いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

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<論壇> 世界で孤立する米占領軍 兵器は最新でも敗北必至

 アメリカはやみくもにイラクへの戦争をすすめたが、いまやにっちもさっちもいかなくなりつつある。ブッシュ政府はアフガニスタンでも行きづまり、全世界で孤立したうえに国内でも孤立を深めている。かつての日本軍の中国侵略の敗北、アメリカのベトナム侵略の敗北が示したように、人民の前に侵略者はいかなる武力を持ってもかならず敗北するという歴史の教訓をまたも証明しようとしている。


 米英占領軍はかつてベトナムでそうであったように、イラクの広大な民衆にとり囲まれて、恐怖心にかられている。いかなる爆弾を大量に投げつけようとも、それだけでは戦争の勝敗は決しない。最後は白兵戦であり、そうなれば最新兵器をいくら持っていても、10万ほどの侵略軍が数千万の人民に根を持った武装勢力に勝つわけがないのである。食うためにいやいやかり出された雇われ兵と、民族の大儀のために命を捨てる決意を持った兵士の戦斗力自体が比較にならないのである。


 米兵は民衆を見ればみな敵に見えて、やみくもに乱射しては憎しみを買い、ますます恐怖心を強めて、現地のカイライ兵隊や警察を雇って前面に立て、自分たちは民衆がいないところに立てこもるという羽目になっている。米軍がイラクで敗北し、ブッシュ政府がのたれ死にするのは必至である。この時代は、武力を振り回す帝国主義がいかに凶暴でも強いわけではなく、立ち上がった人民こそもっとも力を持っているのである。


 それは長期の貧困と戦争できたえられたアフガニスタンで斗争が発展しているのも同様であり、全世界で圧倒する反戦の世論と斗争、とりわけアメリカ国内での反戦反ブッシュの斗争の強まりと連動している。


 米英軍のイラク戦争は、大量破壊兵器の保有を口実として有無をいわさず先制攻撃を加えるという乱暴なものであったが、1年たってこの「大量破壊兵器」疑惑すらインチキであったことが暴露されるところとなった。これらの経過は、最大の大量破壊兵器を保有した最大のテロ国家はアメリカであることを証明したし、「テロ撲滅」のためにはブッシュが自分で自分をかたづければ簡単に解決することを教えた。


 ブッシュ政府は、理由もなく1つの主権国家に戦争を仕かけ、それが誤りであったことが証明されても謝罪し改める気はない。正義や道理がとおらず、武力だけ振り回すならず者政府にたいして、話しあいやお願いをしてもつうじるものではなく、イラク国民が占領軍を撤退させ民族主権を回復するために武装斗争に立ち上がるのはあたりまえである。自分の生命を捨てて民族の解放のためにたたかうことが、ほかならぬ日本にとってはとくに立派なことだと見えずに、いわんやそのようなレジスタンス、抵抗斗争を「無法テロ」だといって犯罪的なアメリカにおべんちゃらをいうような民族は不幸な民族である。


 アメリカの戦争目的は、だれが見ても石油の略奪であり、イラクに「市場原理」「自由競争」の制度を押しつけて収奪し、ドイツ、フランスなどとの利権を争って植民地略奪をするための強盗行為であった。このようなアメリカによる武力威嚇とグローバル化・自由化と称する略奪政治に怒り、たたかっているのはイラクだけでなく全世界の人民である。


 とりわけ、「市場原理・改革」と称して政治も経済も教育や福祉もデタラメにして植民地状況を深め、とうとう米軍の下請軍隊として日本の若者をイラクに派遣するにいたった日本こそ、アメリカにさんざんに破壊され骨ぬきにされたモデルとなっている。発達した資本主義国で、60年近くも植民地的な従属のなかにあるという国は歴史上前例のないものである。ますます世界から孤立し哀れをとどめているのは自衛隊を派遣した小泉政府である。


 このようななかで、日本の平和と独立、民主と繁栄を実現するためには、同じようなアメリカの支配とたたかうイラクの人民の民族解放斗争を支持し連帯することが不可欠である。乱暴きわまりないアメリカのイラク占領をやめさせ、自衛隊を撤退させるたたかいは、かつての中国・アジア侵略のような誤りをくり返すのでなく、日本を平和で豊かな社会として建設するためのきわめて重要な課題である。

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