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あざみの花 The Thistle Flower

著者:古川豊子

絵:西沢昌子

発行:長周新聞社

取扱:地方小出版流通センター

B5判 48項 上製 ISBN 978-4-9909603-4-6

価格:¥2000E

 1945年8月6日、アメリカが広島に原爆を投下した。当時10歳だった著者の母は、広島市内で二次放射能を浴びた。それから4年後、母は白血病に冒され乳癌を併発する…。 あざみの花のような優しさと強さをたたえた母が変わり果て…

 1945年8月6日、アメリカが広島に原爆を投下した。当時10歳だった著者の母は、広島市内で二次放射能を浴びた。それから4年後、母は白血病に冒され乳癌を併発する…。
 あざみの花のような優しさと強さをたたえた母が変わり果てていくさま、言い表せない辛さをかみしめながら寄り添う父、ただ見守ることしかできなかった子どもたち…。それぞれの感情を克明に描いたノンフィクション。
 戦争で大切な家族を失うとはどういうことか、著者が長年胸の奥にしまってきた少女時代の実体験が、戦争を知らない世代の胸にも迫ってくる。

※2017年に出版した『あざみの花』が品切れになったことに伴い、重版ではなく装い新たに出版しました。日本語に加え、海外の方にも手にとって頂けるように英語を併記しております。

前書きから
 
母を花にたとえるなら、初夏の畦道や山野の雑草の中に咲く『あざみ』の花と言えるかも知れない。あざみの花は「触れないで」の花言葉をもち、他の花のような華やかさはないが、六月の風景にもっともふさわしく、郷愁をそそる不思議な花である。
 そのあざみの花のイメージをもつ健康な母が白血病にかかり、さらに乳がんにかかった。病気が悪化するにつれ、これまでのように私たち子どもたちと遊ぶことも、優しい言葉の一つも忘れてしまい、自分の暗い殻の中に閉じこもってしまった。
 多くの人がそうであるように、母もまた長年苦しみ続け、狂ったような症状で息を引きとった。哀しい生涯であった。

 

著者 古川豊子 1935(昭和10)年6月19日、広島県山県郡北広島町に生まれる。10歳のときに広島に原爆が投下され、広島市内に住んでいた伯父夫婦と救助に向かった母と姉を亡くした。生まれつき身体が弱く、長い闘病生活のなかで多くの書物を読み、童話、エッセイ、短歌などの作品を多数書き続けてきた。宇野千代との出会いから、山口県岩国市川西の宇野千代生家を守る会を立ち上げ、以来40年生家の復旧に尽力し、現在も維持・管理に努めている。山口県岩国市在住。

絵 西沢昌子 1953年生まれ。京都市立日吉ヶ丘高校美術科卒業。1974年京都市立芸術大学美術学部を中退し、山口県の劇団はぐるま座に入団。舞台美術、宣伝美術を担当。

監修 寺島 隆吉 1944年生まれ。東京大学教養学部教養学科(科学史・科学哲学)卒業。元岐阜大学教育学部英語教育講座教授。現在、国際教育総合文化研究所所長。著書:『英語にとって学力とは何か』『英語にとって授業とは何か』(以上、三友社出版)、『英語教育原論』『英語教育が亡びるとき』『英語で大学が亡びるとき』(以上、明石書店)、訳書:チョムスキー『アメリカンドリームの終わり―富と権力を集中させる10の原理』(Discover21)、『肉声でつづる民衆のアメリカ史』上下巻(明石書店)など多数。

翻訳 山田 昇司 1955年生まれ。大阪外国語大学(現・大阪大学)英語学科卒業。在学中に英検1級取得。岐阜大学大学院教育学研究科修了。現在、朝日大学経営学部准教授。国際教育総合文化研究所上級研究員。著書:『授業は発見だ』(あすなろ社)、『英語教育が甦えるとき―寺島メソッド授業革命』『寺島メソッド 英語アクティブ・ラーニング』(以上、明石書店)、『読みの指導と英文法』『授業の組み立てと指導』(以上、三友社出版)など多数。

翻訳 寺島 美紀子 1953年生まれ。津田塾大学学芸学部国際関係論学科卒業。現在、朝日大学名誉教授。著書:『英語学力への挑戦』『英語授業への挑戦』(以上、三友社出版)、『ロックで読むアメリカ』(近代文藝社)、『英語「直読直解」への挑戦』『寺島メソッド「英語教室」魔法の英会話・理論編&実践編』(以上、あすなろ社)、訳書:『チョムスキーの教育論』(明石書店)、『衝突を超えて―9・11後の世界秩序』(日本経済評論社)など多数。

 

 

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