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再度漁協合併を拒否  新宇部漁協臨時総会

 山口県漁協との合併の是非を問う新宇部漁協の臨時総会が1日に開かれ、反対98票、賛成80票、棄権2票で否決した。同漁協は昨年1月の臨時総会でも反対140、賛成62で否決していた。今回の総会は、信漁連、県漁連が山口県漁協と事業譲渡方式で統合・解散することとかかわって、信漁連出資の毀損と借入金返済をどうするか、金融事業をどうするか、別の選択肢として合併するか否か対応が迫られたなかでおこなわれた。単独漁協としての決意は揺るがなかった。

  信漁連の「働き蜂」にはならない
 開票結果が明らかになったのち、木下・防府水産事務所長らは「このままでは決着がつかない」と主張。手続き上の問題や水協法を論じて、再度やり直しするよう遠回しに迫った。しかし、「よそみたいに勝つまでジャンケンさせるんか!」「おまえら役人はいい加減にせい!」「またわしらに漁を休ませるんか!」といった声が起き、腹を立てて途中退席する漁師も続出した。渡邊英将組合長は「溝を深めることなく、組合員が力を合わせていこう」と訴えた。
 漁協役員の1人は「いままでどおりやっていくということ。新宇部漁協はこの合併には加わらない。“働き蜂”にはなりたくないというのが、組合員みんなの思いだ」と語った。信漁連にだまし取られた出資金の毀損や、借入金の返済など強いられるが「それでも単独経営でやっていく。経費削減策も執行部が組合員に説明したが、十分やっていける見とおしもある」と自信を見せた。
 別の役員は「信用事業廃止の問題など、きっちりと話を詰めていくのが今後の課題。廃止するにしても3分の2の議決が必要だから。それにしても、水産部とか県漁協がよその組合内部を割っていくやり方が気にくわない。県は“決着”がつくまで、要するに合併するまで総会を開かせるつもりだが、何回やっても溝が開くだけなのでやるつもりはない。なぜわざとでも分裂させようとするのか」と怒っていた。

 県の扇動に漁民踊らず
 この間、防府水産事務所の木下速男所長や山口県漁協の幹部職員らが浜を回って、賛成票獲得に奔走したものの、ひっくり返すことはできなかった。デタラメな負担額を記載した資料を配付して増えたのは、18票にとどまった。
 年配組合員の男性は「賛成に票を持っていった人たちも、心から賛成している人はいない。信用事業がなくなったら困る若手など、やむにやまれぬ思いで投じたものだ。みんなその気持ちはわかっている。いずれにせよ、こんなバカげた問題で浜が割れたらいけない」と気遣っていた。別の漁師も「そんなに漁業をつぶしたいなら、つぶしてみやがれという思いだ。わしらもただで転げたらみっともない。みんな腹を据えて投票したんだ」と語った。

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