そろそろ東京都知事の騒動も食傷気味でニュースに出てくる度にみなをうんざりさせている。前任の猪瀬直樹が徳洲会から5000万円もらっていたのと比較して、金額だけを云々するわけではないが、その政治資金の使い方がなんとも小汚く、「はしたない」の一言に尽きる。見ているこっちが恥ずかしくなるほど、公金に寄生して暮らしているのだった。「世間に迷惑をかけてはならない…」と生活保護費よりも少ない国民年金で辛抱する年寄りがいる一方で、家族旅行の費用やコミック本の購入まで政治資金でまかなう厚かましい輩がいる。それで「せこい」「さもしい」「品がない」「乞食根性」などと、世間からひどい言葉を浴びせられてもなおしがみついている。「政治家と○○は3日やったらやめられない」の言葉がピッタリと当てはまるような光景だ。
国会にも都道府県庁にも、市区町村にも同じような「舛添要一」たちがゴロゴロいることくらい誰もがわかっている。公金を自分のカネくらいに勘違いして出張三昧を謳歌する首長がいたり、議員も号泣議員に限らずろくでもない者がわんさかいる。たかり癖だけが発達して行政に群がっているだけでなく、企業にまで顧問料を求めたり、口利きの報酬があたりまえのようになっている例も珍しくない。永田町の魑魅魍魎たちをはじめ、全国に棲息している真っ黒黒助たちも一斉に摘発したら、いったい何人の政治家が生き残るのだろうか。
メディアは舛添一色で袋叩きをやっている。それでいて、甘利明については黙認している。都知事の小汚い政治資金問題を突っつく以上の迫力をもって、甘利明とか、なんなら外遊三昧で30兆円もODAその他で海外にカネをばらまいている安倍晋三についても、「誰のカネと思ってるんだ!」の追及をすべきだろう。
舛添要一が会見をする度に気になって仕方がないのは背後に映る東京五輪エンブレムだ。「お葬式の紋章みたい…」と話題にされる通り、なんだか陰気で、五輪ならぬ東京都知事の政治生命の終わり「ご臨終」を表しているのかと思ってしまう。 吉田充春