広島市内では原水爆禁止全国実行委員会の宣伝カーが、8・6広島集会への参加と支援を訴えて走り回っている。訴えはつぎのとおり。
広島市民のみなさん、全国、全世界から集まったみなさん。こちらは峠三吉の時期の私心のない平和運動の再建を目指している原水爆禁止全国実行委員会の宣伝カーです。
あの閃光が忘れえようか 瞬時に街頭の3万は消え 圧しつぶされた暗闇の底で 5万の悲鳴は絶え 渦巻くきいろい煙がうすれると ビルディングは裂け、橋は崩れ 満員電車はそのまま焦げ 涯しない瓦礫と燃えさしの堆積であった広島
帰らなかった妻や子のしろい眼窩が 俺たちの心魂をたち割って 込めたねがいを忘れえようか
あの日から65年たった現在、地下に眠る人たちは今の日本をどう思っているでしょうか。原爆を投下したアメリカが、謝罪をするどころか、日本をアメリカ本土防衛のための盾にし、再び原水爆戦争の火の海に投げ込もうとしていることをなんというでしょうか。そのうえ、原爆投下にはじまるアメリカへの隷属の鎖のもとで、今や農業や漁業が途絶え、製造業も衰退し、街も衰退し、教育も学問も文化も崩壊し、まさに民族の歴史が断ち切られて、インディアンと同じ運命になるような現状を見てなんというでしょうか。
女、子ども、年寄り、勤め人、学生など無辜の非戦斗員を虫けらのように殺した原爆投下は、戦争を終結するためには全く必要のないものでした。それは日本を単独占領するという野望のための残虐な行為でした。日本の為政者の方は、敗戦にともなう国民の反抗から自分たちの地位を守るために、負けが決まっている戦争をいつまでもやめずに300万人を超える犠牲者をつくり、原爆投下とアメリカの占領を歓迎し、すすんで民族的利益のすべてを売り渡す道を進んできました。それが日本社会の現在の荒廃をつくりました。
六五年にわたって外国の軍隊が居座っている独立国はありません。米軍が日本を守るためではなく、アメリカの国益を守るためにいることは、広島、長崎、岩国、沖縄などの全体験が教えていることです。厳然たる事実は、米軍がいるから日本が危険な目に遭うという関係です。日韓併合は36年、香港割譲は99年、日本はすでに65年、しかも撤退期限の約束もありません。それどころか、万事いいなりになって岩国でも沖縄でも新しい基地をつくってやって、今から先何十年も居座らせる体制です。
オバマ大統領の「核なき世界」というのが大インチキであることは子どもでもわかることです。それを、元社会党代議士の秋葉市長とか、原水禁団体、被爆者団体までもが持ち上げています。それは広島市民、長崎市民の思いとは縁もゆかりもないものです。
私たちは、このような状態を黙って見ているわけにはいきません。さまざまな政治勢力はみな親米勢力となっています。しかし「アメリカは原爆投下を謝罪せよ、日本を再び原水爆戦争の火の海に投げ込むな、アメリカは核を持って帰れ、原水爆の製造、貯蔵、使用の禁止」の要求は日本国民の圧倒的な世論です。
私たちはこの世論を形にし、大国民運動を広島から発信するために、8月6日午後1時から、中区大手町の県民文化センターで、広島、長崎市民主導の2010年原水爆禁止広島集会を開催します。広島市民のみなさん、全国、全世界からお集まりのみなさんのご参加、ご支援を訴えます。