新自由主義のマクロン改革と対決するフランス人民の「黄色いベスト」運動は昨年11月以来、5カ月にわたってたたかわれている。このなかで各地での「黄色いべスト」の運動の代表が一堂に会する第2回総会が4月5日~7日まで、フランス西部の港湾都市サン・ナゼールで開かれた。
第1回の総会は1月下旬にコメルシーで開かれ、75地域から200人が参加した。今回は運動の発展を反映して、200地域から800人が参加した。サン・ナゼールの市長は「黄色いベスト」運動を「過激派」とみなし、公共施設の利用を拒否したことから、総会は占拠中の「人民の家」で開催され、地元の人たちが炊き出しなどによって総会を支えた。
総会に各地から参加した代表は、運動の経験を交流し、「黄色いべスト」運動を既存の運動や政治勢力と一線を画した新しい運動としてどのように発展させていくか、その課題や方向性について、分科会にわかれて活発に論議した。
この論議のなかで「黄色いベスト」が「人民による、人民のための力」であり、「自由、平等、友愛」(フランス革命のスローガン)を実現するためには、「資本主義からの脱却」が必要であり、資本主義にかわる新しい時代の入口に立っているとの意見がかわされた。総会は討議の「まとめ」を全体で採決し、各地域にもどって論議し、確認・採決していくことを決めた。以下は「まとめ」の要旨である。
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各地から集まった「黄色いベスト」は、全国民に訴える。最初の総会以後、自由、平等、友愛のたたかいを続けてきた。政府による弾圧がエスカレートし、私たちの生活条件を悪化させ、私たちの権利や自由を破壊する法律が積み重なっている。それに対する抗議行動は、マクロン改革に示されたシステムの変革をめざしている。この5カ月間、フランスのいたるところで、デモや集会、討議をおこないたたかっている。私たちは最低限生活を確保できる賃金、年金、社会的給付の増加、そしてすべての人人への公共事業を要求する。私たちの闘争での連帯は、とくに貧困ライン以下で暮らす900万人に向けられている。気候の緊急事態も意識している。
特権的な一握りの層に奉仕する(国民を代表しない)政府のもとで、私たちは新しい形態の直接民主主義をとる。総会は政党や労組に対する独立性を再確認し、いわゆる「指導者」を認めない。
3日間の討議をまとめ、提案をおこなっている。すべての「黄色いベスト」の運動がこの総会の結論を広めるよう訴える。各地で行動と総括に貢献するだろう。
政府の弾圧や投獄、有罪判決について世界に訴える必要がある。まだ立ち上がっていない人たちに理解を求めるために、働きかけを強める。5月1日からは1週間にわたる「黄色いベスト」の行動を呼びかけている。闘争の激増は、行動の統一を追求するよう私たちに求めている。
私たちは社会的、経済的、環境的、そして民主的な要求を満たすために、あらゆるレベルで、地域でともにたたかうことを求める。私たちはグローバルなシステムとたたかう必要があることを認識している。そして私たちは資本主義からぬけだす必要があると思う。
私たちを見ているのではなく、私たちに加わってほしい。人民による、人民のための、人民の力だ。