民主党菅内閣は「奇兵隊内閣」といったが、やったことはアメリカいいなりの新撰組内閣だった。野田内閣は「泥にまみれたドジョウ内閣」といったが、やっていることは国民の頭の上をクルクル回る「空飛ぶドジョウ内閣」である。
野田政府は、アメリカのために全面自由化をして日本市場を丸ごと明け渡すTPP参加を来月に表明するという。消費税をはじめとする大増税も国民の頭越し。普天間基地の辺野古移転も沖縄の頭越し。原発の再稼働も海外輸出も頭越し。大震災に見舞われた東北の復旧は降雪の季節に入るのにほったらかしのまま。
野田政府の突っ走りは、落ち目のオバマにどやされ、経団連の品のない会長らにせかされてはじまった。ヒトラーやブッシュに劣らぬ「ドジョウ」の突っ走り姿勢だが、国民をおさめる力がなければ、糸の切れたタコのキリキリ舞いになる。
不景気はまことに深刻である。その根源は国民の消費購買力がないからだ。労働者は非正規雇用になってまともな人間生活ができない。農業も漁業も買いたたかれて商売にならず、農漁村は崩壊するばかり。生産者に金がなければ商店にも回ってこない。
働く国民をさんざん貧乏にさせたことによって、大企業は250兆円もの内部留保を抱えたが、それでももうけが足りぬと増税を騒ぐ。さらにその上前をはねているのがアメリカで、米国債や証券を数百兆円も買い込まされて、いまではドル安で3分の1以上目減りとなった。国内はコスト高といってタイに生産移転したトヨタやホンダなど、水に浸かって無様な「効率経営」の姿をさらしている。財政が危機だといって増税をすることで、国民は窮乏化して税収がますます減ることをする。
この連中が大もうけしてきたのは、働く国民がいるからである。国民が働く場をなくし、働いてもまともな生活ができないようにしたら、困るのは搾り取る相手がいなくなる連中である。どっちが本当の主人公なのか。黙っているわけにはいかないという世論は全国でほうはいとして沸き起こっている。
那須三八郎