本池市議の市議会一般質問
下関市議会の12月定例会の一般質問が12~18日の日程でおこなわれている。下関市民の会の本池妙子市議は17日、下関が経済的に衰退していることやその産業振興とかかわって、かつて国内でも有数の水産都市だった下関において、水産業がどのような状況に置かれているのか歴史的な経過も含めて執行部の認識を問い、為すがままに放置して潰れていくのではなく、行政として実情をしっかり把握しながら対応していくことを求めた。以下、本池議員の質問と執行部の答弁の要旨を紹介する。
中尾市長 「業者の経営感覚の問題」
本池 昨今の下関の経済的な疲弊状況について、何度となく本会議の場でも執行部に認識を尋ねてきた。深刻な人口減少と少子高齢化が、よその街よりも先行して進んでいる実情とあわせて、その打開策である産業振興の在り方について抜本的に考え直さなければならないところに来ているように思う。
「産業」といっても様様な分野があるが、現在の経済情勢から見てMCSの工場撤退等にあらわれているように、工業分野がかつてなく海外移転や生産縮小を進めているなかで、また、貿易自由化を進めるTPPが俎上に上っているなかにあって、地方においては第一次産業の果たす役割はますます高まっていると思う。
海峡の街・下関は歴史的にも海上交通の要衝として栄えてきた歴史を持ち、そのなかでとりわけ戦中から戦後にかけて、国内の食料需要に応える形で水産都市として大きな役割を果たしてきた。1966年には下関漁港が日本一の水揚げを誇ったこともあった。今はあまり耳にする機会も減ったが、「漁港節」が市役所前の交差点で流れていた時期があったと聞いている。今も下関漁港は「特定第三種漁港」に指定されており、水産業の振興のために、特に重要な場所であると見なされていることに変わりはない。
このなかで、基幹産業だった水産業が現在どのような状況に置かれているのか認識することと、その将来展望について鮮明にすることが大切であると思っている。
水産業といっても市場や仲買だけのことではなく、沿岸漁業者、大型船漁業者、水産加工業者、製氷、製函、造船所、鉄工所、船食を扱う会社、燃料供給を担う石油会社など関連業種は裾野が広く、下関で暮らしている市民は経済面においても、政治面においても、歴史的にたくさんの関わりを持ってきた。この「衰退」といったとき、例えば以西底引きがなくなって以後の大和町がどうなっているか、国道沿いを歩いただけでも、その生生しい影響が実感させられる。
漁港市場は県の管轄であり、沿岸漁業その他についても県が監督官庁として関わっている部分も多いが、下関の産業がどうなっているのか? という点と関わって執行部の認識等を質問していきたい。
第1点として、下関漁港の水揚高、取扱量について、最盛期のものと10年前、現在のものを教えてもらいたい。同時に唐戸市場の水揚高、取扱量についても同様の数字を教えてほしい。また、その傾向や特徴についてどう思うか。
村上農林水産振興部長 下関漁港の水揚は平成24年が3万1359㌧、10年前の平成14年が5万2702㌧で、平成4年が9万9486㌧、最盛期が昭和41年で28万5255㌧である。水揚金額は平成24年が175億2000万円、平成14年が267億7000万円、平成4年が512億5000万円、ピーク時の平成元年が595億5000万円となっている。
森本産業振興部長 唐戸市場の取扱数量は、ピーク時の平成7年が5326㌧、平成15年が2332㌧、平成24年が2261㌧である。取扱高は平成7年が51億円、平成15年が23億8000万円、平成24年は18億3000万円である。
老朽船多い以東底引き 市場は集荷が生命線
本池 「市場にとっては集荷が生命線である」と市場の方はいわれる。下関港は、大戦中は水産統制でトロール船などが徴用にあい、終戦間際には米軍による関門海峡の機雷封鎖や市街地焼き払いなどがあったなかで、その逆境を乗り越えて再興し、東洋一の漁港になるまで築き上げたと、昔の方たちは歴史的な経過を話される。大洋漁業もその後撤退したわけだが、産業として市民生活に与えた影響は多大なものがあったと思う。
漁港市場で見てみると、先ほど答弁にもあったように、ピーク時の28万5000㌧が現在では3万1000㌧ということで、およそ10分の1にまで水揚量は減っている。以西底引きの減船や70年代末の200海里規制、さらに陸上交通の発達によって下関港の優位性が低下してきた問題など、取り巻く環境が大激変するなかで、それへの対応がどうだったのか? は問わなければならない。
92年には下関を根拠地とする以西底引き船は完全に消滅した。以東底引き船も10年ほど前までは15カ統あったのが、年年減少して7カ統まで減った。そして3万㌧台の水揚量のうち、約半分は他県からトラックで運ばれてくる搬入物だとも聞く。
唐戸市場にしても、これほど水揚量が減ってきた要因としてはどういうことがあげられるのか、大きな歴史的な過程をたどってきた結果にほかならないわけだが、産業振興にかかわっている市としてはその原因をどう捉えているのか、認識を教えてもらいたい。
村上農林水産振興部長 水揚高の減については、以西底引きの撤収もあるが、国民の食生活、食文化において魚食が、かつてからすれば約半分に減ったということもあると思う。遠洋・沖合において魚、魚食が国際化されてきて、わが国以外の漁獲量が増えたということもいえるかと思う。
森本産業振興部長 唐戸市場については、取扱数量、金額も減少傾向にあり、大変厳しい状況だと思っている。これは全国的な傾向でもあるが、量販店における産地との直接取引の増加、市場を通さない輸入加工品の増加、インターネット取引の拡大など、市場外取引の増加が主な原因と思われる。これらは素材、弁当の購入など中食や外食の増加をはじめ、消費者の魚離れなど消費スタイルの変化とあいまって市場流通に大きな影響を及ぼしていると思っている。
本池 唐戸市場の競り機能が10年ほど前に漁港市場に移され、今度は下関漁港を高度衛生化対応の新市場に建て替える話も耳にする。市場を建て替えてどうなったか?は唐戸市場を見ても教訓は大きいと思うが、建て替え以前に集荷の現状や下関港の特質から見た対応は何が不可欠なのかを鮮明にすることが、第一に急がれることだ。
現状では水揚げの大半を占める以東底引きも老朽船が多く、廃業続きなのが実態だ。市場は綺麗になったが集荷する生産者はいなくなった、という結果にもなりかねないと懸念されている。また、この間の衰退と合わさって、市場機能全体が縮小してきたために、大型巻き網などの県外船が来ても、荷物がさばけないために、よその港に行ってもらうような例もあったと聞く。
唐戸市場は仲買が廃業 観光に特化して
本池 「市民の台所」として親しまれてきた唐戸市場にしても、沿岸漁業者による入荷量がめっきり減っているのが、先ほどのべられた実情だと思う。市の管轄である唐戸市場では、この何年来か次次と仲買が廃業する現象が起きている。億単位の負債額を抱えていたところもあったかと思う。「これから先どうなっていくのだろうか?」と危惧されている方も少なくない。
この10年来で唐戸市場では何社が廃業ないしは撤退したのか。また、新しく参入した仲買もいるのか、特徴や実態について教えてもらいたい。また、なぜそういう事態が起きていると分析しているのか、さらに唐戸市場は売場と競り場が併設している、全国的にもめずらしい形を有していたわけだが、これを分離して「観光に特化した市場」にしたことで、正反両面でどのような影響が出ていると分析しているのか、答弁をお願いする。
森本産業振興部長 唐戸市場における入場業者数は10年前の平成15年度は卸売業者1社、仲卸業者28社、第一種関連業者48社、食堂6社、鮮魚46社だ。平成24年度は卸売業者1社、仲卸業者25社、第一種関連業者43社、食堂6社、鮮魚36社である。
競りと販売の棲み分けは、平成16年に下関地区水産業活性化特区の認定を受け、下関漁港市場は拠点市場として競り機能の集約化をはかり、唐戸市場では交流市場としてサテライト的な役割を担い、観光・交流機能を充実強化させ、一帯の集客力を高めるなど活性化をはかってきた。
本池 唐戸市場が新しく建て替えられ、「観光に特化した市場」になって随分経つ。週末は寿司販売にかける状態があるように思う。観光客が来る週末は賑わっているようにも見えるが、平日の水曜日、木曜日に閉店している鮮魚の店も増えている。本来、仲買は寿司屋ではないわけだが異業種転換を促しているのかという印象も受ける。観光客依存型の週末営業という、あるかぽーと地区全体の特徴とも重なっているが、本業はどうなっているだろうか? という点を誰もが心配している。
市場で競られた魚が仲買を通じて街の鮮魚店や食堂、病院など様様な販売先に届けられていく流通の仕組みが大きく変化しているし、量販店の問題などが関わってくる。この10~20年来の量販店の売場占有面積はどうなっているか、鮮魚店の減少傾向はどうなっているか。ピーク時はいつで何店舗あったのか、それが10年前に何店舗になり、現在は何店舗になっているのか教えてもらいたい。
森本産業振興部長 市内大型スーパーの売場面積は把握していない。1000平米以上の大型店舗の店舗面積については全体で約30万平米と把握している。鮮魚小売店については、ピーク時の資料は持っていない。商業統計における鮮魚小売業の事業所数の推移は、平成19年の事業所数が103事業所、平成24年の事業所数が80事業所となっている。
本池 私の方でも調べたが、平成六年に180店舗あったことが商業統計調査で出されている。平成24年に80店舗ということで六割あまり減っている。これはたいへんな流通の変化を象徴していると思う。似たような趨勢は農産物でもいえる特徴だし、大店法の撤廃や輸入物の増大など諸諸の要因があげられるなかで、価格形成の場であるべき市場が否定されていることや、流通の寡占化とも関わって起きている現象だと思う。
漁業後継者の育成策を 合併後漁師は1000人減
本池 市場を取り巻く環境の変化にも大きなものがあるが、市場の生命線でもある集荷、市場に魚を持ってくる生産者の実態はどうなっているのかだ。下関市内の漁業従事者の数はどのような変遷をたどっているのか、また漁業者の年間所得は平均どれくらいなのか、また漁業者が激減している現象について、何が要因と見なしているのか、答弁をお願いする。
村上農林水産振興部長 沿岸漁業の漁業従事者数は平成24年度は1331人。平成16年の漁業就業者数は249八人である。漁業者の平均所得だが、漁業者の収入を把握するすべがないのが実態だ。ただし漁獲金額を人数で割った一人当たりの平均漁獲金額は平成24年度で168万6000円、平成16年は137万2000円だ。
本池 漁獲金額を人数で割ったということで、収入とは違ってくると思う。調べて見たが、平成15年段階(県水産部発表)で、日本海側の漁家収入は平均で年間320万円、瀬戸内海側は180万円というのがあった。10年たっているので、もっと下がっていると思う。下関市内でも周防灘側、響灘側など操業している海域や業種は様様かと思う。下関漁港は大型の底引き船が主のようだが、沿岸にはたくさんの浜があり、沿岸漁業に従事している生産者がいる。市場に荷が集まらない問題と直結して、沿岸漁業者が随分減っていることがわかる。
とくに浦ごとに地域が形成されてきた北浦では、基幹産業としての水産業が重要な位置を占めてきた。この間、人口減少や少子高齢化の進行が市内でも著しく進んでいるのが豊北町だといわれてきたが、豊北町の漁協組合員の数はどうなってきたのか教えてほしい。また、人口減少と基幹産業の関係について行政としてはどのように捉え、いかなる対応をしているのか、力を入れている点などあれば、同時に応えて頂きたい。
村上農林水産振興部長 平成24年度の豊北町の漁業就業者数は594名である。平成16年の漁業就業者数は1020名だった。漁協組合員数は現在1019名ということだ。
新規就業者を増やすのが一番だと考えている。新規就業者は100名を超える問い合わせがあるが、実際に就業する方はかなり絞られている。今年新たに入った9名を含む11名の研修生、経営自立の支援を受けている3名で合わせて14名の若者が市の助成を受けて研修を受けている。
本池 沿岸漁業者のなかでは、マリンピアくろいや信漁連の負債を肩代わりさせられるなど、魚価安や燃料高騰という全国的普遍性を持った問題以外の困難が、幾重にもかぶさってきた経験が語られる。豊北町でも05年の漁協合併を機に七割の組合員が脱退した。農漁村地域の衰退は全国共通の問題ではあるが、山口県ではよそにはない困難、信漁連問題の負債解消に対する支援策をもって、漁協等に人工島の埋立容認を迫ったり、一人当たり数十万円単位で出資金増資や負債解消の負担金を背負わせてきた経緯があり、決して沿岸漁業者が「自然減少」しただけではない。
また、こうした農漁村地域から銀行やスーパー、郵便局が撤退。自治体は合併して職員は少なくなり、豊北町では広大な町内で中学校や保育園も1カ所統合が進められてきた。小学校までも1カ所統合を進める向きがある。基幹産業の衰退というなかで、根本原因は何ら解決に向かわないまま、その結果に対して、行政分野においては徹底した効率化が持ち込まれるという経緯をたどっている。そうすると、ますます地域全体の生活環境は変貌してしまうことになる。学校統廃合にしても、子どもが多いか少ないかだけで見たり、地域のエゴといって切り捨てるような単純な話ではないと思う。
漁業者の育成ということでニューフィッシャーというとりくみがやられているが、この実態についてつけ加えられることがあれば教えて頂きたい。これまでに下関では何人くらいが受けているのか、申込者もしくは希望者の実態はどうなっているのか、費用面でどうなのかお願いする。
村上農林水産振興部長 おおむね月15万円程度を補助して、3年間で一人前になってもらう。農業の方は2年プラス5年という七年だが、漁業は3年だ。六連の支店長から、2年やられている方がいるが、十分頑張っていて、地域で共同作業もして非常にありがたいという話を聞いた。和久の組合長からも同様の話をうかがった。
本池 3年間にわたって月15万円近くの生活費が補償され、一人前になって巣立っていく。初めに覚悟を確認するということも聞いた。漁業者を増やす、水産業の担い手を育てるためにニューフィッシャー制度ができたのかと思う。ただ、一方で先祖代代漁業をされてきた方方のなかですら、「昨今のような状況では息子たちに漁業を継がせられない」という声を多く聞くのも現実だ。
漁業は潮の流れや天候の特質、魚の生態などを知悉した、専門技術を要する仕事だと思う。以東底引きでも漁労長の腕一つで、水揚量は格段に違いがあるといわれる。ニューフィッシャーはもちろん旺盛に援助すべきと思うが、同時に、親の背中を見て育ってきた漁業者の息子さんたちが後を継いでいける環境を整備することこそ、本来目を向けなければならない根本問題であると思う。
増加する外国人労働者 水産加工や鉄工で
本池 水産業と関わって水産加工業の実態、とりわけ雇用の問題について質問したい。南風泊の水産加工団地でも十数年前から中国人研修生が増え始め、今や水産加工の労働現場において主力になっている。市が漁港市場を拠点にする底引き船の外国人研修生受け入れに補助金を出していると思うが、水産業全体では、加工も船員も含めて何人の外国人労働者が働いているのか。また、鉄鋼所でもベトナム人の若い男の子たちが働いているが、市内全体では水産業にかかわらず、何人くらいの外国人労働者がいるのか、把握している数値を教えていただきたい。
村上農林水産振興部長 以東底引き船に雇用しているインドネシア研修生は現在39名で7ヵ統・14隻に乗っている。支払う給料の部分を一旦市が出した補助金で立て替えて、漁は冬場が全盛期なので、上がった部分で返してもらっている。
森本産業振興部長 外国人労働者の人数について、数字的に把握はしていない。
本池 雇用が切り替わっている問題について、市の方も実情を把握しなければ失業対策も打ちようがないし、産業の実態や趨勢については、とりわけ注意深く把握するべきだと思う。
蛋白供給担う重要産業 中尾市長に展望問う
本池 ここまで水産業を中心に質問してきたが、この1年間は「アベノミクス」といって経済対策も含めた政策が実行されてきた。本市におけるアベノミクスによる経済波及効果はどれくらいと見積もっているか? また、どのような事業がやられてきて、下関市にはどのような影響があったのか、認識を尋ねたい。市民のなかでは「アベノミクス」というのがいったいどこの世界の出来事であろうか? という実感が強い。何かが好転したという実感が乏しいのが実情だ。税金滞納者が目に見えて減ったとか、その結果、差押え件数も減ったとか、平均250万~260万円の市民の平均所得が伸びて市にとっても税収がこれだけアップする見込みだとか、生活保護受給者や申請者がグンと減ったとか、何らかの特徴は出ているのだろうか。あと、今年1年間の「アベノミクス効果」が、来年以後はどのようになっていくと見込んでいるのかもお願いする。
森本産業振興部長 日銀の企業短観、日銀下関支店の山口金融経済情勢や西中国信用金庫の関門ウォッチャー調査でも、県内及び関門地域の景気は緩やかに回復しており、アベノミクスは一定の経済効果をもたらしていると考えている。来年以降の見通しだが、アベノミクスによる日本経済復活への期待が高まっていくと考えている。
本池 最後に下関の水産業の展望について、また水産業の振興策や打開の道筋について、どのような考えを持っているのか、中尾市長にのべてもらいたい。
中尾市長 本池議員のポイントがいまいちずれている。50年前、30年前の数字をあげてきて比較しているが、昔にはもう二度と戻れない。市場のことをいったが各市場でそれぞれ課題、問題点がある。今すぐどうこうできるようなことではない。業者が経営感覚に基づいてやらない限り、いくら行政が分析しても、旗を振ってもならない。
下関漁港、もう以西底引きは戻りはしない。以西底引きのことを話すのだったら夢物語だ。浦島太郎の時代だ。これだけ中国の船が海底をどんどん引っ張って、もう漁場がない状態だ。この資源を復活するのは国際的な資源管理の下にやるわけだ。このなかでアンコウは水揚げ日本一だからブランドにしていく必要がある。
唐戸の話も出た。金、土、日の賑わいは日本一ではないか。後は唐戸で働く方がどういう風に市場をしていくかだ。これだけ近くにマンションができ、唐戸の商店街もあり、高齢者も多いわけだから、もう少し営業時間を夕方までにするとか、対面販売に力を入れるとか、ぜひやっていただきたい。加工の話は、議員が考えている加工と今は全然違う。唐戸市場や漁港市場で揚がった魚で加工する人なんてほとんどいない。世界中から水産資源を入れて加工している。これが実態だ。
本池 中尾市長が唐戸魚市に在籍されていた過程も含めて、全般としては衰退の渦中におられたということも、しっかり考えないといけない部分かと思う。前段で歴史的な推移について答弁があったように、為すがままでは水産業がジリジリと衰退していく趨勢には歯止めがかからない。流通再編や量販店の台頭、輸入物の増大といった複合的な要因が絡まって魚価が押し下げられ、産地の浜値はかつての3分の1、あるいは4分の1にまで低迷しているといわれる。今後はTPP体制も迫っている。このなかで、水産業が単に生産者や加工業者、関連産業に従事する人人が収入を得ていく産業というだけでなく、たんぱく供給を担う重要な産業として認識されなければならないし、水産都市としてはその真価が問われている。
山口県から水産部がなくなって久しいが、自治体としての振興策がもっと有効に、生産現場に直結した形で展開され、機能することが切実に求められている。その打開策について、吉見の水産大学校には水産のプロである先生方もおられるし、徹底した研究を加え、関わりを強めることを求めて質問を終わる。