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執行部答弁に大幅な間違い 下関市議会・本池市議の種苗法巡る質問 前例ない事実誤認

 令和2年下関市議会第3回定例会(8月31日~9月25日)における一般質問で、執行部がおこなった答弁が大幅に間違っていたことが明らかになっている。

 

 問題になっている答弁は、本紙記者の本池涼子市議の一般質問の「下関の食と農」の項目で、種苗法改定とかかわって下関の農産物について具体的に法改定によって影響を受けるのか否かについて問うたさいに農林水産振興部長が答えたもの。種苗法改定案では「登録品種に限り自家採種が原則許諾性になる」となっており、品種によっては直接的影響を受ける。本池市議は下関のトマト、ナス、アスパラ、ネギ、枝豆で使われている品種が「一般品種」なのか「登録品種」なのか、また登録品種の場合には権利者は誰なのかを執行部に対し尋ねていた。

 

 このとき渡壁農林水産振興部長は一つ一つについて答えたが、それらがほぼすべてにおいて逆になっており【表参照】、登録品種と答えたものはみな一般品種で権利者はなく、すべて一般品種で権利者なしとしていた枝豆は、品種「サッポロミドリ」については一般品種であったが、「福だるま」「湯あがり娘」については登録品種で、「なし」となっていた権利者は「カネコ種苗」であった。ネギを除くすべての品目を誤っていたことになり、前例のない担当部署の誤認について庁舎内でも話題となっている。

 

 

 農業振興課に確認したところ、発覚にいたったのは本池市議の一般質問を本紙ホームページで見た東京の人からメールで連絡が入ったからで、このような間違いが起きた原因は市としての確認不足にあるとし、「すべてわれわれの責任だ」とのことだった。本池市議の一般質問の大きな流れが、このやりとりを前提に展開されており、部分的修正では済まない事態に、議会側も執行部側も大慌てで対応を迫られている。

 

 しかしこの件に関する誤認は今回だけではない。9月議会の一般質問のなかでは、3月議会に提出された種苗法改定に関する陳情をめぐる委員会審議のなかでも、下関産米の登録品種の割合について間違いがあったことが報告された。この度の間違いはその比ではないが、一連の騒動は種苗法改定の内容や全国的に問題にされていることについて担当部署が理解していないことに起因していることが浮き彫りになっている。議会答弁に限らず、「農業振興課」を名乗る以上、下関の農業がおかれている実態や直面している問題について農家以上に理解し、真剣に向きあう姿勢が求められている。

 

 なおこの件についての報告と議事録の扱いについては26日の議運にはかられることになっている。

 

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