南アフリカは、イスラエル・パレスチナ紛争の今次の破壊的な激化に対して重大な懸念を表明する。
この新たな大火災は、パレスチナの土地を不法に占拠し続け、入植地を拡大し続け、アクサー・モスクとキリスト教聖地を冒涜し、パレスチナ人を抑圧し続けてきたことから生じたものである。 従来、二国家案とイスラエル・パレスチナ間の公正かつ包括的な和平を求めて夥しい数の国連決議がなされてきたが、この地域は今まさにそれに依拠した、信頼できる和平のプロセスを切実に必要としている。
南アフリカは国際社会と協力しつつ、イスラエルと隣接共存する、1967年に国際的承認を得た境界内において東エルサレムを首都とするパレスチナ国家が実現できるよう、確たる平和をこの地に創り出すことを目指している。
その際には国連決議と国際法が重要となる。 国際社会は共に行動する義務がある。私たちは手を携えて平和への障害や国際法違反を除去する責任を負わねばならない。 暴力、殺害、投獄、強制移動、不法入植、ガザの継続的封鎖が紛争解決に資することはない。 国境、エルサレムの地位、政治犯の釈放、難民の帰還権をめぐる最終的地位の問題解決のために注意を払うことが、緊急に求められている。
紛争の公正かつ包括的な解決がないままでは、イスラエル、パレスチナ、および周辺地域の真の持続的平和はありえない。 イスラエル人もパレスチナ人も、そしてこの地域の誰もが、緊張が高まり、暴力が増大してますます不安定化し、暴力的紛争がいつまでも続く中から得るものはない。
それゆえに南アフリカは、すべての当事者に対し、暴力ではなく平和の機会を掴むこと、国際社会が自らが決めた国際決議を踏まえて積極的に行動を起こし、信頼できる和平プロセスを確立することを求める。 南アフリカは、アフリカ大陸と世界各地でこれまで行ってきたように、仲介と紛争解決の経験を共有する用意がある。
(2023年10月7日、訳・黒木英充氏)