下関市における市政に対する市民の怒りは尋常でないところにきている。市民税滞納でいきなり給料を差し押さえされ、市役所に交渉を求めて出かけた労働者が居座ったということで警察に逮捕されたニュースが、市民の強烈な怒りを呼んでいる。ほかにも、給料差し押さえにあってその会社におれなくなったとか、生命保険を差し押さえられたなどの事件が頻発している。
最大の問題は市民生活の困難が急激に進行し、下関経済の崩壊が尋常ではない緊急事態に立ち至っていることである。商店には客が来ない。市内の各業界には仕事がない。市民の消費購買力がない。海峡花火も馬関祭りも金が集まらない。市民に金が回らないから市民税収入も激減の一途である。大津波が来た東北と違いがない。
そして市民から搾りとった税金で、中尾市政は公約破りの市役所建て替えや、埋め立て地への消防移転の工事などハコモノ利権で突っ走っている。また市議会では安倍派や「日共」議員が選挙の宣伝カー費用で税金を横領したことが暴露されたが、なんの罰を受けることもなく、開き直って馬関祭りで踊っている姿が市民の怒りの的となっている。市長や市議が市民の窮状とは別の世界に棲息し、「市民のため」「下関のため」というものがまったくなくなって、税金の分けどりを競うタカリ商売をやっているのだ。幕末の悪代官政治である。
中尾市長のごときは、「経営者視点」を売り物にし、自分を市役所の「社長」と呼んではばからない。下関の経済をつぶれるにまかせて市民が税金を払えないようにする中尾流イカサマ経営は、唐戸魚市やその子会社のハートフーズをつぶすだけでは飽きたらず、市役所も倒産させなければ気がすまないようだ。
市民の側も黙ってつぶされるわけにはいかない。いまや東北の復興と同じで、下関の経済の復興は個別の力でできるものではない。水産業、造船、鉄工、郡部の農林漁業など産業を基本に商業、サービス業などあらゆる業種がそれぞれ依存しあって成り立っており、それら全体がバラバラではなく共通の利益で結びついて経済を立て直す道を見いだすほかはなく、その障害となっている中尾利権政治の方をつぶさなければならない。 那須三八郎