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「米国は虐殺支援から手を引け!」 全米で広がる学生の運動 大学当局にイスラエルからの投資撤退求め 欧州や南米にも波及

ガザ虐殺停止、大学のイスラエルへの投資撤退を求めてキャンパス内でキャンプしながら集会を開くコロンビア大学の学生たち(4月29日、ニューヨーク)

コロンビア大学の教職員らは、キャンパス内に「ガザ連帯キャンプ」(奥)を設置した学生たちに連帯し、ニューヨーク市警の介入を決定した大学に抗議してストライキを実施した(4月23日)

 イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が始まってから7カ月が経過するなか、「ジェノサイドをやめよ」「即時停戦を」の世界的世論の高まりにもかかわらず、イスラエルは自衛権とハマス撲滅を口実にガザ民間人殺戮の手を緩めず、すでに死者は4万人をこえた。国際的非難を集めるイスラエルが国連決議をも無視して虐殺行為を継続できるのは米国の強力な後ろ盾があるからにほかならない。今、米国各地の大学ではガザに連帯し、米国政府や大学当局にイスラエルへの軍事支援、経済的支援をやめることを求める学生たちの身を挺した抗議行動が活発化している。大学や治安当局が懲罰や暴力で言論封殺に動いたことが逆に火に油を注ぎ、同様の動きが米国内だけでなく、政府がイスラエルを後押しするドイツやイギリス、フランスなど欧州や世界各地の大学にも広がっている。

 

 パレスチナ(ガザ)に連帯し、虐殺の停止を求める学生たちの運動は、アイビーリーグといわれる名門私立大学をはじめ全米50をこえる大学に広がっている。これに対して大学当局は、警察とともに強制措置に乗り出し、学生の逮捕者は3日までに全米で2100人以上にのぼっている。常軌を逸した当局の弾圧は、学生たちの運動への社会的な関心や共感を集めることにつながり、大学の垣根をこえて連帯した運動が盛り上がっている。

 

 学生たちの抗議行動は、学内にテントを張った野営、座り込み、プラカードを掲げたりスピーチをおこなうなど平和的なもので、破壊や暴動、ユダヤ人やイスラエル人などの特定の民族や国籍を標的に攻撃するものではない。

 

 昨年10月7日以降、SNSを通じて毎日のようにガザでの虐殺がリアルタイムで伝えられるなか、学生たちは「ガザで何カ月にもわたって幼い子どもたちが虐殺され、それに米国が関与しているときに自分の卒業の心配をしているときではない」「沈黙を続けることは共犯者と同じだ」「米国や大学当局はイスラエルとの経済的関係を絶ち、この虐殺行為に加担するのをやめるべきだ」と口々にのべており、ガザの惨劇に対する当事者意識を持って行動を起こしている。

 

 そこにはユダヤ人の学生たちも少なからず参加している。「ユダヤ人の名の下にガザで虐殺をするな!」とイスラエルの行動を非難している米国のユダヤ人団体「平和のためのユダヤ人の声」も学生たちの抗議行動を支持しており、これらは反ユダヤ主義(ユダヤ人差別)ではなく、パレスチナ人の権利を守り、戦争に抗議する平和的な運動だと主張している。

 

 各大学によって学生たちの主張は異なるものの、共通する要求はイスラエルと各大学の経済的結びつきについての「ディスクローズ(情報開示)」と「ダイベストメント(投資撤退)」だ。米国の大学は公立私立にかかわらず寄付に支えられており、それにはイスラエルと関係が深い企業や財団、投資家などからのものも含まれている。大学ファンドはそれらの基金や授業料を投資に回し、利益を得る構図だ。また、イスラエルの企業や大学との共同研究なども盛んにおこなわれる一方、正義や理想、人間性を追求し、社会や政治に影響を及ぼす名だたる大学がイスラエルの民間人虐殺に対して沈黙し、見て見ぬふりをすることに学生たちは率直な怒りを表明している。

 

コロンビア大学 警察が学生数百人を逮捕

 

大学にイスラエルとの経済的関係を絶つことを求めて学内でキャンプをおこなうコロンビア大学の学生たち(4月25日)

 ニューヨークに本拠地を置くコロンビア大学では4月18日、イスラエルの攻撃を受け続けるパレスチナに連帯するためにキャンパス内にテントを張って野営する学生ら150人以上が警官に逮捕された。同17日、同学のシャフィク学長が米下院公聴会に呼び出され、これらの学生の行動を「反ユダヤ主義」と断定した直後のことだった。同様に昨年から学内でパレスチナ連帯の行動がおこなわれているハーバード大学、ペンシルベニア大学の学長が公聴会で共和党議員たちから厳しい批判に晒されて辞任に追い込まれており、コロンビア大学のシャフィク学長は議会で「反ユダヤ主義は私たちの大学に居場所はない」と宣言し、警察による強制措置に踏み切った。警察の学内介入は、1968年のベトナム戦争に対する学生運動以来となる。

 

 学生たちは大学当局に対して「パレスチナでのイスラエルによるアパルトヘイト(人種隔離政策)やジェノサイド(集団殺害)、占領から利益を上げている」企業への投資を引き揚げるよう要求している。

 

 大学当局から要請を受けたニューヨーク市警は、ガザ連帯キャンプを「不法占拠」として、参加する学生を逮捕・連行し、学生たちが設置したテントや本棚、机などの物品をことごとく破壊した。武器を持たない学生に対して数百人の重武装の警察、爆撃防衛用の装甲車、スレッジハンマーや催涙ガスが投入され、学生や教員には屋内避難勧告が命じられた。負傷者を助けるための救急医療担当者さえも出入りが禁じられ、違反者は手当たり次第に連行された。

 

 同大学は「ピューリッツァー賞」(優れたジャーナリズムを称える賞)を主催する大学として知られるが、この問題を取材するジャーナリストを学内から一斉排除した。同時に対面授業を中止し、部外者の学内立ち入りを禁じるとともに、学生や教員も学内への立ち入りは指定された2時間に限定。4月30日の期限までにガザ連帯キャンプを撤収しない場合、参加する全学生を停学処分とし、授業に出席するには年間6万㌦(約930万円)以上という途方もない授業料を支払わせる条件をつけた。そのうえで大学当局はイスラエルへの投資関係を継続することを明言し、学内で「抗議活動に参加する者は学期を失い、卒業資格が与えられない」とするビラを配布した。

 

 退去期限が迫るなか、抗議活動に参加した学生代表は、非暴力の抗議をおこなう学生を危険人物として懲戒処分した大学の行動を批判したうえで、「これらのおぞましい脅迫戦術は、3万4000人をこえるパレスチナ人の死と比べれば、何の意味もない。コロンビア大学が私たちの要求に応じるまで私たちはここを動かない」「このようなビラによる脅迫行為は、イスラエル軍が空からガザ人に向けて落とすビラを彷彿とさせるものだ」「大学は、(イスラエルからの)投資撤退、財務状況の情報公開、学生と教員の処分撤回を求める私たちの要求を真剣に検討することを拒否している」と声明を読み上げた。

 

 別の学生は「このキャンプではこれまで暴力は一切なかった。さまざまな背景を持つ学生たちが宗教上の行事を共有してきた。ここはコミュニティの場であり、コミュニティの学習の場所であり暴力の場ではない」と訴えている。大学と警察によって封鎖された学内に閉じ込められた学生抗議者たちのために、フェンス越しに近隣の市民から食べ物が差し入れられる光景も見られ、「まるでガザ封鎖の縮図のようだ」とSNSでも拡散された。

 

抗議する学生を連行するためハミルトンホールに突入する警官隊(4月30日、コロンビア大学)

 これらの脅迫にもかかわらず抗議行動を続ける学生たちに対して、警官は催涙ガス、警棒、テーザー銃、スタンガンなどで襲撃。4月30日には、警官の暴力から逃れた学生の一部がハミルトンホール(1968年に人種差別とベトナム戦争に抗議するため学生が占拠した大学の管理棟)を占拠したため、警察は大型トラックを牽引してキャンパス内に侵入。警官らは催涙ガスを撒き、ジュラルミン製の盾や警棒をふるってホールに突入し、学生に向かって発砲までおこなった。抗議に参加した学生たちを結束バンドで後ろ手にして、一人ずつカメラの前でマスクやフードなどを剥ぎとって顔を撮影し、見せしめのように連行した。

 

 教え子たちの正当な抗議行動に懲戒処分を科す大学や暴力で襲いかかる警官に対して、大学の教員たちもストライキをおこなって抵抗した。現場では、学生に暴行を加える警官を注意した教員まで逮捕され、大学当局によって停職処分が科された。学内は学生不在の戒厳令状態となり、大学には学期が終わる5月末まで警官が常駐するとしている。

 

 同大学の歴史学教授は、「この瞬間は、私が大学で20年間経験したことのない方法で、私たち教員を団結させた。これまで出会ったことのない同僚たちが密接に連携していることを知った。人々は学生をサポートし、この瞬間に対応するためにすべてを捨てた」と誇らしく語り、「警官による襲撃後、すべての学生や教員はキャンパスから締め出され、キャンパス内にいるのは警官だけだ。私たちのキャンパスはもはや教職員や学生のものでない。ニューヨーク市警に割譲された占領地となった」と現地メディアにのべている。

 

 コロンビア大学の教授会は、大学内に警察を引き入れて学生たちを鎮圧し、言論や表現の自由を奪ったとの理由でシャフィク学長の不信任を推進している。

 

 同様の「ガザ連帯キャンプ」は、ブラウン大学、ペンシルベニア大学、ハーバード大学、イェール大学、またニューヨーク大学、マサチューセッツ工科大学、ミシガン大学、カリフォルニア大学など、アイビーリーグ以外の主要大学にも広がった。

 

UCLA 教員ら体張って学生守る行動へ

 

学生たちを守るために人間の壁をつくるUCLAの教員たち(4月29日、ロサンゼルス)

 同日、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でも、パレスチナ連帯の学生たちの野営キャンプにヘルメットとフェイスシールドを着用した武装警官がなだれ込み、数百人の学生を逮捕した。警官は学生たちが設置したベニア板のバリケードを破壊し、テントを引き裂いた。同大学の教員たちも逮捕を覚悟して「人間の壁」を作って学生たちを守る行動に立ち上がった。「私たちは学生たちとともにある」と書かれた横断幕を掲げ、UCLAのパレスチナ司法学部は学生との連帯と政府への抗議としてストライキを呼びかけた。

 

 UCLAでは数週間にわたって数百人の学生による平和的な抗議行動が続いていたが、4月末ごろからイスラエルを支持する学外グループが集団で嫌がらせをおこない、座り込みをする学生たちに花火を撃ち込むなど執拗に攻撃したことから状況は一変した。学生たちが通報しても大学管理者や警察は介入せず、これらの襲撃で少なくとも15人のキャンプ参加学生が負傷した。逆に「学内の治安が乱されている」という口実で当局は警察を投入し、キャンプを解散しなければ逮捕することを拡声器で呼びかけたうえで、武装した警官がガザ連帯キャンプの学生たちの側に襲いかかった。

 

座り込みをする学生たちの排除のために出動した武装警官(5月3日、UCLA)

 カリフォルニア大学全体で4万8000人以上の院生や労働者を代表する最大の教職員組合は、各大学が学生のガザ抗議活動をどのように弾圧したかに応じて、ストライキ承認投票を実施することを発表。

 

 声明では「平和的な抗議活動を弾圧するための暴力と武力による制裁は、言論の自由と変化を要求する権利に対する攻撃であり、大学はエスカレートするのではなく、学生、労働組合、キャンパス組織と協議をする必要がある」とのべており、今年初めに組合は圧倒的多数でガザ停戦支持を決議している。大学労働者の最大の労働組合である「UAWローカル4811」も、「大学当局は学生の抗議活動への道徳的対応と交渉の求めにもかかわらず、学生や労働者を守らず、暴力の発生を許した」として当局を不当労働罪で告訴すると発表した。

 

 同大学で抗議活動をおこなう学生による「UCLAパレスチナ連帯キャンプ」は、概略以下のような声明を発し、現場の状況を伝えている。

 

   *      *

 

 今私たちが直面している、命を脅かす攻撃は、恐ろしく軽蔑すべきテロ行為以外の何物でもない。7時間以上にわたり、シオニストの侵略者たちはガス缶、唐辛子スプレーを噴射し、花火やレンガを私たちのキャンプに向けて投げつけた。彼らはくり返し私たちのバリケードを破壊し、私たちのコミュニティを壊滅させようとした。キャンパスの警備員は数分以内に撤退。“バックアップ”として呼ばれた外部の警備員は笑いながら撮影し、私たちに危険が迫る様子を傍観していた。警官らは芝生の端に立ったまま動こうとせず、私たちが助けを求めて叫んでも応じなかった。私たちが持っていた唯一の防御手段は、お互いを守ることだけだった。

 

 そのような危険にもかかわらず、私たちは自衛の原則に従って暴力で抵抗することを拒否した。学校側が学生の安全を装っている一方で、私たちは前例のない暴力と憎悪に晒された。このエスカレーションの兆候は、早い段階から報告され、文書化され、指摘されていたことだ。このようなシオニストの攻撃、化学兵器の使用、憎悪、破壊は、現在ガザでおこなわれているジェノサイドの縮図にすぎない。大学はそれを見て見ぬふりをすることを選んでいる。

 

 メディアが中立を装い両側面(どっちもどっち論)を伝えることは、真実を曖昧にするだけだ。私たちには唐辛子スプレーも花火も攻撃性もない。私たちにあるのは、コミュニティを守るための木製のバリケードだけだ。これ以上私たちに何ができるだろう? 私たちは再び問う。否、要求する。大学は中立のふりをやめるべきだ。大学はこれまでもジェノサイドの側を選んできたのだ。

 

 UCLAの皆さん、仲間の学生を守り、私たちが必要とするもの――無差別爆撃から利益を得る“死のシステム”からの投資撤退、パレスチナの占領終結のために声を上げてほしい。連帯をこめて。

 

 包囲下のUCLAパレスチナ連帯キャンプ一同

 

ハーバード大学 学生たちが抗議行動継続

 

ハーバード大学でイスラエルによるガザ虐殺に抗議する学生たち(昨年10月)

 昨年10月以降、イスラエルのガザ侵攻を鮮明に批判しているハーバード大学の学生グループも抗議活動を継続している。

 

 米国有数のエリート校であるハーバード大学は、富豪や大企業からの多額の寄付や投資を受けており、昨年からの学生たちのパレスチナ連帯行動の広がりを問題視した資産家や企業家は「学内の反ユダヤ主義への対応を強めよ」と要求し、寄付停止の圧力をかけている。ハーバード大学は、同大学に本部を置く学生グループ「パレスチナ連帯委員会」の活動停止を命じ、キャンパス内の中心的な集会場であるハーバード・ヤードを閉鎖して学生運動の広がりを規制した。

 

 だが、ハーバード大学の学生新聞『クリムゾン』によると、学生ら数百人が4月24日、「パレスチナ連帯委員会」の活動停止処分に抗議する集会を開催。学生らは寮からキャンパスにあふれ出し、声援が上がるなかテントを設営する者も出た。

 

 アイビーリーグの一つであるロードアイランド州のブラウン大学でも、24日に数百人の学生がキャンパス中央の芝生広場にテントを設置した。警官による強制排除の圧力が加わるなかでも、主催者たちは「私たちは、大学が投資から手を引くまで、あるいは私たちが強制排除されるまでここにいる」とのべている。

 

 また、主催者たちは「私たちが今晒されている状況は、ガザの人々が経験していることに比べればとても小さなことだ」「恵まれた境遇にある若者として、この状況に主体性を持つことが私たちにできるせめてものことだ」とのべ、「全米の大学で学生の運動が起きたことで活気づいている。みんな行動する準備ができていて、全国的な勢いが必要だったのだと思う」とのべている。5月1日、ブラウン大学は「イスラエル関連の資金引き揚げを検討する」ことで学生の抗議グループと合意した。

 

 このような米国の名門大学でイスラエルによるガザ虐殺に抗議し、パレスチナに連帯する運動が広がったことに対して、イスラエルのネタニヤフ首相はビデオメッセージで学生たちを「反ユダヤ主義の暴徒」と非難し、「これは1930年代にドイツの大学で起きたことを想起させる不謹慎な行為だ。すぐにやめさせるべきだ」と主張した。またイスラエルの国連大使は、「大学内での親パレスチナ派暴徒の唱和は、イスラエルの破壊を求めるものだ。ハマスが学校に潜伏していることは常に知っていたが、それがガザの学校だけではなく、ハーバード大学、コロンビア大学、その他多くの一流大学にも潜んでいるとは知らなかった」とのべて学生の運動を非難している。

 

 だが学生たちの運動は、大統領選を控える米国社会全体に大きな影響を与えている。『ニューヨークタイムズ』とシエナ大学の世論調査(昨年12月)では、イスラエル・パレスチナ問題に関するバイデン大統領の対応について、18歳~29歳の約75%が「認められない」と回答している。2月にミシガン州でおこなわれた民主党の予備選挙では、アラブ系の若者たちが始めたバイデン不支持キャンペーンがZ世代の共感を集め、開票結果で「支持候補なし」の白票が10万票にのぼった。

 

 バイデン政府も学生たちの動静を無視できなくなり、ガザ住民に物資を届ける浮桟橋の建設を始めた。その意味でも学生たちの運動は、従来のアメリカ・イスラエルの関係を大きく変える可能性をもつ歴史的動きと見られており、イスラエルの虐殺や弾圧に対する批判を「反ユダヤ主義」や「ホロコースト」と結びつけて封じ込めてきたシオニズムの土壌を揺さぶっている。

 

パリや英国の学生も 欧州等世界各地に波及

 

 米国の学生運動の広がりは、欧州や南米などにも飛び火している。

 

 フランスでは、名門のパリ政治学院でイスラエルの軍事行動に抗議し、警察が排除に乗り出した。フランス第三の都市リヨンの政治学院や、リール・ジャーナリズム高等専門学校でも学生たちが行動を開始した。続いてパリのソルボンヌ大学でも学生数百人が学内に垂れ幕を下ろし、大学にイスラエルの大学・高等教育機関との提携をやめることなどを要求し、政府がイスラエルの肩を持ってガザ地区の「民族大虐殺」を容認しているとする主張を展開した。

 

 英国では、シェフィールド、ブリストル、リーズ、ニューカッスルを含む少なくとも六つの大学キャンパスで学生による抗議活動がおこなわれた。ヨーク大学は、学生らの圧力を受けて「主に武器や防衛関連の製品やサービスを製造・販売する企業への投資はもうおこなわない」との声明を発表した。

 

 ドイツでは、ベルリンのフンボルト大学で3日、政府のイスラエル支援を批判する学生たちが座り込みをおこなった。学生たちは大学に対し、イスラエルによるガザでの大量虐殺へのドイツの支援を正式に拒否するよう要求し、「学術ボイコット」を主張している。また軍事利用を目的とした科学研究の停止を求め、イスラエルに対する武器禁輸を強く求めている。警察は暴力的に学生たちを逮捕、解散させたが、学生たちは「ドイツの資金でイスラエルは爆撃と虐殺を続けている」と抗議し、パレスチナの自由が保障されるまで、再び戻って座り込みを続けると宣言した。学生グループは、南半球からヨーロッパまで、すべての学生が団結するよう呼びかけている。

 

 カナダでは、トロント大学で学生たちがパレスチナのための座り込みをおこなう団体を設立し、「虐殺への投資撤退、情報開示、学術ボイコットを達成するまでわれわれは撤退しない」と宣言した。

 

 その他、オーストラリア、イタリア、メキシコの大学キャンパスでも、親パレスチナの抗議者らが集会を開いたり、学内キャンプを開始した。日本国内では早稲田大学、京都大学、東京大学などで学生たちが集会を実施した。

 

 米国を震源とした学生運動の広がりは、かつてのベトナム反戦運動、黒人アパルトヘイト廃止運動、黒人公民権運動、銃規制運動、「ブラック・ライブズ・マター」など権利を勝ち取ってきた運動の伝統と不可分に結びついており、学生や若者の身を挺した行動が、社会と世界の世論を動かすという強い確信をもってとりくまれている。

 

(5月6日付)

 

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この記事へのコメント

  1. 山岸信夫 says:

    愚挙と思います。

    実態を知るほど、
    言葉になリません。

    なぜこれほど?は
    自分でいろいろ探ります。
    それを「しないと、恥」だと思えます。
    多忙なのに、、、と思いながら、、、。

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