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「桜」疑惑の究明求め、全国の弁護士ら662人が安倍首相と後援会幹部を刑事告発【告発状全文掲載】

 安倍首相主催の「桜を見る会」、安倍晋三後援会主催の「前夜祭」をめぐり、全国の弁護士や法学者らでつくる「『桜を見る会』を追及する法律家の会」(662人)が21日、安倍首相と後援会幹部の計3人の告発状を東京地検に提出した。この問題は昨年11月の国会審議でとりあげられて物議を醸したが、官邸側は証拠となる公文書を廃棄するなどして説明責任を逃れてきた。弁護士らは、約800人の後援会員らに無償で酒食を提供(寄附)した公職選挙法違反、宴会にかかる収支を後援会収支報告書に記載せずに山口県選管に提出した政治資金規正法違反の事実を告発。刑事告発にあたって声明【別掲】を発し、東京地方検察庁に、政権に忖度することなく厳正公平・不偏不党の立場を貫いて徹底した捜査をおこなうことを強く求めた。図らずも告発日は、検察庁法改定(国会審議先送り)によって次期検事総長になることが有力視されていた東京高等検察庁の黒川弘務検事長が「賭けマージャン」の事実を認め、辞表を提出した日と重なった。

 以下、告発状全文を連載する。

 

◇------------------◇

 

告発状

  2020年5月21日    

 

 

東京地方検察庁 検事正 曽木徹也 殿

 

被告発人 安倍晋三  衆議院議員・内閣総理大臣
被告発人 配川博之  安倍晋三後援会代表者
被告発人 阿立豊彦  安倍晋三後援会会計責任者

 

第1 告発の趣旨

 

 1 被告発人安倍晋三、被告発人配川博之及び被告発人阿立豊彦の後記第2-1の所為は、刑法60条、政治資金規正法第25条1項2号、同法12条1項1号ホ及び同2号に該当する。
 2 被告発人安倍晋三及び被告発人配川博之の後記第2-2の所為は、刑法60条、公職選挙法249条の5第1項及び同法199条の5第1項に該当する。
よって、上記の被告発人らにつき、厳重な処罰を求め、告発する。

 

第2 告発の事実

 

 被告発人安倍晋三(以下、「被告発人安倍」という)は、2017(平成29)年10月22日施行の第48回衆議院議員選挙に際して山口県第4区から立候補し当選した衆議院議員、被告発人配川博之(以下、「被告発人配川」という)は、安倍晋三後援会(以下、「後援会」という)の代表者、被告発人阿立豊彦(以下、「被告発人阿立」という)は、後援会の会計責任者であった者であるが、

 

1 被告発人安倍、被告発人配川及び被告発人阿立は、共謀の上、政治資金規正法第12条1項により、山口県選挙管理委員会を経由して総務大臣に提出すべき後援会の収支報告書につき、2019(令和元)年5月下旬頃、山口県下関市東大和町1丁目8番16号所在の安倍晋三後援会事務所において、真実は、2018(平成30)年4月20日、ホテルニューオータニ東京において開催された宴会である「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」(以下、「前夜祭」又は「本件宴会」という)の参加費として、参加者一人あたり5000円の参加費に参加者数約800名を乗じた推計約400万円の収入があり、かつ、上記前夜祭の前後に、ホテルニューオータニ東京に対し、少なくとも上記推計約400万円の本件宴会代金を支出したにもかかわらず、後援会の2018(平成30)年分の収支報告書に、上記前夜祭に関する収入及び支出を記載せず、これを2019(令和元)年5月27日、山口県選挙管理委員会に提出し、

 

2 被告発人安倍及び被告発人配川は、共謀の上、法定の除外事由がないのに、2018(平成30)年4月20日、ホテルニューオータニ東京において開催された前夜祭において、後援会を介し、被告発人安倍の選挙区内にある後援会員約800名に対し、飲食費の一人あたり単価が少なくとも1万1000円程度であるところ、一人あたり5000円の参加費のみを徴収し、もって一人あたり少なくとも6000円相当の酒食を無償で提供して寄付をし


たものである。

 

第3 告発に至る経緯

 

1 「桜を見る会」問題について

 

 「桜を見る会」の問題が国会で大きく取り上げられるようになったのは、2019(令和元)年11月8日、第200回国会における参議院予算委員会からである。被告発人安倍による「桜を見る会」の甚だしい私物化の実態が明らかになるや、同月12日には野党合同の「総理主催『桜を見る会』追及チーム」が発足し、第201回国会においても、被告発人安倍に対する厳しい追及が続いている。多くの国民もこの問題について、強い憤りを持ち、実態の解明を強く望んでいる。
 「桜を見る会」とは、戦前の「観桜会」を前身とし、1952(昭和27)年、吉田茂が内閣総理大臣主催の会として始めた会とされており、「皇族、元皇族、各国大使等、衆参両議院議長及び副議長、最高裁判所長官、国務大臣、副大臣及び大臣政務官、国会議員(中略)、その他各界の代表者等」、「各界において功労・功績のあった者」が招待範囲とされ、毎年4月、新宿御苑を会場として行われてきた。

 

グラフ:本紙作成

 ところが、被告発人安倍が2012(平成24)年12月第2次安倍内閣を組閣して「桜を見る会」が安倍首相主催になった途端、それまでは1万人前後であった出席者数が2013(平成25)年には約1万5000人に跳ね上がり、2018(平成30)年には1万7500人に、2019(平成31)年には1万8200人にまで膨れ上がった。予算額が1766万6000円であるのに対し、支出額は2018(平成30)年は5229万円、2019(平成31)年は5518万7000円と、異常な予算超過ぶりを示している。このように出席者数も支出額も激増させながら、被告発人安倍主催の「桜を見る会」は7年連続で行われてきたのである。
 しかも最も問題になったのは、「桜を見る会」の出席者の中に、被告発人安倍の後援会員が800名から850名も含まれていたことである。これは、毎年、「安倍事務所」が、都内観光や「前夜祭」という「安倍晋三後援会」の行事とセットにして、国の行事である「桜を見る会」への参加を後援会員に無差別に呼びかけ、応募してきた後援会員やその家族、知人らがほぼ全員「桜を見る会」に招待されるというシステムによるものである。何ら「各界の代表者」でも「功労・功績のあった者」でもない後援会員らが、国費によって皇族や「各界の代表者」らと共に、無償で酒食の提供を受け、被告発人安倍や有名芸能人らと共に写真撮影の機会も与えられるなどの特権的な扱いを受けてきたのであり、公的行事や国家予算の私物化であるとの国民の厳しい批判を受けたのは当然であった。
 そればかりか、被告発人安倍は、「桜を見る会」の招待者名簿はシュレッダーにかけて廃棄した、データも残っていないなどと強弁して一切の検証作業を拒む姿勢を取り続けており、国民の憤りは沸騰している。
 被告発人安倍は、国会で追及をうけるや否や、2020(令和2)年の「桜を見る会」は中止すると宣言した。これは過去7回の「桜を見る会」の実態の違法性、不当性を自白したものという他ない。

 

 

2 「桜を見る会前夜祭」について

 

 本告発において問題とするのは、安倍晋三後援会が主催する「桜を見る会前夜祭」である。

 「前夜祭」とは「桜を見る会」の前夜、東京都内の高級ホテルにおいて、翌日の「桜を見る会」に招待された約800名の後援会員らが集うパーティであり、これも2013(平成25)年4月から七年連続で開催されてきたものである。
 これまでの7年間の開催年月日、名称、会場は以下のとおりである。

 

 上記のとおり、全てのパーティが「前夜祭」の名称で開催されたものではないが、全て「桜を見る会」の前夜に催されており、趣旨は同じであるから、本告発状では上記(表)のパーティを「前夜祭」と称することとする。
 前夜祭は後援会主催の行事であるが、以下の重大な疑惑が存在している。
 まず、これまでに提出された2013(平成25)年分から2018(平成30)年分の6年分の後援会の収支報告書には、前夜祭の収入及び支出が、一切記載されていない。その理由は何であろうか。
 会場となったANAインターコンチネンタルホテルもホテルニューオータニ東京も、国内有数の一流ホテルであるが、過去7回の前夜祭において参加者1人あたりの参加費は全て5000円であったとされているところ、後述するとおり、これら会場におけるパーティの1人あたり単価は最低でも1万1000円であるとされている。その差額はどのように賄われたのであろうか。
 被告発人安倍は、ホテルが作成している前夜祭の見積書や明細書の国会への提出を頑なに拒否している。収支報告書への不記載は、上記差額にまつわる違法行為を隠蔽する目的ではないかが強く疑われる。
 なお、収支報告書は、毎年12月末日で締め、翌年5月末日を期限として提出されることから、本告発にかかる犯罪行為は、全て2018(平成30)年4月の前夜祭に関するものである。本年2020(令和2)年5月末日には、昨年2019(平成31)年分の収支報告書が提出される。国会で大きく問題になった昨年4月の前夜祭に関する収支がそこに記載されるのかどうかが注目されるところである。

 

3 告発に踏み切った法律家の思い

 

 私たち法律家は、被告発人安倍の「桜を見る会」私物化についても強い批判を持ち、その違法性の追及を検討している。すでに本年1月、「桜を見る会」6年分の予算超過額が財産的損害であるとする背任罪による告発がなされているが、背任罪以外にも公職選挙法違反等が疑われるところ、上述した招待者名簿の破棄・隠蔽などにより、現時点では分析、検討のための確たる資料を入手するに至っていない。
 他方で、「前夜祭」の収支報告書の不記載及び正規料金との差額相当分の無償提供については、明らかな犯罪性が認められる。
 国会議員から選出される内閣総理大臣が、「前夜祭」において自らの選挙区内の有権者に経済的便宜を与え、このような選挙の公正を害する手段によって当選を果たし、その不正を隠蔽するために後援会など関連政治団体の収支を不透明にするという犯罪行為によって権力の頂点に立っているとすれば、我が国の民主主義は根底から破綻していることになる。民主主義を破壊する違法行為は断じて許されてはならない。また、数の論理によって国会では明らかにならなかった事実が、厳正公平・不偏不党の立場に基づく適正な捜査が行われることによって、国民に広く明らかにされるべきである。
 私たち法律家は、このような思いから、これら犯罪の捜査が厳正かつ公正に行われ、真相が徹底的に解明され、刑罰法令の適正な適用がなされることを強く希望して、本件告発に踏み切ったのである。

 

第4 告発事実1(政治資金規正法違反25条1項2号違反)について

 

1結論―契約主体は後援会であり、前夜祭の収支は後援会の収支である

 

 本件前夜祭は、宴会場を営む法人であるホテルニューオータニ東京と、前夜祭の主催者である後援会が契約主体となり、両者間の、宴会を内容とするサービス契約に基づき開催されたものである。
 従って、後援会からホテルニューオータニ東京に対して支払われた宴会代金は後援会の「支出」に該当し、参加者から徴収した参加費の合計額は後援会の「収入」に該当する。
 よって、後援会の会計責任者である被告発人阿立が2018(平成30)年分の収支報告書に、上記前夜祭に関する収入を記載しなかったことは政治資金規正法12条1項1号ホに、支出を記載しなかったことは同項2号に違反するものであるから、同人には同法25条1項2号の罪が成立し、同人と共謀した被告発人安倍及び被告発人配川には同罪の共同正犯が成立する。

 

2 個々の参加者が契約主体であるとの被告発人安倍の答弁

 

 被告発人安倍は、ホテルニューオータニ東京と契約を締結した者が誰かという問題につき、2020(令和2)年1月31日の衆議院予算委員会において、前夜祭の参加者が当日、各自5000円をホテルニューオータニ東京に対して支払っているから、ホテルニューオータニ東京との契約主体は個々の参加者であって後援会ではないと答弁した(なお、この答弁は、本告発事実にかかる前夜祭の1年後の、2019(平成31)年4月12日に開催された前夜祭に関する答弁であるが、両者は同一の宴会場において同一の形式で行われていることから、被告発人は本告発事実にかかる前夜祭についても同一の認識を示したものと評価できる)。
 しかし、本件宴会の契約主体が個々の参加者であるとの解釈は、法解釈として成り立ち得ない。

 

3 判例

 

 東京地裁平成14年3月25日判決は、参加者30~40名のパーティを予約し、これを解約した個人に対し、飲食店が営業保証料を請求した事案であるが、「本件予約は飲食店を営む法人である被控訴人と個人である控訴人との間のパーティを内容とするサービス契約である」と判示し、これを判断の前提としている。
 決して30~40名の個々のパーティ参加予定者を契約主体とは認定していないのであり、取引通念に従った至極当然の契約解釈である。

 

4 「支出」について

 

 ここに、2015(平成27)年10月にホテルニューオータニ東京で開催された約860名規模のパーティについての、「確認書」、2種類の「見積書」、「宴会・催事規約」がある。
 「確認書」は、開催日の10か月前の2014(平成26)年12月付でパーティの主催者とホテルニューオータニ東京が署名押印しており、開催日、会場、時間が明記され、見積額をパーティ実施の一か月前までに支払うことが約束された契約書である。
 「宴会・催事規約」には、宴会時間と追加室料、有料人数の確認(開催日前の最終平日の午前中に最終決定数を連絡する。上記期限を過ぎて出席者が減少しても、最終決定数で請求する)、前受金、取消料・期日変更料、装飾・余興等の手配、禁止事項、損害賠償等の詳細が定められている。
 「見積書」は、人数を1000名とした場合と865名とした場合の2種類が作成され、それぞれ、料理、飲物、室料、装花料、コンパニオン料などの数量及び単価、1名平均単価、総合計額が明記されている。
 前夜祭の参加人数とほぼ同様の規模の宴会において、開催日の10か月前に契約が締結され、詳細な見積書が提出され、事前に人数の最終決定数を連絡することや、取消・期日変更に関する詳細な取り決めがなされていることは、このような詳細な取り決めをすることなくして大規模な宴会の実施は不可能であることの証左であり、本件前夜祭においても同様の契約が締結されていたことが強く推測される。こうした事前の契約なくして、ホテルニューオータニ東京が前夜祭を準備できるはずがないのである。また、個々の参加者が、最終人数の連絡や、欠員が出た場合の代金の補填、取消料の支払などの契約上の義務の履行ができるはずもないのである。
 従って、本件前夜祭の契約主体は後援会であり、後援会が事前にホテルニューオータニ東京と宴会契約を締結し、宴会代金の支払義務その他の契約上の義務を負い、代金を支払ったと考える他ない。

 

5 「収入」について

 

 被告発人安倍は、前夜祭の参加費の「集金」について、会場の入り口の受付で安倍事務所職員が1人5000円を集金し、ホテル名義の領収証をその場で手交し、受付終了後、集金した全ての現金をその場でホテル側に渡したと繰り返し述べている(2019(令和元)年11月15日首相官邸ホームページ、2020(令和2)年衆議院予算委員会1月27日、同月31日、2月3日、同月4日等)。
 すなわち「安倍事務所」が参加者から1人5000円の参加費を「集金」していたことを認めているのである。主催者である安倍事務所職員が集金した、後援会行事である「前夜祭」の参加費は、後援会の「事業による収入」(政治資金規正法12条1項1号ホ)に他ならないから、徴収した参加費は収支報告書への記載義務のある「収入」であることは明らかである。
 この点、被告発人安倍は、2020(令和2)年1月31日の衆議院予算委員会において、ホテル名義の領収証が交付されたことをもって参加者本人とホテルとの関係において支払がなされたと答弁しているが失当である。
 被告発人安倍は、領収証はホテル側があらかじめ金額、日付、摘要を手書きで書いて安倍事務所に渡していたもので、「宛名は空欄だった」と述べている。しかし、そもそもホテルニューオータニのような一流ホテルが、宛名が空欄の領収証を安倍事務所の職員に事前に渡したとは想定し難く、後述のとおりホテルニューオータニ東京の支配人やANAインターコンチネンタル東京の広報担当者はこれを明確に否定している。
 実際、いまだに、個々の参加者に発行されたというホテルニューオータニ名義の領収証は1通も国会に提出されておらず、かかる領収証が発行されたことを裏付ける証拠はまったくないのである。
 仮に、上記5000円の領収証をホテルニューオータニが発行していたとしても、前述の「4 『支払』について」のとおり、宴会代金の支払義務を負うのは後援会であるから、本来は後援会が個々の参加者に対して5000円の領収証を発行すべきところ、ホテルニューオータニが後援会の便宜を計り、後援会に代わって個々の参加者らに対し、領収証を発行したものとしか考えられない。

 

6 宴会代金総額と1人5000円の参加費総額は一致しない

 

 そもそも、前夜祭当日の個々の参加者から徴収する1人5000円の参加費とホテルニューオータニ東京に対して支払う宴会代金との間に齟齬が生じることは当然にあり得る。
 例えば「宴会・催事規約」では、前述のとおり、後援会が開催日前の最終平日の午前中に出席者の最終決定数をホテル側に連絡するが、上記期限を過ぎて出席者が減少しても宴会代金は最終決定数で請求するとされている。そうすると、仮に1人5000円でちょうど宴会代金総額を満たすと計算していても、当日になって参加者が減少した場合の補填は後援会が行わなくてはならない。
 かかる一事をもってしても、ホテルニューオータニ東京に対する宴会代金支払債務の履行が、前夜祭当日に参加者が受付で1人あたり5000円を支払ったことをもって完了しているとは到底言えないのである。参加者が減少した場合の支払の補填は、後日、「安倍事務所」の関係者が行っているはずであり、その補填を裏付ける請求書や領収証は発行されているはずである。
 なお、詳しくは後述するが、ホテルニューオータニ東京において本宴会と同規模の宴会を行った場合、参加者1人あたりの単価は最低でも1万1000円と言われており、1人5000円の参加費では正規の代金を到底賄うことができない。従って、仮に後援会がホテルに正規の代金を支払ったのであれば、後援会の支出額は、参加者からの収入額と大きく乖離することになる。

 

7 ホテルニューオータニ東京の支配人の回答

 

 2020(令和2)年2月14日、ジャーナリストの浅野健一氏が、ホテルニューオータニ東京の支配人の1人に電話取材したところ、「あくまで一般論として」と断りながら、上記支配人は、「契約の相手は主催者であり、パーティの参加者一人一人と契約し、各個人から料金をいただくことはない。」、「ホテルが発行する領収証はすべてパソコンで作成しており、宛名が空欄の手書きの領収証を交付することは絶対にない」と回答した。
 これは前夜祭の契約主体が後援会であることを強く裏付ける証言である。

 

8 ANAインターコンチネンタル東京の広報担当者の回答

 

 衆議院議員の辻元清美氏が、2013(平成25)年以降3回にわたって前夜祭の会場となったANAインターコンチネンタル東京にメールで問い合わせたところ、2020(令和2)年2月17日、同ホテルの広報担当者から、メールで下記の回答があった。

 

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 以下、2013年以降の7年間に貴ホテルで開かれたパーティについてお伺いさせてください。
 1)上記について、貴ホテルが見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったでしょうか。
 (回答)ございません。主催者に対して、見積書や請求明細書を発行いたします。
 2)上記について、個人・団体を問わず、貴ホテルの担当者が金額などを手書きし、宛名は空欄のまま領収証を発行したケースがあったでしょうか。
 (回答)ございません。弊ホテルが発行する領収証において、宛名を空欄のまま発行することはございません。
 3)ホテル主催ではない数百人規模のパーティ・宴会で、代金を主催者でなく参加者個人一人ひとりから、会費形式で貴ホテルが受け取ることはありましたか。
 (回答)ございません。ホテル主催の宴席を除いて、代金は主催者からまとめてお支払いいただきます。
 4)主催者が政治家および政治家関連の団体であることから、対応を変えたことはありますか。
 (回答)ございません。

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 ANAインターコンチネンタル東京における前夜祭は、ホテルニューオータニ東京と同様の形式で行われたものである。従って、同ホテルが上記の回答をしたことも、前夜祭の契約主体が後援会であることを強く裏付けるものである。

 

9 まとめ

 

 以上のところから、前夜祭の契約主体は後援会であると断定できる。従って、前夜祭にかかる宴会代金の収支は、後援会の「収入」、「支出」として収支報告書に記載すべきものであり、これらを記載しなかったことは政治資金規正法25条1項2号に違反する。
 個々の参加者が契約主体であるとの被告発人安倍の答弁は、収支報告書に収支を記載しなかったことを正当化するための稚拙な詭弁であり、こうした答弁をすること自体、内閣総理大臣の資格が問われるものである。

 

ホテルニューオータニ東京(鶴の間)

第5 告発事実2(公職選挙法249条の5第1項違反)について

 

1結論―後援会が、後援会員に対し、参加者1人あたり少なくとも6000円の酒食の無償提供をしたことは寄附にあたる

 

 通常、ホテルニューオータニ東京において本件宴会と同程度の規模の宴会を行う場合、参加者1人あたりの単価は、最低でも1万1000円と言われている。ところが、前夜祭において、後援会は、参加者から1人あたり5000円しか徴収していない。
 従って、後援会は、公職選挙法199条の5第1項に違反し、当該選挙区内にある約800名の後援会員に対し、参加者1人あたり少なくとも6000円相当の酒食を無償で提供して寄附したものである。
 よって、後援会の代表者である被告発人配川には、公職選挙法249条の5第1項の罪が成立し、同人と共謀した被告発人安倍には同罪の共同正犯が成立する。

 

2 1人あたりの単価は最低でも1万1000円

 

 前述の2015(平成27)年10月9日にホテルニューオータニ東京で開催された1000人規模のパーティに関する2種類の見積書では、参加者1名あたりの平均額が、「16,500円」又は「15,356円」とされており、また2通の見積書に共通して、「飲み物」の1人あたりの単価だけで4000円とされている。
 前述の浅野健一氏の取材でも、ホテルニューオータニ東京の支配人は、「1人5000円での宴会、パーティは絶対にお受けできない。当ホテルでは1人1万1000円からになる」と回答している。
 さらに、石川大我参院議員(立憲民主党)がホテルニューオータニ東京に800名のパーティの見積を依頼したところ1人当たり「1万3127円」との回答を得たこと、安住淳衆院議員(同党)がホテルに照会したところ「1人最低でも1万1000円」との回答を得たこと、NHKがホテルニューオータニ東京に取材したところ「パーティプランの最低価格は1人1万1000円からで値切り交渉などには応じられない」との回答を得たこと、今井雅人衆議院議員がホテルニューオータニ東京に行って直接聞いたところ「5千円ではちょっとできません」との回答を得たこと(2020年2月4日予算委員会)、『アエラ』がホテルニューオータニ東京に取材したところ「5千円の予算でパーティは受け付けていない」との回答を得たこと等、多数の問合せや取材の結果が公表されている。
 以上によれば、1人5000円で前夜祭の宴会代金の全てを賄うことは到底不可能であり、最低でも「1人1万1000円」必要であることは明白である。

 

3 後援会が差額6000円分をホテルに支払っていれば「寄附」に該当する

 

 前夜祭に参加した後援会員らは、1人5000円の負担で、ホテルニューオータニ東京という高級ホテルの豪華な会場において1万1000円以上の酒食を供されたことになり、後援会は最低でも6000円相当額の無償の酒食の提供を後援会員に供与したことになる。
 前述のとおり、ホテルニューオータニ東京の支配人らが、複数の取材に対し、「1人5000円での宴会、パーティは絶対に受けられない」と回答していることからは、正規料金との差額(6000円×800名=480万円)は契約主体である後援会が補填してホテルニューオータニ東京に支払ったと考えるのがもっとも常識的である。
 後援会が正規料金との差額分をホテルに支払っていたならば、その差額相当額の酒食の提供が後援会員に対する「寄附」に該当することは明らかである。

 

4 仮にホテルが値引きをしていたとしても「寄附」に該当する

 

 これに関して、被告発人安倍は、「夕食会の価格設定が安すぎるのではないかとの指摘がございます。そういう報道もありますが、参加者1人5000円という可否については、まさに大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえ、ホテル側が設定した価格である」(2019(令和元)年11月15日首相官邸ホームページ)、「何回も使って信用のできる方と一見の方とでは、商売においては当然違う」(2020(令2)年1月27日衆議院予算委員会)と答弁している。すなわち、1人5000円の参加費が通常より「安すぎる」ことを認めた上で、ホテルニューオータニ東京が格別の値引きをしたとし、これで6000円相当額の無償の酒食を供与したことにつき違法性の問題は発生しないかのごとき主張をしている。

 しかし、被告発人安倍の上記答弁内容のとおり仮にホテル側が値引きをした場合であっても、後援会が後援会員に「寄附」をしたことを否定することはできない。
 公職選挙法上、「寄附」とは、「金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付」を指す(同法179条2項)。従って、後援会がホテル側と値引き交渉を行った結果、ホテル側が「一見」(いちげん)の客ではないとして大幅な値引きに応じたなど、後援会がホテル側に差額を支払っていなかった場合であっても、後援会は参加者に対し、通常料金との差額最低6000円相当額の酒食を無償で提供したことになり、これも「金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付」に他ならないから、「寄附」に該当することは明らかなのである。

 

5 後援会の「設立目的により行う行事又は事業」に関する寄附ではない

 

 なお、公選法199条の5第1項は、後援団体による寄附の禁止について、「当該後援団体がその団体の設立目的により行う行事又は事業に関し寄附(中略)をする場合はこの限りではない」との除外事由を定めているので、前夜祭が「当該後援会がその団体の設立目的により行う行事又は事業」に該当するのではないかが問題となるが、該当しないと考える。
 公選法199条の5第1項の立法趣旨は、後援団体の寄附行為が公職の候補者等の行う寄附の脱法行為として行われる弊害を防止することにある。他方、後援会は公職の候補者等とは別人格であり、後援団体の存在を認める以上、その後援団体の設立目的により行う行事又は事業に関してする寄附について、時期の如何を問わず禁止することは行き過ぎであると考えられたことから上記の除外事由が設けられたとされている。こうした観点から以下、前夜祭について検討する。

 

(1)公職の候補者等が行う寄附の脱法行為である
 前夜祭の案内状は、後援会ではなく、「安倍晋三事務所」名義で送られている。「安倍晋三事務所」は、自民党山口県支部連合会のホームページにおいて、被告発人安倍を代表者とする「自由民主党山口県第4選挙区支部」の住所の一部とも「第4選挙区支部」の通称とも言える形で掲載されているところ、「第4選挙区支部」の代表者は被告発人安倍本人である。つまり前夜祭は、被告発人安倍によって参加を呼びかけられたと評しうるものである。
 そして前夜祭は、東京の一流ホテルの豪華な会場で開かれる盛大なパーティであり、翌日の「桜を見る会」と一体となって、被告発人安倍の権勢を後援会員らに見せつけ、後援会員であることの特権を堪能させ、被告発人安倍に対する支持を強固にするものである。このような前夜祭において、格安で酒食を振る舞うことは、その形式的な主催者が後援会であったとしても、公職の候補者等の行う寄附(法199条の2第1項)の脱法行為の性質を持つことは明らかであり、こうした寄附を禁止することは、まさに法199条の5第1項の立法趣旨に合致する。

 

(2)「桜を見る会」とその「前夜祭」は後援会の設立目的とは無関係
 前夜祭は、「桜を見る会」に招待された被告発人安倍の後援会の会員だけが参加する宴会である。前述のとおり、「桜を見る会」は、内閣総理大臣が国費をもって主催する公的行事であり、本来は各界において功労、功績のあった者を招待すべきところ、被告発人安倍は、自らの後援会員に無差別に参加を申し込ませ、後援会員やその家族、知人等を約800名も招待したのであって、そのこと自体、「桜を見る会」の開催要領から逸脱したものとして違法の疑いがある。従って、前夜祭は、本来「桜を見る会」に招待される資格のない後援会員らを集めて開く宴会なのであり、後援会の発足式や総会などとは全く異なり、「後援会の設立目的」により行う行事又は事業ということはできない。

 

(3)寄附金額が巨額である
 寄附の金額も問題である。法199条の5第1項は、後援会が「設立目的により行う行事又は事業に関し寄附」をする場合であっても、「花輪、供花、香典」などは禁止の例外に該当しないとし、後援会が選挙区内の者に対して出す1万円の香典であっても禁止・処罰の対象としているのである。このような法の趣旨に照らすならば、前夜祭における、1人あたり少なくとも6000円、参加者800人で合計480万円という金額は巨額といってよいものであり、この点でも、「設立目的により行う行事又は事業に関して行う寄附」とは到底言うことができない。
 以上により、後援会が前夜祭において行った寄附は、法199条の5第1項の禁止法定の除外事由には該当しない。

 

6 まとめ

 以上により、後援会が前夜祭において参加者1人あたり少なくとも6000円の飲食を無償で提供した行為は、法199条の5第1項により禁止される寄附に該当する。

 

第6 被告発人安倍に共謀共同正犯が成立することについて

 

1 身分と共犯

 

 告発事実1にかかる政治資金規正法第25条1項2号において処罰される主体は、「第12条…の報告書…に記載すべき事項の記載をしなかった者」であり、法12条に基づく収支報告書の記載義務者は「会計責任者」であるから、本件では後援会の会計責任者であった被告発人阿立がこれに該当し、同人は正犯となる。
 また、告発事実2にかかる公職選挙法249条の5第1項において処罰される主体は、「後援団体の役職員又は構成員として当該違反行為をした者」であり、本件では後援会代表者である被告発人配川がこれに該当し、同人は正犯となる。
 これらの罪はいわゆる真正身分犯であるが、その共犯には刑法65条1項が適用され、共同正犯を含めて全ての共犯形式が成立するものと解されており、例えば公務員でない者も収賄罪の共同正犯となる。従って、後援会の「会計責任者」や「役職員又は構成員」ではない被告発人安倍にも上記各犯罪について共同正犯は成立し得る。同様に、「会計責任者」ではない被告発人配川にも政治資金規正法第25条1項2号の罪の共同正犯が成立し得る。

 


2 被告発人安倍と後援会は一体である

 

 被告発人安倍に関連する政治団体は、「自由民主党山口県第4選挙区支部」「安倍晋三後援会」「山口晋友会」「山口政経研究会」「東京政経研究会」「晋和会」の6団体であるが、資金管理団体である「晋和会」以外の5団体の住所は全て「山口県下関市東大和町1丁目8番16号」であり、これら5団体の事務全体を取りしきる事務所が「安倍事務所」なのだと思われる。
 そして、2018(平成30)年分収支報告書及び自民党山口県支部連合会のホームページによれば、「自由民主党山口県第4選挙区支部」及び「晋和会」の代表は被告発人安倍であり、被告発人配川は、「安倍晋三後援会」、「山口晋友会」及び「山口政経研究会」の代表者、「自由民主党山口県第4選挙区支部」の事務局長兼会計責任者、「山口晋友会」の会計責任者、「東京政経研究会」の事務担当者である。
 つまり、自由民主党山口県第4選挙区支部(以下、「政党支部」という)と後援会は事務所を同じくし、政党支部の代表である被告発人安倍と、政党支部の事務局長・会計責任者兼後援会の代表である被告発人配川は、明らかに雇用者と被用者、上司と部下の関係にある。従って、政党支部と後援会は、実質的には一体のものであり、後援会の実質的な代表者は被告発人安倍であると言っても過言ではない(後援会の正規の代表者が公職の候補者等本人である例は多い)。
 後援会と政党支部の一体性は、前述のとおり、国の行事である「桜を見る会」の参加募集と、後援会行事である都内観光、前夜祭、航空券等及び宿泊申込の案内が、差出人を「安倍事務所」とする同一の書面で、後援会会員らに再三発送されていることからも明らかである。
 このように両団体が一体のものであり、被告発人安倍と被告発人配川が上司と部下の関係にある以上、被告発人配川は後援会を運営するにあたり、その重要な部分について被告発人安倍に報告、相談し、被告発人安倍の判断、決定を得た上で行動しているとしか考えられない。

 

3 被告発人安倍には共謀共同正犯が成立する

 

⑴ 政治資金規正法第25条1項2号の罪について
 会計責任者である被告発人阿立に政治資金規正法第25条1項2号の罪が成立することは明白であるが、前夜祭の収入と支出をあえて収支報告書に記載しないという判断を、被告発人阿立が独断で行ったとは到底考えられない。
 前夜祭の収支を記載しなかった理由は、収支をありのまま記載することが、被告発人安倍にとって何らかの不都合があったためとしか考えられない。例えば、仮に後援会がホテルに対し、参加者から徴収した参加費と代金との差額を補填して支払っており、その資金を被告発人安倍が何らかの方法で調達していたような場合、被告発人安倍自身が公職選挙法249条の2第2項の罪に問われるおそれもあるのである。
 第二次安倍内閣組閣後初めて前夜祭の収支記載義務が生じた2014(平成26)年5月の時点で、後援会の会計責任者は被告発人配川であったが、同人は、2016(平成28)年5月の時点まで一貫して前夜祭の収支を記載しなかった。この期間、被告発人安倍と被告発人配川は、後援会の収支報告書に前夜祭の収支を記載することの不都合を共有し、記載すべき義務を認識しながら、確固たる意思をもって、あえて不記載とする方針を共有していたと考えられる。
 2017(平成25)年5月提出の収支報告書から、会計責任者は被告発人阿立に変わったが、その後も収支報告書に前夜祭の収支は一切記載されていない。このことは、被告発人安倍と被告発人配川が、被告発人阿立に収支不記載の判断を伝えてこれを実行させ、この判断が以後毎年、被告発人阿立を拘束してきたものと考えられる。
 従って、被告発人安倍及び被告発人配川は、被告発人阿立と明示的ないし黙示的に共謀し、2019(令和1)年5月末頃、2018(平成30)年4月20日の前夜祭の収支を後援会の収支報告書に記載しないことについて、被告発人阿立の行為を利用して自己の意思を実現したものであるから、政治資金規正法25条1項2号の罪について、それぞれ共謀共同正犯が成立する。

 

⑵ 公職選挙法249条の5第1項の罪について
 後援会の代表者である被告発人配川に公職選挙法249条の5第1項の罪が成立することは明白であるが、前述のとおり、後援会と政党支部が一体であり、被告発人安倍と被告発人配川に上司と部下の関係があったことに鑑みれば、前夜祭についてのホテルとの契約交渉及び契約締結は、後援会が政党支部と無関係に独断で行ったとは到底考えられず、被告発人配川が、被告発人安倍の判断を仰ぎながら行ったものとしか考えられない。
 被告発人安倍には、自らの後援者に経済的負担を感じさせず、「桜を見る会」と前夜祭を楽しんでもらうことにより、自らの支持基盤を強固にしたいとの思いが強くあったことが容易に推測される。
 前夜祭の最低の正規料金1万1000円と1人あたりの参加費5000円との差額については、後援会あるいは政党支部や資金管理団体などからホテルニューオータニ東京に支払われた可能性もあり、あるいは被告発人安倍又は被告発人配川がホテルニューオータニ東京に値引きを依頼した可能性もあるが、これらは現時点では推測の域を出るものではない。
 しかし、被告発人安倍が、正規料金を賄うに足りる高額な参加費を前夜祭の参加者から徴収しないこと、すなわち差額分の酒食を無償で参加者らに提供する寄附行為を行うことは、被告発人安倍が決断し、被告発人配川に指示をして実行させたものとしか考えられない。
 しかも、「桜を見る会」の前夜に、参加費1人5000円での前夜祭を東京のホテルで開催することは、被告発人安倍が内閣総理大臣になって初めての2013(平成25)年4月から2018(平成30)年4月まで6年連続で続けられてきたのであるから、2018(平成30)年4月の前夜祭についても従前どおりの寄附が行われたことは、被告発人安倍は熟知しているものである。
 従って、被告発人安倍は、被告発人配川と共謀し、2018(平成30)年4月20日の前夜祭に参加した約800名の後援会員に対し、正規料金との差額1人最低6000円程度の酒食を無償で提供する寄附行為について、被告発人配川の行為を利用して自己の意思を実現したものであり、公職選挙法249条の5第1項の罪について、少なくとも共謀共同正犯が成立することは明らかである。

 

第7 最後に

 

 以上のとおり、被告発人らに上記の各犯罪が成立することは明白である。
 前夜祭に関する収支の不記載は、政治資金の収支を公開することによって政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする政治資金規正法の趣旨(同法1条)に真っ向から反するものであり、極めて悪質である。
 また、後援会による違法な寄附は、選挙が選挙人の自由に表明する意思によって公正かつ適正に行われることを確保し、もって民主政治の健全な発達を期することを目的とする公職選挙法の趣旨(同法1条)に真っ向から反するものであり、極めて悪質である。
 しかも、前夜祭は1回だけの行事ではなく、後援会の恒例行事として、2013(平成25)年から2018(平成30)年まで6年連続(本告発の対象としていない2019(平成31)年4月を含めると7年連続)で行われている。従って、収支報告書に記載されなかった収入、支出及び後援会が違法に行った寄付の合計額は巨額に上り、この意味でも悪質性は高い。
 内閣総理大臣たる被告発人安倍がこのような犯罪を犯していることは、民主政治の根幹を揺るがす事態であり、これを放置することは絶対に許されないことである。
 本告発にかかる事実につき、捜査当局が公正かつ厳正な捜査を行い、事案の真相を解明し、被告発人らが厳重に処罰されることを強く希望する。


    以上      

 

証拠目録


1 平成30年分収支報告書(令和1年5月27日受付、安倍晋三後援会作成)

 


2 御確認書(平成26年12月9日、株式会社ニューオータニ外1名作成)
3 宴会・催事規約(平成22年10月、ホテルニューオータニ作成)
4 御見積書(平成26年12月9日、株式会社ニューオータニ作成)
5 御見積書(平成27年9月23日、株式会社ニューオータニ作成)

 


6 「『桜を見る会』のご案内」(平成31年2月吉日、安倍晋三事務所作成)
7 「内閣府主催『桜を見る会』参加申し込み」(上記6に同封されたもの)
8 「『桜を見る会』について(ご連絡)」(平成31年2月吉日、あべ晋三事務所作成)
9 「安倍事務所ツアー案(別紙)」(上記8に同封)
10 「桜を見る会アンケート(4月12日~4月13日)」(上記8に同封)

 


11 ANAインターコンチネンタルホテル東京広報担当者から辻元清美衆議院議員宛てメール・1通目(2020年2月17日)
12 ANAインターコンチネンタルホテル東京広報担当者から辻元清美衆議院議員宛てメール・2通名(2020年2月17日)

 


13 インターネット記事(2020年2月25日付、浅野健一執筆)
14 第200回国会参議院予算委員会会議録3号(2019年11月8日)
15 第201回国会衆議院予算委員会会議録4号(2020年1月31日)

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この記事へのコメント

  1. 真実、事実が詳らかになり、適正な処罰が下されることを期待しています。

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