著者:古川豊子
絵:西沢昌子
発行:長周新聞社
B5判変形 40項 上製 帯付き ISBN 978-4-9909603-0-8
価格:1,600円+税
広島への原爆投下から72年、胸の奥深く閉じ込めてきた母の最期を綴ったノンフィクション。 2017年6月20日初版
1945年8月6日、アメリカが広島に原爆を投下した。当時10歳だった著者の母は、広島市内で二次放射能を浴びた。それから4年後、母は白血病に冒され乳癌を併発する…。
あざみの花のような優しさと強さをたたえた母が変わり果てていくさま、言い表せない辛さをかみしめながら寄り添う父、ただ見守ることしかできなかった子どもたち…。それぞれの感情を克明に描いたノンフィクション。
戦争で大切な家族を失うとはどういうことか、著者が長年胸の奥にしまってきた少女時代の実体験が、戦争を知らない世代の胸にも迫ってくる。
前書きから
母を花にたとえるなら、初夏の畦道や山野の雑草の中に咲く『あざみ』の花と言えるかも知れない。あざみの花は「触れないで」の花言葉をもち、他の花のような華やかさはないが、六月の風景にもっともふさわしく、郷愁をそそる不思議な花である。
そのあざみの花のイメージをもつ健康な母が白血病にかかり、さらに乳がんにかかった。病気が悪化するにつれ、これまでのように私たち子どもたちと遊ぶことも、優しい言葉の一つも忘れてしまい、自分の暗い殻の中に閉じこもってしまった。
多くの人がそうであるように、母もまた長年苦しみ続け、狂ったような症状で息を引きとった。哀しい生涯であった。(2017年6月)
著者プロフィール
古川豊子(フルカワトヨコ)1935(昭和10)年6月19日、広島県山県郡北広島町に生まれる。10歳のときに広島に原爆が投下され、広島市内に住んでいた伯父夫婦と救助に向かった母と姉を亡くした。生まれつき身体が弱く、長い闘病生活のなかで多くの書物を読み、童話、エッセイ、短歌などの作品を多数書き続けてきた。宇野千代との出会いから、山口県岩国市川西の宇野千代生家を守る会を立ち上げ、以来40年生家の復旧に尽力し、現在も維持・管理に努めている。山口県岩国市在住。
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