オリックスが3000㎾×49基を計画
高知県の四万十ふるさとの自然を守る会(佐藤さや代表)は9月18日、オリックス(東京)が同県高岡郡四万十町と四万十市の境の尾根筋に計画中の大規模風力発電について、計画の中止をオリックスに申し入れるよう求める要望書を四万十町の中尾町長に提出した。あわせてこの2カ月半で集まった反対署名9093筆も提出した。
この計画は高さ120㍍、3000㌔㍗級の風車を最大49基建設するもので、オリックスは2026年建設予定としている。
守る会はこれまでの署名運動のなかで、以下のことを訴えてきた。
①巨大風力発電は日本の原風景ともいえる四万十の美しい山・川・海、田畑の景観を破壊するとともに、絶滅危惧種のヤイロチョウやクマタカが生息する豊かな自然を破壊する。
②建設工事によって一基当り50㍍×50㍍を平地化するとともに、道幅5㍍の林道をつくることによって、13町分の範囲の木を伐採し山を削るため、土砂災害の危険が生まれる。また、川や海への土砂流出による林業や漁業への影響が大きい。四万十川のアユは全国区の知名度がある。
③風車の低周波音・超低周波音による頭痛やめまい、不眠などの健康被害を引き起こす可能性が大きい。発症しても因果関係が証明できず、転居するしかない。計画では風車から一番近い民家までは500㍍しかない。
④巨大風力発電は町がとりくむ移住・定住促進施策に真っ向から反する行為である。愛媛県では風力発電がつくられた地域で、Iターン・Uターンともに減り、集落消滅の危機にさらされているところがある。
守る会に参加している四万十町の若手農業者は、次のように語っている。「私は福島県飯舘村で有機農業の研修を受け、福島県に就農する予定にしていた。ところがその直前に3・11大震災と福島原発事故が起こって断念した。そしてようやく高知県で農業を始めたと思ったら、今度は大規模風力発電の計画が持ち上がった。それを知ったのは今年の夏前だ。オリックスは大手スポンサーなので、風車の低周波被害について大手新聞は書けないということも聞いた。各地で反対している人たちともつながって本当のことを知らせ、是非とも計画をストップさせたい」。