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山口4区 れいわ新選組が竹村かつし氏を擁立

 れいわ新選組は2月26日、山口県庁で記者会見をおこない、次期衆院選で山口4区(下関市・長門市)の公認予定候補者として、プロレスラーで通所介護業経営の竹村克司(かつし)氏を擁立(小選挙区・比例重複)することを発表した。同党の公認予定候補者としては11人目となる。27日には、候補者みずから山口市内でポスター掲示の活動をおこなった。

 

 

 会見では、竹村氏が立候補の決意を表明し、記者団からの質問に答えた【別掲】。

 

 同席した山本太郎代表は、山口4区に候補者を立てる意義について、「私はれいわ新選組を旗揚げするときに、現在の政治を変えなければならず、政権をとりにいくことを宣言している。であるなら現在の政治のトップがいる安倍さんの選挙区に候補者を立てて、総理の胸を借りてたたかわせていただくことは当然の選択肢だ。そこには政権をとりにいくことを目指す私たちの全国へのメッセージも込められている」とのべた。

 

 また山口4区での野党間調整については「これからになるだろう。ただ、4区で圧倒的な強さを持つ安倍さんに対して、これまでの候補者は“安倍政治を許さない!”というスローガンを掲げるような勢いで選挙をたたかわれてきたと思うが、残念ながら泡沫的な扱いになる結果しか生まなかった。今回はそのようなたたかい方はしたくないと思っている。表向きには安倍さんの支持をしなければならないような人たちに対しても“竹村を応援したい”というような思いになってもらえるような選挙を目指したい。おそらくそのようなたたかい方は私たちにしかできないのではないかと自負している。そのようなことも踏まえ、私たちは4区をぜひ私たちの候補者でたたかわせてほしいと思っている」とのべた。

 

 また「安倍総理は25年以上の地元選出の国会議員であり、総理大臣を2回経験するような仕事をされた。その中身に関しては私たちは認められない部分は多々ある。大企業を優遇し、それによって格差が広がり、アベノミクスといって異次元の金融緩和をおこなったが、20年のデフレを終わらせるための積極的財政は多くの人々に行き渡らなかった。だからこそ、自分たちはそれをやりたいという思いでいるが、これまでの下関での常識を考えるならば、安倍さんが落ちて他の野党候補があがるということはありえない。そこには歴史的に強固な基盤がある。そうであるなら、私は下関市や長門市のみなさんへのご提案として、“現在の選挙システム(比例代表制)では、もう一人あなたの声を国会に届ける議員を生み出すことができるんだ”というたたかい方が一番建設的なのではないかと思っている」とのべ、重複立候補によって、一人区である山口4区での勝利を目指しつつ、比例票を積み上げて比例中国ブロックでの当選を視野に入れてたたかうことを強調した。

 

 「安倍総理の存在によって一部の人にはプラスになる貢献があったのだろうが、そこからなにも得られなかったという人たちも多くいる。竹村氏はその代表として手を挙げてくれたと思う。安倍総理の政策がよかったと評価しているのなら私たちは候補者など立てない。今日の日本の衰退ぶりやウイルス対策をみてもダメなのはわかっている。だが、ガス抜きのようなたたかい方はせず、確実に下関や長門のみなさんのお役に立てるような人材に議席を与えてもらい、国会に送り込んでいただきたい」と訴えた。

 

 竹村氏を選考した理由については、「ゴリゴリの保守のおじさんからもかわいがられるようなタイプ。心の優しい方で、本当にあなたの声を聞かせて下さいということを心からいえるような人だ。そのような人を総理の選挙区に立て、もう一人下関から国会議員を誕生させませんかというアプローチで確実に議席に繋げていきたい」とのべた。

 

 選挙手法として山本氏は「私も積極的に応援に入りたいが、山本が入って票が減ることも考えられるので場面を選んでということになるだろう。あとは竹村氏自身が足を使ってお一人お一人と対話を重ねていく以外にない。総理のお膝元で表だってこちら側を応援できる人が少ないことはいうまでもないが、投票用紙に名前を書くところまでは誰も管理することはできない。水面下での支援をお願いしていく。空中戦的なものはほとんど効き目がなく、そこに信頼を置いていない。やれることは候補者の足しかない。足を使って粘り強く選挙区のお一人お一人と丁寧に対話をし、みなさんに候補者を育てていただきながら、みんなで一緒に変えていきましょうということを訴えていきたい」と抱負をのべた。

 

 翌日には、山本代表、竹村氏と地元ボランティアが山口市内の商店街や住宅地でポスター掲示の依頼活動をおこなった。市民からは「保守地盤だが負けずに頑張ってほしい」「商店街も客足が落ち込んでいる。消費税廃止に期待している」などの期待の声も聞かれた。

 

会見翌日には山口市内の商店街でポスター貼り行動をおこない、道行く人々にご挨拶

 

◇ 竹村かつし氏の決意

 

 下関市に移り住んで早10年が経過した。私は京都出身だが、現在は妻の地元である下関市内で介護事業と喫茶店を経営している。それ以前は総合介護事業の会社に4年半勤め、その経験を生かして高齢の皆さんに楽しんでいただき、くつろいでいただける憩いの場を提供したいと思って通所介護事業所を起業した。

 

 デイサービスではいろんな方からお話をうかがう。山口4区の人口は28万9300人だが、どんどん高齢化が進み、介護率は36%。そして全国の自治体のなかでもワースト4位の人口減少率という深刻な問題を抱えている。

 

 厚労省は、医療費や介護保険を使いすぎといって削減を目指し、ベッド数を2025年までに16万~20万床減らす方針だという。また、介護認定調査も年々厳しくなっていると聞く。3年ごとの法改正に介護事業者も振り回され、2018年と2019年は2年連続で500件をこえる事業所が休廃業し、淘汰が進んでいる。

 

 また介護事業においては人材の確保が難しく、排泄介助、入浴介助で体力的にも精神的にもきついとスタッフからよく聞く。新規雇用があっても、ようやく仕事に慣れ、利用者と関係を築けたころで突然退職することもよくある。より待遇のいい大企業に流れることもある。やはり重労働であり、低賃金ということが人材不足に陥っている一番の原因だと思う。

 

 そのため慢性的な人材不足が起きているが、「会社を倒産させるわけにはいかない」「一緒に働く従業員の賃金をもっと上げたい」という狭間で思い悩んでいる経営者さんがたくさんいると思う。れいわ新選組が政策に掲げている「全国一律の最低賃金1500円を政府が保障」は、私を含む多くの人の心に最も響く政策だ。必要な人材確保や生活の底上げに繋がるこの政策を何としても実現させたい。

 

 介護の現場では、職員が増えると利用者から喜ばれることが多く、デイサービスの帰りには「今日も楽しかったよ」「ありがとう」「また来るからね」と声を掛けてもらえる。この言葉にスタッフの苦労は報われ、モチベーションに繋がる。介護事業は非課税だが、他の中小零細企業は昨年10月の消費税増税で、とても苦しい思いをしている。さらに家計を苦しめていることは疑いない。

 

 私の店は一階がデイサービスで二階が喫茶店だ。下関市役所に近い唐戸商店街の一角にあるので、非常に幅広いお客様にご利用いただいている。昨年10月に消費税が上がって仕入れ値が高騰し、喫茶店の経営が厳しくなったためランチの金額を少し上げることになり、それにともなって客足も減った。私も理事の一人でもある唐戸商店街はまたさらに活気がなくなり、シャッターが増えて、より一層人通りの少ない寂しい街になったような気がする。このデフレスパイラルを断ち切るためにも消費税廃止にとりくみ、人々の生活を引き上げたい。

 

 この世の中にあって一筋の光を見出せたのが山本代表の言葉だった。「生きているだけで価値があるんだ。存在しているだけで価値があるといわれたいんだ」という言葉が胸に響き、知れば知るほど、れいわ新選組の愛情溢れる政策に引き込まれた。私の四七年間は、政治のことよりも自分が生きていくことだけで精一杯だったが、山本代表の言葉を聞き「自分もなにか役に立てないか」と思った。これまでいろんな人に助けてもらい、ご指導されて何とかやってきたが、誰にもなにも恩返しができていなかった。そんな自分が何とか役に立ちたいという思いがどんどん加速していき、後先も考えずに行動に移し、れいわ新選組の候補者公募に応募して現在に至る。

 

 何とか自分もこの国を変える一人になりたい。「生きていてよかった」と思える日本にみんなで変えていきたいという思いで奮い立たされた。この衰退著しい地方都市、困窮する人々の生活、高齢者の支援をする立場だからいえる、聞こえるみなさんの声を国会に届けたい。そこからみなさんを応援できるような政策に繋げたい。この山口4区から、安倍総理だけではなく、もう一人国会議員を誕生させていただきたい。

 

質疑応答

 

 ――安倍総理の人物や政策への評価は。

 

 竹村 総理在任歴代最長記録を達成され、下関市や長門市の方からは「安倍総理に任せればいい」という思いで選ばれてきたと思う。地元出身であり、長年されていることも大きい。ただ、さまざまな政策のなかでTPPや上関原発などについて安倍総理はどのように思っているのだろうかという思いがある。

 

 長門市には農業、漁業、水産加工業があり、養鶏も大きく養鶏農協もある。いろんな流れのなかで政策が決まり、憲法改正などの動きになっていると思うが、総理自身はどう思っておられるのか。「なにか苦しい」と思いながら必死で頑張ってきた人間からすると、これでいいのかという思いが出てくると思う。要職にあって非常に忙しいなかにあっても、その市民の声をもっと近くで聞いてもらいたいという思いが有権者にはあるのではないか。もっと生活に密着した人間が一人一人の声を聞いて国政に繋げていかなければいけないと思う。

 

 ――地域の課題についての思いは。

 

 竹村 私は東京に13年いて、下関に来て10年になるが、のんびりしていて災害も少なく、住みやすいいい街だ。4年半サラリーマンをやり、経営者になって5年目になる。経営者としての自分の経営の仕方の問題もあるだろうが、なかなかステップアップできず、現状維持が精一杯の状況だ。それは私だけではない。ちょっとでも生活を楽にしたいという思いがあり、れいわ新選組の政策に惹かれて立候補したい思いが芽生えた。消費税廃止、奨学金チャラに加え、原発についてももっと議論していくべきだ。ただ密接に近くにいなければ解決する方向性も見えてこないはずだ。

 

 上関原発も、農漁業をされている方がTPPによる安い外国産物の流入で立ちゆかなくなることも、日本全体にとってよいことなのか。その声を誰が拾い、誰が国会に届け、解決していくのか。山本代表が各地で重ねているおしゃべり会の内容を聞く度に、やはり変えていかなければ前に進まない、このままでは日本がなくなるのではないかという思いに駆られる。

 

 4区全体を見ても問題は山積みだが、苦しい状況を変えていくために身近な人々の声に向き合って、話をしながら解決策を求めていきたい。

 

 ――上関原発計画については。

 

 竹村 デイサービスには祝島出身の方も来られる。「非常に困っている。親戚同士も分断している」と。1982年に上関原発の計画がもちあがり、よいことをいって住民の方を巻き込み、賛成された方もいれば、反対された方もあり、親戚同士でも口を利かなくなったという話も聞く。地元に帰っても原発の話は一切せず、食事をして帰ってくるという話も聞く。そんな状況を聞くだけでも、原発はどう考えてもない方がいいに決まっている。一番身近な祝島の方のことを考えるなら、原発はない方がいい。いろんなところを回って話をし、解決策を見出したい。

 

 ――人口減少などの大きな課題にどのように向かっていくか。

 

 竹村 少子高齢化といわれ、下関市の中心地でも小学校が合併されたり、一学年一クラスしかないということも聞く。私は戦後の第二次ベビーブームのなかで日本が経済成長する時代に生まれ育った。私にも息子が一人いるが、若い世代の生活は以前にも増して苦しくなっている。生きていくのがやっとであり、この生活の苦しさを解決せずに少子化問題は解決しない。現状をまず受け止めて、ここからなにを変えていけば生活が豊かになるかを考えるなら、消費税を廃止して落ち込んだ景気を上向かせることによって解決策が出てくるのではないかと思う。

 

 街だけはきれいになり、外国人客はみんな「きれいな国で日本はいいね。物価も安いし」といわれるが、実際の生活は苦しく、新型コロナで観光客数も減り、大打撃を受けている。少しでも経済を回して、みんなが生きていてよかったと思える暮らしやすい社会を実現したい。

 

 ――プロレスラーの経験をどう生かすか。

 

 竹村 プロレスは勝ち負けもあるが、やられてもやられても立ち上がって、這い上がって「負けてないよ。これだけ鍛えているから、どれだけ打ってきてもいいんだよ」というほどの広い心をもったスポーツだ。どうぞ鍛えているところを打ってきなさい。どれだけでもやってこい。それでも立ち上がって勝つんだよと、這い上がるスポーツだ。

 

 みんなに喜んでもらい、勇気を与えることができ、逆にみなさんから「頑張ってね」と声を掛けられると選手も勇気をもらう。そのくり返しだ。自分がみなさんに勇気を与えられる人間になることを目指して、みんなが「生きていてよかった」と思えるような政治の実現に繋げたい。

 

 【主な経歴】 1972年、京都府城陽市出身。大阪芸術大学芸術学部写真学科中退。スポーツジムインストラクタ17年。プロレスラー12年。デイサービス管理者4年半。現在、下関市で通所介護事業所経営。去年2月にプロレスラーに復帰(3月20日の試合を最後に引退予定)。

 

ポスター貼り行動をする竹村かつし氏

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この記事へのコメント

  1. 京都のジロー says:

    山本太郎代表は新人候補が勝利する秘訣は、選挙区内に最低1万枚のポスターを貼ることからだと
    運転しながら話していました。人が良い、優しい、真面目だけでは勝てません。
    候補の必死さに周囲が巻き込まれるのです。毎朝、毎夕、地元でビラ配り、日々の積み重ねです。
    必ず当選していただきたいです。

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