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祝島脅しは県漁協の総意か

 県農林水産部の梅田審議監や県漁協の森友専務らが先月祝島に乗り込み、広島国税と中電の話として、祝島が補償金を受け取ったら税金はほとんどかからず、受け取らなければ5月には供託金は国が没収し、県漁協や祝島支店の負担として3億数千万の法人税をかけると説明した。
 この説明文書は誰が出したのか記名がない。県農林水産部は、「関知しない第三者だ」と強調している。祝島に補償金を受け取らせて上関原発をつくるようにするというのは県漁協の総意なのか、少なくとも役員の総意なのか、それとも田中組合長や森友専務の独走なのか。
 周防灘、伊予灘の4県にわたる瀬戸内海では水温が上昇し、十数年前から生態系に大きな異変があらわれている。新大分火力、柳井火力、伊方原発3号機が稼働し、20年の稼働で海域全体の海水量が全部入れ替わるほど大量の温排水が出ている。このうえに日本一大規模な上関原発が稼働したら海域の漁業は大異変を来すことになる。漁民生活も成り立たないが、魚の食えない国になり、民族の危機である。
 県漁協の幹部は、祝島を脅し、原発をつくって山口県漁業をつぶすために動いて良いかどうか、全県の漁業者の点検を受けなければならない。
 上関原発問題は、単に中電だけではなく、国、県が国策として推進している。上関町白浜の推進派漁師であった森友氏を専務に抜擢したのも、山根氏につづいて上関の大西氏を内海の海区調整委員の会長に立てたのも県の意志である。漁業権問題では最高裁が「共同管理委員会の契約は有効で、祝島も拘束される」と祝島の漁業権も消滅したかのようなインチキをやる。商業マスコミはいつも、原発はすぐにできるかのようなウソをいう。それが国策なのだ。原発をつくって、漁業のない国にし、国土を廃虚にする、日本を二度と立ち上がれないようにする亡国の国策をつぶすのが、日本民族の根本的な利益にたった国益であることは、明らかである。
 祝島が補償金を拒絶するなら原発は終わりになる。しかし祝島だけがんばれという応援団では力にならない。県漁協と県農林水産部の祝島脅しを縛り上げる全県の漁民の連帯行動が求められているし、内海全域の漁民、岩国、広島をはじめ全県、全国で、みずからの課題として真の国益のために国策とたたかう世論と運動を強めることが不可欠となっている。
                                            那須三八郎

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