「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」発言が問題視された83歳の森喜朗が謝罪会見をするというから中継を見てみたら、例の如くまるで謝罪などするつもりがなく、1ミリも反省していないどころか、むしろ開き直って「おもしろおかしくしたいから聞いてるんだろ?」と記者に逆ギレしたり、横柄な態度ばかりが目についてどうしようもないものだった。あそこまで開き直って「謝罪会見」を「逆切れ会見」にしてしまっては、見ていて笑うしかないではないか。大阪を「痰壺」呼ばわりした20~30年前から何も変わっておらず、その姿は「腐っても鯛」ならぬ、「年老いても森喜朗」なのだった。あれは謝罪会見ではなく、まぎれもない逆ギレ会見である。従ってニュースで扱う場合「謝罪し撤回」という見出しは事実に反し、「反省もなく逆ギレ」と扱う方が正確である。当人には何も改める気などないのである。
しかしまぁ、東京五輪大会組織委員会の会長という立場もあって、世界的にも女性蔑視発言として報道されるなかで慌てて会見したくせに、むしろ「火に油を注ぐ」どころか「火にガソリンを注ぐ」ような真似をしてさらに炎上させているのだから、手の付けられない83歳たるや、ある意味で清々しいほど正直ではある。恐らく周囲に促されて会見したのだろうが、自民党でも最大派閥・清和会の長老に物申す者などいないという環境そのままに出てきて、記者風情が何を言うかといわんばかりの振る舞いなのである。今や誰も森喜朗に忠告する存在がおらず、あれが菅義偉よりも安倍晋三よりも先輩格にあたる自民党のトップというのであろう。
それにしても、コロナ感染は世界的に収まる気配がなく、とても五輪など開催できる状況ではないだろうに、この国の為政者はいつまで「今年開催」にこだわるつもりなのだろうか。
「福島は完全にコントロールされている」の大嘘から始まり、復興をダシにして散々騒動してきたが、コロナ禍まできて結局のところ呪われた東京五輪のようになってしまい、バチが当たったんじゃなかろうか、とも思う。平和の祭典がとても平和な状況で開ける様子でもなく、終いには大会組織委員会トップがオリンピック憲章などどこ吹く風で女性蔑視の思想を丸出しにした発言をして世界中を驚かせ、なんだか全てをぶっ壊しにきているような光景でもある。こうしてウケ狙いの安倍マリオとか、女性蔑視開き直りの森喜朗とか、見たくないものを見せられる五輪などまっぴらゴメンである。彼らの政治的レガシー(遺産)のために五輪があるわけではないのだ。
武蔵坊五郎