長周新聞社は2017年に発行した絵本『あざみの花』(作・古川豊子、絵・西沢昌子)を英語に翻訳し、『あざみの花 The Thistle Flower』として新たな対訳版の装いで20日に出版した。翻訳には寺島隆吉(元岐阜大学教授)、山田昇司(朝日大学准教授)、寺島美紀子(朝日大学名誉教授)の英語教育専門家三氏で構成するプロジェクトがあたり、寺島氏が監修した。
広島で被爆した母が白血病に冒され乳癌を併発し、変わり果てていくさま、いいあらわせない辛さを秘めながら寄り添う父、それを見守ることしかできなかった子どもたち。被爆家族の感情の機微を描いたこの作品は、2年前に発行して以来多くの人人の心に分け入り反響を広げ、現在品切れとなっている。
このたび、この絵本を海外に広めたいという要望も踏まえて、日本人にも外国人にも読めるように、日本語と英語を併記する形で構成した。外国から訪れた人人にも手にとってもらえるようカラー刷りの新たな表紙で装丁している。翻訳は、日本的な情感を英語圏の人人にも理解できるように努めており、英語学習にも役立つ。
本書はB5判・48ページ、光沢のある上製本で、定価2000円+税。全国の書店で扱っている。