保育園の現場や有機農産物生産者に密着し「食べることは生きること」「自然と人間との共生」のテーマを考える食育ドキュメンタリー映画『いただきます1 みそをつくるこどもたち』『いただきます2 ここは、発酵の楽園』(オオタヴィン監督)の2作品が全編フルバージョンでオンライン配信される。
『いただきます1』(2017年)は、福岡市にある私立高取保育園が舞台。5歳児の子どもたちが、自分たちが食べる味噌を毎月100㌔つくる保育園。味噌だけではなく、梅干し、たくあんなど日本古来の伝統食を子どもたちがみずからつくり、それを食べて育つ園児たちのキラキラでパワフルな姿が、食とはなにか教育とはなにかを伝えてくれる。この映画はすでに全国700カ所以上で自主上映会が開かれている。
『いただきます2』(2020年)は前作に続き、食べ物の源流、生産の現場に密着する。有機農業者たちの姿、保育園児たちがみずからの手で野菜やコメをつくり土と戯れ、微生物いっぱいの食べ物で元気いっぱいに育つ姿にカメラを向ける。人間の健康にとって微生物との共生が不可欠であることを圧倒的な事実で証明する。コロナ禍を生きるためのヒントが満載の映画だ。今年1月に公開されたばかりだが、全国各地で予定されていた上映会がコロナで中止となった経緯もある。
オオタ監督は、企画・撮影・編集をひとりでおこない、スポンサーを持たずクラウドファンディングで作品を制作し、テレビや新聞では伝えられないメッセージを発信してきた。映画の配給も、全国各地の市民有志による自主上映会に依拠しながら、草の根的に広げていくスタイルをとってきた。そのためオンライン配信は新たな試みとなる。
今、世界中でオーガニック市場が急速に広がっている。EUではコロナ禍を契機に、カロリー過多の飽食が問い直され、農業政策を多品種・地産地消とオーガニック増産にシフトしている。私たちが自然の循環に身をゆだね、日々の食生活のなかにこそ誰もが元気になる循環のヒントがあることを、映画は気づかせてくれる。監督は、「今は上映会の会場に行けない人もおられると思う。コロナ禍だからこそ、この映画をご自宅でお子様も含めたご家族でぜひ観て頂きたい。とくに若い人たちに観て欲しい。コロナが落ち着いてまた上映会が開かれて、地域のコミュニティを通じて人々がつながれるようになれば、私もぜひ参加したい。そんな思いをこめた新たな試み」と語る。
オンライン配信は個人や家族単位での鑑賞を想定しているが、この機会を利用してサテライト上映をする場合は、事前申請が必要となる。(配信申し込みはこちら)
【配信の要項】
★『いただきます1 みそをつくるこどもたち』(75分)&オオタ監督+大島園長トークショー
11月22日(日) 午後1時から配信
★『いただきます2 ここは、発酵の楽園』(80分)&オオタ監督+吉田俊道トークショー(映画のみの鑑賞も可能)
12月6日(日) 午後1時から配信
【問い合わせ先】 まほろばスタジオ i@mahoroba-mirai.com