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『命どぅ宝県民の会』設立 沖縄の知識人やジャーナリスト 琉球弧の島々を攻撃の標的にさせない為に

 沖縄県下の知識人・ジャーナリストが呼びかけ人となって1月11日、「命どぅ宝 沖縄・琉球弧を戦場にさせない県民の会」の設立趣意書・賛同呼びかけ文を発表した。呼びかけ人には前泊博盛・沖縄国際大学教授、沖縄戦の遺骨収集にとりくむ具志堅隆松氏ら11氏が名を連ねている。

 

 呼びかけ文は次の通り。

 

 県民の皆さま。私たちは「命どぅ宝 沖縄・琉球弧を戦場にさせない県民の会(命どぅ宝県民の会)」を立ち上げます。「二度と沖縄を戦場にさせない」「琉球弧の島々を攻撃の標的にさせない」ための会です。多くの皆様の賛同を呼びかけます。

 

 あの沖縄戦で県民の4人に1人が犠牲になりました。摩文仁の「平和の礎」には14万9584人の県民の名前が刻まれています。現在の沖縄県の人口はおよそ146万9000人。今度、沖縄戦が起きれば、どれほど多くの県民の命が犠牲になるかしれません。

 

 空想でなく、いままさにその恐れが高まっています。自衛隊と米軍は琉球弧の島々(与那国―石垣―宮古―沖縄―奄美)にミサイル部隊の配備を計画しています。「南西諸島に攻撃拠点」「住民巻き添えの可能性」「米軍台湾有事で展開、日米が計画」―。昨年12月24日の共同通信配信による沖縄二紙のトップ報道は県民に衝撃を与えました。自衛隊と米軍が、琉球弧の島々を戦場とする「日米共同作戦計画」原案を策定し、日米両政府がそれを正式な戦争計画に作り上げようとしています。

 

 私たちは琉球弧の島々が戦場になることを断じて許しません。「台湾有事」、「尖閣有事」と称して住民の命を犠牲にすることは許されないことです。「日米共同作戦計画」原案の策定に強く抗議し、撤回を要求します。台湾、尖閣有事を想定するミサイル部隊の配備、ミサイル弾薬の搬入、日米合同訓練など一切の戦争準備の中止を求めます。

 

 私たちの島々は無人島ではありません。百数十万の人々が暮らしている島々です。日米両政府、自衛隊、米軍に住民の命を犠牲にする権限はありません。いかなる理由によっても決して戦争を引き起こしてはならないのです。それが国家最大の責務です。私たちは日米両政府そして国際社会に対して琉球弧の島々を戦場にさせないこと、決して武力に訴えることなく対話によって、この東アジア地域に平和実現を図っていくことを強く求めます。

 

 沖縄戦から77年。これまで沖縄は朝鮮、ベトナム、イラク、アフガニスタンなど米国の戦争の出撃拠点とされてきました。今度の戦争は沖縄島をはじめ琉球弧全体が戦場となることが想定されるだけに、私たちはこの県民の会への参加を、保革の立場を超えて広く呼びかけます。ひとたび戦争が始まれば保守も革新もないからです。誰彼を問わない戦争の惨劇は先の沖縄戦が如実に示しています。今こそ、それぞれの多様な政治的立場を乗り越えて「戦争断固阻止」、この一点の立場で手を取り合い、ともに声を上げていきましょう。とりわけ若い世代のみなさん! みなさんの未来を殺戮のない平和な世界にするため、ぜひともこの県民運動に参加してほしいと強く希望し、心からの呼びかけを致します。

 

 「命どう宝 沖縄・琉球弧を戦場にさせない県民の会」

 呼びかけ人=新川明、高嶺朝一、石原昌家、桜井国俊、ダグラス・ラミス、前泊博盛、伊佐眞一、大城貞俊、具志堅隆松、三上智恵、与那覇有羽。事務局長・山城博冶
 ほか「県民の会」準備会一同。

 

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