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れいわ新選組が参院広島再選挙に独自候補擁立へ 2月末まで公募 

 れいわ新選組の山本太郎代表は11日、広島市内で記者会見を開き、公選法違反(買収)で有罪となった河井案里前参院議員の議員辞職にともなう参院広島選挙区の再選挙(4月8日告示、25日投開票)に独自候補者を擁立することを発表した。候補者は、今月いっぱいかけて地元広島をはじめ全国から公募する。

 

 山本氏は、2019年7月の参院広島選挙区における大規模買収事件に触れ、「非常に大きな買収がおこなわれ、民主主義を根底から覆された。新しい選択肢を示す必要がある」とのべ、来たる再選挙に自党公認候補者を立てることを明言した。また、コロナ禍のなかで人々の生活が困窮し、廃業や倒産があいつぐなかで、自民党・菅政権が放置を決め込み中小企業の淘汰を目指していることを指摘。「このままでは広島県を含む全国的にも多くの人が傷つき、供給力が失われていく。現政権が描く今後の日本の姿を鑑みても、なんとしてもこれを止めなければならない」とのべた。

 

 政局においても、同日実施される衆院北海道2区(収賄罪で在宅起訴された元自民党の吉川貴盛元農相の辞職を受けて実施)の補欠選では、自民党は逆風を恐れて候補者擁立を断念。同じく立憲民主党の羽田雄一郎参議院議員の死去にともなう参院長野選挙区も野党優勢という情勢のなかで、「自民党は“広島なら勝てる”と踏んで一勝をとれば、菅政権の首の皮一枚を繋げることができると考えている。そこで起きる自民党内の権力闘争に亀裂を入れていくことも非常に重要だ」と指摘した。「20年ものデフレが続くなかでコロナ災害が襲い、人々の生活や供給力を守るために最大限の財政出動をおこなって底上げをしていく当たり前の政策さえもおこなわれない。特定の業界だけにお金を回すのは早いが、それ以外については一定期限で区切っている。いつ終わるかわからない災害のなかで、人々が希望が持て、生活が維持できるという具体的な政策が打たれていない。この無政府的な状況を変えるためにも一刻も早い政権交代を目指す。そのうえで広島の再選挙は、非常に大きな意味を持つものだ」と力を込めた。

 

 再選挙の告示が2カ月後に迫るなか、自民党は公募を見送り、選対委員会で候補者を確定する方針で、対する野党側では立憲民主党が自薦他薦での候補者選定を進めていくとしている。

 

 野党統一候補の可能性について山本氏は、「野党共闘をすれば必ず勝てるというのは幻想。これまでの選挙でも勝ちが少ないのはなぜかという検証がいる。広島での再選挙において野党側は腰が引けているという話がある。私たちが候補者を出すのは当然であり、野党間での話し合いはその先にあるものだ。そもそも手を挙げるなということは民主主義の否定だ」「(候補者一本化の)話し合いを否定するものではないが、現状では話し合いもなく、私たちがそのタイミングを設定する立場にもない」とのべ、あくまで独自候補擁立を進めていくとした。

 

 選挙戦において訴える内容については、「クリーンな政治が当たり前とされながら、(政治や選挙の場で)お金のやりとりは日常的におこなわれてきた。今回はその規模が広範囲で巨額であり、その後ろ盾が官邸だったという疑いが浮上して表沙汰になった。日常的にお金のやりとりで人の心や票を買収するような政治は撲滅されなければならない」とのべた。

 

 さらに「経済政策の失敗による20年以上のデフレで格差が広がり、すでに多くの人が緊急事態であったなかでコロナ禍が襲った。この先さらに悪化することを考えたとき、これを支えられるのは国だ。個人の努力ではどうにもならない。国があなたを支えるという政治の原点に立ち戻る必要がある。それを前に進めていくことができるのは私たちだという自負を持ってたたかう」と強調。円建てで借金ができる通貨発行権を持つ日本においては年間200兆円規模の新規国債の発行が可能であり、「毎月1人に10万円を配っても、政府や日銀の物価目標には達しないことが参議院の調査でも明らかになっている。プライマリーバランスや財政規律といった財務省の呪縛にとらわれることなく、人々の生活を大胆に底上げし、国が国としての責任を果たしていくことを訴えていく」とのべた。

 

 また続けて「買収選挙では、菅首相(当時官房長官)みずから熱烈に河井氏を応援し、買収の原資を含めて、後ろ盾になったのが政府(官邸)そのものでありながら、有権者に対して説明もせず、再選挙でも“広島なら勝てる”と考えること自体が大きな思い上がりだ。野党側としては広島で勝利することが政権交代を早める絶対的な条件になる。この先の日本の未来を左右するような選挙になると思う」と力を込めた。

 

 公募は、れいわ新選組のホームページに掲載する書式で必要書類を郵送する方式でおこなう。締め切りは2月28日。選考過程を経て該当者が見つからなかった場合は、山本代表みずからが立候補する可能性も「選択肢としては排除しない」とした。

 

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