いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

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カテゴリー「書評・テレビ評」の記事

『アメリカの病』 著 ティモシー・スナイダー 訳・池田年穂

 本書は、コロナ感染拡大が始まる直前の2019年末から3カ月の間、肝疾患による敗血症のために生死の淵をさまよったイエール大学歴史学部教授の著者が・・・

書評・テレビ評2021.4.8 

『ノマド 漂流する高齢労働者たち』 著 ジェシカ・ブルーダー 訳・鈴木素子

 かつてスタインベックは、1930年の世界大恐慌後、農業の機械化を進める資本家によって故郷の土地を追われ、家財をトラックに積み込んでオクラホマか・・・

書評・テレビ評2021.4.4 

『首都直下地震と南海トラフ』 著・鎌田浩毅

 福島県と宮城県で震度六強を記録した2月13日の地震が、10年前の東日本大震災の余震だと聞いて驚いた。地球は、われわれが日々忙しく働いている時間・・・

書評・テレビ評2021.3.30 

『次なるパンデミックを回避せよ』 著・井田徹治

 世界の人々を苦しめている新型コロナウイルスは、もともと野生のコウモリが持っていたコロナウイルスがセンザンコウなどを中間宿主として変異し、人間に・・・

書評・テレビ評2021.3.28 

『保育園に通えない子どもたち』 著・可知悠子

 東京都目黒区で2018年6月、両親から虐待を受けて5歳の子どもが死亡した。その子どもは幼稚園や保育園に通っておらず、周囲とのつながりが断たれた・・・

書評・テレビ評2021.3.23 

『ザ・トゥルー・コスト ーファストファッション 真の代償ー』 アンドリュー・モーガン監督 

 衣服をつくる世界のアパレル業界をめぐる、少数者の貪欲と何億という人々の貧困を描いたドキュメンタリーである。都市部の若者をターゲットに2000年・・・

書評・テレビ評2021.3.11 

『消えゆく砂浜を守る』 著・コーネリア・ディーン

 著者はサイエンス・ライターで、アメリカ科学振興協会の一員である。本書で、アメリカでのハリケーンによる海岸災害とのたたかいの歴史を通じて、人間社・・・

書評・テレビ評2021.3.9 

『砂戦争』 著・石弘之

 もしもビルのなかでこの文章を読んでいるのなら、まわりの壁や床、天井となっているコンクリートの7割は砂でできていることを想像してほしい。砂の最大・・・

書評・テレビ評2021.3.4 

『ルポ入管――絶望の外国人収容施設』 著・平野雄吾

 在留資格のない非正規滞在者となった外国人が、各地の入管(旧入国管理局、現在は出入国在留管理庁・地方出入国在留管理局)施設に無期限に収容され、暴・・・

書評・テレビ評2021.3.2 

『Weの市民革命』 著・佐久間裕美子

 今アメリカで、パンデミックのただなかから、新しい文化革命が起こっている。それは、著者によれば、「Weの市民革命」と名付けられるものだ。新型コロ・・・

書評・テレビ評2021.2.26 

『人に話したくなる土壌微生物の世界』 著・染谷孝

 宇宙空間から見て地球が青く見えるのは地表の7割が海に覆われているからだが、もう一つ重要なことは陸地があり土壌があることだ。地球以外の星では、土・・・

書評・テレビ評2021.2.26 

映画『アバター』が描く自然破壊的鉱山開発 再エネが抱える不都合な真実

 今、先端技術を使った工業製品を生産して莫大な利益を得ようとし、それに必要な鉱物資源を手に入れるために、アジア、アフリカ、ラテンアメリカで森林を・・・

書評・テレビ評2021.2.18 

『私の夢まで、会いに来てくれた』 編・金菱清

 宮城県仙台市にある東北学院大学の金菱清教授のゼミナールは、東日本大震災の直後に「震災の記録プロジェクト」を立ち上げて以来、被災地の調査を続け、・・・

書評・テレビ評2021.2.14 

『米国の科学と軍産学複合体』 著・スチュアート・W・レスリー 訳・豊島耕一、三好永作

 アメリカの戦後の軍事研究体制は軍、ハイテク産業界、研究大学による「黄金の三角形」と呼ばれている。本書はおもにその代表的な2つの理工科系大学、マ・・・

書評・テレビ評2021.2.9 

『日本の外からコロナを語る』 在外日本人が9カ国のコロナ事情を報告 編集責任・下川裕治

 この本をまとめたのは、沖縄やアジアをフィールドに旅を書き続けているフリーライターだ。世界各国に在住する日本人に呼びかけ、それぞれの国でコロナ感・・・

書評・テレビ評2021.2.9 

『離島の本屋ふたたび』 著・朴順梨

 日本には、北海道や本州、四国、九州といった日頃は「島」と意識していない島を含め、6852の島があり、そのうち人が住んでいる島は308あるという・・・

書評・テレビ評2021.2.2 

ダニエル・デフォーの『ペスト』が問うもの 350年前の英国の経験綴る

 コロナ禍のなかで、カミュの『ペスト』(1947年出版)とともに、『ロビンソン・クルーソー』の著者であるダニエル・デフォーの『ペスト』(1722・・・

書評・テレビ評2021.1.30 

『ベートーヴェン 音楽の革命はいかに成し遂げられたか』 著・中野雄 

 2020年はルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェンの生誕250年にあたる年だった。ベートーヴェンは、交響曲、ピアノ協奏曲、弦楽四重奏曲、ピアノ・・・

書評・テレビ評2021.1.26 

『JR上野駅公園口』 著・柳美里

 昨年11月、柳美里の小説『JR上野駅公園口』の英語版『Tokyo Ueno Station』(モーガン・ジャイルズ訳)が全米図書賞(翻訳文学部・・・

書評・テレビ評2021.1.14 

『縁食論 孤食と共食のあいだ』 著・藤原辰史

 FAO(国連食糧農業機関)によると、2019年の世界の飢餓人口は約8億人だという。世界の人口が78億人なので、世界の9人に1人が食べ物がないた・・・

書評・テレビ評2021.1.14