急激な円高が進行して、ついに為替は1㌦=107円台に突入した。ところが連動して日経平均株価が下がるかというと1万6000円前後を保ったままで、怪しげな買い支えでもやっているのではないか? まさか玉砕覚悟で年金資金を突っ込んでいるのではあるまいか? と疑いたくなるような状況だ。
このところ株式運用する資産を持ちあわせていない者も含めて、株価が下がるたびに年金資金(GPIF)の損失を心配する声が強まっている。株主がどうなろうがあまり関心はないが、われわれの老後の支えはどうなるのか?――というのが大半ではないだろうか。官製相場で運用して膨らませるつもりが見事にカモにされ、巨額の資金をドブに捨てたことは疑いないからだ。安倍政府は選挙後に運用実績を発表するといって隠蔽し、実際には困り果てている。本当のことを正直に明かしたら、激怒されることがわかっているからである。
バドミントンの男の子が違法カジノで溶かしたのは自分で稼いだカネだった。それで泣いて「ごめんなさい」といわれても、「うん、いいよ」といって私たちが許すとか許さないという筋合いではない。一方で、国民の財産である年金資金で博打をしてスッカラカンにした運用責任ははるかに重大で、泣いて謝ったところで許されるものではない。首相の安倍晋三や財務大臣の麻生太郎、厚労大臣の塩崎を筆頭に、GPIF投入に賛成した自民党議員や公明党議員にいたるまで、彼らの全財産を没収して償わせなければ世論は納得しない。
後は野となれで誰も逮捕されず責任を負わないのは、福島第一原発がまさにそうだった。安倍人脈の右傾化仲間は日頃から「日本の誇り」とか「伝統」を口にしてきたが、過ちに対して潔くケジメをつけ切腹する伝統も引き継いだらどうかと思う。 武蔵坊五郎