沖縄で連日のように空から欠陥ヘリコプターが舞い降りたり部品が落下して、県民の暮らしが脅かされている。県知事をはじめ各自治体や議会があれほど飛行をやめろと要求しているのに無視し続け、気持ちを逆なでするように飛び立つと、次の瞬間には砂浜等で身動きできなくなって、米軍が機体回収に奔走している。事故現場は日本人が近づけないように米軍が険しい顔をして監視し、マスコミにはカメラ撮影の妨害までするのだという。よその国で毎日のように不時着している側が「ほんとうにすみません」と詫びを入れるのではなく、主権を踏みにじって居直っているのである。
こうした植民地従属国を舐めきった対応にまず怒りをかき立てられるが、同時に、横柄な割にやっていることは情けないというか、攻撃されてもいないのに動けなくなったり、軍隊としてはお粗末極まりないものを感じさせている。「日本を守る」とか「世界最強の軍隊」と豪語しながら、たがが外れた欠陥軍隊のように、不時着と機体回収を日常業務にしているのである。これがイラクやアフガンなら米軍は戦死者続出だろうに、何を威張っているのかと思う。
今のところ、北朝鮮のミサイル以上に沖縄県民の生命を脅かしているのは米軍である。「おちおち寝ておれない」(翁長知事)ほど、制空権を握られた郷土の空を気にしなければならない日常を強いている。墜落や部品落下の巻き添えで人命が失われたときにはとり返しがつかない。それだけでなく、極東有事の際には真っ先に標的にされることから、沖縄県民は「米軍基地撤去」を求め続けてきた。基地に「守ってもらえる」のではなく、基地があるが故に狙われる関係にほかならないからだ。
長年にわたって日米「安保」条約で「日本を守るため」といって欺瞞してきたが、米軍が日本に駐留するのは、極東で覇権を得るために出撃する最前線基地として利用するためであり、しかも駐留経費の75%を負担させることができるからである。そのために県民の4人に1人ともいわれる十数万人を殺戮して奪いとったのが沖縄だ。「日本を守るため」に十数万人の生命を奪ったなどという理屈は通用しない。
戦後73年にわたって婦女暴行や事件事故が絶えないのは、はじめから守るべき生命と見なしていないからだ。墜落してなお反省なくオスプレイが飛び回るのも、沖縄を訓練場と見なしており、事故や墜落が起きても構わないと思っていること、県民の生命を守るために駐留している軍隊ではないことをあらわしている。彼らは「守るため」ではなく攻めるために駐留している軍隊なのである。
「邦人の生命を守るため」に自衛隊が地球の裏側まで行く必要などない。まずは沖縄で米軍機を飛ばさせないことによってしか、この危険は回避させることができない。奴隷的なへっぴり腰ではなく、日本政府が動かなければ話にならない。 武蔵坊五郎