いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

文字サイズ
文字を通常サイズにする文字を大きいサイズにする

戦後レジューム脱却する東アジア 米朝会談の到達とその背景

崩れた米国の一極支配 資本主義衰退の下で変化

 

共同声明に署名したトランプと金正恩(12日、シンガポール)

 

 米朝会談を経て、東アジアに目まぐるしい変化の時代が到来しようとしている。長年にわたる軍事的な緊張関係を乗りこえて何が動いたのか、どこに向かっているのか、記者座談会で分析した。

 

  紆余曲折も経ながら米朝会談までこぎ着け、武力衝突ではなく対話によって事が動き始めた。歴史的な局面だ。戦後70年近く引きずってきた南北分断、大国が介在していがみ合わされてきた対立関係の精算に向かっている。

 

 米国の覇権体制が弱まっている状況に照応して、東アジア情勢が大きな転換期を迎えている。きわめて現実的な変化ということもできるし、南北朝鮮が思いっきり舵を切って局面を作り出したことに特徴があると思う。この変化について、願望とか感情、あるいは教条的な観念世界からではなく、あるがままの姿を捉えることが大切だ。何が起こっているのか、どこに向かっているのかを展望しなければ、それこそ蚊帳の外でとり残されるしかない。

 

16世紀の世界地図(フランス人作成)

  どの立場で物事を眺めているのかによって、人それぞれの考えは異なるのだろうが、世界は個人の思いとか願望などおかまいなしに動いていく。グリニッジ子午線を中心にした世界地図のなかで日本はまさに極東の最果てに位置する国だが、「何もわかっていない端っこの国」ではどうしようもない。米朝会談の可能性が発表されたり、金正恩が習近平のところを電撃訪問する度に「えー!」「ウソー!」みたいな驚愕報道がくり返されてきたが、「あり得ない」と思い込んでいた事が、各国にとっては十分にあり得る出来事だったのだ。あの辺りに認識の齟齬や立ち遅れがあらわれているように思えてならない。

 

 それまでは「6月に開戦を迎える」「アメリカが北を空爆し、斬首作戦を実行する」などとまことしやかに評論している識者までいた。どこの誰にそのような話を吹き込まれたのかは知らないが、彼らなりに真顔で説いていた。ところが表舞台では「ロケットマン」「老いぼれ」と罵りあったり、米韓合同軍事演習で恫喝しながら、CIAは頻繁に北朝鮮に出向いて交渉していたことも明らかになった。米朝会談の実現に向けて着実に事は進んでいた。Jアラートをかき鳴らしたりミサイル騒動でてんやわんやしていたのは日本だけだったのだ。そのようにして政府だけでなく極東最果ての島国が、みんなして置いてけぼりをくらって、ポカーンとしているような印象がある。いったい何だったんだ? と国会で安倍晋三に問いただすべき問題だ。

 

「北京ルートを使って対話の努力をしている」と釈明する安倍首相(11日)

  なぜこのようなことになったのか? だが、これは一つには統治機構側の頓珍漢を反映していると思う。あのミサイル避難訓練ほど非科学的で馬鹿げたものはないが、狙い狙われるというような対立関係を解決するのではなく、むしろ「圧力だー」と拳を振り上げて煽っていったことにすべてがあらわれている。米朝対立すなわち冷戦構造の置き土産でもある朝鮮半島の矛盾について、これが永遠不変に続いていくものと信じ込んでいるし、まさかアメリカ大統領が金正恩と握手するなど想像もしていなかったのだろう。情勢認識がことごとく誤っている。多極化が著しい世界の変化を捉え切れていないことをあらわしている。古ぼけた脳味噌で戦争を煽っていただけだったのだとしたら論外だ。

 

  それで水面下の外交交渉からはじき出されて、今になってアメリカなり中国、韓国に「教えてちょうだい」をしている。田中均みたいな人材が外務省にはいないのかもしれない。北とはパイプすらないようで、拉致問題では「どうして自分でいってこないのか」とまでいわれている。6カ国協議の当事国で北朝鮮と首脳会談ができないのも日本だけだ。そして首相は拉致問題の解決を北朝鮮ではなくアメリカにお願いに行く。自国の運命を他国に委ねるような振る舞いを平然とやっている。本当に恥ずかしいものがある。これはもう「けしからん!」云云の文句とか悪口をいっている場合ではない気がする。統治の劣化は以前から指摘されてきたが、ここまで落ちたのだと自覚しなければならない。

 

 D 外相の河野太郎あたりが各国に出向いて北朝鮮との断交を迫ったりしてきたが、渦中に中国から「足を引っ張るな」と叱られていた。アメリカも同盟国といいながら頭越しでディール外交を展開するし、これらの関係国のなかで蚊か蠅みたいな存在に映っているのかもしれない。本当に「蚊帳の外」だ。各国が水面下でしのぎを削って腹を探り合い、落としどころを見つけているなかにあって、「カネだけ出してろ」みたいな扱いが露骨だ。すべての物事が落ち着いた段になって、訳もわからず「制裁だー!」「圧力だー!」をやってきたのが、いったいどんな顔をして関係を切り結んでいくのかと思う。トップ交代はその意味からしても現実的な話だ。岸信介すなわち戦犯の孫が日朝関係なり日韓関係、日中関係を切り結んでいけるのかを真面目に考えないといけない。

 

米国に成り代わる中国の存在感 薄れる覇権

 

 B 東アジアが第2次大戦後の諸関係を精算して、新たな局面に移行しようとしている時に、日本社会だけが立ち遅れていくというのは、その戦後出発が精算できず対米従属に浸りきっていることと無関係ではないように思う。おんぶに抱っこで思考停止しているような光景でもある。客観的には、「アメリカ・ファースト」でアメリカが世界の警察というポジションから身を引きはじめていることに起因している。そんななかで、多極化する世界を見極めて南北は能動的に動いた。はるかに主体的に民族の運命を切り開いている。かつての植民地支配の為政者のイデオロギーを丸出しにして侮蔑したがるのがいるが、南北の方がよっぽど民族的アイデンティティーを持って挑んでいるではないかと思う。

 

  韓国ではキャンドルデモを主導した民主化勢力が勢いづいているが、朴槿惠をはじめ軍事政権時代の残存物が一掃されようとしている。戦後、アメリカが後ろ盾になって軍事独裁政権を敷いたが、アメリカは日本の植民地統治時代の統治機構を人材にいたるまで丸ごと利用して戦後支配にあたったという。それこそ、朴正煕などは日本の占領統治に協力してきた側だ。それが戦後は親米派として登用された。日本ともそっくりだ。岸信介の韓国つながりというのもそういうことだ。彼らは戦後も一貫してつながっていたことがわかる。植民地支配をしていた側、つまり日本の独占大企業や為政者の感覚のなかには、朝鮮半島は自分たちのものくらいの意識が残りカスのようにこびりついている。それは今もって引き継がれている。朝鮮人ヘイトなどが跋扈してきたが、その残渣にほかならない。立ち戻りたい場所がそこなのだ。

 

 とはいえ、韓国でもそうだが、日本でいうなら自民党みたいな親米売国派が、先日の統一地方選でも壊滅寸前まで追い込まれている。戦後体制を乗りこえていく力が民衆レベルで盛り上がっている。その力が文在寅を支え、縛っている。南北分断ではなく、緩やかではあっても統一に向かっていこうとしている。韓国社会も資本主義体制のもとで閉塞して行き詰まっており、財界とて北朝鮮の経済発展に依存したいという本音がある。さまざまな力が作用している。

 

  日本はなぜ浦島太郎みたいになっているのか? という問題だが、「日本のリーダーシップによる圧力外交の成果だ」という言葉が、客観世界と現状認識の食い違いをもっとも端的に物語っているように思う。圧力に脅えて北朝鮮が腰砕けになったと考えているわけだ。つまり日本は勝者で、しかもリーダーシップをもっている主人公だと思っている。ならば、どうして蚊帳の外なのか、首脳会談すらできず、相手に話しかけることもできないのかを本来なら真面目に考えなければならない。

 

 実際には、アメリカまで届くICBM(大陸間弾道弾)を作り、核を保有したことによって、圧力外交ではどうにもならなかったことが暴露され、「対話しかない」が世界の潮流になっていった。ステージは明らかに変化したのだ。そして制裁などといいながら、実際には締め上げて阻害するよりも、国際社会のなかに引き込んでいこうとする力が働いた。米国自身も、それまで圧倒的軍事力でもって包囲してきたがどうにもならなかった。むしろ非核化以上に興味津々なのは、北の経済発展や660兆円規模ともいわれる鉱山資源、資本主義的には手つかずの未開の地を市場化して利を獲ることだったのだ。

 

 D 米朝会談は北の圧勝といっていい内容で、どう見ても「圧力に屈服した」というような代物ではない。アメリカもこのタイミングを逃したら中国やロシア、EU各国に先を越される関係のなかで、慌てて最終便に飛び乗った感じだ。そして核保有の原因はアメリカにあるのに、「非核化の費用は日韓が負担する」などといっている。米国内において軍産複合体との矛盾などさまざまあるのだろうし、一筋縄ではいかないにしても、トランプはまさにディール外交に舵を切った。カネをかけて睨み合いをやるよりも、市場争奪戦に参戦した方が得だという判断だ。

 

 北朝鮮としては、世界的に見ても社会主義陣営は既に変質したり、米ソ二極構造崩壊以後の矛盾も変化しているなかで、代替わりを期に世界における立ち位置の再構築に出たという印象だ。一言でいえば資本主義の仲間入りを果たしていく方向に舵を切った。しかも周回遅れなので、新たなフロンティアを求める資本が飛びついてくることもわかっていたのだろう。朝鮮労働党の統治体制を保証させたうえで市場経済を導入し、各国資本を招き入れることで経済発展を遂げるというものだ。

 

 一方的な植民地支配ではなく、主権を握ったもとでそれをやろうという話だ。核ミサイルの開発は、本当に撃ち合いをするための道具ではなく、そのための条件整備みたいなものにも見える。「非核化と引き替えに~」で体制保証その他をみな各国に呑ませ、あれよと外交交渉を展開していった。「蚊帳の外」外交ばかりを見せつけられているのも影響しているかも知れないが、外交戦術は相当に長けている印象だ。

 

資本主義発展の不均等性に寄生 

 

  要するに中国の改革開放路線の北朝鮮バージョンが今後動いていくということだ。その善し悪しについて「社会主義がー」「資本主義がー」とカチコチな頭をして観念的に見なしても仕方がないように思う。資本主義陣営といわれた西側は既にくたびれて、生命力を失っている。そのなかで喉から手が出るほど、中国主導のAIIBや一帯一路、北朝鮮の経済発展が魅力的に映っている関係だ。自国は搾取しすぎてボロボロになったもとで、社会主義陣営のもとで手つかずだった条件に寄生し、乗っかろうとしている。そして、社会主義を標榜し、共産党なりの一党独裁体制にある国国が資本主義を導入して、今度はその変形バージョンをやりはじめている。まか不思議な世界だ。

 

  一帯一路は2013年に習近平が提唱した長期国家ビジョンだ。「一帯」は中国西部から中央アジアを経由してヨーロッパへと続く「シルクロード経済ベルト」。「一路」は中国沿岸部から東南アジア、スリランカ、アラビア半島の沿岸部、アフリカ東海岸を結ぶ「21世紀海上シルクロード」からなるという。今後数十年をかけて、これらの地域に道路や港湾、発電所、パイプライン、通信設備などインフラ投資を皮切りとして、金融、製造、電子商取引、貿易、テクノクラートなど各種アウトバウンド投資を積極的に進めて、産業活性化、高度化を図っていくプログラムなのだという。

 

 これはアメリカが第2次世界大戦後に推進したマーシャルプラン以降で最大級となる海外開発計画で、国連機関(ESCAP)は6つの経済回廊の経済効果を12兆㌦におよぶと試算している。インフラ整備、工業団地造成、ユーラシア鉄道の増備は実施段階に入っている。中国は86の国と国際機関と協力提携して進めている。その後も対象は拡大し、2017年に中国とロシアは中国から北極の東北航路を経由して北欧に到達する「氷上シルクロード」建設を共同提案した。時間短縮とともに北極地域の豊富なエネルギー活用を狙うというものだ。今年1月には第2回中国・ラテンアメリカ共同体(構成国は33カ国)閣僚会議で、「太平洋海上シルクロード」建設を推進する合意特別文書を結んだ。南米地域のインフラ需要やエネルギーその他の資源開発も視野に入れている。

 

  連動して動いているのがAIIB(アジアインフラ投資銀行)だ。2016年に57カ国を創設メンバーとして発足し、その後、参加国は85カ国から90カ国に拡大する勢いを見せている。G7のなかでは日本、アメリカは参加を見送っているが、日米主導のアジア開発銀行(ADB)の67カ国・地域を大きく上回っている。アジアで参加していないのは日本と北朝鮮とブータンだけだが、北朝鮮も今後は一帯一路やAIIBの当事者になっていくことは疑いない。

 

 一帯一路が実現すると、旧ブレトン・ウッズ体制のもとでアメリカが築いてきた国際ルールと必然的に衝突する。しかし最近の状況を見てもわかるが、アメリカ自身が自由貿易体制の矛盾に苛まれて関税措置でもめているように、自国の利害を守るのに精一杯で他国のことなど構っておれない。米中貿易戦争もそうだが、世界の経済ルールが崩壊しつつあることを意味している。そのもとで中国が大国として台頭し、覇権を手放しつつあるアメリカになりかわって自由貿易を唱えるという現象が起きている。

 

AIIB年次総会(2017年6月、韓国)

 C 「アジアの世紀がやってくる」といわれているが、米国の世界覇権が終焉を迎えているのだ。その過渡期にあることを世界各国が認識して外交を展開している。いつまでも米国こそがナンバー1で、従属してさえいれば地位が安泰というような意識では、蚊帳の外に放り出されるほかない。これは当たり前の話だ。アメリカは第2次大戦を一人勝ちして戦後世界に君臨してきたが、その地位から退場する時期を迎えている。国内は貧困が蔓延して自国民を養うことすらできない。社会主義者を標榜するサンダースみたいなのが大統領選で躍進する時代だ。それで「アメリカ・ファースト」といって大きい声を出しつつ、実は世界覇権の座から緩やかに降板しようとしている。ソフトランディングだ。この覇権を裏付けてきたのは圧倒的な軍事力だったが、世界を股にかけて展開するカネがないのだ。

 

世界中で米軍基地削減 大赤字の国家財政

 

  米軍の軍事配置でいえば縮小傾向が顕著だ。第2次世界大戦を終えた1945年段階が最多で、海外に約2000の基地を置き、さまざまな軍事施設をふくめると3万をこえていた。それが米ソ二極構造が崩壊していく1989年には海外基地が1600に減った。現在、アメリカが海外に置いている基地は実質800程度といわれている。ピーク時の半分以下だ。とくに欧州の基地削減が目立つ。米兵の数も1987年段階は総数が217万人で、欧州に35・4万人、アジア太平洋地域に18・4万人配置していた。それが2016年になると米軍総兵力は127・6万人になり、約30年間で90万人減っている。内訳をみると欧州への配置が6・5万人となって29万人減った。アジア太平洋地域への配置も10・4万人で8万人減っている。海外の基地の維持も困難になっている。

 

 どこの国の軍隊でも海外の基地を維持するにはばく大な費用がかかる。日本には現在約110カ所の米軍基地があり、「思いやり予算」を含む総額7000億円規模の米軍駐留経費を負担しているが、そんな国はまれだ。戦争状態が長く続いてきた韓国は約80の基地があるが、韓国側の駐留経費負担は1000億円規模、日本より多い約170の米軍基地が存在するドイツでも、米軍のための駐留経費負担は600億円規模だ。約7割負担している日本と違い、他の国は駐留経費の3~4割しか負担していない。駐留経費の7割がアメリカ側の負担となる。そこには物資輸送費、基地建設費、光熱費に加え、米軍家族が使う学校や病院、住宅などの経費もかかってくる。しかもイラクやアフガンへの駐留はいつ攻撃を受けるかわからないため、現地の事情を知る警備要員や移動時の案内役を雇うことも必要になる。米軍海外基地を維持する年間経費は約1500億㌦(約17兆円)以上と試算する研究者もいる。

 

 基地維持費に加えて戦費の支出も大きい。高額なミサイルや戦闘機を国費で買い、戦地に投入して使い捨てにするわけだから、米軍産複合体を養うためにはいくら予算があっても足りない。イラク、アフガニスタンでの「対テロ」戦争の経費について、ノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツなどは「控えめに見積もっても3兆㌦(約300兆円)以上」と試算している。その結果、国家財政は大赤字の連続だ。そのために米軍再編をやって一定の基地を縮小し、同盟国に肩代わりさせる戦略を加速している。単独で戦争を長期間継続できる状況にはない。その辺りの事情が中東情勢にも如実に反映している。ロシアのプーチンなんかは、わかった上でクリミア半島やシリアなどで仕掛けたりする。

 

問われる日本の針路

 

  米朝会談を経て、東アジア情勢は劇的な変化を遂げていくことになる。「日米安保」の意味も根本から問い直すところに来ている。在韓米軍もそうだが、在日米軍とて脅威がなくなるのであれば駐留する意味を失う。それでも居座り続けるのは、他国の脅威ではなく実は日本占領のためだったという性質を浮き彫りにするだけだ。北朝鮮や中国を睨む以前に、日本国内を軍事力によって睨んでいる関係なのだと。南北朝鮮が主体的に情勢を動かしたように、日本社会もアメリカ一辺倒でカネだけふんだくられるというような情けない植民地状況を打開しないといけない。世界ではパクス・アメリカーナの呪縛から解放された新たな動きが起きているのだ。

 

  第2次大戦以後に形作られた東アジアにおける支配の枠組みは錆び付いて駆逐されている。これは後戻りができない。現在の世界の力関係を正直に反映している。このなかで、北朝鮮と戦争したくてたまらないような戦争狂いではなく、アジアの近隣諸国と友好平和の関係を築き、とりあえずは蚊帳の外から蚊帳の中に入るなり、睨み合いの関係を解決することが重要だ。アメリカは裏をかいて自分だけ飛び乗っていったのだ。今時は社会体制の違いといっても、社会主義やら資本主義やら、何が何やらの時代にも見える。むしろ先進国において資本主義のもとで難儀してきた人民の方がはるかに意識は鋭いのかも知れない。幻想がない。中国を中心とした新秩序と旧ブレトン・ウッズ体制の衝突は今後も激烈なものになるだろうが、新旧が矛盾に満ちた関係のなかで経済的利害をかけて駆け引きをくり広げている。そして周回遅れの変質型資本主義がバトンを引き継いでいく一方で、そうではなく散散資本主義を経験してきた国国で、新しい大衆的闘争の機運が熟成されている。時代を整理整頓することも必要に思う。

 

  いずれにしても、このなかで「制裁だー!」「圧力だー!」も後先考えてから発言せいよと思う。黙って神妙な顔さえしていれば、しばらくは脳味噌がスカスカでも誤魔化せるものだが、終いには「断交せよ」などという内政干渉まで主張して世界を驚かせている。東アジアが戦後レジュームを脱却して次なるステージに向かっているなかで、対米従属の戦後レジュームに縛られている日本の状態は対照的なものがある。日本社会の針路も問われている。アメリカの変化について的確にとらえなければ始まらない。

関連する記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。なお、コメントは承認制です。