現段階では何人立てられるのかははっきりしない。もし10月末に総選挙があるとするならば50人くらいと考えている」とのべた。


 また、擁立予定の選挙区に他の野党現職がいることについては、「おそらくどこの選挙区でも候補者が被る(競合する)ことになる。一人区では、別会社同士が一議席を争うのだから当然だ。先の参院選で、東京都内でれいわ新選組の得票が一番高かったのは渋谷区(7区)だ。そこに候補者を立てないという選択肢はない。選挙前になれば調整がおこなわれることになるだろうが、現在までに話し合いの打診はないので擁立予定のすべての選挙区で着々と選挙の準備を進めていく。野党共闘のイニシアチブを取るのは野党第一党であり、リーダーシップを発揮すべきはそちらの話になるだろう。今後も消費税減税を条件にした野党共闘の話し合いをする余地はあるが、時間がたてばたつほど候補者を降ろしづらくなる」とのべた。


 野党間で進む新党との連携については「通貨発行権を持つ国が積極的に財政出動していくという政策を進めていくグループとは力を合わせていく。コロナ不況からコロナ恐慌に繋がりかねないという状況にブレーキを掛けるためには、国による積極財政を意志決定できるような状況、少なくともその声が大きくなるような状況をつくっていかなければならないと思っている」とのべた。


 れいわ新選組は、現在東京都内で連日ゲリラ街宣をおこなっており、今後総選挙に向けて街頭活動を強めていく方針だ。

 

◇大阪7区 西川ひろき  (元大阪府議、防災士)


 大阪府議を2期8年やり、現在一国民として生活するなかで、国民また政治家として自分を見つめ直す機会があった。7年8カ月続いた安倍総理以前の小泉政府時代から、ある一定の原理原則に則った経済政策、富の再分配の路線がとられ、その模倣者として関西では大阪維新の会が伸張し、地方政治をおこなっている。


 私はその政策とは真逆の政策が、困っている府民や市民、国民の生活を守り、向上させるうえで必要な選択肢ではないかと思っている。その政策や理念が一致したのがれいわ新選組だった。山本代表の情熱あふれる言動に感銘を受け、これからの日本や大阪、または地元の市民を、どのような原理原則に則った政策で導けばみんなが幸せになれるのかを考えたとき、れいわ新選組しかないと思い至った。


 国民の生命と財産を守るのが政治家と政党の使命であるならば、そこに右か左かというイデオロギーは関係ない。右でも左でも苦しんでいる人がいるならば、とらなければならない政策や手順がある。それを体を張って具現化しているのが山本代表であり、それを支えることで日本を苦しみから救う運動に身を委ねることができると考えた。


 私は親族に障害者がいるが、本人も家族も、また医療費カットのなかで苦渋の選択をしなければならない医療従事者もたいへんな状況にある。この不条理を解決したり、苦しみをぬぐい去るための制度設計や予算配分をしたい。富の再分配をもう一度見直し、税制大綱を抜本的に変える。左右のたたかいではなく、一部の上層部と大多数の中間層や下層との間で富の再分配を見直していかなければいけない。この大きな理念と方向性が、このコロナ禍の時代に求められている。


 大阪都構想には当初から一貫して反対だ。政党や政治家が信念や政策を互いにたたかわせることは問題ない。だが維新政治の最大の問題は無理を通して道理を引っ込める。政治家には違う意見を集めて話し合って納得させることが求められ、主権者である国民に対する誠意が必要だ。大阪市を解体する前例ができれば、一般市や特別市がこれから上がっていくことはない。大阪市が潰れれば堺市も解体される可能性が出てくる。


 都構想に注ぐマンパワーや財源があるのなら、それを防疫防災対策に投じるべきだ。大阪は中小零細企業の街であり、99%の企業で経営者も従業員も苦しんでいる。11月初旬に大阪市で実施が予定されている2度目の「都構想」住民投票も、コロナ禍が拡大する可能性が高い時期におこなうことは避けるべきであり、通常の感覚から考えても延期すべきだ。

 

◇東京5区 中村みかこ (元東京都職員)


 東京都に24年間務め、行政の現場にいた。その間2人の子どもに恵まれ、今も育てている。仕事と子育てを両方できていることは大変幸せなことだが、現在の若者はそのことに希望と確信を持てているだろうか。少子化が止まらず10年間人口減少が続いている。20年間のデフレによって格差の拡大と貧困が深刻化し、そのために若者の雇用が不安定になったことが一番の原因だ。


 自分の望む仕事に就き、生活に困らない収入を得たい、子どもを産んで家庭を持ちたいというのは基本的な欲求だ。こんな基本的なことに希望が持てない社会をこのまま次世代の子どもたちに渡すわけにはいかない。このデフレを解消し、希望の持てる社会にしたいという思いから出馬を決めた。


 子どもを育てられる経済基盤が必要だ。そのためには国の財政支出によるデフレの解消、消費税の廃止、最低賃金のアップによって可処分所得を向上させる必要がある。非正規雇用についても、正規雇用者の源泉徴収分を法人税から控除することによって正規雇用を促進することも考えている。若年層への低廉な住宅の提供も有効だ。


 子育てについては、保育と放課後児童クラブの質量ともに安定した提供が必要だ。そのために現場で働く人々の処遇を向上させることが大事なことだ。もう一つは、子育てにかけるプライベートな時間を十分に確保するために労働者全体の労働時間の短縮が不可欠であり、長時間労働やワンオペ育児では十分な育児はできない。どんな状況でも安心して子育てができる社会にするため、シングルの親、障害児の親の就労と子育てを支援する制度を拡充・整備するべきだと思う。こうした事業を担う地方自治体に対して国はもっと財政支出して下支えをすべきだ。


 私は世田谷区の学校給食をオーガニック(無農薬)にする市民活動をしている。海外ではオーガニックの給食を提供する国が出てきており、日本でもそうした自治体が出てきている。だが国として全面的にこれを押し出してはいない。


 私は国会議員となってオーガニックの給食を全国で未就学児から高校生まで公立私学を問わず無償で提供したい。そうすることで子どもの食の安全、有機農業の推進、食料自給率の向上、貧困対策、そして母親を弁当づくりから解放して本当に女性が輝く日本にできる。一石四鳥の効果がみこめる政策だ。


 これは緊縮財政ではなく、積極的に財政支出をする方針をもつ政党しかできない。私も長年、日本は借金大国で、こうした大胆な改革をおこなう財源がないと思い込んでいたが、近年の経済理論を知り、積極財源はできるし財源はあると膝を打った。そのことかられいわ新選組から立候補したいと決意した。行政経験と市民活動の経験の両方を生かして頑張りたい。

 

◇東京7区 高橋 アト (引きこもり5年・ビジュアル系ボーカリスト)


 10代のときに五年間引きこもりをしていた。それというのも極度の対人恐怖症で、人と接するときに呼吸ができなくなったり、日常の動作がまったく分からなくなるという極端なものだった。


 日常的に精神的な弊害を抱えて生活していると将来に希望が持てなくなり、“神様がいるのなら、どうか私を戻してください”と祈るほどだった。いまは一つ一つ問題を解決し、こうして日常を送ることができるようになったが、そのときの苦しみと切実さは一言ではいいあらわすことはできない。


 そのような経験を持つ者として同じように苦しみを抱えている人の何か力になれないかと自然に思うようになった。それはあのとき“神様助けてくれ”と願った自分を助けることになるとも思った。


 山本氏は政治を語るときに“愛”ということを語る。あまり政治家の口から愛という言葉を聞くことはないが、それを聞いたときに胸にガツンと響くものがあった。れいわ新選組を支持する人たちも同じだと思う。何事も愛が抜けていたら上手くいかないと思う。れいわ新選組の掲げる、消費税廃止、コロナで傷ついた人たちを癒やす経済対策を徹底的におし進めていけば現在の政治がもたらした惨状とはまったく違う結果に繋がっていくと確信している。そのお手伝いをさせていただきたく手を上げさせてもらった。

 

◇千葉11区 たがや 亮 (飲食店起業家・コンサルタント)


 私が政治家を志した理由は、自民党が嫌いという発想ではなく、なぜ自民党しか選択肢がないのか? という素朴な疑問を深掘りしていくなかで、この国の保守とは一体何なのかを考えたからだ。日本を愛する、すなわち国民を愛することに真っ直ぐ突き進む、努力していくことが本当の保守であり、それは山本太郎さんのような方だと考えるようになった。


 32年間会社を経営してきて、政策のなかで大きな合致点は消費税廃止だ。実は私は過去三度の衆院選に出馬経験があるが、3回とも消費税増税の阻止と減税、廃止を目指して活動してきた。
 れいわ新選組は私が背水の陣でたたかう最後の場だと思い、応募して公認をもらった。

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