著者:礒永 秀雄
B6判300頁
価格:1,500円
花咲く桃の木の下で/天狗の火あぶり/鬼の子の角のお話/もらった勲章/四角い窓とまるい窓/おんのろ物語/乞食と神様など長周新聞掲載の全童話23編を収録
長周創刊50周年記念出版。
礒永秀雄は長周新聞の創刊まもない1955年6月に詩論「現代詩の根本問題について」と詩「殺しにいけ」を発表して以来、詩や詩論、エッセイ、童話をふくめて百数十編におよぶ作品を寄せている。童話は、1958年4月の「花咲く桃の木の下で」から1972年11月の「血の花の咲き終わる頃」まで23編を寄せている。
1964年に扉同人会が出版した童話集『四角い窓とまるい窓』のあとがきに礒永秀雄は、「童話を書きはじめたのは、詩劇などを書きはじめたと同様、もっと自分の詩の幅を広げ、また詩を深めていきたかったからです。……およそ世の通念では見捨てられたり、忘れられがちなものを大切に取り上げていきたいと考えています」と記している。
童話集の副題には「おとなの童話・みんなのお話」とつけてあるが、子どもだけでなく、おとなの鑑賞にもじゅうぶんにこたえる童話集である。
なお礒永秀雄の詩業の骨格については、創刊45周年記念事業として出版した『礒永秀雄の世界』に収めている。