日本陸上競技連盟の公認取り消しが取り沙汰されている下関陸上競技場を巡って、27日夜に開催された施設用器具委員会では結論が出ず、継続審議となったことがわかった。
下関市スポーツ振興課によると、いつ結論が出るのか詳細な日程は未定とのことだった。検定結果によっては6月16、17日に同競技場で開催された山口県中学校陸上競技選手権の記録が無効になるため、関係者らは固唾をのんで見守っている。
山口県中学校陸上競技選手権で好記録を出した選手は、8月におこなわれる全国中学選手権に出場することになっている。だが、その前提となる記録が無効となれば、代替大会を開催しなければならない。全国選手権までに残された期間は約1カ月だ。
主催者はかりに無効になった場合も見越して動き始めているものの、全力で走った子どもたち1000人余りの記録を無にすることへの憤りは強い。
今回の騒動の根本的な原因は、下関市が少なくとも5年前から(陸上関係者らのなかでは10年前からという声もある)日本陸上競技連盟に指摘されていた3~8レーンの全面張り替えをずるずると放置してきたことだ。
選手らは全力で走るため、走路の劣化を放置したままでは安全性が確保できない。それがくり返し日本陸上競技連盟がレーン張り替えを要求してきた理由だという。
この間の経緯について、下関市の市議会答弁にごまかしがあるとの指摘もあいついでおり、下関市がこの事態に真摯に向き合うのかどうかも問われている。