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全米3000校18万人の高校生がデモ 「銃でなく人を守れ」 フロリダ乱射事件から1ヶ月

ホワイトハウスに背を向けて座り込み、抗議する高校生たち(14日)

 アメリカ・フロリダ州にあるマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で17人(生徒14人、教職員3人)の死者を出した銃乱射事件から1カ月となる14日、アメリカ全土で高校生や教師らが銃規制を求め大規模なデモ行進をくり広げた。全米3000以上の高校など計18万人が呼応して行動に参加しており、事件を生き延びた高校生らが起こした行動が、人人の銃規制強化・銃暴力反対世論に火を付けている。アメリカでの学生主導の抗議行動は、ベトナム戦争以来の大規模なものとなっており、米国全土を巻き込み勢いを増している

 

銃社会に風穴あける高校生たちの行動 


 14日、全米の高校生が、銃による暴力に抗議するため授業をボイコットした。National School Walkout「全国学校ウォークアウト(退席)」運動とされるこの行動は、当初は犠牲者の数に合わせ午前10時から17分間のボイコットをおこなう予定だったが、呼びかけに応えて飛び入り参加した生徒も多く、当初の予想を大きく上回る参加者が各地で結集し、一日中かけて抗議行動をくり広げた地域もあった。デモ参加者は「思いやりだけでは不十分だ」「銃ではなく人を守れ」「NRA(全米ライフル協会)は出て行け」「乱射の犠牲になる世代は私たちで最後に」などと声をあげた。


 首都ワシントンDCでは、参加者がホワイトハウスに背を向けて座り、銃規制を求め声をあげた。その後、連邦議事堂前まで行進した。連邦議事堂周辺には2000人が集まった。ロサンゼルスの高校では、全校の4分の3の生徒ら2000人が授業を抜け出し、フットボール場で抗議集会を開いた。ニューヨークでは、80以上の高校で授業のボイコットがおこなわれ、銃規制を象徴するオレンジ色の服を着用して抗議行動をおこなった。


 男子高校生は、現地メディアのインタビューに「僕たちにはやる気があり、この問題が解決するまで抗議を続けると分かるだろう。僕と同世代の人間が教室で殺されなくなるまで、殺されるかもと怖い思いをしながら登校しなくてもよくなるまで。議員たちに知ってもらいたい。僕たちはこうしてここにいて、変化を求めている。もし議員たちが変化に反応しないなら、2018年と2020年の選挙でいやでも気づくはずだ」と語った。


 別の女子学生は「犠牲者のためにたたかっているのではない。これ以上の犠牲に耐えられない」と訴えた。


 アフリカやヨーロッパなど各国の学生も同日、アメリカの学生たちに連帯して抗議行動をおこなった。


 今回のデモに参加するために授業をボイコットしたことに対し、複数の大学当局が進学について「問題視しない」と銃規制強化を求める行動への参加を後押しする声明を発表するなど、高校生らの命をかけたたたかいが全米で支持されている。


 米下院は同日、教職員の訓練、匿名通報システム、脅威評価、有事介入チーム、学校と警察の連携などの確立を目的に、5000万㌦(約六63億円)の連邦助成金を認める予算措置を可決した。このとりくみに銃規制は含まれていない。


 トランプ大統領は同日、ツイッターで「下院は今日、学校での暴力抑止の予算案を承認し、この国の学校を保護する大きな一歩を踏み出した。われわれは高度な訓練や、学校や警察にもっと優れた道具を提供することで、アメリカの子どもの安全を第一にしなければならない。パークランドのような悲劇は、二度と起こしてはならない!」と書いた。


 ホワイトハウスが発表している行動計画は、教職員が銃火器を使用するための訓練事業に投資する、退役軍人や退職警官が教師になるよう奨励する、(銃購入者の)身元や精神状態の確認を強化する--など、むしろ銃の活用を後押しする内容となっている。


 カリフォルニア州では13日、モントレー郡にあるシーサイド高校の教師が、公共安全講習を受けていた最中、誤って天井に発砲した。これにより、生徒一人が弾丸もしくは天井の破片で負傷し、病院に運ばれ手当てを受けた。教師は休職を命じられ、警察が事実関係を捜査中だという。


 銃による暴力防止にとりくむアメリカ最大の組織「エブリタウン・フォア・ガン・セイフティー」は、公式ホームページで世界中の市民団体が連帯を表明しており、14日時点でその数は少なくとも738団体に上ったと明らかにした。

 

2000人以上が連邦議事堂へ向けてデモ行進(14日)

24日には50万人のデモ準備

 

 銃乱射事件が発生したストーンマン・ダグラス高校の生徒たちの訴えを受け、今月24日には首都ワシントンでMarch For Our Lives(私たちの命のための行進)が実施される。主催側は最高50万人の参加を見込んでいる。

 

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