関西ツアー敢行中のれいわ新選組・山本太郎代表は3日、神戸市中央区三宮の神戸マルイ前で街頭記者会見をおこなった。広場を埋めるほどの親子連れ、中高生、大学生、主婦、会社員、高齢者など多くの人たちが集まり、冒頭から競い合うように質問の手が挙がった。質問や意見は司法、医療保険、教育、少子化、貧困、原発問題など多岐にわたり、山本代表は消費税廃止や最低賃金1500円政府保障などの政策を柱にしながら「困難な状況にある人を真っ先に救い上げるのが国であり行政であるべきだ。20年間のデフレを続けてきた緊縮政策を終わらせ、国が大胆な投資をすることでそれが可能になる」と訴えた。
参加者からは「少子化が問題といいながら不妊治療が保険適用外なのはなぜか」「派遣会社から解雇され、30代半ばだったので再就職を諦めて引きこもった。就職氷河期世代と中高年の引きこもりへの対策を聞きたい」「失業保険を受けるハードルが高すぎる。自己都合ならば3カ月は待機で、受給できるのも3カ月。延長を決定しても最長6カ月だ。この条件を撤廃すればゆっくり仕事を探せるし、心に負った傷を癒やすことができる」「ブラック企業で心身を壊して引きこもらざるをえなかった。貯金10万円が尽きてバイトをしていたが、会社からは社会保険加入を断られ、フリーランスで在宅で仕事をしてきた。最低賃金1500円の政府保障はさまざまな要因で家で仕事をする人たちも対象にしてほしい」など実体験に基づく切実な要求や質問が多く出された。
山本代表は「現在の政府は少子化などどうでもいいと思っている。少子化を克服する政策の一つは教育だ。555万人が抱えている奨学金返済をチャラにする。二つ目は住まいの保障であり、若い人が単身で入れる公営住宅を整備する。三つ目は、所得が少ない人への公的補助だ。これを諦めろというのなら、少子化は今後も放置される。投資もなくリターンを得ようとしているのが今の政府なのだ。すべてを失うことを前提にした生活保護を、その手前で必要な部分だけ補助を受けられる生存保障制度に変えたい。年間2万人以上が自殺し、50万人以上が自殺未遂に追い込まれている。15~39歳までの死因のトップが自殺。今春に厚労省が出した資料によれば、10代前半の死因も自殺が首位になった」と語気を強めた。
そして「日本財団が日本や米国、英国、中国、韓国、インドなど9カ国の17歳から19歳のそれぞれ1000人を対象に調査したところ“自分で国や社会を変えられる”と考える日本の若者はわずか18・3%(5人に1人)だった。残り8カ国で最も低い韓国の半分以下だ。また、“将来の夢を持っているか”“国に解決したい社会課題があるか”という質問への回答も他国と比べて30%近く低い数字だった。さらに“自分の国の将来についてどう思うか”という質問に“よくなる”と答えた日本の若者は9・6%で9カ国中で最低で、中国の10分の1だ。人人に希望を与えるのが政治なのに、多くの方方から自信も希望も奪っている。この解決のためには経済的安定が第一だ。国や行政が最初に手をさしのべる社会にしたい。そのような社会を作るのは政治であり、その政治は一人一人の1票の集め方によって社会を壊すことも豊かにすることもできる。いまは3割程度の得票を持っている企業側が自民党を動かしながら自分たちの利益を最大化するための政治をおこなっている。これを逆に私たちがコントロール権をとり戻せば、真逆の世界観の日本をつくることができると思う。5割の人たちが票を捨てている状況であり、この人たちが自分たちが持っている力に気付くことができるなら私は絶望することはない。繋がっていくことで必ずそのチャンスはある。そのことを北海道、九州・沖縄、東北、北信越、東海、関西とお願いして回っている」と訴えた。
通行人がお菓子を差し入れたり、バスやタクシー運転手、通りすがりの会社員男性から「太郎頑張れ!」と掛け声がかかるなど、寒風が吹くなか、3時間に及ぶ街頭演説は終始熱気の冷めやらぬものとなった。
若い母親達の姿目立つ 支えるボランティア
街頭宣伝では、母親たちを中心にした多くのボランティアが運営を支えていた。幼児を抱えてチラシを配る母親、ミルクを飲ませながら演説を聞く若い母親の姿もあり、それぞれが真剣な思いを胸に協力しあいながら場を盛り立てていた。
児童養護施設で働く看護師の女性は、今年の参院選ではじめてれいわ新選組の政策や山本太郎代表の演説を動画で見て初めてボランティアに参加したという。
「児童養護施設や介護施設で働いていると、国の制度のおかしさに直面するが、それが政府の決定である以上は諦めるしかないと思ってきたし、多くの人が疑問を持ちながらも訴えどころがなく耐えている状態だと思う。児童施設では、昔とは子どもが抱える事情がまるで違う。虐待や育児放棄、親が刑務所に入っている子、親子の心中事件……など、貧困の連鎖による問題が親から子へ終わることなく続き、格差が広がるほど深刻化していくことがわかる。国の政策がおかしいと思っていても“しょうがない”と諦めることが求められ、自分の思いを押しつぶしていくなかで現場は殺伐とし、施設内でも暴力が起きるような悲しい現状にもなった。まじめに考える人ほど耐えられなくなって職場を去っていく。理想論をいっても“きれいごと”として片付けられ、諦めることが正しい方法とされる。これまで一人では何も変えられないと思ってきた」と涙をこらえながら語った。
つづけて「市民運動や野党の運動が一時的には盛り上がるが、そのつど消えていくたびに意気消沈していた。そのなかで山本太郎さんがTPP反対で国会の中で一人牛歩をやっているのを見た。国会で一人で立ち向かう姿に励まされ、主張される内容が現在の国に足りないことと合致していたので、私も一歩前に踏み出そうと決心した。この場にこれだけの人が集まるのを見て、まだ日本も捨てたものではないと感じる。弱者を切り捨てる価値観と真反対の社会が実現できたらどれほどの子どもたちが救われるだろうか。そこに希望をもって私自身もできることから前に進んでいきたい」と話した。
3人の子どもを持つ母親は「現在の政治に明るい将来が描けず、3人も子どもを産んだことに後悔すら感じていた。今年、太郎さんが新政党を旗揚げされたとき、真っ暗闇に一筋の光が差し込んだような感動を覚えた。自分も“一人からやってみよう”と奮い立ち、れいわの政策をパネルにして一人で駅前に立つことから行動をはじめた。すると次第に周囲に仲間が集まってくれるようになり、一緒にやってくれるようになった。れいわの行動はテレビでも放映されず、新しい社会を作るのは一人一人の行動にかかっていると感じる。自分の知らない新しい力を引き出してくれたと思っている。家庭との両立はたいへんなときもあるが、引っ込み思案ではなく、みんな一緒に前に出て行くときだ」と明るい表情で語っていた。
外資の水ビジネス大手を退職し、ボランティアに専念している男性は、「在職中はお客様センターにいたので、水道代が払えない利用者さんの苦しみを直に見てきた。水道のような生死に直結するインフラは低廉であるべきだし、そのために国が保障すべきだ。民営化をすれば高額の役員報酬、株主配当まで水道代に上乗せされ、営利の具になるのは目に見えている。そのことに憤りと葛藤を感じて退職を決断した。いまは、自民党が法制化した水道民営化を含むさまざまなトンデモ法をひっくり返すことを人生の新しい目標にしている。今の国会には野党といいながら与党側の政治家が多く、日米FTAも簡単に国会を通過した。下から動いていく以外に政治は変わらないと痛感している」と意気込みを込めて語った。
山本太郎頑張れー!頑張れー!の止まらない合唱。
それに対して返した山本太郎の
「すでに、みなさん頑張りすぎています、でも私は頑張りますよ」に涙がこぼれた。
健康に気をつけて、頑張っください。北海道は雪かき終わり寝ます。
連日の取材、ありがとうございます!
首部の夜も寒かったですが、これからもよろしくお願いします。
ポスターやチラシ、SNSなど、人々の自発的な行動を喚起した山本太郎。決して強制したわけではない。かつてこんな政治家がいただろうか。引き続き応援していきたい。
山本さん、頑張って下さい
腐った自民党をぶっ壊すために頑張ってください。もう我慢できません。全国に対立候補者をお願いします。
記者の皆様、連日の取材と報道、ありがとうございます!
四国、中国ツアーも楽しみにしております。